メインに抜擢された橋本(左)と鈴木の対戦。橋本はルールの変更を要求した
2019年10月4日(金)東京・後楽園ホールで開催されるKNOCK OUTとREBELSの合同興行『K.O × REBELS』の記者会見が、9月7日(土)都内にて行われた。
すでに発表されている橋本悟(橋本道場)vs鈴木千裕(クロスポイント吉祥寺)の64kg契約3分3Rが、今大会のメインイベントとして行われることが発表された。
橋本は“激闘大魔神”の異名を持つアグレッシブファイターで、右ストレートを武器に様々な団体で活躍。MuayThaiOpenスーパーライト級王座、INNOVATIONライト級王座の二冠を持ち、戦績は19勝(10KO)15敗3分。
鈴木はREBELS-60kg王者・鈴木宙樹の弟で、元々はMMAファイターとしてパンクラス・ネオブラッド・トーナメント2018フライ級(56.7kg)で優勝。8月10日のレベルスでキックボクシングの試合に臨み、パワフルなパンチで初回TKO勝ちを飾った。
山口元気KNOCK OUTプロデューサーは「橋本会長からリクエストがあって、とにかく打ち合える試合ができる相手をお願いしたいと。まだ2戦目ですがこいつなら打ち合うだろう、逃げることはないだろうと鈴木千裕に無理やりやれと言いました。性格的にも、鈴木はMMAでもパンチばかり使っていたので期待通りの内容になると思います」と、試合内容に期待しての抜擢だと説明。
その言葉を受けて鈴木は「千裕は逃げないと言ってくださったが、会長から逃げることは教えてもらっていない。なんならノーガードで打ち合いたいくらいです。試合映像を100回見ましたが、正直負ける気がしません。橋本選手は経験があるし、強いし、パンチも強いと言われていますが、自分は絶対に負けないです。フックをもらっても倒れない。いや、むしろもらわない。それくらいの自信があります。スパーもガンガンやっています。負ける要因がないです。マジで練習しています。(橋本のパンチは)会長から教えていただいたテクニックで回避したいと思います。自分はキックボクシング2戦目ですが、こんなに強い選手がいるんだって、メインにふさわしい超インパクトある試合を見せるので注目してください。1Rからぶっ倒しに行きます」と熱弁。
橋本は鈴木の熱弁に苦笑いし、「メインに選んでいただきありがとうございます。自分は戦い方を変えられる選手じゃないので、バチバチにいつも通りやって盛り上げたいと思います」とコメントした。
7月のイノベーション興行で橋本は潘隆成に勝っており、鈴木は「目の前で試合を見ていたのでめちゃくちゃ悔しいし、悲しいです。先輩が負けたので。その次の相手に自分を選んでいただいたので、これは倒すってことですね。自分とお兄ちゃん(REBELS 60kg級王者の鈴木宙樹)が周りから何と言われているか知っていますか? “倒し屋兄弟”です! これはどういうことかと言うと、KOするってことです」と、やたらとアツくKOを強調する。
橋本は「まだ試合映像は見てないんですが、さっきから(倒す気を)感じているので楽しみにしています。試合で(その言葉は)嘘じゃないってところを見られるのか、楽しみにしています」とニヤリ。「次、倒したら3連続KOです。毎試合これが最後になると思っているので目標とか先は考えてないですね。そう思って1試合1試合を精一杯やっています。相手が2戦目だからって強い人は強いので、ナメないで戦いたいと思います」と油断もない。
両者が並ぶと、同じ体重で試合をするとは思えないほど鈴木の方が大きいが、橋本は「自分も隣に立ってデカいなと思いましたが、気にしないです」とし、鈴木の打ち合い宣言について「多分、本当に打ち合ってくれると思います」と答えた。
するとここで橋本は「3Rでヒジなしは鈴木選手の要望かな? KNOCK OUTはずっとヒジあり5Rを売りにしてやってきたので、それを今回メインで3Rヒジなしは違うんじゃないかなって。そこはどう思っているのか聞きたいですね。僕はヒジあり5Rが好きなので」と、ヒジ打ちなし・3分3RのルールはKNOCK OUTのメインにふさわしくないと言い放った。
これを受けて鈴木も「そうっすね。僕はルールのことは一切言っていません。会長が決めてくださっただけです。そうっすね、橋本選手がそうおっしゃるならぜひやりましょうよ。その代わり僕がKOして、リベンジマッチの時は懸けるものは懸けてもらいましょう」と橋本の要求を飲み、再戦はタイトルマッチでやろうと提案した。
山口プロデューサーは「勝手にルールを変えないでもらいたい」と困惑するも、「後で話し合いましょう。要検討です。橋本会長からその方が橋本選手のよさが出ると言われたんですけれどね…」と、ルールを検討すると答えた。果たしてどうなるのか。