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インタビュー

【UFC】準決勝にして初陣、そしてシャオツァンと再戦の本野美樹「“必ずリベンジする時がくる”と思っていた」=8月24日(土)『ROAD TO UFC シーズン3』

2024/08/24 09:08
【UFC】準決勝にして初陣、そしてシャオツァンと再戦の本野美樹「“必ずリベンジする時がくる”と思っていた」=8月24日(土)『ROAD TO UFC シーズン3』

(C)Zuffa LLC/UFC

 2024年8月23日(日本時間24日朝10時~)、米国ネヴァダ州ラスベガスのUFC APEXにて開催される『ROAD TO UFC シーズン3』(U-NEXT配信)の女子ストロー級(52.2kg)準決勝で、日本の本野美樹(AACC)が中国のフォン・シャオツァン(中国)と対戦する。

 元DEEP JEWELSストロー級暫定王者の本野は、1回戦で相手のホアン・フェイルが計量ミスで試合中止。今回の準決勝がRTU初陣となる。

 本野は、東海大学柔道部出身で2010年の講道館杯では西田優香(2010年世界柔道選手権-52kg級優勝)に勝利するなど活躍後、2019年3月にプロMMAデビュー。同年6月に『DEEP JEWELS』に初参戦すると、ベテランの長野美香をデビュー2戦目にして撃破。2020年7月のDEEP JEWELSストロー級暫定王者決定戦では、赤林檎を1R TKOに下し、6戦目で王座に就いている。

 しかし、2020年に伊澤星花に連敗で王座陥落。同年12月にHIMEに判定勝利し再起を飾ると、以降もにっせーに腕十字で一本勝ち、2022年11月に須田萌里に判定勝ちで3連勝をマークした。

 2023年10月の前戦では、中国Happy Elephant MMA Champions Leagueに参戦。今回のRTU優勝候補の一人で準決勝で対戦するフォン・シャオツァンと対戦し、テイクダウンを奪うも、三角絞めからの腕十字に一本負けを喫している。

 本野は、MMA9勝2敗のシャオツァンにリベンジして優勝=UFCの契約を勝ち獲ることができるか。

「優勝候補」に勝てば優勝にも近づく。強い気持ちを持って挑みたい

――いよいよラスベガスでの決戦です。減量はいかがですか。

「こちらは乾燥しますね。減量は水抜き、そんなに多くないので、前々日であと2kg切っているくらいでした。影響なくできそうです(※116lbs/52.62kgでパス)」

――今回のセコンドはどなたですか。

「セコンドはRENAさんと、あとAACCの渡辺彩華の2人についてもらいます。RENAさんには前回、今回の相手とやるときもセコンドついてもらっていて」

――あの昨年11月の中国のハッピー・エレファントMMAチャンピオンズ・リーグでの試合のときもついていたのですね

「そうです。フォン・シャオツァンの動きを直に見てもらっているので」

――なるほど。本野選手の『ROA D TO UFC』1回戦は相手の計量ミスで試合が無くなりました。あのとき本野選手は減量までして試合が無くなって、試合をしたかったという気持ちもありましたか。

「試合したかったですね。試合したかったんですけど、トーナメントなんで、何より優勝することが第一なので、相手が体重を落とせなければ試合はしないと決めて、とりあえずもう準決勝に進むことに切り替えました」

――トーナメントなので、相手の罰金では試合をしない、というのは正しい判断かと思います。ただ、それができなかったことによって、結果的には2回追い込みもやった。どうとらえていますか。

「戦っていないので無傷で、すぐに日本に帰って練習を再開できたというのは大きいですね」

――なるほど。プラスに捉えている。一方であの時期にほかの選手がこなした実戦がつめなかったことは、練習の中で解消ができたのでしょうか。

「あまり試合感覚が無くなるとかって無いので、そのへんはあまり気にせずできています」

――約10カ月ぶりの試合に向けての練習環境はどのような形でしたか。

「7月にタイに修行に行って、RENAさんとも向こうで合流できて、あとセコンドについている渡辺も試合前で、タイガームエタイに行きたいという風に言われたので、AACCから3人でした。タイガームエタイは打撃のイメージなんですけど、1回行ったときに、レスリングの練習がめちゃくちゃキツかった思いがあって。本当にキツくてフラフラになるくらいで。次の対戦相手とやるときはもう、前回めちゃくちゃ組んで、スタミナ切れもしちゃっているので、そういった部分でスタミナ強化も含めてタイガームエタイに行きました」

――ムエタイMMAジムで打撃よりも組みを強化してきたと。

「そうです。本当“組むスタミナ”が必要だなと感じたので」

――試合前のストライカーに囲まれてタイでやってきた。セコンドの渡辺選手は、修斗でパク・ボヒョンと死闘を繰り広げました。あの国際戦もご覧になっていましたよね。

「韓国の選手、本当にシンプルに打撃強かったなというのと、一緒に合宿までして練習してきた仲間なので、間近で見てめちゃくちゃ悔しかったですね」

――それが自分の試合の気合にもなりましたか。

「結果、渡辺が負けちゃったんですけど、本当に倒れる寸前まで戦って、ずっとなんとか立って最後まで戦い抜いてたので、そういう姿は、私の次戦でも見習ってやっていきたいなと思いましたね」

――前回の試合前は、横浜グランドスラムでも本野選手の姿を見ることができました。

「そうですね。前回の試合前とかは菅原美優選手にキックスパーとかやってもらって。今回はグランドスラムの男子選手に無理やりサウスポーになってもらったりして。同じ柔道出身の伊藤盛一郎選手も試合だったので、その取り組みや試合も観て、あれだけ攻め続けられる体力だったり、気持ちの面だったり、本当に練習通り、練習でもあのままずっと技をかけ続けているので、練習でやっていることが試合に出ているなということを感じて、それを見て自分も練習に取り組んで、次の試合で出せるようにしようと思いましたね」

――RTU1回戦では、今回の相手、フォン・シャオツァンの試合も生でご覧になったのでしょうか。

「はい。正直対戦相手との差がありすぎて参考にはならなかったんですけど、でもやっぱり自分が1回負けた相手で、しっかりあの舞台でインド選手を仕留めることができていたので、やっぱり強いなというのと、でも次当たるとは分かってなかったんですけど、“必ずリベンジする時がくる”と思っていたので、しっかりやり返したいと思います」

――シャオツァンの試合を何度か見返したのですが、相手のリーチと圧力があるなかで、本野選手はしっかりテイクダウンが取れている。特に前半のケージを使っていない場所ではクリーンテイクダウンしていました。それができたのに、後半で崩れたのは、ご自身の中では整理できていますか。

「2ラウンドの後半に打撃が効いちゃって、そこからふわっとしたのと、やっぱり途中から圧をかけられやすくなってしまったので、そこで、その圧にちょっと焦ってしまって、サウスポー構えの自分が右に動いてしまった。相手にとって打ちやすかったのと、そこで自分は無理やりタックルに行っちゃったのが原因なので、詰められたときの練習も、今回はしっかりとやってきました」

――あの手足の長い左の攻撃、左ミドル、ストレートは、シミュレーションできる相手もいたのでしょうか。

「なかなかあの大きさの女子選手っていないので、本当に出稽古で男子の選手にサウスポーになってもらって練習をお願いしたりという形で対策をしてきました」

――そして、さっき仰っていた、最後に取り切れるスタミナもつけてきた。

「はい。最後まで戦い抜けるように練習しました。ケージを借りて、ケージの中でのスパーだったり、なるべく本戦に近いような練習も含めてやってきましたね」


(C)Happy Elephant MMA Champions League

――後半の組みで苦しみながらもテイクダウンした。相手にケージを使わせると厄介ですね。

「そうですね。リーチもあるし、圧のかけ方もうまいので、どうしても中心を取られることが多かったんですけど、次もそうなるとは想定して、そうなったときにどうするか、テイクダウンの後も取りに行き過ぎずに焦らずに戦うというのも考えてきたので、前回よりは落ち着いて試合できるかなと思います」

――UFC APEXサイズのケージというのは本戦よりは少し狭いので、もしかしたら、エレファントのときより小さいかもしれないですね。

「なんとなく会場を見れたんですけど、でもそんなに大きさは意外と変わらない、意外と広いのかなという印象です」

――今回の試合は、本野選手にとってはどんな意味を持つ試合になりますか。

「シンプルにシャオツァン選手、優勝候補で強い選手なので、しっかりそこでリベンジすることで優勝にも近づくと思うし、この強い相手に勝つことで、UFC選手になったときに、もっと自信を持って戦えるのかなと思うので、本当に自分にとってはすごい大事な試合になります。

 アメリカ合宿のときにUFCのアンジェラ・ヒル選手と練習をして、あくまで練習ですが、自分が想像していたよりは、まだまだな部分もたくさんあるんですけど、自分も目指せる場所だなという風に感じられて、UFCに出たいと思ったんです。それが『ROAD TO UFC』に繋がり、ここにいる。

 本当にもうとにかく勝つことが第一として、プラス“やっぱりUFCで戦える選手だな”という風に認めてもらえるような試合をしたいなと思います」

――対世界という意味では、柔道部の先輩・後輩たちも活躍していましたね。

「はい。試合自体は生では見れていないんですけど、永山竜樹選手や、橋本壮市先輩、ウルフ・アロンら、東海大学柔道部のみんなの活躍をチェックしていました。日本を背負って戦って、4年に一度に賭ける思いがすごく伝わる試合が多かったので、私もこの『ROAD TO UFC』のチャンスを逃さず、強い気持ちを持って挑みたいなと、オリンピックを見て学びましたね」

――U-NEXTで試合を見るファンにメッセージを。

U-NEXTをご覧の皆さん、日本時間の8月24日の土曜日の朝10時から、ラスベガスで『ROAD TO UFC』の準決勝を戦います。日本代表としてしっかりとUFC勝ち取ってきます。頑張ります。応援お願いします!」

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