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【PANCRASE】フライ級ラストマッチの王者・重田ホノカ「防衛戦をするまでがチャンピオン」דスーパー挑戦者”杉山しずか「最終的に何も言わせないような試合を」&「ベルトを獲ったら『統一戦』」で中井りんとの再戦も希望

2024/07/08 10:07
 2024年7月5日(金)都内にて、『PANCRASE 346』(7月21日・立川ステージガーデン)で行われる「フライ級クイーン・オブ・パンクラス・チャンピオンシップ」(5分5R)の調印式および会見が行われた。 ▼フライ級クイーン・オブ・パンクラス・チャンピオンシップ 5分5R重田ホノカ(THE BLACKBELT JAPAN)4勝・初防衛戦杉山しずか(リバーサルジム新宿Me,We)1位・22勝7敗1分  王者・重田は4戦全勝の20歳。2023年4月の立川大会でプロデビューし、高本千代に判定勝ち。8月大会でソン・ヘユンに1R 腕十字で一本勝ちすると、11月にはライカにも判定勝ちで、2024年3月31日の立川大会で女子フライ級王者の端貴代に挑戦。端に後半に追い上げられたものの判定3-0で勝利。新王者となった。  しかし、試合後のドラッグテストの結果、重田と端の両選手から興奮剤のエフェドリンの陽性反応(重田は漢方薬、端は風邪薬と申告)が確認され、重田には100日間のサスペンド(出場停止)とファイトマネーの20%返却のペナルティが科せられていた。  会見冒頭で重田は、「前回、試合が終わってから色々お騒がせしてしまい申し訳ありませんでした。今回、フライ級の最後ということで、いい勝ち方をできるように頑張ります」と、ドラッグテストのミスの謝罪と「フライ級最後の試合」になることをあらためて語った。  対する挑戦者・杉山は、2018年大晦日に渡辺華奈にTKO負けも、以降5連勝。2022年5月にDEEPで中井りんに一本負けも、4月大会でPANCRASEに初参戦し、ライカにスタンドでも巧みに左の蹴りを当てて、テイクダウンからコントロール。フルマークの判定勝ちでPANCRASE初陣を飾った。  杉山は「今回、2戦目にして“スーパー挑戦者”として抜擢していただきました。このベルトを獲るために来たので、ぜひいい試合をして最終的に何も言わせないようなチャンピオンらしい試合をしたいと思います」と意気込みを示した。  その“スーパー挑戦者”の意味を問われると「キャリア的には、私が挑戦を受ける立場だったりすると思うんですけど、それが挑戦者になるということが“スーパー”だと思ってますし、参戦2戦目で(王座戦を)やらせてもらえるっていうのは特別なことなので、“スーパー”だと思っています」と答えた。 杉山「(重田には)確実な強さがある」  王者の重田はプロ4戦目でベルトを巻いた“スーパーチャンピオン”とも言えるが、その経験値については、「最初は、相手があることなので、勝ったり負けたり、その中で勝ちを取ったんだろうなと思うんですけど、戦いを重ねるごとに確実な強さがあるなっていうことを知りました」と、飛び級ではない強さがあるとした。  その評価について、重田自身は「あまり実感ないですね。自分ではあんまり強いって思ってないです。いつもジムの先輩方にボコボコにやられてるんで。でもそうやって見ていただけて嬉しいです」と謙虚に語った。  これまでは強気一辺倒の発言が多かった重田の変化について問われると「そうですね、ちょっと盛り上げようと思って強気のキャラで行ってたんですけど、ちょっと疲れちゃったんで、素に戻ったって感じです」と吐露する。  また、「フライ級ラストマッチ」については、「元々はストロー級で戦っていて、3戦目からフライ級に上げたんですけど、このベルトを獲ったら(ストロー級に戻そうと)思っていました。でもやっぱり、ベルトを獲って、しっかり防衛戦をするまでがチャンピオンだと思うので、そこでしっかり自分の中でやるぞっていう気持ちで今回はやらせていただきます」と、階級をストロー級に戻すことはプラン通りとし、王者として防衛戦まで期限を延ばした形だという。 重田「(杉山は)本当の意味でのオールラウンダー」  その初防衛戦の相手となる杉山の印象は、「前回は同じ大会日だったので、直接は見れなかったんですけど、映像で見て、本当にMMAを綺麗にできる選手だなっていう風に思います。本当に立ちも寝技もバランス良くできて、オーソドックスもサウスポーももしっかりできるし、もう本当の意味でのオールラウンダーなんだなって思います」と、万能型とした。  一方、重田を「確実な強さがある」と評した杉山は、「楽しそうだなっていう感じですかね。楽しそうに自分のしたいことをやってるなっていう。良いことです。良い意味で楽しそうだなっていう風に思いました」と、強みに特化した戦い方を「楽しそう」と表現した。  その上で、重田を上回る部分として、「ちょっと体格差があるところと、パワー差はあるかなと思っています。あとは前回ちょっと怪我があったので本調子ではなかったですが、今回は何も怪我がないので、もう少しパフォーマンスができる中では、MMAをもう少しできればいいところにいけるかなという、そういうところは秀でているかなと思います。打撃に関しては、MMAの中でそんなに自分が差があるとは思っていません」と、MMAの経験値と引き出しの多さだけではない、パワーの差もあるとする。  対する王者は、「“絶対負けない”っていうハートじゃ負けないです」と語った。 [nextpage] 杉山、中井りんとは「チャンピオン同士、できたらいい」  この王座戦の先に見据えるものがある。  重田はストロー級との二階級制覇が視野に入るが、「前回、試合が終わったあと、次の日から練習してちょっと休めてないんで休みたいですね」と、今回の防衛戦でひと区切りをつけてから先に進みたいという。  一方の杉山は、「このPANCRASEのベルトを獲ったら、『統一戦』っていうか……大丈夫ですか? もう一度挑戦したい選手がいるのでチャンピオン同士、できたらいいなと思っています」と、2022年5月のDEEP JEWELSフライ級GP決勝で敗れた中井りんとの対戦を希望した。  その中井とは、重田もサスペンド期間に、中井の対戦相手だった栗山葵の負傷欠場の報を受けて、対戦を呼び掛けたが、「うーん、まあ実現したら盛り上がるんじゃないかなって思って名乗ったんですけど、ちょっと色々、自分自身にちょっと問題が色々あったんで、ちょっと今は……って感じで、今は一戦一戦目の前のことに集中していければなと思っています」と、杉山との試合に集中していることを語っている。  試合の勝敗を決めるキーポイントを杉山は、「そうですね、気持ち……ですかね。意地を持って取りに行くところがキーポイントだと思います」、重田は「杉山選手と同じですね。本当に勝ち切るんだっていう気持ちが強い方が勝つと思うので」と、ともに「気持ち」だとした。  重田が最初で最後のフライ級王座防衛なるか。それともMMAキャリア16年目の杉山が大輪の花を咲かせるか。
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