2024年7月7日(日)東京・国立代々木競技場第二体育館『K-1 WORLD MAX 2024』にて行われる「K-1 WORLD MAX 2024 -70kg世界最強決定トーナメント」決勝ラウンドでワイルドカードに選ばれたのは、“時をかける鉄人”ブアカーオ・バンチャメーク(タイ)だった。ブアカーオは、“不沈艦”ストーヤン・コプリヴレンスキーと決勝トーナメント一回戦で激突する。42歳になっても、なお輝きを増す“鉄人”のインタビューが主催者を通じて届いた。
ブアカーオは、2004年に開催されたK-1 WORLDMAX世界トーナメントで魔裟斗、小比類巻貴之を破り優勝。06年の同トーナメントは佐藤嘉洋、アンディ・サワーを破り2度目の世界一へ輝いた。19年から3年間休養後、22年に復帰すると8月の三浦孝太とのエキシビションマッチ。9月にベアナックルルールで1RKO勝ち。10月に佐藤嘉洋とエキシビションマッチを行い、11月にベアナックルルールでセンチャイから判定勝ち。23年5月はRIZINで安保瑠輝也とドロー。9月はRWSで城戸康裕と対戦も偶然のバッティングで無効試合に。24年3月はRIZINで木村“フィリップ”ミノルを2RKOで下した。
すべての答えはリングの上で起きるもの
――突然のオファーだったと思いますが、どんな心境でしたか?
「K-1スタイルの闘いは長い間していなかったので、今回急なオファーを頂いた時は本当にビックリしました。本当に、またK-1スタイルで闘えるの? という不安もありましたが、そんな中でもドキドキ、ワクワクもありつつ、本当に驚いています」
――長いキャリアのブアカーオ選手でも不安はあるのでしょうか。
「たしかにK-1スタイルは長い間、戦っていなかったので最初は不安でしたが、自分はずっと体を鍛えてきましたし、試合もしてきましたので今回も問題ないと思っています」
――なぜ、出場を決めたのですか?
「オファーをもらってから出場を決めるまでは、何日か考えました。でも、やっぱり出てみたいなという気持ちが強くなってきて、自分がどれくらい出来るのか? 今の状態の自分で、どれくらい挑戦ができるのかを自分自身に証明したい気持ちが湧いてきました。ファン人たちに自分の戦う姿を見てもらいたい、そんな気持ちが出てきて今回の出場を決めました」
――当初は、K-1世界王者のオウヤン・フェン選手と戦う予定でした。彼についてはどんな評価がありますか?
「名前を聞いたことは、もちろんありました。中国の選手でK-1のチャンピオンにもなったと聞いて、彼と戦うためにトレーニングを重ねてきました。彼と戦うためのテクニックを磨いてきましたが、怪我をしてしまったということでとても残念です。でも、使ってきたテクニックや練習で鍛えられた体は、他の選手と戦う時にも十分に使えますので問題ないです」
――ストーヤン選手は、あなたのことを子供の時から一番好きな選手だったと明かしています。今はあなたを研究して技を習得していると言っていますが、そのことについてはどう思いますか?
「憧れを持ってくれて、私のように闘いたいと練習し成長してから実際に闘うことになった選手はたくさんいます。でも、すべては選手自身がどういう努力をして、どういう準備をしてきているのかが何よりも大事です。実際に戦ってみて彼の覚悟を見たいと思います」
――ストーヤン選手は、現在のブアカーオ選手について「攻撃のリズムやタイミングが遅くなっている。そしてディフェンスが衰えている」と指摘しています。
「それは彼の考えなので、全然気にはならないですね。実際、自分がどういう戦いをするのか、どんな挑戦していくのか、その問題の方が大きいです。何を言われてもまったく気にはなりません」
――現在のご自身のファイトスタイルは、昔と比べてどうなっていると分析しますか。
「スピードが遅くなっているのは、本当にあるかもしれません。ですが、その分、経験やテクニックで、それを補う形で変えてきています。昔よりもテクニックを上手に使うことに専念しています」
――昔と今では練習方法は変わりましたか?昔は川に飛び込んだり、木を蹴ったりする珍しい特訓もしていましたが。
「川に飛び込んだりっていうのは、今でも川があったりすれば飛び込む時もありますし、バナナの木を見つけて“なんか蹴りたいな”と思ったら蹴ったりもします」
――K-1WORLD MAXの復活に関しては、どういう印象を持ちましたか?
「ずっとK-1のことは、気になって見ていました。ただ、国内中心にやっていた印象があるので、またこうやって世界中に広がり、大きなイベントを行うことになって本当にびっくりしました。やっぱりK-1の歴史を築いてきた一部の存在だと自分は思っているので、またこのK-1に出てくることができて、また新しい歴史を築くことになれることに喜びを感じています」
――K-1ではどんな試合を見せたいですか?
「今回、このK-1で戦うことに対して、また自分がすごく活躍して、見る人に感動とかドキドキ、興奮を与えられたらいいなと思っています」
――ストーヤン選手は、「伝説にすがるのではなく、次世代のファイターが進化していることを証明しなければいけない」と言っていますが、ブアカーオ選手はどう思っていますか?
「これに関しては、ストーヤン選手が個人的にそう思っているのでしょうし、それが本当のことなのかもしれません。でも、すべての答えはリングの上で起きるものなので、それをファンのみなさんに見てほしいです」