今後アンチドーピングに厳しく取り組んでいく、改革していくと発表した榊原CEO
2024年9月5日(木)18時より、RIZINが『超RIZIN.3』(7.28 さいたまスーパーアリーナ)のドラッグテスト(尿検査)結果の発表会見を行い、メインイベントのフェザー級「RIZIN LMS(Last Man Standing)王座決定戦」に臨んだ平本蓮(剛毅會)と朝倉未来(ジャパントップチーム)は陰性だった。
会見に出席した榊原信行RIZIN CEOは、今後どのようにアンチドーピングに取り組んでいくのかについて、次のように語った。
「我々とするとドーピングに関しては格闘技団体各団体いろいろありますし、我々は2015年に各団体が成立した後に旗揚げし、今年で9年を迎えるにあたって、ドーピングに関して一定の強い決意と基準を設けて取り組んできたつもりではいます。それが今回、結果とすると我々のルール、当日に尿を採取してそれをWADAの基準で検査する、その検査結果が陰性か陽性か、それがその日の試合成立か不成立かを決めるルール、このルールを抜本的に見直そうと思っています。
9年の中でいろいろな進化もあるでしょうし、ルールをさらに先生も含めてドーピング検査チームの中立の立場でいろいろな意見をいただき、今まで我々が決めていたドーピングに関するルールを再度見直すと。当日の検査だけで中立が保たれない、公明正大に行われない、選手の意識が高まらない、ということであれば抜本的なルールを見直す。
それに関しては今日この場で発表するということではなくて、この先、先生方や有識者にも入っていただいて、当然経済的な負担もマンパワーもかかると思いますが、中立で独立した組織体系でないといけないので、一定の決意と経済的な負担は当面RIZINがさせていただく中で、これまで以上に検査体制を厳しくする。そういう形のドーピング規定の見直しと新しいドーピングポリシーの策定に入ります。
我々からすると抜き打ち検査ですとか、先生方にもご説明をいただければと思いますけれど、世界のドーピングの中の9割くらいが尿検査なんですね。ただ必要とあらば血液検査も今後のルールの中には入れていきたいと思っています。いずれにしてもドーピングポリシーを見直して新しい基準を策定します。
そして、これはRIZINだけが取り組むだけではなく、RIZINに出る時の基準は厳しいけれど他の各プロモーションとか、これは国内・海外含めて、我々以上に厳しくしているUFCもPFLもありますが、それ以外の各団体から出場選手を派遣してもらうフェデレーションスタイルの中で、日本国内の団体の皆さんに声をかけて全体的にレベルアップをするドーピング基準を設けていけたらいいなと思います。まず我々が先頭に立って日本国内の選手・関係者に対してドーピングを全体的に厳しく、見直して、意識を高めていくきっかけを作れたらいいなと思っています。
そして三つ目。どこまでいっても選手たちの意識改革だと思います。これまでも大半の選手はRIZINはドーピング検査が厳しく行われるということで、ルールを守って正々堂々、誰に後ろ指を指されることもなく戦ってくれたと信じています。ただ、心無い選手・関係者、まだ知識がそこまで進んでない選手・関係者もいると思うので、RIZINを主催する我々が勉強会や講習会という形で選手・関係者の皆さんに参加していただいて、先生や有識者の方々に入っていただいて、ドーピングに対する意識の啓蒙と何が具体的にドーピングになるかということを伝えていく機会を創れればと思っています。
そしてドーピングに関しては、我々立場は性善説に立ってやらないだろう、やって欲しくない中ではあるんですけれど、どちらかというとそういうスタンスに立った中でのルール作りがありましたが、こんなことは本当はしたくないけれど罰則を厳しくします。これも第三者期間に、どういう罰則が正しいのかどうか。前にもドーピングの問題でお話する機会があった時に、我々はたまたま間違って摂取したものにドーピングの成分が入っていて、故意か故意ではないかの問題もあるかと思いますが、ドーピングを一度したからその選手生命を失う事だったり、その選手がバッシングを受けて誹謗中傷されて潰れて行ったり、それを望んでいるわけではない。
選手たちがドーピングということを犯しても、次に再生する、そこで気付きを得て恥ずかしめを受けて自分の行動を改めてくれればいいと思っていますけれども、いずれにもしてこれだけ世間を騒がせてしまったことに関して言えば、これは選手・プロモーター共に次のステップとしては罰金とか選手に対しての規制を強化する。
これは契約書ベースで言えば今まで書いてある文言以上に、ドーピングに対する厳しい制約とか約束をさせていただくことを交渉の中で進めていきたいし、その約束が守れない、契約書にサイン出来ないという選手とはこれから出場がRIZINにはしてもらえないということになります。罰則を強めることと選手契約を根本的に見直すということに取り組んでいきたいと思います。
あとRIZINだけで考える、格闘技界だけで考えるのではなく、日本のプロスポーツ界におけるドーピング基準、ドーピングにどう取り組んでいるのか。大相撲Jリーグ、プロ野球、バスケットボールリーグはどうなのか。いろいろなプロスポーツのドーピングポリシーを徹底気に研究して学びたいと思います。それを我々の格闘技界に僕らが中心となってフィードバックする。
本当にこれは格闘技という競技全体に向けれらている疑惑の目というか、格闘技界に起きている状況を我々としては信頼を回復するためにも全力でやらないといけないことだと思います。今の日本国内のプロスポーツからも学ぶこと。それとどうしても日本国内でのドーピング検査が、なかなか我々一民間団体の検査を受け入れてもらえる状況になってないんですね。これはWADAを中心に世界のスポーツはWADAの決めたアンチドーピングポリシーの元に進められていますが、日本で言えばJADAという機関があります。でも我々が検体を持ち込んでもそこの中で検査をしてもらえる立ち位置に僕らがないんですね。
世界的にきちっとした団体なり組織なり競技としての協会なりがあって、そこの日本の組織としてRiZINが成立すればJADAなりWADAなりに登録して検査をしてもらえる可能性もありますけれど、今の中ではその立ち位置に立っていないので。諦めるのではなく、今回の件で主催者としても勉強し、何か中立で公平で選手たちにドーピングなんかしても意味がないし、ドーピングをしたらダメなんだという意識を強く持ってもらって正々堂々と戦ってもらえる環境・ルール作りをしていきたいと、そう思っています」