2024年12月21日(土)千葉・幕張メッセイベントホール『GLORY RISE FEATHER WEIGHT GRANDPRIX』の記者会見が、9月9日(月)都内にて行われた。
RISE推薦選手4名、GLORY推薦選手4名の計8名によりワンデーで優勝が争われ、優勝者はフェザー級(-65kg)世界最強の称号と優勝賞金10万ドル(約1500万円)を手にする。
会見に出席したGLORYのマッチメイカーであるロビー・ティマーズ氏は「RISEと新しい格闘技の歴史を作っていきたい」と挨拶。伊藤隆RISE代表は「私自身ワクワクしているしGLORYとこのトーナメントを開催できることを光栄に思っています。世界最強を日本で決められることは素晴らしいし、ファンもその瞬間を見たいと思う。RISEでワンデーはしばらくやっていなかったんですが、過酷なトーナメントだと思います。優勝者は誰もが認める世界最強を名乗っていいと思っています」と話した。
GLORYの推薦4選手、ペットパノムルン・キャットムーカオ(タイ)、ミゲール・トリンダーデ(ポルトガル)、エイブラハム・ヴィダレス(メキシコ/Living Legasy)、ベルジャン・ペポシ(アルバニア)について、ティマーズ氏は次のように説明。
「ペポシのスタイルは超攻撃的なファイター。GLORYの中でもフェザー級4位に位置している。1Rから3Rまで倒すか勝たされるかが身上の積極的なファイターです。ヴィダレスはメキシコ出身で彼もGLORYの中で高いランキングに位置してきました。アグレッシブでテクニックも高いレベルを持っている。個人的にもどのようなパフォーマンスしてくれるか楽しみです。
トリンダーデに関しては、日本のファンにも強い印象を与えたのではないかと思います。彼はGLORYに来てから日は浅いが、大きな印象を残しているし、このトーナメントでどこまで出来るか楽しみです。ペッチについては紹介をする必要は今さらないのではないか。説明不要の強さを持っている。ただトーナメントに出るのは初めてなので、どう実力を発揮するか楽しみです」
続いてRISE推薦選手を伊藤代表が説明。
「ソンヒョンはアジア圏の中でヨーロッパに対抗出来る唯一のフィジカルを持っています。身体の強さ、パワーがあって、スピードは劣るがフィジカルは欧州の選手に対抗できると思います。白鳥は内定している中であえて経験を積む試合をしました。リスクのある、負けたら取り消される可能性がある中でKOしたのは素晴らしい。フィジカルもアップしているし、彼の野望、原口へのリベンジもあるし、優勝すれば一気に大逆転になると思っています。
原口はペットパノムルンに完敗した状況ではありますけれど、彼も足りなかった部分を痛感していると思うので日々トレーニングに励んで身体を大きくしています。プライドを折られた感じになったと思いますが巻き返しに期待したい。チャドは昨日の試合では恐ろしさが見えた。ペッチに勝って世界王者になりましたが、非常にアグレッシブでRISEのスタイルに変えて攻撃的な素晴らしい試合をしたのでRISE代表として頑張ってもらいたい」
続いて出場選手たちが登壇し、それぞれ意気込みを語った。
ペポシ ※ビデオメッセージ「私はフェザー級では世界一だと思っている。12月に行われるGLORYとRISEのビッグトーナメントに出られることになった。日本で試合をすることが小さい頃からの夢だった。ついに時が来ました! 待ちきれないよ。皆さん日本で会いましょう。押忍」
ヴィダレス ※ビデオメッセージ「12月に行われるRISE・GLORY共催のトーナメントの一員となることが出来て嬉しいです。今回の機会をいただけたことを両団体に感謝したいと思います。また自分の階級の世界最高峰の選手たちと今回のトーナメントは私のキャリアの中でも大きな挑戦となりますが、自国を代表して戦う準備は出来ています。12月にお会いしましょう」
トリンダーデ ※ビデオメッセージ「俺はミゲール・トリンダーデ。現GLORYフェザー級1位だ。12月のトーナメントに参戦できるのが楽しみだ。俺のためにあるトーナメントみたいなもんさ。トーナメントは伝説を作るものだ。俺はそのトーナメントでチャンピオンになるために行くよ。日本で試合するのは大好きだぜ。日本のファンも大好き。最高な環境で試合することで夢が叶ったね。Let's Go!」
ペットパノムルン「今回の試合は、世界最強を決める決戦で緊張しています。誰もがベルトを奪いに挑む中で僕もその一人です。ベルトをつかむつもりで挑んでいきます」
ソンヒョン「今回はトーナメント出場が楽しみだし、ワクワクしています。RISEで2階級王者になりましたが、まだ実力を発揮しきれていないのでトーナメントを通じてそれ以上の実力を見せたいです」
白鳥「無事クリアして内定となりました。過去にないくらい最大の試練というか、2019年のWORLD SERIESとは何段階も上がってレベルのトーナメントだと思います、世界最高峰しかいないし、武者震いするようなメンバーなので。僕がWORLD SERIESで優勝した時も幕張メッセだったので、ここは自分が下馬評を覆して優勝して最高の日にしたいと思っています。12月までにまた強くなって最高の日にしますので期待してください」
原口「GLORYでペッチとの3度目も完敗してしまって、最強を目指してやってきたので悔しくて格闘技を辞めようと思ったこともあったんですが、その時にこのトーナメントの話が出て来たので自分が最強を証明できるチャンスだと思いました。ここは何が何でも獲らないといけない。自分にとって最強はペッチなので、4回目はもういいと思われるかもしれませんが、ペッチとやって勝てるようにしていくので巻き返しに期待して欲しい」
チャド「このようなトーナメントにRISEを代表して出場できることに誇りを感じています。自分は今29歳なので一番脂が乗っている時期に参戦できるのはワクワクしています。現在進行形で、この階級で一番だということを証明したい。そして私自身、子供の頃からGLORYを見ていたので、トーナメントで関われるのは長年の夢が叶った気がします」
[nextpage]
今回のトーナメントは通常のRISEルールとは違い、つかんでのヒザ蹴りが有効だと判断されれば連発することが許される。7月のGLORY世界フェザー級タイトルマッチにて、ペットパノムルンに首相撲からのヒザ蹴り連打で苦しめられた原口にとって不安のあるルールだが、原口は「効いてる効いてないは関係なく印象が悪かったので、前回のままで行くと続行されるのかなと思っているので、今は対処できるようにしているので12月までには仕上がるかなって感じですね」と、前回の失敗を踏まえて練習しているという。
日本人選手が2名のみとなったことで、原口と白鳥にかかる期待は大きい。日本代表としてどういう意識でトーナメントに臨むかと聞かれた原口は「日本人が多いと世界最強決定戦じゃないと思うので、ぎりぎりの2人でよかったと思いますし、僕は元々今回に限らず日本を背負ってやってきているので、前回のGLORYは結果が出なかったですけれど、その気持ちはいつもと変わらずこのトーナメント後もその気持ちで戦っていくので変わらないです」と、望むところだとする。
白鳥は「僕は昨日の試合後にマイクで言った通り、原口選手に呼びかけた通り日本人は僕ら2人なので、僕らが力を合わせて日本国内を盛り上げるというのは必ず必要になってくるので、大会までも大会当日もそうなんですけれど、強さもそうですしそれ以外の部分で、キックボクシングでこんな世界最高峰のトーナメントってそうないと思うので、このトーナメントの価値をもっと世間の人に見てもらえるように努力したいと思っています」と、より多くの人に見てもらえる努力もしていきたいとした。
コリンズは、3月にキャリア初のKO負けを喫したトリンダーデへのリベンジをどう考えているかとの質問に「前日会見でも言った通り、どんな素晴らしい選手でも敗戦がある。前回は敗れてしまったけれども精神的には全く恐れていないですし、前回の対戦の時は試合間隔が詰まっていたけれども、今回はトーナメントまで試合が一切ないのでしっかりと準備をしたうえで臨めると思います。そういった点も大きいのかなと思っています」と、今度は万全の状態で戦うと答える。
そのコリンズに敗れているペットパノムルンは「チャドには前回負けてしまったが、このような機会があるのでぜひもう一度戦いたいと思っています」とリベンジマッチを臨み、誰が最強のライバルになるかとの問いには「最強の8人が集まったこのトーナメントに関しては、誰もが最強ということで集まっていて、誰が一番強いかは今の時点では難しい。誰とでも試合をしたいし、誰か一人とは決め切れません」とした。
次に、トーナメントで戦いたい相手を聞かれると、それぞれ次のように答えた。
ソンヒョン「自分はヨーロッパの選手と戦いたいです」
原口「トーナメントなので準決勝と決勝は相手も自分も怪我があるかもしれないので、1回戦が一番実力を発揮できる大事なところだと思っているので、決勝はもちろんペッチとやりたい気持ちはあります。1回戦はペッチ以外で一番強いと言ったらミゲールなので、僕はミゲールを指名します。ミゲールと1回戦で出来たらいいなと思います」
ペットパノムルン「この7人は誰でも強いので誰かを選ぶのは難しいですが、もし選べるとしたら僕は3試合したいので1回戦はミゲール、準決勝はペポシ、最後はチャドと試合をしたいと思っています」
チャド「実のところ今日になって全員知ったので、今の気持ちとしては1回戦でヴィダレス、準決勝で白鳥か原口。この2人とはまだ戦ったことがないのでファンも待っていると思うのでぜひ実現させたい。そして決勝はペッチ。再戦で素晴らしい試合になると思うので、そのような気持ちでいます」
白鳥「トーナメントですが僕は1回戦に全力で命を注ぎ込んで戦うので、誰とやっても強敵しかいないんですけれど、RISEで注目されているチャドやペッチとはやりたいと思っています。準決勝・決勝は実力以外の部分も出たりしますが、形としては日本人の決勝対決が面白いと思っているのでそれが出来たら最高だと思っています」
以上の選手の要望を聞き、伊藤代表は「原口とミゲール見たいですよね。ペッチと白鳥見たいですよね。みんなファイターですね。1回戦はラクに行こうとかそういうのはなくて嬉しく思いました。このトーナメントをやった甲斐があったと思います。極力実現させてあげたいと思います」と、選手の意向を酌みたいとした。
また、原口には過去3度戦って敗れているペットパノムルンが隣にいるのはどういう気持ちかとの質問があり、原口は「もう3回やりましたからね。ファイターとして3回もやっているし、負けてはいるけれど戦友だと思っていて尊敬できるし、一番認めている選手なので、そういう選手に対して嫌な気とか絶対ぶっ殺してやるみたいな気持ちは今はなくて。自分が強くなってまたいつかペッチと出来たらいいなって気持ちで。3回負けているにも関わらず隣に座れていることに今は感謝しています」と、リスペクトの気持ちしかないと答える。
ソンヒョンは最年長であることについて「どこに行っても若いと言われるけれど、今そう言われて悲しい気持ちになりました。今の実力、最年長の実力を見せたいと思います」と答え、このトーナメントで活躍しすれば韓国キックボクシング界の人気が再燃するのではと聞かれると「そう言ってもらえて嬉しいです。でも、活躍したところで韓国では人気が上がらなさそうです」と、正直に答えて笑いを誘った。
伊藤代表は「65kgで世界最高峰と自他ともに認めるトーナメントだと思います。GLORYと提携したことによって世界の強豪を呼べることになりましたし、格闘家は誰よりも強くなりたいというのが最初のスタートだと思うんですね。それがワンデーで出来る。格闘家たちの夢とファンの夢も実現できるので一石二鳥で。その世界最高峰の試合を日本で出来るのも光栄に思います。私自身もこれを日本で出来るのが非常に楽しみで。誰とやりたいというのを聞いた時に鳥肌が立ちました。凄くワクワクしています。面白そうだと思っています」と、主催者としても楽しみだとする。
ティマーズ氏は「65kgでトーナメントが出来ることに興奮していますし、この階級はどの国の選手も支配していない。誰が獲ってもおかしくない展開になると思っています。例えば今回のトーナメントに出場する選手たちがワンマッチでやったとしても誰が勝つか予想が難しい。それがトーナメントで行われることで精神的な強さや戦略が要求されてくるので、選手にとっても夢がかなうような舞台ですし、プロモーター冥利に尽きる8人が集められたと思っています」と、自信を持って送り出すと語った。
なお、今大会は日本ではABEMAで、海外ではGLORYのプラットフォームを通じて世界中にPPV配信される予定だ。