究極打撃格闘技ルールのUNLIMITEDに専念したいという栗秋(C)KNOCK OUT
2024年10月12日(土)東京・後楽園ホール『KNOCK OUT 2024 vol.5』(U-NEXT配信)のメインイベントにて、KNOCK OUT-BLACKフェザー級王座決定戦3分3R延長1Rでチュームーシーフー(中国/郭強ファイトクラブ/CFP)と対戦する栗秋祥梧(クロスポイント吉祥寺)のインタビューが主催者を通じて届いた。
栗秋は九州で活躍後、2018年10月に上京してクロスポイント吉祥寺に入門。天性の格闘技センスを生かした左の攻撃を武器とし、飛びヒザ蹴りは一撃必倒のキレと破壊力を秘めている。しかし極度の練習嫌いとして知られ「いかに練習せずに勝つか」をテーマに掲げている変わり種。
2022年7月にTAKERUに判定で敗れたが、10月の『RIZIN』では翔を2Rにハイキックでマットに沈めた。2023年4月に内藤凌太に判定2-1で勝利すると、6月には鮫島大翔を得意の左フックでKO。9月にはK-1 GROUPから乗り込んできた第6代Krushフェザー級王者・玖村修平を初回KOに降して評価を一気に高めたが、2024年2月の『ONE Friday Fights』初参戦で判定負け。4月のシュートボクシングでは山田彪太朗に判定負けと連敗。しかし、6月にKNOCK OUT-UNLIMITEDルールで中村優作を1RでKOし、大きなインパクトを残した。戦績は45勝(25KO)23敗3分。
もうずっとチャンピオンクラスに勝ってるから
──この取材が試合のちょうど1週間前ですが、今の練習の状況はどんな感じですか?
「8日の火曜日までは追い込みをやる予定で、意外と体重とかも順調なので、気持ち的にはけっこう楽なんですけど、体は疲れてますね」
──ここまでの練習の仕上がりや手応えはどんな感じですか?
「何かそこまで深く考えることなく、いつも通りやろうかなという感じですね。作戦とか一つのことに対してやりすぎちゃうと、それがハマらなかったときが怖いので、トータル的にやってる感じです」
──記者会見の時には、もう倒すイメージができているというお話しでした。
「そうですね。そのイメージは何パターンも作ってあるので」
──では、そのパターンはあるけど、そればかりに固執するわけではなくて、と。改めてチュームーシーフー選手の一番怖いところ、警戒しないといけないところというと?
「やっぱりガンガン前に来るところと、パンチは強いのと、あと気持ちが強いかなと。でも、パンチが強いことをイメージしすぎると、蹴りをもらっちゃったりするので、バランスよく戦おうと思ってます」
──逆に自分としては、できる限り早く倒したいという感じですか。今までの発言からは、そう取れるんですが。
「そこらへんはいつもと変わらず、という感じですかね。たぶんチュームーシーフーもだいぶ日本に慣れてきて、相当ベストなコンディションでやってくるだろうし、タイトルマッチということで、たぶん僕よりは強い気持ちがあると思います。タイトルへの執着心というか、ベルトへの思いは強いと思うので、まあ、ミスしないことですね」
──まさにそこをお聞きしたかったんですが、前々からタイトルについては、「どうしてもほしいとは思ってない」みたいな発言が多かったと思うんですよ。そんな中で、8月大会のリング上でタイトルマッチに名乗りを上げたのは、心境の変化ですか?
「別に、そこまで変わってはないんですけど(笑)。どんな気持ちなのか自分でも分かんないですけど…多くの格闘家からすると、やっぱりベルトって一番目指すところだと思いますけど、僕も東京に来て5~6年になって、もう30~40戦ぐらいやって、対戦相手もみんなどこかのベルトを持ってますし。タイトルを持ってなかった人が今までほとんどいなかったので、そこに勝ったりしてると、別にいらねえなとは思いますよね(笑)。もし自分がタイトルを持ってなくて、競り合って競り合って勝っていって、やっとタイトルマッチできますってなったら、すごい気合いも入ると思うんですけど、もうずっとチャンピオンクラスに勝ってるから…どうなんですかね、分かんないですけど」
──周りのチャンピオンクラスの選手たちには勝ってるしな、という気持ちが強いと。
「そうですね。その感覚と、やっぱりベルトを持った強いヤツとやりたいっていう気持ちの方が強いかもしれないですね」