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【K-1】卜部功也が9・22代々木大会で引退式「楽しいというよりは燃えていました。闘志がずっとたぎっていた」今後は後進の育成に力を注ぐ「スター選手を育てたい」

2024/08/09 20:08
【K-1】卜部功也が9・22代々木大会で引退式「楽しいというよりは燃えていました。闘志がずっとたぎっていた」今後は後進の育成に力を注ぐ「スター選手を育てたい」

K-1とKrushで一時代を築いた卜部功也が正式に引退

 2024年9月29日(日)東京・国立代々木競技場第二体育館『K-1 WORLD MAX 2024』の記者会見が、8月9日(金)都内にて行われた。

 K-1 WORLD GP第2代ライト級&初代スーパー・フェザー級王者の卜部功也(ALONZA ABLAZE)が6月8日に引退を発表、今大会で引退セレモニーを行うことが決まった。


 卜部は2009年3月にプロデビューし、K-1 WORLD MAX 2011 -63kg Japanトーナメントで準優勝。2015年1月にはトーナメントを制覇してK-1 WORLD GPスーパー・フェザー級初代王座を獲得。2016年にはK-1 WORLD GPスーパー・フェザー級世界最強決定トーナメント優勝、2018年3月にはK-1 WORLD GPライト級王座を奪取して2階級制覇を達成した。

 高度なディフェンステクニックとカウンターテクニックを持ち、国内外の名だたる強豪を次々と撃破。長くトップに君臨していたが、2019年3月に後輩でもある林健太に敗れ、ライト級王座を奪われた。2019年7月に再起戦を行うもジュー・シュアイにまさかの初回55秒KO負け。引退をにおわす発言もしていたが、2020年9月に約1年2カ月ぶりに復帰し、2021年7月の大沢文也戦まで3連勝。2年8カ月ぶりに復帰した2024年3月、鈴木勇人に判定で敗れ、これが現役最後の試合となった。生涯戦績は52勝(13KO)11敗。

 会見に出席した卜部は「私、卜部功也は3月20日の試合を最後に現役を終えることにしました。15年間という現役生活でしたが刺激的でアツい時間を過ごせたと思います。これもファン、関係者のおかげです。今後はジムを率いていますが、そこの選手がK-1とKrushを代表するような選手になってくれるように育てていくので期待してください」と挨拶。


【写真】最後の試合となった2024年3月の鈴木勇人戦

 引退を決意した理由を聞かれると「自分が満足のいく練習が出来ないのもありましたが、自分が選んだ道なので。本当は2階級制覇した時点で辞めようと思っていて。でも、まだ見たいと応援してくださる方に言われることもあって。メンタル的に不安定だったんですが、そこでジムをオープンしたことで会員さんに試合を見せたいと思いました。頑張って背中を見せていかないとなって感じでした。最後に65kgで戦ってもう一回やってやろうって気持ちだったけれど、介錯されてそこですっきりしたと思いました」と話す。

 真っ先に頭に思い浮かぶ試合は何かとの質問には「僕の感覚が変わった試合は海外遠征。ISKA世界ベルトを獲った試合です(2014年5月1日=フランス、イェトキン・オズクル戦)。そこで意識が凄く変わりました。兄と武尊がセコンドに来てくれて。その試合は自分の中でターニングポイントだったと思います」と答え、2度の兄弟対決については「もちろん兄との試合も…忘れたいくらいなんですけれど(笑)。兄弟でベルトを懸けて2回戦うのはなかなかないと思うので。その当時は本当に嫌だったけれど、今ではいい思い出です。でも今後のファイターにはおすすめしないです(笑)」と苦笑した。

 鈴木戦を終えての反響は「負けたけれどいい試合だっと言ってくれて、まだいけるんじゃないかといろいろ言われたんですが、ジムに選手が集まってきたタイミングだったので次のK-1のスター選手を育てないといけないと思ったので、一区切りをつけて次のスター選手を育てようと思いました」と、指導に専念することに迷いはなかったという。


 キャリアの後半にはK-1が鎖国を解いたが、他団体で試合をしたかった相手はいなかったかとの質問には「原口健飛選手が出てきて強いなと思ったりしましたが、タイミング的にずれていたので特には。凄く上手いし若いし、強いなと思っています。でも自分が誰々とやりたいはなかったかもしれないです」とのこと。

 現役復帰の可能性はとの問いには「ないです。お腹いっぱいです」ときっぱり。

 後進へのメッセージとして「若い選手なので口に出したりSNSで発言して、思想や哲学は人それそれなのでそれをもっと出していって欲しいです。それがぶつかり合っていけばおのずと盛り上がる。プライドを持ってやって欲しいですね」とした。

 指導者としてどんなファイターを育てたいかを聞かれると「強い選手ではなくスター選手を育てたい。それだけしか考えてないです。ただ強ければいいではなく、そこは選手と考えながらやっていきます。どうブランディングしていくか、試合の魅せ方や倒しに行く姿勢ですね」とスター選手を生み出したいとする。


 そのスター選手のイメージとは「チケットが売れるとか、認知されるとか、数値化していってトータル含めてスター選手という感じがする。チケットも売れて、世間からも見られて、強さもあって、試合も華があるというような。総合的にトップに行かせたい。僕も一緒に頑張っていこうと思います。格闘技メディア以外も大事だと思うので。うちの選手はルックスもいいのでどんどん出していきたいですね」と話した。

 また、「三階級制覇できるような選手も揃っていると思うので、させたい気持ちはあります、とにかく現役は短いので目立ってなんぼだと思っているので、サポートしながら強くしていきたいです」と、自分が成しえなかったK-1三階級制覇を達成する弟子も育てたいという。

 現役生活は楽しかったか。その問いには「楽しいというよりは燃えていました。闘志がずっとたぎっているというか。やっている時は楽しくはなかったかな。苦しい気持ちはあったけれど燃えていました。やってやるって闘志があった。それが刺激的で今思うと楽しかったです。燃えている感じがありました」と語った。

 そして「15年間、応援だったり、叱咤激励もあったと思いますが、いろいろな声も含めてすべて力になりました。自分が育てた選手が、これからもリングに上がっていくと思いますので、注目をしてくださると嬉しいです。今まで、ありがとうございました」と、ファンへメッセージを送った。

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