1年7カ月ぶりの復帰戦が決まった朝久は会見で想いをぶちまけた。右は対戦する龍華
2024年10月25日（金）東京・後楽園ホール『Krush.166』の対戦カード発表記者会見が、9月3日（火）都内にて行われた。
Krushライト級3分3R延長1Rで、第5代K-1 WORLD GPライト級王者・朝久泰央（朝久道場）が龍華（ザウルスプロモーション）と対戦する。
朝久は2021年7月にゴンナパーを延長Rで破り、第5代K-1ライト級王座に就いた。2022年2月、王者としての第一戦で与座に敗れ、怪我で長期欠場に。2023年3月、与座の挑戦を受けての初防衛戦に臨んだが、判定で敗れ王座を失った。無尽蔵のスタミナから繰り出す攻撃と変幻自在のファイトスタイルで戦績は18勝(4KO)9敗。
龍華は幼少期から空手を学び、数々の実績を残す。高校入学後にキックボクシングの道へ進み、K-1甲子園2019年・2020年連覇。2018年11月にプロデビュー。2022年2月に里見柚己に延長判定で敗れ連勝がストップ。2023年7月に約1年5カ月ぶりに復帰したが篠原悠人に判定負け。11月の再起戦では岩﨑悠斗をKOしたが、2024年3月のRISEで陽勇に判定で敗れた。戦績は9勝（6KO）5敗。
宮田充プロデューサーが朝久の相手として「パッと思いついた」という龍華は「朝久選手は自分がデビューした時からずっと見ていて、いつかやるかなと思っていましたが、試合が決まってやっとここまで来たかと思いました。リスペクトを持って戦いたい」との意気込み。
Krushには2019年11月以来、約5年ぶりの出場となる朝久は「龍華選手はとてもいい選手で、リスペクトを持って戦ってくれるとのことなんですが、久しぶりの試合だし、復帰戦は誰が相手だろうと必ずぶちのめすと決めているので、言葉通りぶちのめします」と言い放つ。
互いの印象を聞かれると、龍華は「スピードが速くて蹴りもパンチも何でも出来る」、朝久は「見ての通り華やかさもあるし強さもあるし、僕がリングから離れていた1年間試合を見ていましたが、Krushファンとしてもいい選手だなと思って見ていました」とそれぞれ評した。
この対戦相手でオファーが来た時にどう思ったか、との質問に龍華は「後楽園のKrushに出るんだって思いました」と驚きがあったとする。朝久は「復帰戦だからKrushでというわけではなく、自分から宮田さんに組んでくれないかとお願いしました。理由は3つあります」と、その理由を話し始めた。
「ひとつは単純にKrushが好きだから。ふたつめは、これは口が悪くなるんですけれど龍華くんは（RISEとの）対抗戦の次の日にたまたま一緒になって、K-1としてこういう結果ですいませんって。そういう団体に愛があって評価しています。THE MATCHの時に僕はリングサイドで見ていて、はっきり言って情けない姿を見て、K-1を背負ってとかK-1が一番だ、K-1最高って叫んでいたヤツもいましたけれど、そのK-1を背負っていたヤツらは今何をやっているんだと思って。
K-1で出て情けない姿をさらして、試合だから勝ち負けはありますが、勝った選手は本当に頑張っていると思いますし、負けた選手はK-1を背負って戦ったくせにONEに移籍してONEで戦った時に『世界最高峰のONEの舞台で』とバカみたいなことを言っていますし、負けた選手がのこのこ他団体に行って抜けていますし、K-1を背負っていたヤツ何をやっているんだと思って。俺はこのK-1グループが世界で一番だと思っていますし、なにより朝久泰央が一番だと思っているので、その一番を証明する舞台にK-1もKrushも関係なくて、自分の一番俺の好きな舞台で俺が一番強いってことを改めて証明できたらと思ってこのKrushを選びました」と、想いをぶちまけた。
厳しい口調に会見場にはピリッとした空気が流れたが、朝久は「そして最後の3つめが一番大事なんですけれど、宮田さんが大好きなので」とニッコリ。「半分冗談で半分本気なんですが、何よりもKrushはファンの皆さんとの距離が近いというのが好きで。Krush愛があるので」と、Krush出場を志願した理由を話した。
その想いを試合の期間が開いた中で抱えていたのか、と聞かれた朝久は「彼らにもファンはいますし、いい気はしないかもしれないけれど、自分は怪我やプライベートでいろいろ長年あって。吹っ切れて本気で試合するのは3～4年ぶりくらいに今回の試合でなるので。そういったいろいろ抱えてきた中で見ていた時に、K-1ファンとして元K-1王者として、K-1勢の情けない姿に呆れていました。
例えばKrushで勝った選手がリング上で『僕をK-1に出してください」とか、お前バカかと思っていました。K-1で勝ったヤツがRISEとの対抗戦をとかこれから世界をと言ってましたけれど、K-1が世界なので。ハッキリ言ってそういうバカどもを見てイライラしていましたね。SNSで書くって今どきの手段もあるんですけれど、SNSで書くのとこうやって会見で言うのは全然違うので。批判もあると思いますが、ハッキリ言ってこれまでのK-1勢だったりSNSでバカみたいほざいているヤツらとかに腹がたっていたので、こうやって会見で俺は想いをぶつけて、それプラス試合で圧倒的な強さを見せてやろうって気持ちです」と答えた。
それを聞いた龍華は「めっちゃK-1愛を感じました。他の選手もK-1・Krush好きだと思うんですけれど、他の選手より団体を思っている気持ちがめっちゃ伝わりました」という。
元K-1王者との対戦に特別な想いはあるかと聞かれた龍華は「ちょくちょく会場でお会いして軽くお話をさせていただきますけれど、試合になったら敵なので。リスペクトを持って勝てば頭一つ抜けるんじゃないかと思います」と、大きなチャンスだと捉えているとした。
最終的にどう倒したいか、その質問に龍華は「KOって言うのが普通だと思いますが、今回に関しては自分的には盛り上げる試合をするのはもちろんなんですけれど、それも含めて何が何でも勝ちたいと思っているので。もっともっと仕上げて全力で挑みたいと思っています」とする。
朝久は「挨拶程度は話すことはあったし、リスペクトの気持ちを持ってくれているのは分かっています。個人的には好きな選手だし、違う出会いだったら友達になれた選手ですが、リングでは敵になってくるので、お互い殺しに行く試合が出来たらと思います」と目をギラつかせた。
1年7カ月ぶりの復帰戦ということで、復帰前の何％まで戻っているのか、それともさらに強くなっているのかと問われた朝久は「3～4年いろいろあったと言いましたけれど、その間に積み重ねてきた努力は必ず報われるではなく報わせるので。そういった意味で言うと正直10％でも出れば必ず勝てるくらいの練習はしてきました。ただ、彼もとても強い選手なので100％で。自分は強さを毎日更新していると思うので、自分の100％をさらに引き上げて思いっきりぶちのめします。そう決めてやっています」と話した。
予想では明らかに朝久が有利となるであろう試合。しかし、龍華はその予想を覆す自信が「もちろん100％あります」と宣言。「期待されていなくても応援してくれる人もいまし、自分のためですけれど、自分はやることをやるだけです」ときっぱりと答えた。
そして最後に龍華は「10月25日はめっちゃ面白い試合になると思うので、面白い日になると思いますが自分たちが一番面白い試合をします」、朝久は「皆さん長らくお待たせしました。こうやってKrushの後楽園のリングに戻ってきたんですけれど、自分は本心を言ったまでなので。アンチをする人は朝久は何を言っているんだとのコメントがあると思うけれど、俺のアンチをするヤツは龍華くんを応援してくれたらいいと思います。俺を信じてずっと待ってくれていたファンは俺の勝利を信じて待っていてくれたらと思います。そのうえで俺は必ず倒して勝つので」とメッセージ。
朝久は「この試合を楽しみにしていた宮田さんがいると思うんですけれど、宮田さんよりもっと試合を楽しみにしていたヤツがいると思うんですよね、誰だと思います？ 俺ですよ(笑)。圧倒的に思い切りぶちのめすので楽しみにしていてください」と締めくくった。
