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レポート

【ONE FF】KNOCK OUT王者・重森陽太が一発KOでONEデビュー戦を勝利で飾る&ボーナス、パコーンがヘイスに衝撃のKO負け、黒田直也が2連続KO負けに

2024/09/06 22:09
ONE Friday Fights 782024年9月6日(金)タイ・ルンピニースタジアム※U-NEXTにてLIVE配信 ▼第5試合 キャッチウエイト(63.5kg)ムエタイ 3分3R×シン・ドンヒョン(韓国)KO 2R 2分43秒 ※右ストレート〇重森陽太(クロスポイント吉祥寺)  重森は16歳でプロデビューし、10戦目で無敗のまま新日本キックボクシング協会の日本バンタム級王者となり、14戦目で初黒星を喫するまで無敗を保った。20歳で日本フェザー級王者となり二階級制覇を達成。2019年7月にWKBA世界ライト級王座を獲得して三階級制覇。2021年7月にはスアレックから勝利を収め、KNOCK OUT-REDライト級王者にも輝いた。  2023年2月、悲願であったラジャダムナンスタジアム王座に挑戦したが、判定負けで奪取ならず。その後は所属を変えて8月のKNOCK OUTに参戦したが、バットマンに判定負け。11月にオープンフィンガーグローブ戦に初挑戦し、ルンペットを2RでTKOに破った。2024年2月の『RWS JAPAN』ではサミンデットに判定負けを喫したが、4月はセーンダオレックから左フックで2度のダウンを奪って勝利すると6月にレンタを破り国内最強を証明。戦績は41勝(18KO)8敗6分。  ドンヒョンは『HEAT』に2度来日経験がある。  両者ワイクルーを舞い、1R開始のゴング。前に出てくるドンヒョンを前蹴りと左ローで下がらせる重森。ドンヒョンはバックハンドブローを放つ。ドンヒョンは長い距離での後ろ蹴り、重森は左ミドルと左ローを返していく。ドンヒョンは重森に“前へ来い”と挑発。  重森はドンヒョンの右ミドルをキャッチしてコカす。前蹴り、ミドル、ジャブと距離を保つ重森に、ドンヒョンは後ろ回し蹴り、カカトが重森の顔面を軽く捉えた。右カーフを蹴る重森にドンヒョンは右フック。  2R、両者ミドルの空振りが続く中、ドンヒョンは左右フックを当てに行く。重森は左インローからジャブ。前へ出るのはこのラウンドもドンヒョンだ。重森が右フックで思い切って入るが、ドンヒョンが下がる。前へ出ていく重森が右ミドル。  手数が少ない重森だが、残り30秒を切ったところで左インローのフェイントで一気に踏み込み、左手でドンヒョンの左手を払うようにしてから右ストレートを打ち抜くとドンヒョンが後ろへ吹っ飛ぶようにダウン。この一発でKO勝ちを飾った。  重森は勝利者インタビューで「初めてのルンピニーで凄い緊張していたんですが、日本のムエタイを皆さんに見せることが出来て嬉しく思っています。昔のルンピニースタジアムのスーパースターだったイソラサックというコーチが付いています。彼が言ったことを信じて打ち抜いたのが今のKOです。日本のムエタイのレベルがどんどん高まっています。私がそれを世界中に知らせたいと思うのでまた呼んでください」とアピール。  今大会初の35万バーツ(約150万円)を手にした。 [nextpage] ▼メインイベント(第12試合)バンタム級 ムエタイ 3分3R×パコーン・PK・センチャイムエタイジム(タイ)KO 2R 2分04秒 ※左ボディ〇ファビオ・ヘイス(ポルトガル)  パコーンは9歳からムエタイを始め、2008年にラジャダムナンスタジアム認定スーパーフライ級王座、2013年にタイ国プロムエタイ協会ライト級王座、2014年にルンピニースタジアム認定ライト級王座、同年にはWMCライト級王座とYOKKAO -65kg級王座も獲得。さらには2016年にWKU世界-67kg世界王座とThairathTVのウェルター級王座、2017年にフェニックスファイティングチャンピオンシップ王座、2022年にはBOMウェルター級王座とWPMF世界ウェルター級王座も獲得。  2013年にはタイ・スポーツ局が選ぶMVPにも輝いた。2022年からはエイワスポーツジムにてトレーナーとして吉成名高や品川朝陽ら日本人選手を育成しながら選手活動も行い、ムエタイのみならずK-1でも2023年3月に第7代Krushスーパー・ライト級王者の鈴木勇人、6月に第8代Krushスーパー・ライト級王者の佐々木大蔵に連勝。2024年6月にONE初参戦、元ルンピニー王者のラフィを1RでTKOに破り変わらぬ実力を見せつけた。戦績は194勝(9KO)45敗5分。34歳。  ヘイスは2023年2月からONEに参戦し、フェラーリ、元ルンピニー&ラジャダムナンスタジアム王者センマニーを連続KO撃破する活躍を見せたが、7月のポンシリ戦で判定負け、11月のウラジーミル・クズミン戦で判定負け、前戦となる2024年3月にはソー・リン・ウーにKO負けと3連敗中となっている。  両者ワイクルーを舞い、1R開始。パコーンが右カーフで先制。ヘイスはジャブを打って前へ。パコーンはそこへ右カーフを蹴っていく。どんどん右カーフを蹴るパコーンにヘイスは右ストレート、左ボディ。パコーンもジャブを返し、ヘイスは左インローを蹴って右フック。パコーンはボディへ右ストレートを打ち、ヘイスが頭を下げて入ってくると左フックを打つ。  ヘイスのパンチに右カーフを合わせていくパコーンにヘイスはジャブと右ストレートで応戦。パコーンはジャブでヘイスを下がらせるとヒザを突き刺す。ヘイスはパンチのコンビネーションを繰り出すが空振りが目立つ。  2R、ヘイスがジャブを伸ばし、パコーンが右カーフを蹴るとヘイスも右カーフを蹴り返す。ヘイスの左アッパーが空振りになったところでパコーンが右ストレートを強打。一瞬グラつくヘイスだが、すぐにジャブで体勢を立て直す。ヘイスは左右でボディを叩き、パコーンも右ボディストレートを突き刺しての左フック。  打っては下がり、また前へ出て攻撃して下がるパコーン。ヘイスのパンチを巧みにかわしていく。ヘイスはパコーンに右ヒザを見舞うと飛びヒザ蹴りを放つが、これは押されて転倒。ヘイスが右ハイ、ジャブを打つとなぜか大きく下がるパコーン。ロープを背負うところまで下がったパコーンに、ヘイスは狙いすました左ボディショット。  これにパコーンがダウン。悶絶してカウントを聞くパコーンは立ち上がることが出来ず、ヘイスのKO勝ちとなった。パコーンは試合を優位に進めていただけに、惜しい敗北となった。  ヘイスは勝利者インタビューに「自分にとって大事な勝利だ。3連敗して前回はここでKOされてしまった。今日はレジェンドを倒せたので自分はまだここにいていいと思った。みんなが求めるのならここでまた面白い試合をする。落ち着いていこうと思った。セコンドは相手が前へ出てくるから相手が出てくるのを待てと言った。だから相手が来た時はボディショットを狙っていた」と語った。 [nextpage] ▼第6試合 キャッチウェイト (58.97kg) ムエタイ 3分3R×ヨッドトンタイ・ソー・ソンマイ(タイ)KO 3R 2分15秒 ※左フック〇アスラムジョン・オルチコフ(ウズベキスタン)  ヨッドトンタイはラジャダムナンスタジアムで2007年にスーパーフライ級、2009年にライトフライ級、2010年に再度スーパーフライ級、10年後の2020年にはスーパーフェザー級で王座に就き、3階級制覇を達成した。タノンチャイ、プラジャンチャイ、スーパーバンクらとしのぎを削り、2023年12月からONEに参戦。ここまで3勝1敗となっている。戦績は59勝36敗5分。  オルチコフは2023年7月から『ONE Friday Fights』に参戦し、タイ人選手を相手に4連勝(2KO)。18戦無敗のレコードを誇る。  1R、サウスポーに構えて独特なステップを踏んで前へ出ていくオルチコフに、ヨッドトンタイは出鼻を挫くジャブ。さらに左ミドル。オーソドックスになったオルチコフは左右フックを振って入るが、当たらずに組んでブレイク。ヨッドトンタイはオルチコフがサウスポーに構えるとオーソ、オーソに構えるとサウスポーに構える。終盤はオルチコフがカカト落とし顔面直撃から左右フックをまとめた。  2R、オーバーハンドで入っていくオルチコフは空振りするとミドルを蹴る。オルチコフの顔面前蹴りをもらってしまうヨッドトンタイ。オルチコフはヨッドトンタイのミドルをキャッチしての左フック連打。これでヨッドトンタイにロープを背負わせると左フックでダウンを奪う。ヨッドトンタイはヒジ、ヒザで残り時間を凌いだ。  3R、ヨッドトンタイは組んでのヒザ。オルチコフは左右フックを振り回し、ワンツーをヒットさせると顔面前蹴り。自由自在、トリッキーに動くオルチコフに翻弄されるヨッドトンタイ。オルチコフの左フックをまともにもらったヨッドトンタイは後ろにのけ反り、そこへオルチコフが左フックからの右フック。  ヨッドトンタイが豪快に倒れ、KOでオルチコフはこれで19戦無敗に、ONEでは5連勝。35万バーツのボーナスも獲得した。 [nextpage] ▼第3試合 キャッチウエイト(53.97kg)キックボクシング 3分3R〇ジョリー・ド・ルー(ルーマニア)KO 3R 0分27秒 ※左フック×黒田直也(ハーデスワークアウトジム)  黒田は西日本統一プロKICK BOXINGバンタム級トーナメント優勝、BEASTバンタム級王座の実績を持ち、RISEやBOMに出場。主に西日本で活躍し、8月2日の『ONE Friday Fights 73』で初参戦。アグレッシブファイトで熱戦を展開したが、ファジャラットに3RでKO負けを喫した。今回初参戦のWMC王者ルー(22戦無敗)を相手に初白星なるか。  1R、黒田の右インローにすぐ右顔面前蹴りを当てるルー。ステップを踏みながらスイッチし、長いワンツーから顔面前蹴りを放つ。ルーは前蹴りを多用し、前蹴りをフェイントにも使う。黒田が右ミドルを蹴ると左ストレートを合わせに来る。オーソドックスのルーの右ストレートを左にかわして右ストレートを合わせにいく黒田。  しかし、ルーの顔面前蹴りからのボディへの前蹴りで転倒したところでダウンをとられる。  2R、オーソドックスのルーは顔面前蹴りからバックハンドブロー。黒田は打ち合いに持ち込むがルーはすぐに離れて長いワンツーと前蹴り。顔面前蹴りで突き飛ばされる黒田。ルーは顔面前蹴りを空振りするとすかさずバックハンドブローを繰り出す。黒田はボディを攻めに行くが、どうしてもルーに距離をとられてしまう。  前蹴りからのバックハンドブローに転倒する黒田。動きが止まらず攻めるルーの顔面前蹴りで黒田がまたも転倒する。ラウンド終了直前、コーナーに詰められた黒田は顔面へのヒザ蹴り連打でダウン寸前に。  3Rが始まってすぐ、左の連打で防戦一方となる黒田はコーナーへ詰められ、最後は左フックでマットに沈んだ。
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