金網に2人が入って、勝ったほうだけが出てくる
──2024年令和6年のバーリトゥードに出場することになりました。どんな試合になると考えていますか。
「多分、打撃でもグラップリングでも最後はタップアウトだと思う。失神はしないと思う。チョークや三角絞めを我慢して落ちることはあるかもしれないですけど。落ちるかタップアウトになると思う。僕の中ではレフェリーも別にいらない。“金網に入って、勝ったほうが出てくる”というような、初期UFCや『刃牙』や『ケンガンアシュラ』みたいなルールを2024年にお金をもらってできるって、めっちゃいいですよね」
──医師の監修のもととはいえ、金的攻撃や指関節も許される、ラウンド制無しの時間無制限ルールというのは……。
「こっちも向こうもやったことがない、ちょっとルールがある喧嘩。お互いに恨みっこなし大喧嘩ですね。目突きと噛みつきと髪の毛の引っ張り合い以外は何でもあり。それでプロ格闘家同士が戦うとどうなるのかをみんな見たいと思うのを見せます」
──対戦相手のウィル・チョープはMMAだけで42勝21敗、ほかにもラウェイのみならずベアナックル、ボクシング、ムエタイの試合も行う“格闘ジャンキー”です。
「チョープ選手は、普通にMMAスキルで僕より上。僕が彼に勝っているのは何ですかね……素手で殴った回数と、失神するまで止めないところだけ。だからレフェリーに止められたくはないですね」
──選手が理性的な判断で防御をしていないと判断されるたり、戦意喪失とみられる場合はレフェリーが介入します。
「アントニオ猪木対マサ斎藤の巌流島の戦いのように語り継がれるくらい、ほんと、1日でも2日でも戦って『プロレススーパースター列伝』に載るような日にしたい。それで『このルールは止めよう』と言わせたい(笑)。10年後、20年後、30年後に『渡慶次幸平がバカみたいなルールでバカみたいな時間、戦ったぞ』と言われるような。もちろん、ファーストコンタクトですごいパンチが当たって終わっちゃうかもしれませんが。ほんとう死ぬかもしれないという相手ですけど、そういう時の僕は強いので、生き残ると思います」
──ルマンのように配信を視聴者が見続けて、朝になっても戦っている可能性も……。
「ほんとう24時間マラソンみたいに。この間の巌流島は観客がいなかったんで、ジムマッチみたいな感じで、僕の場合、お客さんがいない方が実力を出せると分かったんです。“打ち合わなきゃ、盛り上げなきゃ”もない、ただ勝つことだけを考えている時のほうが僕は(強い)。お客さんがいてもいなくてもそれができる選手が実績を残していて負けない選手。那須川天心選手や井上尚弥選手らのように。
僕はいいのをもらったらいいのを返したいし、もらってみたいし、お客さんを沸かせたいというのがある。それがない状況で戦ってみて、すごいいつも通りにできた。たぶん、今回もいけるはずです。ただ……トイレとかどうするんすかね。1時間ならいいですよ。3時間とか4時間になったらどうするんだろう」
──反則は、目潰し/噛みつき/粘膜の中に深く指を入れる行為、その他衣服を脱がしたり、自身の血液や体液、嘔吐物や排泄物などを用いての攻撃など、「常識的に考えて観賞に耐えられない行為は禁止」となっているので、失禁はおそらく反則になるかと思います。
「ああ……失禁はギブアップじゃないってことにしてもらわないと」
【反則(ファウル)】
1. あらゆる形の目潰し
a. 指、顎、肘による目潰しは不正行為とする。正当な攻撃やパンチが選手の眼窩に接触した場合は、目潰しではなく正当な攻撃とみなされる。
2. 対戦相手を噛む、又は唾を吐く
a. いかなる形であれ、噛みつきは不正行為とする。選手は、レフェリーが起こっていることを物理的に観測できない状況があることを認識し、試合中に噛みつかれた場合は、自らレフェリーに知らせなければならない。
3. フィッシュフッキング
a. いかなる形であれ、対戦相手の口、鼻、耳を攻撃する方法で指を使い、その部分の皮膚を引き伸ばそうとする行為は「フィッシュ・フッキング」とみなされる。一般的には、フィッシュフッキングとは、対戦相手の口に指を入れ、皮膚に引っかけたまま手を反対方向に引くことを指す。
4. 髪を引っ張る
a. いかなる方法であれ、髪の毛を引っ張ることは不正行為とする。選手はどんな形であっても、対戦相手をコントロールするために髪を掴んではならない。髪の長い選手は、いかなる形であれ、ホールドやチョークの道具として髪を使ってはならない。ただし、選手同士の事前申し合わせにより頭髪の引っ張り行為を認めた場合はこの限りではない。
5. 対戦相手の頭や首をキャンバスに打ち込むスパイキング(パイルドライバー)
a. 弧を描く形の投げ技は、すべて正当な投げ技とみなされる。相手が頭からキャンバスに着地しても、問題はない。パイルドライバーとは、相手の体をコントロールし、両足が宙に浮いた状態で頭を真下にし、頭からキャンバスや床に無理やり打ち込むような形の投げ技を指す。
なお、サブミッション・ホールドを取られている場合は、相手を持ち上げることさえ可能であれば、どのような形でキャンバスに叩きつけても許される。これは、相手の体をコントロールできる状態ではないからである。サブミッションを仕掛けた選手は、キャンバスに叩きつけられる前にポジションを変えるか、ホールドを止めることができる。
6. 脊椎または後頭部への打撃
a. 後頭部とは、頭頂部から後ろ側の中心線から両側に5センチずつの幅をまっすぐ頭部と首の結合部まで下がった範囲を指す。
b. それに加え、頭部と首の結合部(首の付け根)から首の後ろ側全体、背骨の中心線に沿って両側5センチずつの幅を尾骨まで下った範囲が含まれる。
7. 相手のグローブやショーツを脱がす行為
相手のショーツを掴む行為は禁止とし、道着の場合は許可される。ショーツや道着が脱げたり破れた場合には、レフェリーの判断で着替え直させるか、破棄して試合続行の可能性がある。
8. リング又はケージ外に相手を投げること
a. 対戦相手をリング又はケージの外に投げ出してはならない。
9. 相手の体の開口部、傷口や裂傷部に意図的に指を入れること
a. 開いている裂傷に指を入れ、傷を広げようとしてはならない。対戦相手の鼻、耳、口など、いかなる体腔にも指を入れてはならない。
10.消極的行為(接触を避ける、マウスピースを何度も落とす、怪我をしたふりをするなど)
a. 消極的行為とは、対戦相手との接触を故意に避けたり、試合から逃げようとすることを指す。また、反則や負傷を偽ってタイムをとろうとしたり、故意にマウスピースを落とす、吐き出すなどの行為や、その他の試合の進行を遅らせようとする行為も、レフェリーが消極的行為とみなした場合、反則となる。
11.試合場内での暴言の使用
a. 試合中に暴言を使用することは禁止されている。暴言になる一線を越えるかどうかは全面的にレフェリーの判断に委ねられる。試合中に選手が話すことは可能であり、声を出すことがこのルールに違反するわけではない。暴言の例としては、人種差別的な発言や誹謗中傷とみなされる発言などがある。
12.レフェリーの指示を著しく無視すること
a. 選手は、常にレフェリーの指示に従わなければならない。レフェリーの指示を無視する、またはそれに反した行為を見せた場合は失格となる。
13.試合時間外で相手を攻撃するような武道精神に反する行為
a. 試合に出場するすべての選手は、武道精神と謙虚さを重視し、肯定的なあり方で武道精神としての総合格闘技を代表するよう期待されている。試合のルールを遵守しない、レフェリーによって試合から外された選手やタップアウトした選手に不必要な危害を加えようとするなどの行為は、武道精神に反しているとみなされる。
14.試合終了の合図が鳴った後での相手への攻撃
a. 試合は、レフェリーが試合終了をコールした時点で終了する。レフェリーが終了時間をコールをした後に開始された攻撃は、合図の後の攻撃とみなされ、反則となる。
15.ブレイク中に相手を攻撃すること
a. 試合中のタイムアウトやブレイク中に、いかなる形であれ、対戦相手に攻撃を仕掛けてはならない。
16.レフェリーのチェックを受けている最中の相手への攻撃
a. 戦闘不能状態又は試合の続行が不可能な選手を保護するためにレフェリーストップがかかった時点では、対戦相手への一切の攻撃は中止しなければならない。
17.選手のコーナーやセコンドの介入
a. 試合を妨害したり、自分のコーナーの選手に不当な利益を与えることを目的とした行為は、いかなる形であっても介入とみなされる。コーナーはどのような方法であれ、レフェリーの注意をそらしたり、レフェリーの行動に影響を与えたりしてはならない。
E.判定基準
1.試合が制限時間内に決着しない場合や、会場設備の不具合や障害など予期せぬ事態により試合の続行が不可能となった場合、試合は引き分け(ドロー)として判定される。
2.戦意喪失とみられる場合はレフェリーが介入する可能性がある。また試合をストップする可能性がある。