この1年で2度対戦し、1勝1敗のカバベ(左)とアベナがタイトルを懸けての決着戦(C)GLORY
2024年12月7日(土・現地時間)オランダ・アーネムのゲレドーム・サッカースタジアムで開催される『COLLISION 7』の追加対戦カードが決定した。『COLLISION』はGLORYのビッグマッチ。
GLORYライトヘビー級世界王者タリク・カバベ(モロッコ)が、GLORYライトヘビー級グランプリ優勝者ドネギ・アベナ(スリナム)を挑戦者に迎えての王座防衛戦を行う。
カバベは2015年スーパーコンバット・ワールドグランプリ・ヘビー級トーナメント優勝の実績を持ち、2018年6月からは『ONE』に参戦。4連勝してONEキックボクシング・ライトヘビー級王座に挑戦したが、ローマン・クリクリアにTKOで敗れた。2021年1月からはGLORYに参戦し、ヘビー級でリコ・ヴァーホーベンやアントニオ・プラチバット、ライトヘビー級でマスロボイエフといった強豪たちに4連敗を喫したが、2023年3月にダニエル・トレドにTKO勝ち。
6月にアベナへのタイトル挑戦が決まっていたが、アベナの欠場でスクランブル出場となったモハメド・アミンをKOして暫定王座に就くと、2024年3月の王座統一戦で正規王者アベナを判定3-2の僅差で破り王座を統一した。しかし、6月の「GLORYライトヘビー級グランプリ」準決勝でアベナと再戦し、KO負けを喫している。戦績は51勝(28KO)11敗1分。
アベナは2015年9月にプロデビューし、2017年のA1WCCチャンピオンズリーグトーナメントで決勝まで勝ち上がった。GLORYには2018年12月から参戦し、2019年6月にはGLORY世界ライトヘビー級王座に挑戦したがタイトル奪取ならず。ここからGLORYで4連敗を喫するも2022年10月に当時ライトヘビー級3位のフェリペ・ミケレッティに判定勝ち、2023年2月にセルゲイ・マスロボイエフにTKO勝ちで王座を奪取した。
しかし、6月のカバべとの初防衛戦を前に食中毒となり急遽欠場。11月にモハメド・トゥチャッシーの挑戦を退けて初防衛に成功するも、2024年3月の王座統一戦でカバベに惜敗し、王座を手放した。6月の「GLORYライトヘビー級グランプリ」では1回戦でステファン・ラテスク、準決勝でカバベ、決勝ではバフラム・ラジャブザデを全員KOしての完全優勝を果たしている。戦績は30勝(10KO)10敗。
この1年、2人のライバルは一進一退の攻防を繰り広げ、メディアイベントでも別行動を取らざるを得なかった。キックボクシング史上、最も激しい、そして間違いなく最大のライトヘビー級タイトルマッチとなるだろう。
また、タイフン・オズカン(オランダ)とユネス・スマイリ(モロッコ)の初対戦も決定。
オズカンは2015年5月にEnfusion 2015 70kgトーナメントで優勝すると、9月にはEnfusion 72.5kg世界王座を奪取。その後、2016年4月にダビット・キリア、2018年2月にアンディ・サワー、同年6月にモハメド・カマル、2019年2月にはエンディ・セメリアに勝利。2016年に16人制で行われたEnfusion 70kg WORLD MAXトーナメントで優勝、2019年にはEnfusion -70kg世界王座も獲得している。
『Enfusion』では敵がいなくなったため、2021年10月からは『ONE』に参戦し、シッティチャイ、グレゴリアン、スーパーボンには敗れたがエンリコ・ケールには勝利した。2024年7月にGLORY初参戦を果たすと、マジッド・アマルーシュから右フックでダウンを奪う圧勝で白星デビューを飾った。戦績は87勝(28KO)10敗3分。
スマイリは18歳にして『Fightsense』の-67kgオランダ王者と世界王者の二冠となり、2017年2月の『K-1』に初来日。野杁正明と対戦し、速い連打と回転蹴りの大技で奮戦するも2Rにダウンを奪われて判定負け。その後は『ENFUSION』でキャリアを積み、6勝1敗の好戦績。2024年8月のGLORYに初参戦を果たすと、海人と対戦したジェームズ・コンデに判定勝ちで白星デビュー。戦績は41勝(19KO)3敗。
なお、今大会のメインイベントでは“キング・オブ・キックボクシング”GLORY世界ヘビー級王者リコ・ヴァーホーベン(オランダ)が12度目の王座防衛戦を行う。