ムエタイ
レポート

【RWS】吉成名高がダウンを奪う完勝でV2、松田龍聖が歴史的快挙&大番狂わせ!クンスックレックをKOしてわずか13戦目でラジャ王座奪取!石井一成のリベンジならず2度のダウン奪われる、朝陽が強烈左ボディで一撃KO、竜哉がスピード戦を制す、士門がウーコン撃破、伊藤紗弥が熱戦を制してラジャ4位を撃破、パヤーフォンが無敗の女子高生カナを寄せ付けず

2024/07/14 16:07
RWS JAPAN 20242024年7月14日(日)千葉・TIPSTAR DOME CHIBA※U-NEXTにてLIVE配信 ▼第16試合 ラジャダムナンスタジアム認定スーパーフライ級(52.16kg)タイトルマッチ 3分5R〇名高・エイワスポーツジム(=吉成名高/エイワスポーツジム/王者)判定3-0 ※50-44×3×ジョムホート・コースワンタット(タイ/同級3位/挑戦者)※名高が2度目の防衛に成功。  名高は2018年12月にラジャダムナンスタジアム認定ミニフライ級王座(47.63kg)を獲得し、2019年4月にはルンピニーの同級タイトルも獲得。日本人初のムエタイ2大殿堂ラジャダムナン・ルンピニー統一王者となった。その後も快進撃を続け、2023年2月にはRWSシリーズに参戦し、左ハイキックで見事なKO勝ち。4月にはムエタイ強豪ソンチャイノーイもKO、5月にペットナコンをKOすると、7月にはウェウワーを破りラジャダムナンスタジアム認定フライ級王座を奪取。タイ人以外では史上初となるラジャダムナン王座の2階級制覇を達成した。  快進撃は止まらず、8月には『RWS』で初防衛戦を行い4R TKO勝ちで日本人では史上2人目となるタイでの防衛に成功。12月のRWSでシューサップを2RでKOし、ラジャダムナンスタジアム認定スーパーフライ級暫定王座を獲得すると、2024年2月12日に日本初上陸を果たした『RWS』で正規王者プレーオプラーオを判定で破り王座を統一すると共に初防衛に成功、前人未到の3階級制覇を達成した。4月の前戦ではケビン・マルティネスに完勝している。戦績は55勝(37KO)6敗1分。現在30連勝中。今回が2度目の防衛戦。  マッチメイカーである中川夏生BOM代表は「ジョムホートはずっと名高とやりたいと言っている選手。タイで名前がある選手で素晴らしい選手です。名高と同じでサウスポーのフィームー(テクニシャンタイプ)です」と、かねてから名高との対戦を熱望していた選手だと紹介した。  1R、サウスポー同士。名高は左ロー、右の三日月を多用。ジョムホートの左には左の打ち下ろしを合わせに行く。ジョムホートが蹴ってくるとキャッチし、コカす。さらに左ハイを蹴っての左ローと名高がワンサイドで攻めて10-9×3。  2Rも名高は右ローと右三日月を蹴っていき、ジョムホートはジャブを多用。名高の右三日月を気にする素振りを見せたジョムホートだが、構わず前へ出てくる。名高がヒジを見舞うとすかさずヒジを返してくるジョムホート。名高はノーモーションの左ストレート、左ハイも放つ。  3R、前に出てくるジョムホートに三日月や左ストレートを見舞う名高だが、ジョムホートは構わず前進を続ける。名高にロープを背負わせるとバックスピンエルボーも放つ。名高がヒザをグサリと突き刺しても前に出るジョムホート。攻めあぐねる場面もあった名高だが、終了間際に左ヒザからの右ヒジでダウンを奪う。  4Rも前に出るジョムホートはヒジでの逆転を狙う。名高は飛びヒザ、ハイキック、左右の連打、ヒジと多彩な攻撃を繰り出すが、タフなジョムホートは前へ出て打ち返してくる。さすがに名高も疲れが見え始めたか。  5Rもジャブを突き、右三日月、右ボディ、左ストレートと多彩な攻撃をしていく名高だが、ジョムホートはタフだ。しかし、もはや逆転は無理と諦めて負けを認め、残り1分のコールを待たずして流しに入る。名高もそれ以上は攻めず試合終了。大差の判定3-0で名高が2度目の防衛に成功した。 [nextpage] ▼第15試合 ラジャダムナンスタジアム認定バンタム級(53.5kg)タイトルマッチ 3分5R×クンスックレック・ブームデックシアン(タイ/王者)KO 2R〇松田龍聖(大原道場/同級13位/挑戦者)※松田が新王座に就く。  クンスックレックは現在タイで最も注目を集める選手で、なんと41戦負け無し(1引き分けを含む)の無敗記録を更新中。オームノーイスタジアム認定バンタム級王座、プロムエタイ協会スーパーフライ級&バンタム級王座、そしてラジャダムナンスタジアム認定バンタム級王座と4つのタイトルを獲得。4月6日にクマンドーイを破ってラジャのバンタム級王者になると、5月11日にはペットサイアムをKOして初防衛にも成功している。  対する18歳の松田は2021年8月8日にNJKFのリングでプロデビュー。ホーストカップを主戦場にし、2023年3月には滉大を破ってHOOST CUP日本スーパーフライ級王座を獲得。同年10月には、山田航暉に勝利し、12月のリティグライ・ゲーオサムリット戦では1RTKO勝ちを収めた。2024年4月の『RWS JAPAN』に初参戦すると、初のムエタイルールにも関わらず石井一成を苦しめ、ドローとなっている。戦績は11勝(4KO)1分無敗。  1R、クンスックレックは前蹴り、松田は左インローからのスタート。松田はクンスックレックの蹴り足をキャッチしてはコカしてみせる。さらにクンスックレックの攻撃を空振りさせて右を当てる。しかし、クンスックレックの右ミドル、右ミドルハイが評価されオープンスコアは10-9×3に。  2R、クンスックレックは松田のパンチに合わせて右ミドル。松田は命中精度の高い右ストレートをタイミングよく当てていく。スピードのある蹴りをテンポよく放つクンスックレックに松田はこれもタイミングよく左ボディを打つ。  そして、歴史的快挙の瞬間が訪れた。松田は左ボディを打つと右を打ち、もう一度右ストレート。これがもろに決まり、クンスックレックは豪快にダウン。そのまま立ち上がることが出来ず、松田のKO勝ちとなった。  クンスックレックの連勝をストップし、13戦目にしてのラジャダムナン王座奪取。歴史が変わった瞬間に、場内は騒然となった。 [nextpage] ▼第14試合 スーパーフライ級(52.16kg) 3分3R〇パントー・ポー.ラックブン(タイ/元ラジャダムナンスタジアム認定バンタム級王者)判定3-0 ※29-26×3×イッセイ・ウォーワンチャイ(=石井一成/ウォーワンチャイプロモーション)  イッセイこと石井は打倒ムエタイを掲げタイで試合を重ねながら、2022年8月からK-1にも参戦。K-1バンタム級王座決定トーナメントに出場するなどトップクラスと試合を重ねてきたが、2023年12月の黒田斗真とのK-1 WORLD GP バンタム級タイトルマッチを最後にK-1との契約を解除。今年3月9日、タイ・ラジャダムナンスタジアムで開催されたRWSではコンパヤックを相手に衝撃の初回KO勝ちを収めた。前回4月のRWSでは松田龍聖とドローに。  今回は2023年10月にタイの『RWS』で敗れたパントーにリベンジを挑む。  1R、石井は右ミドルを多用し、右のパンチへつなげる。サウスポーのパントーは右インローを蹴りつつ、左フックを強振。右ストレートをヒットさせた石井はニヤリと笑みを浮かべる。終盤、右ミドルと右ストレートで攻撃をまとめた石井が10-9×2でリーと、パントーも10-9で割れた。  2Rになるとパントーは一気にギアを上げ、左右フックとアッパーでアグレッシブに攻める。石井が下がったところでパントーが飛びヒザ蹴り、これが決まって石井はダウンを喫する。石井は距離を詰めてパンチとヒジで勝負をかけ、ヒットを奪ってパントーを下がらせる。逆転なるかと思われた場面だったが、左フックを振りかぶったところでパントーに右ヒジを合わされ、2度目のダウンを喫した。  3R、パントーは前蹴りとジャブを使いながら回り込み完全に逃げ切りたい体勢。石井は左ボディ、右ハイ、飛びヒザ蹴りで逆転KOを狙うが、パントーは危険な距離になると組みついてしまい石井の動きを止める。  判定は3-0でパントーの勝利に。石井のリベンジはならなかった。 [nextpage] ▼第13試合 フェザー級(57.15kg) 3分3R×チャイヤコーン・ポーラックブーン(タイ)KO 1R〇朝陽・PKセンチャイムエタイジム(=品川朝陽/PKセンチャイムエタイジム)  朝陽は同門の吉成名高と共にジュニア時代から様々なアマチュアタイトルを獲得し、プロ転向後も強打を武器にMA日本フライ級王座、ルンピニージャパン認定スーパーバンタム級王座、WBCムエタイ世界スーパーバンタム級王座、ムエサイアム・イサーン・バンタム級王座、IPCC世界フェザー級王座などのタイトルを次々と獲得。2021年12月にONE初参戦を果たしたが、のちにONEムエタイ世界ストロー級王者となるジョセフ・ラシリに初回KO負けを喫して世界の壁の厚さを痛感させられた。  2022年11月にはONEシンガポール大会でルイ・ボテーリョに判定勝ち。2023年はONEを離れ、新たな強敵を求めてBOMに帰還。2024年は1月の『TOP BRIGHTS』で2RKO勝ち、3月のRWSで1RKO勝ち、6月にナー・モハメッドに判定勝ちで現在9連勝中。戦績は28勝(19KO)6敗。  1R、朝陽は右カーフで先制。この一発でカーフを警戒したか、チャイヤコーンは前蹴りを使って朝陽にカーフを蹴らせないようにする。さらにローを蹴っていく朝陽はいきなりのワンツー。そして得意の左ボディを命中させる。  左ミドルを蹴り返すチャイヤコーンに朝陽は右ロー、右ボディストレート。チャイヤコーンが左ミドルを蹴ってくると、かわして身体ごと飛び込むような左ボディを炸裂させる。大きな破裂音が鳴り響き、チャイヤコーンは悶絶ダウン。朝陽の鮮やかな一発KOとなった。 [nextpage] ▼第12試合 スーパーヘビー級(+95.01kg) 3分3R〇植村真弥(WSR幕張)判定3-0×マイク・ポーチャッチャイ(タイ)  マイクが場内に姿を現わすと、その巨大さにどよめきが起こる。  1R、植村は圧をかけて右ローと左フック。マイクはその巨体に似合わず左フックからの右ローを多用する。植村はマイクをコーナーへ詰めると左右フックとアッパーのラッシュを仕掛ける。植村が一度離れるとマイクはもっと打ってこいとばかりに挑発。植村のヒザ蹴りにも、自分の腹をたたいてもっと蹴ってこいと挑発する。しかし、オープンスコアは10-9×3で植村。  2Rはマイクが前に出て、気合いの声を発しながらボディを打つ。さらに右ロー。植村も右ローを蹴り、時折左右フックをまとめるが両者とも疲れが見える。前へ出てジャブを突き、右ローを蹴るマイクに植村は攻めあぐねるが、それでも左右ロー左ミドルで譲らない。OPスコアは10-9×2で植村、マイクにも10-9。  3Rはマイクがパンチで勝負をかける。左右フックと左右ボディで攻める。植村は左右フックとアッパー、右ロー。マイクはそんなのは効かないとばかりにノーガードで前へ出て左右フックを打つ。植村がバックハンドブローを繰り出せば、マイクはハイキック。両者とも消耗しながらも最後まで戦い、判定3-0で植村が巨漢から勝利を奪った。 [nextpage] ▼第11試合 50.0kg契約 3分3R〇竜哉・エイワスポーツジム(=奥脇竜哉/エイワスポーツジム)判定3-0×ゲオナーカー・オーボージョーナコーンパノム(タイ)  竜哉は小学4年生でムエタイを始め、アマチュア時代は約100戦を経験して9本のベルトを巻いた。中1の時にタイでプロデビューを飾り、タイで試合(約20戦)・練習経験を積んで2018年4月に満を持して国内プロデビュー。いきなりWMC世界ピン級王座を獲得して世界王者となった。2019年7月にはタイでIBFムエタイ世界ミニフライ級王座決定戦を制して日本人3人目の同世界王者となり、9月には同じくタイ・ラジャダムナンスタジアムにて日本人として8人目の同スタジアム王者に。  2020年2月にKO勝ちでWPMF世界ミニフライ級王座を獲得。怪我で戦列から離れていたが、2022年12月に約1年ぶりの復帰戦で秒殺KO勝ちした。RWSでは12月にジャバド・モザファリ(イラン)にKO勝ち。2024年3月のコチャシット戦では判定負けしたが、4月のダイレクトリマッチでリベンジを果たした。前戦となった6月22日のRWSでは、クライジェーンレック・シットクライジェーンに1RKO勝ちした。戦績は36勝(13KO)8敗2分。  相手のゲオナーカーはギャットペットプロモーションのスターで、フィームー(テクニシャン)。  1R、両者スピードのある右の蹴りの蹴り合い。ゲオナーカーは時折右ハイキックを蹴る。左ミドルもスピードがあり、強い。竜哉は右ミドルを蹴り、飛び込んでの左ボディ。さらにゲオナーカーの右ローに右ハイキックを鮮やかに合わせた。オープンスコアは10-9×2で竜哉、10-9でゲオナーカーと竜哉がリード。  2Rもスピードのある蹴り合い。両者のハイキックが飛び交う。竜哉はハイやミドルを蹴りつつ、右ローを集中させていき、コーナーへ詰めたゲオナーカーに何度も右ローをヒットさせる。これに嫌そうな素振りを一瞬見せたゲオナーカー。竜哉はパンチを見せつつ右ローを命中させていった。OPスコアは10-9×3で竜哉。  3Rも右ミドルの激しい蹴り合いとなり、竜哉は相手の蹴り足をキャッチしてのミドル、パンチも繰り出す。ゲオナーカーはミドルで必死の反撃も竜哉はすぐに蹴り返す。ゲオナーカーは最後の望みを首相撲に懸けるが、竜哉は譲らず試合終了。  判定3-0で竜哉がラジャのタイトル挑戦絵h近付く勝利を手にした。 [nextpage] ▼第10試合 スーパーフェザー級(58.97kg) 3分3R〇士門・エイワスポーツジム(=吉成士門/エイワスポーツジム)判定3-0×ウーコン・シットジャローンウィット(タイ)  士門は名高と同じくジュニア時代からムエタイを学び、WPMFインターナショナルスーパーバンタム級王座やWMCインターコンチネンタルバンタム級王座など4つのタイトルを獲得。4月のRWS JAPANでは、永澤サムエル聖光に3-0判定勝ちしている強豪イサンヌア・チョーバンセンに完勝してみせた。6月のBOMではテープマンゴーンに初回KO勝ち。戦績は18勝(6KO)1敗。  1R、士門はまず左ミドルを蹴り、右カーフをヒットさせていく。さらに飛び込んでの左ボディも。ウーコンも前へ出て左フックをヒットさせて組んでくる。首相撲でヒザを蹴るのは士門だが、崩し合いは両者ともコカせず互角か。オープンスコアは10-9で士門がとった。  2R、士門は左ミドルを蹴ると共に、前へ出て右ストレートからヒザを突き上げ、さらに組んでのヒザの蹴り合いでも負けない。首相撲の展開が多くなったことのラウンド、先にヒザを蹴るのは士門で、ウーコンがヒザを蹴り返そうと足を上げると士門は内股にヒザを押し当てて蹴らせない。ウーコンの動きを制す。さらに蹴り足をキャッチしての軸足蹴りでウーコンを転倒させる士門。ウーコンも首相撲&ヒザと左ミドルで必死に反撃。  3Rはいきなり組み合いとなるが、両者譲らず。逆転を狙うウーコンがパンチで前へ出ると、士門は下がって回り込み、ウーコンをジャブと前蹴り、ヒザで迎え撃つ。逃げ切り体勢に入った士門をパンチとヒジで追いかけるウーコン。士門は右ローや左ミドルも蹴ってペースをつかませず、判定で完勝した。 [nextpage] ▼第9試合 58kg契約 3分3R×スーパーマン・バンチャメーク(タイ)KO 2R〇馬渡亮太(治政館)  1R、サウスポーのスーパーマンは好戦的なのかいきなりヒジや右フックを放ってくる。馬渡は左ボディ、蹴り足をキャッチしてパンチを狙うが、バランスを崩して2度ヒザを着き、さらに蹴られたことからこのラウンドは10-9×3でスーパーマンに。  2R、馬渡は前へ出て左右フックを叩きつけ、パンチ主体の攻撃を見せる。スーパーマンは首相撲で豪快に馬渡を投げ、崩して蹴りを見舞っていく。しかし、馬渡が右ローからの左ボディを突き刺すと右ストレートでダメ押し。スーパーマンは一瞬遅れて腹を抑えてダウン。そのまま大の字となり、担架で運ばれるほどのダメージを負って馬渡のKO勝ちとなった。 [nextpage] ▼第8試合 アトム級(46.26kg) 2分3R×ノンパーフォン・ファミリームエタイ(タイ/同級4位)判定0-3〇伊藤紗弥(尚武会/同級2位)  伊藤はジュニアキックで数々のタイトルを獲得。2012年12月には中学2年生にしてタイでWPMF女子世界ピン級暫定王座に就いた。2014年4月に国内で正式にプロデビューを果たすと、国内外の強敵を相手に快進撃を続けWPMF・WMC・WBCムエタイと女子世界王座の三冠を制覇。2021年4月にBOM女子ピン級(-45.53kg)初代王座、11月にBOM女子ライトフライ級(-48.98kg)王者になると、2022年5月にはナムワンを破りIPCC世界女子アトム級王者となって世界四冠王に。  2022年10月にはさらに上の階級である-50kgで『MUAYTHAI SUPER CHAMP』のトーナメントに参戦も決勝で涙を飲んだ。2023年3月にはタイ・パタヤで勝利し、IMSA王座を新たに獲得。9月の『RWS』でモンクッペットに判定負けを喫し、RWSでの2分3R制を踏まえてパンチを強化して11月のBOMでは予告通り左フックでミンタを2RでKOした。12月にはラジャダムナンスタジアムで初勝利、2024年1月の『TOP BRIGHTS』ではサネーガームとの再戦で返り討ち、そして2月のRWS JAPANではノンミンを2RでKO、4月の同大会では元K-1王者のパヤーフォンも判定で破り、5月には『ムエローク』でペチャサンジャンに2RでKO勝ちして6連勝中。  対戦するノンパーフォンについてマッチメーカーの中川夏生BOM代表は「ノンパーフォンはムエマッド、パンチの強い選手です。女子のこの階級でKOもある、46kgでパンチで倒せる選手なので凄く面白い試合になると思います。パヤーフォンに完封勝利した紗弥選手は、ラジャダムナンスタジアムもこの階級でランキングとタイトルを作るという話があるため、女子初のラジャ王者を視野に入れています」と話した。  1R、サウスポーのノンパーフォンは左ミドルをバンバンと蹴ってくる。伊藤も負けじと右ミドルを蹴り、右ミドルをフェイントにしての右ストレート、ジャブ&ローで対抗。パンチを出して前に出る伊藤。オープンスコアは伊藤が10-9×2、ノンパーフォンが10-9と割れた。ノンパーフォンに左ミドルを蹴られすぎたか。  2R、前に出て攻めるのは伊藤で組んでもヒザを入れて首相撲で崩し倒す。ノンパーフォンは待ちの体勢となり、伊藤が右ミドルを蹴ってくるとかわしての左ミドル。伊藤はロープに詰めて左ボディを打つが、ノンパーフォンに左ミドルを蹴られた。OPスコアは10-9×2伊藤、ノンパーフォンが10-9とこのラウンドも割れる。  3R、ジャブと前蹴りの伊藤はノンパーフォンが組みついてくるとヒザを押し付けてロック。ノンパーフォンの左ミドルをキャッチして崩してのパンチも見舞う。ジャブと前蹴りでノンパーフォンの機先を制する伊藤は、ノンパーフォンの蹴り足をキャッチすると豪快にコカした。  判定は3-0で伊藤の勝利。好試合の末に上位ランキングを守った。 [nextpage] ▼第7試合 75.0kg契約 3分3R〇YOHAN(T.K.F)KO 2R 1分12秒 ※右ヒザ蹴り×クリスチャン・ジョセフ(尚武会/INTEGRA FIGHT GYM)  1R、ジャブを突いて前に出るジョセフにYOHANは右クロスを狙う。さらに左ボディ。組んでも組み負けないYOHANはテンカオ、さらに組んでのヒザと攻勢に。オープンスコアは10-9×3でYOHAN。  2R、いきなりの蹴り合いで左ハイをヒットさせるYOHAN。続いて左フックも狙う。YOHANの右ヒザが突き刺さると、後退するジョセフにYOHANはパンチをまとめる。左ミドルも蹴る。 一度顔面へパンチを集めておき、ジョセフが前へ出てくるとYOHANは右ヒザを突き刺してダウンを奪う。さらにパンチからもう一度右ヒザを突き刺すと、ジョセフはたまらずうずくまりYOHANのKO勝ちとなった。 [nextpage] ▼第6試合 バンタム級(53.50kg) 3分3R〇ナンペット・チョーチャンピオン(タイ)判定3-0×佐藤九里虎(FAITH)  1R、序盤は見合いだったが佐藤がパンチで圧をかけていき、ロープを背負ったナンペットに右フックからの左ボディで攻める。佐藤の右フックがクリーンヒットし、グラつくナンペット。しかし、オープンスコアは10-9×2佐藤、10-9でナンペットにも付いた。  2R、右ローを蹴り、強打の左右フックを当ててく佐藤だが、ナンペットはジャブを突いて砂糖をのけ反らせ、左ミドルをしっかり当てていく。ジャブをもらう数が増える佐藤。このラウンドはナンペットの10-9×3。  勝負の3R、ナンペットはジャブに加えてジャブのように放つノーモーションの右ストレートも当てていく。佐藤は強打の左フックをヒットさせるが、被弾は明らかに佐藤の方が多い。さらに左ミドルも蹴られた。  判定は3-0でナンペットが勝利を手にした。 [nextpage] ▼第5試合 アトム級(46.26kg) 2分3R〇パヤーフォン・バンチャメーク(タ判定3-0×カナ・ウォーワンチャイ(=押川香ウォーワンチャイプロモーション) パヤーフォンは20歳にして68勝(11KO)17敗1分の戦績を持つ、元WPMF世界女子ピン級王者。2017年11月に初来日するとムエタイの試合で3連勝。2019年10月にKrush初参戦でKrush女子アトム級王者・高梨knuckle美穂に挑戦し、延長戦の末に敗れたものの高梨を苦戦させた。  2022年6月の「K-1 WORLD GP初代女子アトム級王座決定トーナメント」の1回戦でMIO、決勝では菅原美優を破り、タイ人女性初のK-1王者に就いたが、2023年3月の初防衛戦で菅原美優にリベンジを許し、王座を失った。7月には松谷綺にも判定負け。所属名をブアカーオと同じバンチャメークとし、2024年4月のRWS JAPANでムエタイに復帰。伊藤紗弥と対戦したが判定で敗れ、今回捲土重来を目指す。  カナはアマチュアで5つのタイトルを獲得し、2022年12月、タイでのプロデビュー戦でIMSA初代ピン級王座を獲得。2戦目でミネルヴァ認定ピン級王者の撫子、4戦目でJ-GIRLS&WMC日本の2冠王MIREYを破るという快進撃を続け、2024年3月にはタイの『RWS』に初参戦で勝利を得た。17歳の無敗最強ムエタイ女子高生。  1R、前に出るカナだがパヤーフォンはヒジを出してそのまま組みつき、首相撲に持ち込んで脚でカナの動きを封じる。ブレイクになると前に出るカナだが、その前にパヤーフォンがヒジから組みついて首相撲、ヒザを入れてカナに攻めさせない。オープンスコアは10-9×3でパヤーフォン。  2R、パヤーフォンはカナのミドルを空振りさせてミドルを蹴る。カナの至近距離に入ると首相撲で脚や膝を使ってカナの動きを封じる。カナも組み際にヒジを狙うがパヤーフォンは当てさせずに組む。終盤、パヤーフォンの左ヒジがヒットし、カナは流血。鮮血が流れ落ちた。OPスコアは10-9×3でパヤーフォン。  3R、パヤーフォンは右ミドルを蹴って組みつき、組むとヒザ。カナはヒザを蹴り返すことが出来ない。余裕の笑みを浮かべるパヤーフォンは下がりながらミドルを蹴り、組んではカナを制する。右目が大きく腫れあがるカナ。  判定でパヤーフォンが勝利。カナは初黒星に涙した。 [nextpage] ▼第4試合 ミドル級(72.57kg)  3分3Rパンダ・スミシークンマ(タイ)MIKE JOE(BATTLE FIELD/TEAM J.S.A) [nextpage] ▼第3試合 スーパーフェザー級(58.97kg) 3分3Rザケン・キアトゥイナップ(タイ)パルコ・レンジャージム(レンジャージム) [nextpage] ▼第2試合 ミドル級(72.57kg) 3分3Rマナオトーン・ルークジャオプラヤー(タイ)J(TSKjapan) [nextpage] ▼第1試合 バンタム級(53.5kg) 3分3Rジュライ・ウォーワンチャイ(=石井寿来/ウォーワンチャイプロモーション)桂 英慈(クレイン)
全文を読む

MAGAZINE

ゴング格闘技 NO.335
2024年11月22日発売
年末年始の主役たちを特集。UFC世界王座に挑む朝倉海、パントージャ独占インタビュー、大晦日・鈴木千裕vs.クレベル、井上直樹、久保優太。武尊、KANA。「武の世界」でプロハースカ、石井慧も
ブラジリアン柔術&総合格闘技専門店 ブルテリアブラジリアン柔術&総合格闘技専門店 ブルテリア

関連するイベント