RISE 1822024年10月20日(日)東京・後楽園ホール
▼メインイベント(第12試合)RISEフェザー級(-57.5kg)タイトルマッチ 3分5R無制限延長R×門口佳佑(EX ARES/王者)判定0-3 ※47-48、47-49、46-49〇安本晴翔(橋本道場/挑戦者・同級2位)※安本が第6代王座に就く。門口は2度目の防衛に失敗。
RISEフェザー級タイトルマッチで、王者・門口が同級2位・安本の挑戦を受けて2度目の防衛戦に臨む。
門口は『ABEMA』で行われた企画『VS 那須川天心』でトーナメントを勝ち上がり那須川天心と対戦したことで名をはせた空手出身の選手。その後、RISEで2018年7月にプロデビューすると、攻撃力の高さを活かして9戦無敗(1引き分け)を誇っていたが、2020年12月のフェザー級王座次期挑戦者決定戦で竹内将生に敗れ、挑戦権を逃した。
2022年8月のRISEフェザー級タイトルマッチに臨むと梅井泰成から2度のダウンを奪い王座を奪取。12月にはSBの山田彪太朗と好勝負を演じて2度のダウンを奪っての判定勝ち、2023年3月には元Krush王者の新美貴士にも判定勝ち、7月にSBの川上叶を判定で破ると10月もSBの魁斗に勝利して初防衛に成功した。しかし3月、K-1との対抗戦で軍司泰斗に延長戦で敗れ6連勝がストップ。戦績は15勝(2KO)3敗1分。
安本は少年時代からアマチュアで150戦以上を経験し、24冠王に輝くなど活躍。2016年6月に16歳でプロデビューを果たすと、6戦目でREBELS-MUAYTHAIスーパーフライ級王座、2018年12月にはINNOVATIONスーパーバンタム級王座、2019年2月にシュートボクシングのリングで迎えた14戦目で初黒星を喫したが、6月にKNOCK OUT-REDフェザー級王座、2021年9月にWBCムエタイ日本統一フェザー級王座も獲得。
2022年7月からはRISEに参戦し、12月にSBとの対抗戦で川上叶に敗れるも2023年3月のK-1との対抗戦では斗麗に勝利。8月にSBの魁斗に敗れ、11月の再起戦で澤谷大樹を判定で破ると、2024年2月には梅井泰成に判定勝ち。5月の『ONE Friday Fights 62』に初参戦し、テミルラン・ベクムルザエフから判定勝ち。しかし、7月の2度目の出場ではアキフ・グルザダに判定負けを喫した。戦績は31勝(15KO)4敗2分1無効試合。
1R、左右に構えを変えて前に出る門口に安本は蹴りを中心に対抗。相手の様子を見ながら前へ出る門口だったが、安本が下がりながら放った左フックからの右ストレートで大きくグラつく。すかさずラッシュをかける安本に門口はピンチに陥ったが、ローで体勢を立て直した。オープンスコアは10-9×3で安本。
2R、勢いに乗る安本が左ミドル、左ロー、門口が前へ出てくると左ストレートで迎え撃つ、左右フックにヒザを叩き込む。門口はそれでも前へ出て右カーフ。安本は左フックからのヒザ。門口はガードをしっかり固め、安本が蹴ってくると必ずローかカーフを蹴り返すようになる。安本のパンチをもらっても前へ出る門口。インローがローブローとなって安本にインターバルが与えられる。左右連打からヒザを突き上げる安本に、門口はガードを固めて右カーフを返した。OPスコアは10-9でこのラウンドも安本。
3R、ローを蹴るところを安本に右を合わせられる門口だが、再びガードを固めて前へ出て右カーフと左ローを蹴る。至近距離でパンチの打ち合いは安本が左フックを当ててヒザを突き上げる。前へ出て左ボディ、左ローを蹴る門口の左ハイキックがヒットすると安本が大きく崩れる。すかさず前へ出て連打する門口。右アッパーを突き上げる門口に安本は連打を返す。安本の右ハイに門口も左ハイ。“来いよ”と手招きする門口に安本はストレート4連打を見舞う。OPスコアは10-9×3で門口。
4R、両軍の応援団が異様な盛り上がりを見せる中、ゴング。右ローとm着いストレートの安本に、身体を沈める変則的な動きからアッパー、フック、左ローを蹴る門口。安本のパンチを被弾しても決して下がらない門口は左ローを蹴り、左右に構えを変えてフックを打って行く。門口の左ボディと右ローに安本は右ストレートとヒザ。至近距離で激しく攻撃を交わす両者。打ち合いになっても両者一歩も退かない。密着したような状態で門口が左右フックを連打。
5R、安本は右ストレートと左ミドル、ステップを踏んで動く。門口は前へ出て左右のパンチを振っていくが、安本がリーチの差を活かして当てては離れ、当ててはクリンチ。門口は両手を広げて打ち合いをアピールし、左右のパンチを繰り出して前へ出る。安本もこれに応えて右ストレートとヒザ。左ミドルと前蹴りの安本に門口が殴りかかっていき、安本も左右フックを打つ。至近距離で左右フックで打ち合う中、試合終了のゴングが鳴った。
判定は3-0で安本が勝利。安本は判定の瞬間嬉しさからその場に崩れ落ち、門口は新王者を笑顔で称えた。
ベルトを巻いた安本は「しゃーっ!」と雄叫びをあげ、「2年前にRISEに参戦して、もうここまでずっとベルトが欲しくて頑張ってきました。本当にめちゃくちゃ今嬉しいです。RISEあってこのフェザー級のベルトだと思うので、門口選手の分も強くなって、世界に通用する選手になります。あと幸楽苑さん、僕のスポンサーになってください」と誤字事件で話題となった中華料理チェーンの幸楽苑にアピールした。 試合後、安本は「マジで嬉しかったです。今まで生きてきた中で一番嬉しいくらいの。試合が発表されてから毎日練習して、面白いこともなく色のない世界の毎日を送っていたので、ここでやっと世界に色が付き始めましたね。本当に思ったんですよ、金曜日くらいに何も美味しいものも食べられない、つらい、何も楽しくない、つまらないなって。何も面白くない世界から、何をやっても面白い世界に来たって感じです」と詩人なコメントで喜びを語った。
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▼セミファイナル(第11試合)SuperFight! フライ級(-52kg)3分3R延長1R〇小林愛理奈(FASCINATE FIGHT TEAM/第3代ミニフライ級王者)判定3-0 ※30-28、30-27×2×ビョン・ボギョン(韓国/MUYEMARU/KTK-52kg級王者)
小林はフルコンタクト空手出身で強烈なパンチを武器に持つ。正道会館第38回全日本空手道選手権大会2019軽量級優勝など主に関西圏の大会で多くのタイトルを獲得してきた。RISEでは奥脇奈々、平岡琴、百花、祥子JSKらを次々と撃破するも、2022年5月に3度目の対決となったRISE QUEENアトム級王者・宮﨑小雪とのタイトルマッチで敗れた。12勝(4KO)3敗1分の3敗はいずれも宮﨑に付けられたもの。
12月には女子初のオープンフィンガーグローブマッチに臨み平岡を返り討ちにすると、2023年2月にはSB日本女子アトム級王者MISAKIからダウンを奪って勝利、8月には花田麻衣に判定勝ちすると、11月にRISE QUEENミニフライ級タイトルマッチでerika(=名前の後ろにハートマーク)をKOで破り、王座を奪取した。2024年5月に小林愛三にOFGマッチで勝利し、現在破竹の7連勝中。今回は一階級上のフライ級に挑む。
ボギョンは2014年に来日して元J-GIRLSフライ級王者・松田玲奈と引き分けている。2022年12月には小林愛三と2度対戦経験のあるイ・ドギョンに勝利してKTK10 -52kg王座に就いた。2023年3月の来日では宮﨑小雪と対戦し、サイドキックやハイキックで粘ったが3RにKO負けを喫している。
1R、前に出る小林が飛び込んでの右フック、さらに左フックと左ボディ。動くボギョンは前蹴りとワンツー、右ミドル。ワンツー・左フック、左右ボディとアタックを続ける小林。左右ボディの連打でボギョンをコーナーへ追いつめ、優勢の場面を作る。
2R、いきなり左ボディをヒットさせる小林。右ボディからの左フックも。ボギョンは動いて右ミドル、小林はコーナーへ追いつめてボディからのい左右フックを狙う。小林の右フックには右フックを返すボギョン。左ボディからの左フックでボギョンをフラつかせる小林は、ボディを叩いて顔面へつなげる。小林のパンチから逃げるように離れていくボギョンへ、小林が右を2発。ボギョンは前蹴りで突き放す。
3R、小林が前へ出て左右ボディ。するとボギョンは後ろ廻し蹴り2連発を見せて場内を沸かせる。小林は左ボディ2連発からの右ストレートでボギョンに尻もちをつかせる。左右ボディ、左フック、右ストレートでボギョンを追いつめる小林。左ボディにボギョンは顔を歪める。小林の右ボディでボギョンの身体がくの字に。小林は左右フックをまとめるが、ボギョンはフラフラになりながらも立ち続ける。左右ボディ、右ストレート、右フックと小林が一方的にボギョンをサンドバッグにして終了。
判定3-0で小林が勝利も笑顔は無し。「KOしかマイクで言うことを考えていなかったので変な試合してすいません。次はテッサ選手とKOして言いたかったんですけれど、言い訳みたいですが52kgもうちょっと頑張らないといけないと課題が見つかりました。もうちょっと強くなって帰って来るので応援よろしくお願いします」と反省マイクをしたが、「KOして言いたかったんですけれど、しょうもない試合をした後は凄い試合が出来るのでテッサ選手との試合を組んでください」とRISE QUEENフライ級王者テッサ・デ・コムとの対戦をアピールした。 試合後、小林は「いつもみたいに効いたから行こうみたいなチャンスはあまりなくて、ボディが効いていたのが分かったけれど行けなくて。セコンドからは相手どうこうじゃなく自分の攻撃の仕方にアドバイスがありました。自分のパンチが悪すぎた。倒せないパンチしか当てれてなかった。いつもはいいところに当たるから拳が痛くなるんですけれど、痛くないので今日はヘタクソやなと思いました」と、ダウンをとれなかったのは自分に問題があったと話した。 大会終了後、伊藤隆RISE代表は「早急にテッサとの話を進めたい」とテッサ戦にGOサインを出した。
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▼第10試合 ミドル級(-70kg) 3分3R延長1R〇憂也(魁塾/同級3位、第2代DEEP☆KICK-65kg王者)判定3-0 ※30-28×3×宮城寛克(赤雲會/同級7位、元TENKAICHIミドル級王者)
憂也は2010年にK-1甲子園で準優勝、同年にDEEP☆KICKでプロデビューを果たすと、様々なリングで活躍。2013年12月には第2代DEEP☆KICK-65kg王者となった。RIZINには3度出場して、全てKO勝利。右ストレートに破壊力を持ち、3試合連続で初回KO勝ちを収めて臨んだ2020年12月の『RISE』では緑川からダウンを奪って延長戦で勝利を奪う番狂わせを起こした。2022年12月にはT-98をKOして5連勝。タイトル挑戦間近と見られていたが、2023年3月にモトヤスックに延長戦で敗れた。その後は5連勝で2024年3月の蛇鬼将矢戦、6月のシンパヤック戦と連続KO勝ち。戦績は34勝(17KO)14敗3分。
宮城は琉球空手をバックボーンに持ち、TENMAICHIの元ウェルター&ミドル級王者。“ブラックパンサー”ベイノア、緑川創には敗れたが吉野友規、蛇鬼将矢から勝利を収めている。2024年6月にペドロ・ゴメスをKOし、現在3連続KO勝ち中。戦績は14勝(7KO)10敗2分。
憂也は2010年にK-1甲子園で準優勝、同年にDEEP☆KICKでプロデビューを果たすと、様々なリングで活躍。2013年12月には第2代DEEP☆KICK-65kg王者となった。RIZINには3度出場して、全てKO勝利。右ストレートに破壊力を持ち、3試合連続で初回KO勝ちを収めて臨んだ2020年12月の『RISE』では緑川からダウンを奪って延長戦で勝利を奪う番狂わせを起こした。2022年12月にはT-98をKOして5連勝。タイトル挑戦間近と見られていたが、2023年3月にモトヤスックに延長戦で敗れた。その後は5連勝で2024年3月の蛇鬼将矢戦、6月のシンパヤック戦と連続KO勝ち。戦績は34勝(17KO)14敗3分。
宮城は琉球空手をバックボーンに持ち、TENMAICHIの元ウェルター&ミドル級王者。“ブラックパンサー”ベイノア、緑川創には敗れたが吉野友規、蛇鬼将矢から勝利を収めている。2024年6月にペドロ・ゴメスをKOし、現在3連続KO勝ち中。戦績は14勝(7KO)10敗2分。
1R、憂也はジャブと右カーフ、宮城も右カーフを蹴っていく。近付こうとする宮城をジャブで止める憂也が左ミドルで快音を響かせる。右アッパーからの右フックの憂也に宮城は右フック。憂也は右ボディも打つ。
2R、宮城が右ボディストレートからワンツー、憂也は左ミドルを蹴っていき、ジャブから右ボディ。憂也は左ミドル2連発から顔面前蹴りで宮城を大きくのけ反らす。突き刺すような長いジャブを伸ばしていく憂也。
3R、右フックと右ボディを当てていく憂也に宮城は大きな右フックを振り抜く。ジャブをしっかり当てていく憂也は右アッパーも宮城は前へ出てくる。憂也がバックハンドブローを当てて試合終了。
憂也が判定3-0で勝利した。憂也はマイクを持つと「感謝の言葉を言わせてください」と妻と娘、塾長、仲間、ファンにお礼を言うと「僕の前の試合で勝ったサモ・ペティ選手、もう1回日本に呼んでください。僕とやって勝った方が挑戦者決定でいいのではないでしょうか。チャンピオンの海人からベルトを奪取したいと思っているので応援よろしくお願いします」と、ペティとの挑戦者決定戦をアピールした。
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▼第9試合 ミドル級(-70kg) 3分3R延長1R×モトヤスック(治政館/同級2位、WMOインターナショナルスーパーウェルター級王者)延長R 判定0-3 ※9-10×3〇サモ・ペティ(スロベニア/Nak muay team/同級5位、FFC-70kg王者)※本戦の判定は28-30、29-29×2。
モトヤスックは2020年1月大会で同門の政斗と初代王座決定戦を争いジャパンキック認定ウェルター級王座に就いた。強烈な右ストレートと左フックを武器に、2022年9月のWMOインターナショナル・スーパーウェルター級王座決定戦でダーンチョンに2RでKO勝ち、11月にはシュートンに判定勝ち、2023年1月にネートパヤックに判定勝ち、3月には初参戦のRISEで憂也を延長戦で破り、7月には馬木樹里をKO、10月にはRISEでT-98にも勝利と連勝街道を驀進していたが、2024年4月の『RWS』でサジャド・ヴェナムムエタイにTKO負けで連勝はストップ。
ペティは2014年から2015年にかけ、日本で日菜太、城戸康裕、廣野祐といった当時の日本人トップ選手に全勝した“スロベニアの処刑人”。2022年8月のRISE大阪大会に約7年ぶりの来日を果たし、海人と対戦するとパワフルな左右フックで海人を苦しめた。試合は延長戦の末に海人が勝利したが、両者納得いかず2023年6月にSBで再戦。5Rを戦い抜いたが判定負け。FFC-70kg級&77kg級王者。
1R、ペティは強い右カーフを蹴り、右ボディを打つ。モトヤスックはそのボディに左フックを合わせ、左インローを蹴る。ペティは機を見て強打と蹴りのコンビネーションを繰り出す。モトヤスックは右ミドル、ペティはすぐに前蹴り、ワンツーから右ハイ。右カーフも蹴っていく。前蹴りからワンツーで前へ出るペティは左ミドルも強打。かなりのパワー差が感じられる。
2R、ペティは左右の強打と前蹴り、モトヤスックのガードの隙間から左アッパーも突き上げる。ミドルの蹴り合いからペティはワンツー、モトヤスックは鼻血と顔の傷が見られる。ペティが攻め込むがモトヤスックはブロック。それでも印象はペティだ。
3R、モトヤスックが前へ出てワンツー・左フックを打って行くとペティも猛然と反撃。身体を左右に振るような左右フック。ペティは前蹴りもいいタイミングで放つ。モトヤスックはペティの強打をブロックはしているが、返すことが出来ない。ペティのダイナミックな技にどよめきが起こり、モトヤスックは右フックを打つがペティがワンキャッチからのヒザ。右フックで勝負をかけるモトヤスック。ペティが余裕を出してバックハンドブローを出したところで、モトヤスックが右フックをクリーンヒット。
下がるペティにモトヤスックが左右フックを連打し、右フックでペティに片ヒザと片手をマットに着かせるがレフェリーはダウンを取らず。KO寸前まで追いつめた元やスックがドローに持ち込んだ。
延長R、ペティはワンツー、前蹴りで前へ出る。は叩きつける右フックと右ミドル。この右ミドルが次々と決まるが、ペティは前蹴り、左ボディ。モトヤスックは左フックのダブル。ペティはミドルと前蹴りを蹴り続け、顔面へも前蹴りを決める。ペティが左フックからのヒザ。モトヤスックはブロックしての左フックに懸けるが、ペティの手数が多くパワーにも押された。
延長戦の判定は3-0でペティの勝利。モトヤスックは幻のダウンを奪ってあと一歩まで追い込んだが、世界の壁に阻まれた。
ペティはマイクを持つと「こんにちわ、日本。大好きです。日本でたくさん戦ってきました。今日勝つことが出来てよかったです。対戦相手もタフな相手でタフな試合になりましたが、勝つことが出来てよかったです」と語った。
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第8試合終了後、AKARI(TARGET)の引退セレモニーが行われた。
宮﨑若菜、菅原勇介TARGET代表、師匠の神村エリカ、伊藤隆RISE代表から花束を受け取ったAKARIは「こんな引退式をさせてもらうような選手でもないのにかかわらず、本当にありがとうございます。私は10年格闘技をしてきてプロになって、結果を残せていないけれどもファンが応援してくださったり、辛いときもいい時も同じ気持ちを共有できたことが私の人生の中で大きな宝物になっています。自慢になれるような選手ではなかったかもしれないけれど、応援してくれたのが嬉しかったです」と関係者やファンへお礼の言葉。
「私がRISEのリングに憧れたのはエリカ先生に憧れたからです。エリカ先生のような選手にはなれなかったけれど、練習して試合に臨んだのが楽しかったです。初めて自分が夢中になれることが出来て、ここまで頑張ってこれたのは皆さんがいたからです。ありがとうございました」と話すと、10カウントゴングを聞いてリングに別れを告げた。
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▼第8試合 ウェルター級(-67.5kg)3分3R延長1R〇實方拓海(TSK japan/同級1位)KO 3R 2分55秒 ※左フック×石川泰市(Ten Clover Gym/同級5位)
實方は日本タイトルを4冠持つベルトコレクターで、ヒジ有りでの実績は折り紙付き。RISEでは2020年11月の次期挑戦者決定戦でタップロンをダウンさせて判定勝ちし、2021年1月にはRISEスーパーライト級王者・山田洸誓に挑戦したが、判定で敗れた。2023年3月にはRISEのメンバーとしてK-1との対抗戦に出陣し、寧仁太・アリに判定で敗れたが、6月には『KROSS×OVER 』に出場して森本一陽に初回KO勝ち。7月のRISEで稲井良弥に延長戦の末に惜敗したが、その後は4連勝中。9月8日にペトル・モラリから勝利したばかりで、早くも次の試合に臨む。戦績は26勝(5KO)10敗2分。
石川は「Stand Up King of Rookie 2022」-67.5kg級優勝で、2023年5月からRISEに参戦。都木航佑、中島将志に連勝したが稲井良弥にKO負け。2024年4月に『静岡KICK』でウェズリー・ペレイラに判定勝ち。5月にはねぎ魔神に延長戦で勝利した戦績は7勝(2KO)2敗1分1無効試合。
1R、サウスポーの實方は右カーフと左ミドル、實方がジャブを打つと石川は全身で打つような右ストレート。接近すると實方は鋭い左ヒザ、離れると左の三日月。
2R、石川が右ミドルから右ストレート、實方も左ミドルからの左ストレートを返す。強い右の一発を狙っていく石川に、實方は左の三日月、近付いてくるとヒザ、右カーフ。ついに石川の右ストレートが實方を捉え、大きくのけ反る。實方はその右を空振りさせての左ストレートをリターン。パンチをダッキングさせておいてヒザを顔面に突き上げる。
3R、石川は右ミドルから左前蹴りを荒々しく蹴り、左右のパンチを振り回す。實方はそれをかわしての左ストレート、右のジャブ。石川のワンツーにすぐ實方がワンツーを返し、ヒザを突き刺す。實方が左ストレート2連打でダウンを奪い、立ち上がった石川は左右のパンcf比を振り回すが實方が左ハイ。ワンキャッチのヒザ、左ストレートと追い込んでいく實方は、打ち合いの中で右フックをヒットさせてダウンを追加。倒れ方を見てレフェリーがストップした。
實方はセコンドの城戸康裕と抱き合って勝利を喜んだ。
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▼第7試合 ライト級(-63kg) 3分3R延長1R×琢磨(OFA/第6代Bigbangスーパーライト級王者)判定1-2 ※30-29、28-30×2〇TAKU(TARGET/同級4位、Stand up King of Rookie 2023 -63kg級優勝)
琢磨はパンチが武器で、2017年2月にNJKFフェザー級王座を獲得。同年11月にはWBCムエタイ日本王座にも就いて二冠王となったが、2019年2月に葵拳士郎に敗れて王座を失った。2021年2月にはレジェンドの国崇を右ストレートでKO。様々な団体に出場。2023年9月の王座決定戦で加藤港を破りBigbangスーパーライト級王座に就いた。2024年6月にはポッシブルKに勝利して初防衛に成功している。
TAKUはStand up King of Rookie 2023 -63kg級優勝、JAPAN CUP 2022 -65kg級準優勝で2022年10月のプロデビュー戦から8勝(6KO)無敗のホープ。今回は他団体のタイトルホルダーであり、キャリアでも大きな差のある琢磨へのチャレンジマッチとなった。
1R、右ローを蹴っていく琢磨にTAKUはボディへのワンツー。TAKUは右ボディストレートからの左フック、琢磨はよく見て右ストレートを返す。右を的確に当てていく琢磨は、TAKUが攻撃するともらいっぱなしにならずコンビネーションで返していく。よく見ている琢磨は寸前のところでTAKUのパンチをかわす。
2R、TAKUの左フックがクリーンヒットし、一瞬腰を落とす琢磨。ロープを背負って体勢を立て直すと右ボディからの右フック、TAKUの打ち終わりを狙っての右。右の相打ちからTAKUが左フック。左手で相手の顔を抑えるようにしてから攻撃する変則ファイトにTAKUはもう一歩攻め込めない状態が続く。
3R、右をコツコツ当てていく琢磨に前へ出てワンツーを打って行くTAKU。琢磨の左手を出して戻さずに細かく刻んで打つジャブに止められるTAKUだが、右フックを強打。琢磨の右一発に対してTAKUは右ストレートからの左フック。前へ出てジャブ、雨蹴りと攻めるTAKUに琢磨が右ストレートをヒットさせる。前へ出て攻める手数のTAKU、右の一発を当てる琢磨。最後はTAKUが左右をヒットさせた。
判定は2-1と割れ、手数と前へ出続けたTAKUに凱歌があがった。
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▼第6試合 フェザー級(-57.5kg)契約 3分3R延長1R〇白石 舜(TEAM TEPPEN/同級10位、2017年KAMINARIMON全日本トーナメント-60kg級優勝)判定3-0 ※29-26、29-25×2×竹内賢一(TenCloverGym世田谷/第4代Bigbangフェザー級王者)
白石は2022年3月にプロデビュー。宮崎就斗、戸井田大輝に連敗中。戦績は4勝(2KO)3敗。
竹内は30勝13敗2分のキャリアを持ち、Bigbangフェザー級王座、S-BATTLE KICKフェザー級王座を獲得。現在2連勝中。戦績は30勝13敗2分。
1R、白石は鋭いジャブ、踏み込んでの右ロー。前に出る竹内だがジャブで先手をとられる。竹内の左に白石が右クロス、動きが止まった竹内に左フックを打ってダウwの奪う。しかし、立ち上がった竹内は一気にラッシュをかけて白石にロープを背負わせる。竹内の捨て身の攻撃にあわやの場面もあった白石だが、ジャブを突いて右カーフ。
2Rも前へ出て攻めていく竹内だが、白石がワンツーでダウンを追加。ジャブを突き続ける白石は左フック。白石の右フックが連続ヒットも竹内は下がらず打ち合いに行き、そこへ白石の右フックがヒットして2度目のダウン。白石が左フック連打で追いつめるが竹内はガードを固めて右を打ち返す。竹内は前へ出て左右ボディの連打で白石をコーナーに詰める。竹内のガッツに場内は大歓声。
3R、竹内は左ボディ、右フック。前へ出て攻める竹内の攻撃が決まるたびに歓声が沸き起こり、逆転の期待が高まるが白石も左フックで反撃。そこへ竹内がヒザをアゴへ突き上げる。白石の左フックを連続被弾しても下がらず打ち合いに行く竹内。白石の右カウンターにも下がらず打ちに行く。竹内がワンツー、ヒザ、左ボディの猛攻を見せるが白石も食い下がった。
観客を沸かせた竹内だが、合計3度のダウンを奪った白石が大差の判定で勝利を収めた
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▼第5試合 スーパーフェザー級(-60kg)3分3R〇髙橋 亮(TRIANGLE/第8代NKBバンタム級王者)判定3-0 ※29-28×2、30-28×井上竜太(習志野ジム)
髙橋は“髙橋三兄弟”の次男で、2019年6月にホームのNKBでバンタム級に続いてフェザー級のタイトルも奪い、2階級制覇に成功。2020年は「ジャパンシフトランド杯59kgトーナメント」で決勝へ進出したが、村田裕俊に延長戦で敗れて優勝を逃した。2021年5月の「RIZIN KICKワンナイトトーナメント」では1回戦で白鳥大珠に敗れ、2022年3月には大雅とドロー。大怪我から復帰した2024年4月、漢気トーナメントの1回戦でパヌワットに初回KO負けを喫した。
井上は元K-1で活躍したプライチュンポンのチームに所属。2024年2月、櫻井健を左ハイキックで3RにKO勝ちした。
1R、サウスポーの高橋が左ミドルをバンバンと蹴っていき、井上も右ローと右インロー。蹴りとワンツーを使い分ける高橋。井上は前に出て右ミドルからパンチを打つが、高橋が上手くかわして右フック、左ストレートを入れる。高橋は左ローを2発蹴っておいて左ストレート。さらに左ローを蹴る。
2R、右ミドルからパンチにつなぐ井上に、高橋は左ローを蹴って近付くとヒザ。互いにミドルを当て合い、パンチも被弾する。高橋が左ストレートからの右フック、井上は左フック。左の三日月を蹴る高橋は左ハイを蹴ってもう一度三日月。井上はすぐに右ミドルを蹴り返して一歩も退かない。
3R、高橋が左の強打を当てても井上は退かずに打ち返す。左ボディ、ヒザ、左ミドルと上手く当てる高橋に荒々しくも前へ出て攻撃をヒットさせていく井上。右ミドルからのバックハンドブローも繰り出す。高橋は左ミドル、左ローで距離を取っての左ストレート。井上がラスト10秒で打ち合いに行き、高橋も打ち合う。
判定3-0で高橋に凱歌が上がったが、井上の健闘も光った。
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▼第4試合 バンタム級(-55kg)3分3R〇夏目竜雅(TRY HARD GYM)判定3-0 ※30-27×2、30-26×松永 隆(新宿レフティージム)
1R、サウスポーの松永が追い、夏目が左へ回り込んでいく展開。攻め込んでいく松永だが、夏目がいきなり飛びヒザを発射してダウンを奪う。さらに左フック、飛びヒザ、左ボディで攻め込む夏目に松永はパンチで応戦するが、夏目は右ハイキックを強襲。両者勢いで倒れ込む。
2R、前に出る松永は左右フックとヒザも、夏目は思い切り右フックを振ってくる。右の三日月蹴りも突き刺していき、右フックを当てる。夏目の右ストレートで松永は左目の上をカット。ドクターチェック後、前に出る松永に夏目は下がりながらも左フックを当てる。
3R、前に出てパンチで追いかけまわす形となった松永だが、夏目は下がりながらも強打、いきなり前へ出ての飛びヒザとパワフルな技を繰り出す。手数は松永の方が出てるが、夏目の一発一発のインパクトが強い。強烈な右を松永の右ミドルに合わせ、さらにボディも打つ。
判定3-0で夏目が初黒星からの再起の勝利をあげた。
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▼第3試合 フライ級(-49kg)3分3R△岩永唯伽(OISHI GYM)ドロー 判定0-0 ※29-29×3△夢空(Croire)
当初、夢空は本田ななか(TRY HARD GYM)との対戦が決まっていたが、本田が減量による体調不良。代わって岩永が名乗りを上げ、フライ級契約で試合が行われることになった。
1R、サウスポーの夢空は右へ回り込む。ジャブを突く夢空に岩永は横蹴りで吹っ飛ばす。夢空は接近して左側から左フック、左ボディ。岩永のスピードあるサイドキックに場内からどよめきが起こるが、夢空は接近して蹴りの距離を潰し、左フックを打つ。岩永はヒザで対抗。岩永のヒザに夢空はパンチの回転力で勝負し、左右フックを接近戦で回転させる。
2R、いきなりサイドキックを放つ岩永。さらにサイドキックで夢空を下がらせて場内をどよめかせるが、夢空は距離を潰しての左右フックで勝負。左右ローとアッパーも打つ。岩永はワンキャッチからのヒザ。夢空は急こしらえの岩永に左右ボディを連打していく。サイドキックを連発し、ワンキャッチからのヒザを見舞う岩永に夢空も組んだ状態でのヒザ蹴りとローを連打。
3R、サイドキックからのヒザ蹴りで躍動感のある動きを見せる岩永に、夢空はローキックで応戦。クリンチ状態でローキックを連打する。さらにヒザ。かなり疲労が見える岩永のボディを攻める夢空。組んだ状態からのロー、ヒザも。スタミナ切れの岩永に夢空がパンチで襲い掛かる。そこで岩永が顔面へのヒザを直撃、大きくのけ反って倒れかかる夢空だがロープが救った。
判定は0-0で両者痛み分けとなった。
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▼第2試合 ライト級(-63kg)3分3R△武 裕太(誠真会館所沢道場)ドロー 判定1-0 ※29-28、28-28×2△鳰 翼(KSR GYM)
1R、鳰はサウスポーから左ミドル、武のジャブに右フックを合わせに行く。打ちに行った鳰だが、バックハンドブローを空振りさせられ武の右ストレートでスリップ気味のダウン。武の左インローがローブローとなって試合は中断に。再開後、打ち合いに行く鳰。
2R、武のワンツーに鳰は左ストレートを返す。再び左ストレートをヒットさせる鳰。1Rとは違って落ち着いた様子で左ボディを打つ。武も待ちの姿勢となって両者見合い。鳰の左ストレートで武がコーナーまで後退し、鳰はラッシュをかけて武は鼻血を出す。武の左フックをかわしての右フック、身体ごといくような左ストレートを強打した。
3R、鳰は右フック空振りからの左フックまたは左ミドルで攻め込む。武も右ストレートで応戦。再び見合いとなる。鳰は二段蹴り、左フックを繰り出すが大振り。武はジャブで逃げ切り体勢に入る。前に出る鳰に武が左右フック、鳰は大振りで空振りが続く。
鳰が追い上げた形でドローとなった。
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▼第1試合 スーパーフェザー級(-60kg) 3分3R×堀佑太郎(IDEAL GYM)TKO 2R 2分41秒 ※セコンドからのタオル投入〇髙岩 拓(TRY HARD GYM)
1R、互いにジャブ&ロー。先に距離感をつかんだのは高岩か、右ローを当てる。それに堀が一気に距離を詰めての連打からヒザ。右の蹴りを上中下に蹴り分ける高岩に、堀は連打から蹴りのコンビネーションで対抗。堀の後ろ蹴りに高岩は右ミドル。右フックで前に出る高岩。掘はロープを背負うも左ストレートを入れる。ハイスピードな試合展開に。
2R、右ミドルと右カーフの高岩に堀はヒザ蹴りから右ミドル。左フックから右フックをヒットさせた堀に高岩は打ち合いを挑んだが逆に左フックを連続ヒットさせられる。高岩のパンチをかわして右ストレート、ヒザを突き上げる。堀の流れになったかのように想えたが、左フックを出した堀に高岩が右フックを合わせてダウンを奪う。
再開後、前に出た高岩が右ストレートを打ち込んで2度目のダウンを追加。堀のセコンドからタオルが投入させ、高岩のTKO勝ちとなった。