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【ビッグバン】谷山俊樹が引退会見、K-1やBigbangで活躍「もしかしたら死ぬ可能性もある」と言われたことも。来年からはプロモーターに

2024/10/12 13:10
【ビッグバン】谷山俊樹が引退会見、K-1やBigbangで活躍「もしかしたら死ぬ可能性もある」と言われたことも。来年からはプロモーターに

父でもあるBigbangプロモーターの谷山歳於会長(右)と谷山俊樹(C)Bigbang

 K-1グループやBigbangのリングで活躍したWKA&WBKF世界スーパー・ライト級王者など四冠王の谷山俊樹(谷山ジム)が引退会見を行い、2025年3月9日(日)東京・後楽園ホールで開催される『Bigbang51』からBigbangプロデューサーに就任することが発表された。


 会見に出席した谷山は「大学1年生の時に全日本学生チャンピオンになり、その後プロデビューして、47戦してきました。今までにたくさんの団体、たくさんの会場で試合をさせていただき、ありがとうございました。この16年間、たくさんの方が応援してくれたり、スポンサー様のおかげで選手一本で戦うことができて、プロアスリートとして長年過ごすことができて本当に感謝しかありません。そして家族や周りの方々に本当に感謝しかありません。


 隣にいる谷山(歳於)会長には、本当にいろいろ苦労をかけたと思いますし、僕はやっぱり自分一人じゃ努力してもできないぐらい会長が追い込んでくれたので、気持ちもフィジカルも強くなれたと思います。僕が試合で殴られている時は、きっと僕以上に心が痛かったと思うんですけど、そういうのも耐えて会長も一緒に戦ってくれたと思います。本当に感謝しかありません」と感謝の意を述べる。


 2023年12月3日『Super Bigbang 2023』でのナロンチャイ・ファンパサー戦(谷山が3RKO勝ち)がラストマッチとなった谷山は、引退理由については「現役中は対戦相手に知られる可能性があったので、なかなか言えなかったんですけど、パンチをもらって両目は眼窩底骨折したことで両目の底にチタンを埋め込んでいる状況で試合をしていました。チタンは骨とは違って折れないので、医師からは『今後、同じようにパンチをもらったら、チタンが脳に突き刺さって、もしかしたら死ぬ可能性もあるけど、それでも選手をやりますか?』と言われた状態でもありました。ボクシングジムに通ったりしてパンチをもらわないようにガードを徹底的に練習したりしていましたが、スパーリングでパンチが目に一発でも入ると、もう涙が止まらないようなこともあり、この2、3年間はなかなか試合をやるのは厳しいなと。

 それまでは、リング上で死んでも悔いがない、俺は絶対勝つという気持ちでやってきたんですけど、今では家族もできて他の人の人生も背負っていく上で、もう死ぬことを覚悟して試合に臨む気持ちがどんどん薄くなっていき、今後は自分が指導者やもっと選手たちを盛り上げていく側に回るタイミングじゃないかなと思うようになりました」と怪我や背負うものができたことが引退する決意につながったという。


 これまで47戦やって一番心に残っているベストバウトを聞かれると、2010年5月2日のK-1 WORLD MAXの63kg日本トーナメント一回戦での卜部弘嵩との試合を挙げ「周りから『卜部には勝てない』と言われた中で、延長戦でギリギリ勝った試合です。ちょうど大学4年生のタイミングだったので、今後、就職するか、格闘家一本で行くかの分岐点になった試合で、あの試合で勝てたからこそ、これから格闘技一本で行こうと決意できました。

 あと、もう一つ印象に残っている試合は、初代Bigbangスーパーライト級王座決定戦で尾崎圭司選手と戦った試合(2013年9月1日)です。尾崎選手には、3年前のKrushで眼窩底骨折させられて人生で初めてKO負けをいたので、リベンジとベルトを懸けての再戦だったのですごく気合の入った試合でした。あそこで延長戦でギリギリ勝てたことで、僕が人生で唯一リングの上で泣いた試合にもなりました。本当に2人のファイターには今でも感謝しています」と2試合を振り返った。

 今後については「僕が主戦場として戦っているBigbangをさらに盛り上げていくことに命を懸けていきたいと思います。今の若い子どもたちや若い選手たちからBigbangは夢舞台だと思われ、Bigbangに命を懸けてチャンピオンになりたいと思ってくれるような、強くて影響力のあるチャンピオンがいる強い団体にしていきたい」と今後はBigbangプロデューサーとしてBigbangを盛り上げていくという。


 同席した谷山代表は「今回、俊樹が引退するにあたり、内心ホッとしております。自分の息子なのでセコンドに付くのも非常に大変で、今思っても二度とああいう息子のセコンドには付きたくないと思っています。選手の時は多数の皆さんの応援をいただき、本当に心から感謝しております。来年から私の後を継いでBigbangの2代目プロモーターとして頑張ってほしい。プロモーターとしては30代半ばなので、年齢的にもちょうどいい年齢かなと思っております。今後は社会人としていろいろな勉強をしていき、人間としても大きく成長していってほしいと思っております。プロモーターになった時には、いろいろな団体と友好関係を築き、Bigbangをさらに飛躍・発展させ、格闘技界に貢献していってほしいと思います」と激励のメッセージを送った。

 なお、12月1日(日) 横浜武道館で開催される『Super Bigbang 2024』で引退セレモニーを行うことも発表された。

谷山俊樹
Tohiki Taniyama
1988年11月27日、神奈川県伊勢原市出身
身長173㎝、体重62.5kg
WKA世界スーパー・ライト級王者
初代Bigbangスーパー・ライト級王者
ISKAインターコンチネンタル-63kg王者
WBKF世界スーパー・ライト級王者
戦績:47戦34勝(11KO)11敗2分
谷山ジム所属

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