2024年8月18日(日)東京・後楽園ホール『Krush.164』にて、[第5代Krushスーパー・ウェルター級王座決定トーナメント」決勝戦3分3R延長1Rで璃久(HIGHSPEED GYM)と対戦する小田尋久(TEAM3K)のインタビューが主催者を通じて届いた。
新極真会出身の空手家である小田は2021年11月に『DEEP☆KICK』でプロデビュー。2023年2月の『Krush』から参戦して5戦5勝(3KO)とプロ無敗の快進撃を続けていたが、2023年11月、フランス遠征でのWAKO K-1ルール世界ミドル級(-75kg)タイトルマッチで初黒星。2024年2月にはKNOCK OUTに乗り込み中島弘貴に延長戦で判定勝ち。5月のトーナメント準決勝では森田奈男樹を3Rに左フックでKO。ハイ・ミドル・ロー、後ろ廻し蹴り、胴廻し回転蹴りと空手家らしく蹴り技を多用するスタイル。戦績は7勝(4KO)1敗。
アイツらを倒すためにここは絶対勝たんとダメ
──今回はトーナメント決勝戦ということで、5月の準決勝、森田奈男樹戦を改めて今、振り返ると?
「森田選手は空手の戦績で言っても全然自分より上で、その選手に、キックではあるんですけどしっかり倒して勝てたっていうのは、だいぶ自分にとってもよかったかなと思いますね」
──前半、少し森田選手の攻撃をもらっていた場面もあったと思いますが。
「自分的には、そこまで危なかったなと思うところは、正直なかったというか、対処できてた範囲やったんで。どちらかというと、1Rはちょっと攻めあぐねたかなっていう感じやったんすけど、2R以降からは自分の攻めがだんだんできるようになってきて、3Rで倒し切れたかなって感じです」
──では、尻上がりに調子がつかめてきたという感じだったんですね。
「そうですね。試合をやってる中で、どんどん自分が出せる技が増えていったというか。いろいろ攻め方が増えて、倒し切るっていう形にできました」
──同じ日には璃久選手の準決勝もありましたが、そちらはどう感じましたか?
「やっぱり璃久選手は、どの試合を見ても白熱するというか。超アグレッシブで、会場を沸かせる戦いをするなっていうのを感じながら、見てましたね」
──そこも踏まえて、璃久選手に対して特に警戒するところは?
「やっぱりあのアグレッシブさ、ガツガツ前に来る感じと、そこに加えて、けっこう策略家というか、戦略をしっかり立ててきて、相手の弱点を突くような攻撃をしてくるところですよね。一番警戒してるところは、パンチをけっこうガンガン振ってくるように見えるんですけど、実はかなりコンパクトに打ってるところですかね。右のストレートとかはけっこうコンパクトに打ってきてるので、ちょっと注意したいなと思ってます」
──身長差とかリーチ差については?
「身長は5cm、向こうが上で、多分、リーチもたぶん向こうの方が長いと思うんですけど、そこはあんまり気にしてないです。ステップの速さだったり、フェイントを使って入る練習とかもしてきてるので」
──では、そうやって中に入って、パンチで倒したい?
「そうですね、それが一番理想というか、考えてるパターンではあります」
──特に小田選手はやりたいことがハッキリしている分、警戒されるというか対策されやすいのかなという気もしてしまうんですが…。
「確かに、相手もそこを一番警戒して、戦略も立ててると思うんですけど、その上でも自分のフィジカルにはちょっと面食らうところは絶対あるやろなと思うし、普通にその作戦通りにはいかないんじゃないかなと思いますね」
──相手の予想を超えるだけのパワーを出す自信があると。そこも踏まえて、対戦が決まってからの3カ月弱という期間で、特に強化した部分というと?
「やっぱり自分の強みである圧力に加えて、ただまっすぐ圧力をかけるだけじゃなくて、フェイントを入れたりする動きもやってきました。ただただフィジカルをずっと鍛え続けてきたわけじゃなくて、技術で相手を惑わしたり、相手を騙したりっていうところをやってきましたね。ただの筋肉じゃないんやぞっていうところを見せるために、トレーニングしてきました」
──下手すると、ひたすら筋トレばっかりやってるように思われそうですもんね(笑)。
「ただただ、むやみやたらに筋トレしてるわけじゃないんで(笑)。そういうところも試合で見せたいですね」
──ただ、SNSなどでは、マッスルキャラをかなり徹底してますね。
「はい、そこは皆さんにもっと知ってもらって、定着させようかなと思ってるんですけど、記者会見の時とかは言い忘れてたりしちゃうんですよね(笑)。まだ自分も言い慣れてないところがあるんで、世界のマッスルになるために、もっと自分のキャラ作りを頑張ります(笑)」
──頑張ってください(笑)。ただリング上では、あと一つ勝てばチャンピオンというところまで来ました。改めて、そこについては?
「やっぱりKrushの王座は、僕のジムの代表でもある近藤大成さんがずっと目指してたベルトでもあるので、大成さんも相当気合い入ってるし、僕ももちろん気合い入ってて。ここで獲るか獲らんかで、この先の注目度とか、これから戦っていく選手とかについても、天と地ほどの差で変わってくると思うんで、やっぱり何が何でも落とせないっていう気持ちが強いですね」
──SNSでは、10月K-1大阪大会の参戦選手が発表された際にも、気合いを燃やしてましたね。
「もちろんアイツらを倒すために、ここは絶対勝たんとダメなんで。ここはホンマに何が何でもぶっ倒して、10月、あの5人の中の誰が来てもぶっ倒せるように、やってやりたいなと思ってますね。K-1 GROUPに参戦してから、まだ地元・大阪で試合したことないんで、そういった意味でもメッチャ出たいです」
──ところで、会見やインタビューなどで、璃久選手からは「地味だ」「華がない」ってすごく言われてますよね。あれについてはどう思ってますか?
「いやあ…正直な話すると、自分でも、しゃべってて『あー、何かつまらんな』っていうのはあるんですよ(笑)。大阪人のくせに、面白いこと言えへんなっていうのはちょっと自覚してるんで、言われるのは仕方ないんですけど…次の会見ではもっと面白いことを言ってやりたいですね。言えるかどうかは分かんないんで、あんまり期待せんどってください(笑)」
──了解です(笑)。そこに関しても、「そうはいかんぞ」という思いもある?
「あるんですけどね。でも結局は、やっぱりプロの格闘家としては試合で見せてナンボやと思うんで。リング上で一番盛り上げる人が一番正しいというか、それでこそプロの格闘家やと思うし、そういう選手に僕はなりたいと思ってるんで。試合では、間違いなくそこは見せたいと思います」
──「拳で黙らせる」というヤツですね。では最後に、改めてこの試合への“決意”を教えていただけますか?
「スーパー・ウェルター級、70kgという、外国選手の層が厚いところで、Krush王座を獲って、Krushの代表として世界に自分のキャッチフレーズでもある『マッスルタンク』を知らしめていきたいので、ここはもう何が何でも獲りたいと思ってます。このキャッチフレーズをつけてもらって、外国人にも絶対覚えられやすいじゃないですか、『マッスルタンク』って。シルエットもイメージできやすいですし(笑)。つけてもらってメチャメチャいいなと思いましたし、マッスルタンクの名に恥じないような戦いを、8月18日にお見せしたいと思います」