鈴木千裕率いるチームKNOCK OUTと大沢ケンジ率いるMMA連合軍が究極打撃格闘技ルールで対戦
2024年10月3日(木)都内にて『THE KNOCK OUT FIGHTER』の記者会見が行われた。
『THE KNOCK OUT FIGHTER』は東京MXおよびU-NEXTやTverで配信中のKNOCK OUTの選手育成番組。
シーズン1は鈴木千裕と五味隆典がコーチとなり、それぞれが選手を指導して最後にその選手たちの対抗戦が行われた。現在はシーズン2が放映中で、今回は鈴木千裕&渡慶次幸平のチームKNOCK OUTと大沢ケンジ率いる最強MMA軍団の戦いとなる。ルールはMMAから絞め・関節技を省いたKNOCK OUT-UNLIMITEDルールを採用。
山口元気KNOCK OUT代表は「どうせやるならバチバチの対抗戦にしたいと思って、千裕のチームKNOCK OUTからはアマチュア大会に出た打撃系の選手をセレクションします。大沢さんは美木航さんのNATURAL9、鶴屋浩さんのTHE BLACKBELT JAPAN、金原正徳さんのリバーサルジム立川ALPHA、長南亮さんのTRIBE MMA TOKYOにもスカウトしに行ってもらいました。4つのジムから打撃の強い選手をセレクションして、どっちの打撃が強いのか。本当にガチで打撃の強い子を生み出していきたい」と説明。
会見に出席した鈴木は「打撃と言ったら僕の得意分野なので、それを伝えれば負けることはないのかなと思っています。今回は全勝できるように改めて鍛えるので楽しみにしてください」と挨拶。同じくコーチの渡慶次は「このルールは前回栗秋祥梧が勝ったと思いますが、このルールで(MMAの選手は)勝てないと思います。大沢さん。このルールはキックボクサーがかなり有利だと思うので。千裕が見切れないところをカバーして、千裕流になるように千裕軍団で対抗戦が出来ると思います。全勝目標に頑張ります」と大沢を挑発する。
大沢は「最初にこの話をもらった時は、和術慧舟會HEARTS軍で考えていたんですが、最初に鈴木軍の練習を見せてもらった時にヤバいぞと思ってMMA連合軍でやらせてもらいたいということで。MMAとして恥ずかしいところを見せられないということで、周りの選手を育てている実力者に声をかけさせていただいて、慧舟會の後輩である美木さん、鶴屋さん、長南さん、金原さんに声をかけさせていただきました。MMAの打撃は立って普通に向き合うだけじゃなく、組んでから出すのも打撃なので、UNLIMITEDはキックボクシングじゃないぞというところを見せられると思います。向こうはキックボクシングだと思っているので、全然違うからなと。MMAに長くいる人間だからこそ感じられる戦い方で行こうかなと思っているので、楽しみにしてください」と、MMAの名門ジムの連合軍としてMMAの打撃でキックボクサーに勝ちたいとした。
「最初は本当に、ただ選手を選びに行くつもりだったんですけれど、金原さんのジムに行った時に紹介してもらったら『肌で感じないで大丈夫なの?』と言われて、いきなりガチスパーをやることになって。マウスピースなしでやることになりました。それにスタッフが味を覚えたみたいで、行く先々でスパーをやらされています。しかもガチンコの。こっちは全然準備してないのに。だから、番組では僕の成長ストーリーをご覧ください(笑)。ちょっとずつ成長している物語もあるので、僕の成長も楽しめると思うのでご覧ください。鶴屋さんからはテイクダウンが強いレスラーが用意されていました」と、文字通り身体を張って選手を選んでいると話した。
会見に同席した美木は「協力させてもらいましたが、ウチの選手は打撃が強いというよりはキャラが強いので選考会に勝ち抜けるか。かなり濃いので見てください。MMAは負けないです」と挨拶した。
鈴木の全勝宣言を受けて大沢は「勝ち越す。全勝は…分からない。素材的に見ると鶴屋さんとか長南さんとかMMAでもガチ志向が強いジムがガチな選手を選んできました。一番いい選手を連れて来ている感じがするので、いい選手を出しているので全勝とはいかなくても勝ち越せるとは思う」と、勝ち越しを狙うとする。美木も「いかにルールを上手く使うかだと思っているので、上手くルールを使った戦いをすれば勝ち越せるんじゃないですかね」と続く。
対抗戦までにどんなことを選手たちに伝えたいか。鈴木は「練習でいつも言ってるのは、ラウンド数を重ねてテイクダウンされた時に力を抜くんですよね。打ち合いを作らないでディフェンスになって凌ぐ練習するのはやっちゃいけないよ、ナメんなよと言っています。練習をナメるなよと。ぶっ飛ばしちゃうよと言って動かしています。総合のジムはテイクダウンに固執している気がするんですよ。でもキックボクシングのジムは打撃で勝負する。打撃vs.タックルの図式だけれど、そうじゃなくてガンガンタックルにも行かせます。そこに勝機がある。(大沢軍は)今頃震えているんじゃないですか」と、キックボクサーたちにもテイクダウンを狙わせると答える。
渡慶次は「千裕はKNOCK OUTでもRIZINでも王者になって活躍していますが、僕はKNOCK OUTでもRIZINでも負け越している。勝ち越しているのはラウェイだけなので、負けた時の悔しさは僕が一番味わっていると思う。その中で得たフラストレーションが爆発していると思うので、その乱暴さを教えてそれを千裕に研ぎ澄ましてもらって、それをMMA連合軍にぶつけてやろうと思っているので面白い試合になると思います」とした。
大沢は「僕自身、ジムの選手たちに指導でいつも言っているのは、世界と戦おうとする時に上手く戦おうとしないで全局面で勝負するということと、アタックの回数を多くするということ。見合う時間はいらないと思っていて、なんでもいいからアタックしろということですね」という。
いま出場が決まっているメンバーで有力な選手は誰か、との質問に大沢は「中村悠磨っていうのが身長185cmあって、試合はバンタム級になるけれど、バンタムで185はなかなかいないと思う。打撃がめちゃくちゃいい。あとTHE BLACKBELT JAPANの名前は分からないけれど肌で感じたのがいて。鶴屋怜のスパーリングパートナーで一緒にアメリカへ行ったりしている選手でとにかくタックルが良かったですね。鶴屋さんのところは3人とも勝負カードを出してきています。みんなレスリングの実績があるので、そこら辺がいいと思います」と答える。
千裕は「一番は僕らしい気合いと根性。そこを見て欲しい。技術はもちろんあるけれど、MMA軍は多分レベルが高いと思うので、技術では難しいので気合いと根性でテクニック分を超えてやろうと思っています。後輩で先日の大会で20秒でKO勝ちした選手がおすすめですね」とした。
それぞれのチームの選手選抜は「KNOCK OUTチームはジム内で渡慶次と千裕がセレクションしていく。この2人で決めます。MMAチームは10月9日に全ジムの選手を集めて選考試合を行います。それぞれがセレクションして選手を出し合い、階級の近い者同士を戦わせます」(山口代表)とのこと。
その選考基準に関して、鈴木は「強さですね。強い選手を選びます。強ければ勝手にキャラも出てくる」、大沢は「僕としては戦える選手。上手く戦うではなくちゃんと勝負していける選手。海外に行って上手に戦う選手は負けている印象がある。戦える選手が上へ行っても勝てると思います。戦える選手は打たれ強くもなるので間違いないです」と、それぞれあげている。
また、あご髭が生えている選手は打たれ強いという持論を持つ大沢は試合までに全員あご髭を生やさせると宣言。これに鈴木は「それは違う。あご髭があると目印になるので打ち抜きやすくなるんですよ」とむしろ逆効果だと忠告していた。
シーズン2のクライマックスとなる両チームの対抗戦は、11月2日にKNOCK OUTが開設する「KNOCK OUT TRANING CAMP」で行われる。