MMA
インタビュー

【UFC】4連勝中のディエゴ・ロペスと対戦するブライアン・オルテガ「今の新しい自分は、過去の自分に勝つ必要がある」

2024/09/15 08:09
 2024年9月14日(日本時間15日朝8時30分~)米国ネバダ州ラスベガスのスフィアにて、『UFC 306: O'Malley vs. Dvalishvili』(U-NEXT配信)が開催される。  フェザー級では、3位のブライアン・オルテガ(米国)が、12位ながら4連勝中のディエゴ・ロペス(ブラジル)と対戦する。 ▼フェザー級 5分3Rブライアン・オルテガ(米国)16勝3敗(UFC8勝3敗)ディエゴ・ロペス(ブラジル)25勝6敗(UFC4勝1敗)※UFC4連勝中  オルテガは、2024年2月の『UFC Fight Night 237: Moreno vs. Royval 2』でヤイール・ロドリゲスに3R肩固めで一本勝ちして以来の試合。  ロペスは6月の『UFC 303: Pereira vs. Prochazka 2』で緊急出場のダン・イゲに判定勝ちして以来の試合となる。ともに柔術黒帯の戦いだ。 この試合の興味深いところは、俺がテイクダウンをされる可能性も加味して準備をしなければいけない事 「ごめんね、今チームの皆と調整後に楽しんでるところだったから騒がしいんだ」 ──ビリヤード台がありますね。今どこにいるのですか? 「ラスベガスのAirBnBだよ」 ──半年ほど前にアップした右瞼の傷はどうですか? 「もう大丈夫だよ」 ──それは良かったです。前回4月の『UFC 300』の時は、試合数時間前のキャンセル発表でした。何が起きていましたか? 「風邪を引いたんだ。高熱が出てね。多分COVIDだったと思うんだけど、それは分からない。減量で体調を崩したのかもしれないし。原因は不明だ」 ──以前、肩を怪我して練習のしすぎが原因だったそうですが、今回は抑えられていますか。 「あぁ。以前は自分の声だけに耳を傾けていたんだ。他からのアドバイスを聞き入れたりする事ができなかった。でも今は確固たるチームがいて。ほら、あそこにいるのは俺のコンディショニングコーチ、彼らが『もう止めよよう』って言ったり『まだ行けるぞ』って言ったり、俺を守ってくれるんだ、特にこのコンディショニングコーチのアンディの功績はデカいよ。彼、今俺がローアングルだからライトの調整しろって言ってくるくらいだからね(笑)」 ──ライトのコンディションまで指示すると(笑)。今回は好調のようで何よりです。今回ラスベガスのスフィアで開催される『ノーチェUFC』に、ご両親がメキシコ人のあなたが参加する意味をどう感じていますか。 「メキシコの文化をそこらじゅうに感じてきた。アメリカで生まれて育った事には感謝している。いい人達に巡り合えたのはUSで育ったからというのもあると思う。同時にLA在住のメキシコ人であるという事は幸せだと思うよ。LAにはたくさんメキシコ人もいるからね。  自分の母国語はスペイン語だし、毎年夏はメキシコで過ごしてきた。メキシコ料理とスペイン語は日々自分の家で触れるものだった。両親は2人ともメキシコで生まれてメキシコで育った。二人がアメリカに来た時はまだ英語も話せなかったんだ。自分の家族は移民家族で、俺はそのトラディションを全て引き継いでいる。同時に新たなトラディションもアメリカで新たに得てきたんだよ。俺はハイブリッドなんだ」 ──練習パートナーは誰がいますか? 「(ヘナー・グレイシーを映して)彼。ヘナー『オハヨウゴザイマス!』。フィジカルもポール(フェレイラ)がいつもレスリングを教えてくれているし、ヘナ―が柔術、アンディが俺の栄養を管理して、生活も管理してくれている。そしてこの若いキッドの彼が最近よく一緒にトレーニングしている。今、全チームでここにいるんだよ。インスタグラムのチームもここにいるよ」 ──SNSチームだけで3人もいるのですね! さて、少し前戦の一本勝ちについて教えていただきたいのですが、2月のヤイール・ロドリゲス戦のアームトライアングル(肩固め)は極まり方が独特でした。たしかあなたの試合での肩固めのフィニュシュは初だったかと。 「肩固めのディフェンスを理解している相手と戦う時には、プランA以外にも必ずプランB、Cと用意していなければいけない。彼をロックした時に半身になってサイドに逃れようとしたのが分かったんだ。“ノーノーノー”って。ヒザも抱えようとして防御してきた。ただ、首回りにスペースができるから。アングルを変えて首をロックしたんだ。そうしたらもうスペースはないだろう、どこに行こうがね」 ──トップから極める肩固め、あのときバイセップ(二の腕)でクラッチしました。いつ頃からあの形を? 「あれは、ある時、何となく思いついたんだ。自分が発掘した技だとは思っていないけど。自分の場合は自分の練習の中で使えるなって見つけた感じだ」 ──グラップリングといえば、ラスベガスではADCCとCJIという大きなグラップリング大会がありましたが、試合前でご覧になることはなかったでしょうか。 「見てないね。今はあまりグラップリングのみの試合を見る事にもやる事にも興味はないんだ。何故なら今の自分の仕事がファイトだから。そのためにトレーニングに集中しなければいけないし、少しのお金の為にグラップリングの試合に参加したりするのも馬鹿らしいし、万一それで怪我をして自分の本来の仕事に影響があったらいけない。それでもっと稼げる本来の今の試合の出場の機会を逃すわけにもいかないしね。両方できるような余裕があれば、それは幸せだけど、今は本来の仕事を守らなければいけないからね」 ──たしかに。では、今回の柔術黒帯のディエゴ・ロペスのMMAグラップリングをどう評価しますか? 「いい選手だよ。強いし、タフな対戦相手になるだろう。相手が俺をワクワクさせたりリスペクトできないような相手だったら試合をする事はないと思う」 ──ロペスはいまのMMAでは比較的珍しく落とされることも構わずバックを執拗に獲りに来るときがあります。 「あぁ、その通りでバックにしがみついてくる選手だよね。彼のチームは皆同じだと思う。アレクサ・グラッソがベルト獲った時も同じようにバックをとっただろう? だから、あれは彼のチームの指導なんだと思っている。俺が気を付けなければいけないのはバックをとられない事だ。  でも、ディエゴはどこでも戦える選手だと考えなければいけない。グランドでもスタンドでも戦える選手だ。だから、この試合の興味深いところは、自分自身が今回テイクダウンをされる可能性も加味して準備をしなければいけない事。いつもは自分の柔術スキルが高い事を理解した相手はテイクダウンにチャレンジしてこない事が多い。だけど、ディエゴはそんな事気にしないで“ヘイ、俺はお前に負けないくらい、グラウンドもスタンドも戦えるぜ”って来るだろう。だから今回の試合に関してはディエゴのようにどこでも戦える素質を持った選手と試合をする為に、今までと違ったアプローチで何を実際にしなければいけないのか、より細かにゲームプランを練っていかないといけない」 ──現在のMMAでは背中をつける事はリスキーだとされています。あなたのスタイルにも変化が? 「俺が常に務めているのは常にファイトスタイルを改善し続けていく事。常に危険な選手でなければいけないし、選手として常に毎試合相手にとって脅威の選手となっていかないといけない。自分でも、いつも“今の新しい自分は、過去の自分に勝つ必要がある”って言いきかせているよ」 ──なるほど、最新のオルテガが最良のオルテガだと。ところで10月27日の『UFC 308』ではイリア・トプリアとマックス・ホロウェイの王座戦が決まりました。どう予想しますか? 「分からないね。いい試合になるだろうけど、答えはないよ。二人とも強い選手だ」 ──ロペス戦を越えれば、タイトル戦に絡んでいきたいですか? 「まだそれはないと思うよ。次はヴォルクが挑むと思うし。話題には上がってくる事はあると思うけどね」 ──ロドリゲスが暫定王座獲得もヴォルカノフスキーに3R TKO負け。トプリアがヴォルカノフスキーとの王座戦で2R KO勝ちで王者に。そしてホロウェイと戦う。このタフな階級で戦っていく今のあなたのモチベーションは何でしょうか? 「もちろん、ベルトだ。あとは“過去最高の自分になっていく事”。その目標はずっと変わらない。常に挑戦をして、ギブアップはしない。『七転び八起き』(Fall seven times, stand up eight.)って言う言葉もあるだろ?」 ──はい、日本にも同じ言葉があります。ロペスとの試合を楽しみにしています。では最後にU-NEXTで日本から観るファンにメッセージを。 「いつも応援ありがとう。アリガトウゴザイマス! 試合をぜひ見てね。日本に行ったことは無いけど、(9月17日の)『DWCS』に出ている内藤由良はいま、一緒にいるよ。いいやつだ!」
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