2024年10月12日(土)東京・後楽園ホール『KNOCK OUT 2024 vol.5』の記者会見が、8月5日(月)都内にて行われた。
今大会より「KNOCK OUT-BLACKウェルター級王座決定トーナメント」が開幕。渡部太基(TEAM TEPPEN)vs.西川康平(8ball fitness)、漁鬼(SHINE沖縄)vs.中島玲(フリー)の1回戦が行われる。決勝は12月30日の横浜武道館大会。
渡部は藤原ジム所属として2006年3月に全日本キックでプロデビュー。Krush、M-1、REBELS、RISEなど様々なリングで活躍し、2011年1月にトーナメントで優勝して初代WPMF日本ウェルター級王者となり、2016年1月にはKrush同級王座を奪取。2024年で引退することを表明し、2月に漁鬼に判定負け、4月はCAZ JANJIRAにKO勝ち、6月は小川悠太に延長戦の末に判定負け。戦績は25勝(14KO)31敗2分。
西川はK-1甲子園やJ-NETWORKで頭角を表したサウスポーで、2011年からKrushに参戦。2016年3月にはK-1に出場して勝利を収め、2017年3月には木村“フィリップ”ミノルにKO勝ちを収めている。一時引退していたが2023年4月にKNOCK OUTで復帰、中島弘貴にKO負けを喫した。戦績は10勝(5KO)13敗。
漁鬼は沖縄のアグレッシブファイターで、TENKAICHIウェルター級王者、BEAST同級王者。2022年7月にKNOCK OUTに初参戦すると中島弘貴を破り、2024年2月には渡部太基にも勝利。6月のエミール・アラゾフ戦では判定負けした。戦績は7勝(2KO)5敗1分。
中島は2019年にボクシングでプロデビュー。2020年10月にプロ4戦目にして前OPBF東洋太平洋ミドル級王者・細川チャーリー忍を判定に破る大金星をあげて注目を浴びる。2023年4月には日本スーパーウェルター級暫定王者決定戦でTKO勝ち。2024年1月9日にボクシングで最後の試合を行い、6勝(1KO)2敗の戦績を残してキックボクシングに転向した。3月20日の『K-1 WORLD MAX』でヴィクトル・アキモフにKO負けも、6月のKNOCK OUT初参戦でKNOCK OUT-REDスーパーライト級王者・バズーカ巧樹をTKOに破った。
当初は渡部に勝利している小川悠太が候補にあがっていたが、拳を負傷してしまい来年夏頃の復帰となるため、中島にオファーしたところ67.5kgでもいい(適正体重は65kg)との返事があり、この4人で王座決定トーナメントが行われることになった。
会見に登場するとバチバチのにらみ合いを展開した渡部は「トーナメントということで、現役生活も半年を切ったのでここはラストしっかり獲りに行きたい」、西川は「前回、中島くんとやってナメくさった状態で試合をしたので、今回はチャンスをもらったので全力で仕上げて倒しに行きます」とそれぞれ意気込み。
漁鬼は「トーナメントがあると聞いて、ずっと出たいとアピールしてきたので試合に出られるのを嬉しく思っています」と挨拶。中島からは「今回のトーナメント出場者に選んでいただき燃えています。両方ともKOして僕が王者になります。まずは準決勝はボコボコにして大阪に帰るので楽しみにして下さい」とのメッセージが読み上げられた。
それぞれ対戦相手の印象を聞かれると、渡部は「テクニックもあって一発もある印象」、西川は「なんも試合見たことないけれど、気持ちは強いと思うのでそこで負けないようにしたい」、漁鬼は「バズーカ選手をKOしていて強い選手だと思っています。ボクシングからキックボクシングに来たけれど、自分が強いと勘違いしていると思うので、キックは甘くないことを教えてあげようと思います。パンチが強い選手だとは思いますが、蹴りは出来ないと思うのでキックボクシングをすれば勝てると思っています」と評する。
渡部は前回小川に敗れ、「勝って出るって思っていたのに負けちゃって。呼んでもらってありがたく思います」とチャンスを活かしたいと話す。
西川は中島戦後は期間が空いたが「試合はしてない。練習は…してなかったです(笑)。でも今は10月に向けて全力やっているので大丈夫です。最後のチャンスだと思っているので負けたらもうやらないし、それくらい腹くくってやっています。ベルトが欲しいわけじゃないけれど全力で獲りに行って、負けるまで全力でやろうかなと思っています」と、負けたらその時点で引退との覚悟を持ってトーナメントに挑むという。
漁鬼はアラゾフ戦での黒星のあと改善した点を聞かれ、「思うような試合が出来なくて動画を見返すのも嫌だった。あの試合は自分がKOされてもいい覚悟があれば、いい試合が出来たと思います。今度は倒されてもいいから倒しに行く覚悟を持っていきたいと思います」と、覚悟が違うとした。
決勝で戦いたい相手を聞かれると、渡部は「どっちとかはないけれど、どっちも強いのでやりたいけれど漁鬼には1回負けているので、やり返してベルトを巻くのはそれはそれでいいと思うのでそうなれば」と、漁鬼にリベンジしてベルトを巻くのが理想的だとする。
西川は「今日初めて相手が分かった。渡部選手は前から知っていて、2人は知らなかったので、決勝で渡部選手とやりたかったけれどしょうがない」と、漁鬼と中島のことは知らないと答えた。
すると漁鬼は「僕も知らないし、どうせ渡部選手が勝つと思う」と西川に噛みつく。西川が「この小僧とやって、最後が渡部選手にしてくださいよ」と1回戦の組み合わせを変えて欲しいと言う。
ここで西川と漁鬼が言い合いを始めたが、西川が「BreakingDownじゃないので」と言ってその場は一応収まった。
バチバチのフェイスオフを展開した渡部と西川には、2人が対戦することでイメージされる試合展開があると思うが、その通りになりそうかとの質問が飛び、渡部は「もちろん」と期待通りの試合になると予告。
西川も「凄い試合になると思う。さっき目を見て気合いが入っていると思ったし、面白いと思いますね」と同じく期待に応えるとし、渡部も「気合いが入っているなと思った」と西川の気合いを感じたとする。
しかしここで西川が「目が泳いでなかった。右の人は泳いでいるから勝てないよ」と漁鬼に言い、怒った漁鬼とまたも口論となり、両者の間で因縁が生まれた。