(C)ゴング格闘技
2024年7月21日(日)『PANCRASE 346』(立川ステージガーデン)のバンタム級戦で高城光弘(リバーサルジム横浜グランドスラム)と対戦するオタベク・ラジャボフ(TAJMMAF GYM/タジキスタン)が19日、都内で公開練習を行った。
▼バンタム級 5分3R
高城光弘(リバーサルジム横浜グランドスラム)6位・9勝2敗
オタベク・ラジャボフ(TAJMMAF GYM/タジキスタン)プロデビュー戦・2022&2023 IMMAF世界大会バンタム級優勝、アマ18勝1敗
21歳のラジャボフは、アマチュアMMA18勝1敗。2022年と2023年のIMMAF世界大会でバンタム級を連覇している。今回が初来日でプロデビュー戦ながら、公式プレスリリースは「怪物参戦、既にベルトを狙えるレベル」と記す。
公開練習では、173cmの長身から繰り出すシャープな打撃でスピニングバックフィストや、跳びヒザ蹴りも披露。打撃からダブルレッグ、シングルレッグテイクダウンからパウンドのケージレスリングも見せた。
アマチュアの強豪からプロ初参戦がPANCRASEマットとなるが、「PANCRASEはずっと見てきて出たいと思っていた。アマチュアで長いキャリアを戦い、IMMAFでメダルも獲得し、プロデビューを待ち焦がれていた。UFCと同じ30年の歴史があるこの団体で試合ができるのが楽しみ」と笑顔。
初来日では、減量しながらの渡航に日本の飲食店のショーウィンドウに悩まされたようで、試合後に食べたいものを問われ、「スシ、ラーメン、トムヤンスープ……いろいろあるよ。移動中にも目移りして、あの料理のサンプルがほんとうに本物のようでたまらなかった」と苦笑した。
対戦相手の高城は、スイッチスタンスの打撃やトリッキーな寝技を駆使して現在5連勝をマークしているが、ラジャボフは「とてもいいファイターでプロとしての経験もある」としながらも「自分が戦ってきた相手と比べて強い選手と戦っていない。自分の方が若くて(7歳差)ハングリーで、いい打撃とレスリングを持っている」と、自信を語る。
これまでのデータでは分からなかったバックボーンは、15歳で柔術を始め、16歳でMMAに転向したため、「僕のバックボーンはレスリングでもボクシングでもなく、MMAがバックボーン。子供の頃からPRIDEを見て、“ラストエンペラー”エメリヤーエンコ・ヒヨードルに憧れ、もちろんハビブ・ヌルマゴメドフ、コナー・マクレガーらもヒーローだ」とMMAネイティブ世代だとする。
アマチュアで唯一の黒星は2022年1月のエサフ・チョプロフ(ジョージア)戦で肩固めで一本負け。その後チョプロフはRCC2連勝を含むプロMMAで4連勝中の強豪で、ラジャボフもその後はアマチュア11連勝を飾っている。
チョプロフ戦では「怪我をしていた」と明かすラジャボフは、今回のPANCRASE初参戦に向けてロシアとタジキスタンで合宿、「ハードトレーニングをロシアやアジアの選手たちとやってきた」といい、自信の強みを、「いちばん得意なのは打撃だけど、流れ次第で組んでも寝技でもいける。タジックファイターは、国の80%以上が山岳地で、海抜も高いため心肺機能が強い。ガスアウトもしない」と、オールラウンドに戦えるうえに、スタミナも武器だとした。
勝敗のカギを問われ、「レスリング力でテイクダウンして、サブミッションでもストライキングでも、どちらでも倒せる。試合の流れによるんだ。日本のスタイルに対して、タジクスタイルを見せる」と意気込む。
「トラッシュトークはしないんだ」というラジャボフの目標は、同郷で同大会で伊藤盛一郎が持つフライ級王座に挑戦するムハンマド・サロハイディノフのように、PANCRASEバンタムのベルトに挑戦すること。
「もちろんムハマドのように王座戦のチャンスをつかみたい」というアマチュア18勝1敗のラジャボフは、プロ5連勝中の高城光弘をものみこむか。