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【シュートボクシング】アンディ・サワーが海人vs.ダビッド・キリアを占う「経験豊富なキリアは一瞬でも海人が弱みや隙を見せれば、確実に突いてくる」

2024/10/10 12:10
 2024年10月13日(日)東京・後楽園ホール『SHOOT BOXING 2024 act.5』(U-NEXT配信)のメインイベントで、SB世界スーパーウェルター級王者・海人(TEAM F.O.D)と初代GLORYライト級王者ダビッド・キリア(ジョージア)が対戦する。  この一戦を初代SB世界スーパーウェルター級王者、S-cup2002・2004・2008・2012優勝、K-1 WORLD MAX2005・2007世界王者のアンディ・サワー(オランダ)が占った。 海人はコンプリートファイターに近づいている ――サワー選手、お久しぶりです。今回、海人選手と初代GLORYライト級王者のダビッド・キリアの試合が決まったということで、ぜひサワー選手にお話を聞きたいと思って連絡しました。 「(日本語で)ヨロシクオネガイシマス!」 ――早速ですがサワー選手は海人VSキリアはどんな試合になると予想していますか? 「今の海人は精神的にもテクニック的にも非常に充実している。しかも海人は年齢も若いし、勝利に向けたハングリーな気持ちを持ち続けている。本当に今、とてもいい状態にいると思う。一方のキリアも空手魂を持っていて、とても強いローキックと頑丈な身体を持っている。年齢・キャリア的にはベテランだけど、自分自身、キリアのことはリスペクトしているんだ。ただ、今の勢いや仕上がりを見ていると、海人の方に少し分があると思うよ」 ――サワー選手から見て、最近の海人選手はどういった部分が成長していると思いますか? 「最近の海人の試合を見ていると、彼はどんどんコンプリートファイターに近づいていると思う。まず海人の強みは相手の攻撃を被弾しないところ、そして相手がディフェンスに徹していても攻撃を当てるスキルが上がっているところだ。特に彼のボディムーブメント・動きは非常に研ぎ澄まされてきていると思う。海人自身、昔と比べるとアグレッシブさが増していて技術も上がり、技の引き出しもかなり増えている印象がある。色々な相手と試合をして経験を積んでいるし、去年ティジャニ・ベスタティに負けたことも彼にとって大きな経験になったのではないかと思う。  色んなタイプの相手と戦い、その相手にアダプトすることで、新たな戦術も広がっていくんだ。こうした経験は海人をさらに強くすることになるし、元GLORY王者のキリアと戦うことで、さらに海人の能力が引き上げられると思う。シュートボクシングも海人にどんどん経験を積ませているので、そういったところで彼の成長を感じているよ。  もし海人に課題があるとすればパワーの部分だね。海人はスピードがあるから、パワー不足をスピードで補うことが出来る。だから今でも十分強い選手と戦えている。ただし海人がよりコンプリートになるためには、今のボディムーブメントの中にいかにパワーを取り込んで、それを出力できるようになるか。そこが重要になってくるだろうね」 ――逆にサワー選手から見たキリアの強さはどこですか? 「キリアは昔からずっと変わらず自分のスタイルを貫いている。技術的には至近距離での攻撃、自分の間合い・制空圏に入ったときの戦いがとても強い。特に彼のベースにある空手式の蹴り技は強くて多彩だ」 ――最近のキリアはONE Championshipでタワンチャイ、シッティチャイ、ジョルジオ・ペトロシアンには敗れていますが、エンリコ・ケールにKO勝ちしています。サワー選手から見て、現在のキリアは世界トップレベルの選手と言ってもいい選手でしょうか? 「時代が変わればトップ選手の顔ぶれも変わる。海人をはじめニュージェネレーションがどんどん台頭してきているので、そういう意味ではキリアはオールドジェネレーションに入るのかもしれない。でもオールドジェネレーションにはニュージェネレーションにはない経験がある。キリアは経験豊富なウォーリアーであり、その強さが変わることはないよ」 [nextpage] 僕から海人に伝えられることはたくさんある 【写真】8月は元GLORYライト級6位を2RでKOした海人――キリアは顔面への攻撃で倒れたことがない非常にタフな選手です。ずばり海人選手はKO勝ちできると思いますか? 「それは難しい質問だね。海人は距離のマネジメントが非常に上手いので、キリアの間合いに入らず、自分の距離を保ちながらカーフキックを交えたコンビネーションで戦うことが必要だ。そのなかで海人自身もカーフキックで崩しきる、顔面にヒザを突き刺す…色んなKOのパターンをイメージしているだろう。  ただしキリア相手にそれが出来るかは実際にやってみるまでは分からない。さっきも話したようにキリアはとてもタフで経験も豊富だ。自分が試合中に何をすべきかを熟知している。一瞬でも海人が弱みや隙を見せれば、確実に突いてくるだろう。ただ自分は海人と同じシュートボクサーとして、海人の勝利を期待している」 ――また海人選手はGLORY王者という目標に向けて試合を続けています。海人選手はGLORY王者になる素質・可能性があると思いますか? 「その可能性は十分にあると思う。海人にとってGLORYのベルトを獲るために必要なことは、色んな相手と戦ってスキルと経験値を上げていくことだ。実際に海人はGLORYの元王者やランカーと戦うことで、どんどん自分の能力を上げている。シュートボクシングがそういった相手を用意し、定期的に試合を組んでいることは、海人の成長に大きく影響していると思う。ほかに自分からアドバイスすることがあれば、海人は試合で経験を積むだけでなく、世界中を回って色々なコーチから技術や戦術を学ぶことも必要だと思う。きっと海人も同じことを思っていると思うよ」 ――確かに海人選手は今年2月にペットモラコット・ペッティンディーアカデミーに敗れたあと、タイでスーパーボン・シンハ・マウインのもとで練習をして見違えるように成長し、ペットモラコットにリベンジしていました。 「まさにそういうことだよ。これからも海人は強い相手と戦い、そこで勝つための練習を続け、一歩一歩着実に自分自身を高めていくことがベルトにつながると思っている」 ――ちなみに海人選手がサワー選手と一緒に練習したいと言ったら、それは大歓迎ですか? 「もちろん! いつでもウェルカムだよ。さっきも話したように今の海人は色んなトレーナーの指導を受けることも必要な時期だと思う。もし海人が僕と練習したいと言うなら、それには喜んで応じたい。僕から海人に伝えられることはたくさんあるし、間違いなく強くなるきっかけを掴んでくれると思う。僕と海人はシュートボクシングのファミリーだ。僕の家を自分の家だと思って、いつでも練習に来てくれて構わないよ」 ――さてサワー選手の近況についても聞かせてください。2021年10月のマラット・グレゴリアン戦を最後に試合から遠ざかっていますが、もう試合をする予定はないのでしょうか? 「今は自分でジムを運営していて、その支部が世界中にある。そこでの指導であったり、各支部の管理など多くの業務に携わっている。また格闘技とは別で、精神疾患を抱えた人たちに向けたメンタルプログラム・コンサルティングをするグループのサポートもやっているんだ。そういった活動を続けているので、なかなか自分の試合のためにトレーニングや準備する時間を避くことが難しい、というのが現状だね。  もちろんこの数年の間に試合のオファーはあったんだけど実現はしなかった、ということだね。ただ2025年はシュートボクシングが創立40周年を迎えるということで、その時にはまた日本に行きたいと思っているし、日本のファンに会える日が来ることを待ち遠しく思っているよ!」
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