2024年8月31日(土)東京・後楽園ホール『RISE 181』の対戦カード発表会見が、7月10日(水)都内にて行われた。
RISEバンタム級タイトルマッチ3分5R無制限延長Rで、王者・大﨑孔稀(OISHI GYM)が同級4位・大森隆之介(EX ARES)の挑戦を受けての初防衛戦が決定。
大﨑はパンチ、蹴り、ヒジ、ヒザいずれでもKOできる破壊力を持ち、タイ人と渡り合うテクニックも持っている。特にボディブローは強烈。様々な団体で活躍し、これまでにJ-NETWORKスーパーフライ級王座、WMC日本同級王座、BOMバンタム級王座を獲得。RISEには2019年11月から参戦。2023年12月に鈴木真彦を破り第8代王座に就くと、2024年5月にはヨーブアデーンを左ボディでKOした。戦績は33勝(20KO)7敗2分1無効試合。
大森は2020年1月のプロデビュー後、2021年7月に有井渚海に負け連勝がストップするもその後は田渕神太、良星、京谷祐希ら格上を次々と撃破したが、2022年12月に加藤有吾に判定で敗れ連勝がストップ。しかし2024年3月、13戦全勝の山田虎矢太をバックハンドブローでKOする大番狂わせを起こした。戦績は8勝(6KO)2敗。現RISEフェザー級王者・門口佳佑と同門だ。
山田戦でのKO勝利が評価され、挑戦者に抜擢された大森は「まず、対戦を受けていただいた大﨑選手ありがとうございます。自分でもファンの方も思うと思うけれど、飛び級マッチやと思っています。自分は加藤くんに負けているし、鈴木選手ともやっていないので、組んでいただいた試合だと思っています。でも組まれた以上は、タイトルマッチへ向かって全力出していきます。正直、結構自信あるんですよ。大﨑選手みたいな選手を倒すのは、僕みたいな爆発力がある選手やないと無理だと思うので」と、自信はあるとコメント。
迎え撃つ大﨑は「納得しているかと言ったら納得はしてないですけれど、決まった以上は王者としての強さを見せつけるだけ。大森選手はいい選手だし、アツい試合にはなると思うけれど僕が圧倒的に勝って防衛します」と、こちらも自信を口にする。
納得していないとはどういう意味かと問われると「大森選手は前回いい勝ち方をしていたし、強かったと思ったけれど、もう1~2戦挟むと思っていたので。加藤選手やジャルンスック、鈴木選手もそうだし、その辺と絡んでから来ると思っていたので、そこに関してですね。段階があるんじゃないかなって思いました」と、大森の言う飛び級には納得できない部分があるとした。
互いの印象を聞かれると、大森は「印象が見当たらないくらい特に何も特徴のない選手。おもろいことも言わないし、試合も無難に堅く勝ちに行く選手。服装を見ても僕とは対称的でしょう。逆にいい組み合わせだと思っています」と言い放ち、大﨑は「印象は前回の試合が出来すぎたんじゃないかって感じです。怪我明けの復帰戦でいい相手にいいKOをしたけれど、55kgはそんな甘くないので。僕は積み上げてきたものがあるので、その差が出ると思います」と返す。
大森の挑発的な発言に大﨑は「別に言いたいことを言えばいいかなって感じ。勝ったヤツが強いし、口で盛り上げようが殴り合いをしようが、結果勝ったヤツが強いのでそれを試合で見せます。大森選手には面白いことを言ってもらって盛り上げてもらって、僕が試合で勝ちます」とした。
それを聞いた大森は「言う通りやと思います(笑)。でも、僕の試合が出来すぎたと言っていましたが、お前があの試合できるんのかって言いたい。削っての試合しか出来ない大﨑選手なので。僕はそう簡単には削られないと思っています。ウチのジムの先輩(門口)がゴリゴリ削ってくる選手なので、研究していくしフィジカルでも負けません」ときっぱり。
初防衛戦のプレッシャーについて大﨑は「前回お兄ちゃん(大﨑一貴=RISEスーパーフライ級王者)がいい試合を見せてくれたので、そこで気合いも入るし、僕も続かないと。兄弟王者で居続けるためにはお兄ちゃんが見せたように僕も結果を出さないといけない」と、兄に続きたいとした。
大森のバックハンドブローをもらわない自信を問われると、大﨑は「爆発力がありますね。飛びヒザ蹴りもそうですが、ふとしたタイミングで出すのは分かるので、それを警戒すれば大丈夫かなって」と、自分には当たらないと言わんばかり。
それを聞いた大森は「僕にはバックブローの他にも、バックスピンキックやヒザもあるので。まだ試合で出していない技はありますが、大﨑選手にハマるかは試合中にしか分かりません。それを当てる自信があるかと言えば、ないです(笑)。でも、倒せる自信があるかと言われればあるんですよね。よく分からないですけれど、一昨日にKOする夢を見たので正夢になると思います」と、大﨑をKOすることは出来るとする。
すると大﨑は「夢に見るくらい僕のことを意識してくれてるんだなと(笑)。でも、それは夢で終わるかなって感じです。現実はそんな甘くない」とピシャリ。
大会場でのWORLD SERIESではなく後楽園ホールでのナンバーシリーズになったことについてどう思うかと聞かれると、大﨑は「後楽園ホールは嫌いじゃなくて、お客さんとの距離が近いとか雰囲気もいいところなのでそこに何か不満はないです、ここで勝って、この先日本人に相手はいないって試合を見せて世界に挑戦していきたい。今回を機に世界へ行こうかと思います」と答えた。
ONEへの挑戦についての質問も飛び、「今回の防衛戦が決まっているので、ここで結果を出せば日本人はもういいかなって感じなので、世界に挑戦する意味でONEに挑戦できればと。僕はムエタイもキックボクシングも両方できるので、今回結果を出せばそっちに挑戦したい」と、初防衛に成功したらONEに挑戦したいと宣言。
大森が指摘した「削るだけ」との評価には、「削ると言われてますけれどKO率は低くないし、半分以上KOしているので倒せる技はあるし、勘違いしている。今回は5Rあるし、倒せる時に倒そうかなって感じです」と否定した。
同門の門口からアドバイスはあったのか、との質問に大森は「門口くんからは特にありませんでした、ほんまに。決まった時に『よかったやん』とかも無く、会長はウハウハでしたけれど、逆に僕が『えっ?』て感じでした」と寂しい反応だったと言うが、「公民館に2人でミットとスピーカーを持ち込んで、2人で寒い中やり始めたのが僕らのスタート。その2人でここまで来れたのは、大﨑選手も兄弟を意識しているけれど僕らにもそれに負けない絆があって、夢をかなえたいと思っています。僕からは門口くんにアツいラブコールはしていますね(笑)」と、門口と一緒にRISEのベルトを巻きたいとの想いを話した。
さらに大森は「山田戦もその前の試合もそうなんですが、僕の下馬評が低い試合が多くて。倒す自信は練習の中で今も正直かなり不安です。ただ、練習でコツコツやって不安な自分と常に戦う。それが試合に近づくにつれて無くなる時が来て、そうなった時は勝てているので、そうなれば自分に勝てると思っています」と、練習で不安を払拭して試合に臨みたいとした。
また、挑戦者の最有力候補と見られていた加藤有吾に勝ったジャルンスックがなぜ挑戦者に選ばれなかったのか、との質問を受けた伊藤隆RISE代表は「候補の一人だが彼はWORLD SERIESの世界レベルの選手。ランキングに入っているが世界へ向かうバンタム選手がいる時に起用していこうと思います。今回の防衛戦が終わった後にどうするかは考えたい」と回答。
大﨑一貴が熱望している名古屋大会の開催は、今回孔稀が防衛することによってさらに実現へ近付くのか、との質問には「前回の大﨑一貴は素晴らしい試合だったので、名古屋大会は来年開催へ向けて動いています。会場を探している段階です。安心してください」と、すでに開催を決定していると語った。