2024年10月19日(土)神奈川・横浜BUNTAI『JAPAN MARTIAL ARTS EXPO PROLOGUE』(U-NEXT配信)の前日記者会見が、18日(金)神奈川県内にて行われた。
前日に行われた個別インタビューを欠席した城戸康裕(キックボクシング/谷山ジム)は、中国から前日夜に帰国。会見に出席した。巌流島ルール無差別級3分3Rで元大相撲の前頭3枚目・照強(相撲)と対戦する。
体重差は約30kg、押し出しや寝技(15秒以内)がある不利なルールの試合をなぜ受けたのかと聞くと「お金です」ときっぱり。「マジでそれ以外の何物でもないです。もうひとつ言えるのは、皇治くんが『お祭りだから』と。そんな感じで稼ぎに来ました(笑)」と答える。
試合のオファーを受けたのはなんと6日前。さらに中国から帰ってきたばかりという状況は「来月に中国で試合があるので、その記者会見に行く予定が最初からあったんですよ。マジで調整何もできてないし。なんなら普通の試合の1カ月前に『よし、これから練習を始めるか』って感じで明日試合に出る感じですね。身体を見てもらえれば分かると思います。全然いつもと違うなって」と、1カ月後の中国での試合へ向けて練習を開始するようなタイミングだったという。
それでも試合を受けたのは勝算があるからではないのか、と問われると「もちろん、もちろん」と城戸。
「どうやったって勝てない、例えば会見で隣にいた南アフリカ人、あんなの100%勝てないじゃないですか。サッタリとかもやろうとも思わないし。唯一いいなと思ったのは身長差があること。体重差が30~40kgあるけれど、身長が俺よりも12~13cm小さいところがだいぶ勝機があるかなと。
それこそオープニングファイトに朝太って選手が出るんですけれど背格好が相手と似ているんですよ。朝太は俺のこと触れられないので。練習に来たらいつもボコボコにしている。ローだ、腹だ、ハイキックだ、顔面ヒザだと、サンドバッグかなと思うくらい全部入るので。多分、キックボクシングの暦でいったら朝太の方がやってると思うし」と、勝てる自信があるから受けたとした。
「もちろん大相撲で成功しているのはハンパないリスペクトをこっちは持っているし、凄いなって思うからその怖さはありますね。アスリートとして。その怖さはあるけれど、ぶっちゃけどうなるか分からない。ロープがないリングで逃げ回ることはしたことないし、場外もありでしょう」と、ぶっつけ本番の怖さはあるという。
「でもマジな話、寝技で倒されてパウンドやられようが、押し出されようが、全く傷つかないでしょう。今までの戦績とか。俺のプロモーションに何も傷は付かない。バスケット選手とフリースロー対決するようなものだから。逆に勝てば凄いし。美味しいかなと思って。ノーリスクハイリターンなんですよ」と、通常の試合より緊張感はないと笑う。
「でもリスクと言うなら、パンチで倒れるのはヤバい。これは何やってるんだと言われる可能性がある。でも例えばパンチで倒れても『さすがヘビー級だ』と。『ヘビー級のパンチはレベルが違うわ。やっぱり俺は70kg級の選手だ』と言えばいい話で。そこまで考えてあります(笑)。全部逃げ道のある戦いだなと思ったんですよ」と、すでに言い訳も完璧。
イメージする試合展開は「鬼ごっこかなと。向こうは捕まえたいし、こっちは捕まりたくないし。でも俺は足が速いので捕まらないですよ。逃げ足には自信がある。向こうのスタミナ切れ待ちですね。相撲って10秒、20秒の世界じゃないですか。こっちは3分3R=9分、540秒動き回る戦いに慣れているわけで。相撲で540秒戦うことなんてまずないじゃないですか。僕らは丸々動くし足使うし、そこにはアドバンテージがあるのかなとは思います。明日は鬼ごっこ。もちろん、向こうが鬼」と、逃げ回ると宣言した。
しかし、ただ逃げるだけではない。「ガオグライvs.マイティ・モーの再来です。あの試合みたいな感じの試合を見せたいなと。俺もあの試合は見てましたからね」と、2004年12月のK-1 WORLD GP 2004 決勝トーナメントでガオグライが体重差53kgのマイティ・モーをハイキックでKOした試合を再現したいと語った。