シュートボクシング
インタビュー

【シュートボクシング】指が切断しかけるほどの重傷からの再起・山田彪太朗「正直この選手に負けたら日本最強なんて言ってられない。レベルの違いを見せて圧倒的に勝つ」

2024/10/11 22:10
 2024年10月13日(日)東京・後楽園ホール『SHOOT BOXING 2024 act.5』(U-NEXT配信)の第7試合で、第22代MA日本フェザー級&第8代J-NETWORKフェザー級王者・一仁(真樹ジムAICHI)と対戦するSB日本フェザー級王者・山田彪太朗(シーザージム)。  6月に龍聖との試合を負傷欠場して以来4カ月ぶりの復帰戦に挑む山田ツインズ・兄の彪太朗は今回の試合をどう戦うのか。そして一度流れた龍聖、階級を上げてきた弟・虎矢太についても大いに語った。 虎矢太よりも派手な勝ち方で勝ちたい ――6月のKNOCK OUTでは龍聖選手との対戦が決まっていましたが、学校給食を作る仕事中にスライサーのような機械に手を巻き込まれ、指が切断しかけるほどの重傷(左示指・中指不全切断で全治1カ月と診断)で欠場となりました。その後の手の状態はどうですか。 「おかげ様で完治というか、逆にパンチ力もアップしているくらいなので心配ご無用という感じです(笑)」 ――いつぐらいから練習再開を? 「2週間縫った状態の間はランニングもできず、抜糸が終わってから少しずつシャドーを開始して、怪我して1カ月後ぐらいにはちゃんとパンチを打てるようになりました」 ――違和感はないですか? 「最初は皮膚がすごく硬くなったので、何だか自分の指じゃないような感覚だったんですけど、今はもうすっかりそれも馴染んでいます。医者からは『うまく握れなくなるような後遺症が残る』と言われていたのですが、それもないんです。もう指の形は元通りになっていて、人間ってすごいなと。あと、お医者さんにも驚かれるぐらいの回復力だったみたいです。改めて、こういう丈夫な身体に産んでくれた親には感謝しています」 ――突然の休養期間でしたが、その期間はどういうことを考えてました? 「あの時はKNOCK OUTさんのビックイベント前で、自分の不注意で大会を欠場してしまったことは龍聖選手はもちろん、山口元気代表はじめ主催者の皆さんに本当に申し訳ない気持ちで一杯でした。それと同時に、自分の格闘技人生で凄くもったいないことをしちゃったなぁという思いもあったんですけど、これもストーリーの一つとして考えて、今回怪我からの復帰戦でまた強くなった姿を見せられればいいんだと切り替えました」 ――今は龍聖選手に対してどういう想いがありますか。 「龍聖選手は階級を上げたのですれ違ってしまったのかなと思っていたんですけど、欠場となる前の記者会見で『生理的に無理なタイプ』とか色々とボロクソに言われたままなので、今は60kgに階級を上げてでもいいのでやらせていただきたい気持ちがあります(笑)」 ――逆にあの時、龍聖選手とやっていれば勝っていたという自信もありますか。 「自信はありました。僕に代わって出場した久井大夢選手は2回ぐらいダウンを奪って龍聖選手に勝ってましたけど、まさに久井選手が打ち抜いていたようなカウンターを僕も狙おうと思っていたので、僕だったら2、3Rで完全に倒してKOで勝っていたかもしれないですね」 ――こういう期間を経て、どこか強化されたことはありました? 「パンチは常に強化しているんですけど、1からスタイルを見直してみたり、いろんな蹴り方を考えたりとか、いい感じでアジャストできています。前まではブロッキングして多少被弾してもいいから前に出るみたいなスタイルだったじゃないですか。今は距離を保って中間距離から攻撃していくというスタイルを試していて、それもいい感じにハマっているので、次の試合ではちょっと違った姿を見せられるんじゃないかなと」 ――それは誰かからの指摘で変えようと? 「僕は『今のスタイルもいいけど、被弾したりとちょっとリスクも多いな』と思いながら戦っていた部分もあり、しばらく試合がないのでこの期間に自分のスタイルを変えてみようかなと思って試してきた感じです」 ――早速、今回試せる機会なんですね。 「そうですね。僕は今、フェザー級で日本最強を目指してる中、正直この選手に負けてしまっているようでは、日本最強なんて言ってられないので、しっかりレベルの違いを見せて圧倒的に勝つのをテーマに今練習してます」 ――一仁選手に対して、選手としてはどういう印象がありますか。 「一仁選手の試合をちゃんと見られていないのですが、ムエタイスタイルなのか、圧力をかけて来るスタイルなので自分と噛み合う試合になると思います」 ――キャリアは彪太朗選手の二倍もある選手ですが、そこは問題ない? 「ベテランの選手だけに僕よりも場数を踏んでいるので、そこは怖い部分ではありますが、自分のいつも通りの動きをすれば問題なく勝てるかなと。特に脅威に感じる攻撃もありませんでした」 ――どういう勝ち方をしたいですか? 「虎矢太よりも派手な勝ち方で勝ちたいです」 ――虎矢太選手が彪太朗選手と同じ階級に上げてきたことで、そこは以前より意識しますか? 「そうですね。今まで虎矢太と対戦する可能性はなかったのですが、同じ階級になったことでやる可能性がゼロではなくなりました。でも、自分が今チャンピオンなので常に虎矢太の一歩先を行きたいと思っています」 ――虎矢太選手が階級を上げてきたことはどう感じていますか。 「僕は虎矢太のことを一番近くで見ていて、減量がきつかったのは知ってるので『55kgで無理してやっているより、57.5kgに階級を上げた方がいいんじゃない?』と僕も言っていたことなので、階級を上げてきたことは全然いいことだと思います」 ――虎矢太選手はタイトルを争う場面で彪太朗選手とやりたいと言ってました。 「自分が今SBの日本タイトルを持っていて、正直、それを懸けて虎矢太とはやりたくないので、虎矢太に日本タイトルを預け、僕が世界に向けて、まずはSB東洋太平洋のベルトを作ってもらえたらいいなと思っています」 ――もしS-cupの舞台が用意されて、世界タイトルを争うトーナメントでお互いに勝ち上がってやるタイミングがあれば? 「世界チャンピオンは一人なんで、そういう時はもうやるしかないですね」 ――虎矢太選手にも同じ質問をしたところ、「プロデビュー前に、浅草大会のエキシビションマッチで対戦したことがあり、彪太朗を眼窩底骨折に追い込む激しい内容になりました。実際に試合をしても、同じような結末になると思います(笑)」とのことでした。 「あれは違うんです! 僕が弱くて眼窩底骨折したみたいな感じになっているんですけど、事前の打ち合わせでは『エキシビジョンなので、盛り上げるためにノーガードで打ち合おう』という話をしていたら、僕だけノーガードにしていて、虎矢太に思いっきり打たれるという(苦笑)。しかも、虎矢太のせいで入院して全身麻酔で手術する日に、虎矢太は友達とカラオケに行っていたのでホントありえない。病院に来いよ! とずっと恨みは持ったままです(笑)。もし戦う時があれば、その時の恨みを晴らすべく、倍返してやろうかなと思っています」 ――山田ツインズ対決の日を楽しみにしています。では、試合を楽しみにしているファンにメッセージを。 「6月のKNOCK OUTで欠場して約半年ぶりの復帰戦になりますが、進化した“山田彪太朗”を見せられると思うので楽しみにしていただけたら嬉しいです。応援よろしくお願いします!」
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