キックボクシング
レポート

【RISE】志朗がタフなマンゾを倒し切れずも完勝、田丸辰との9月決着戦をアピール。花岡竜が業師ぶりを見せ長谷川海翔を攻略、ニュー梅井泰成が完勝、松本天志が64秒KOで復活勝利、宮城寛克がゴメスを豪快KO、松下武蔵がKOで上位ランカーに宣戦布告、ワン・チンロンがMelty輝の突進かわし初勝利

2024/06/30 17:06
RISE 1792024年6月30日(日)東京・後楽園ホール ▼第11試合 バンタム級(‐55kg)3分3R延長1R〇志朗(日本/BeWELL キックボクシングジム/初代RISE世界バンタム級王者)判定3-0 ※30-28×2、30-27דThe Jewel”クリスティアン・マンゾ(アルゼンチン/Demonios Team Argentina/ISKAアルゼンチンフェザー級王者 )  志朗はジュニアキックを経て2009年8月にタイでプロデビュー、翌年1月に国内でプロデビューを果たした。2016年1月にはISKAムエタイ世界バンタム級王座を獲得して2度の防衛に成功。2018年11月からはRISEに参戦し、那須川天心とは2度対戦。2023年3月にディーゼルレックをハイキックでKOし、RISE世界バンタム級王座に就いた。「RISE WORLD SERIES 2023 -54kg Tournament」では準決勝でクマンドーイに敗れ、12月にブンロンを初回KOして再起。2024年3月は田丸辰の挑戦を受けて世界王座の初防衛戦に臨んだが、偶発的なバッティングで無効試合となった。戦績は30勝(13KO)6敗4分1無効試合(タイの試合は除く)。  マンゾは今回が初来日の23歳。強いフィジカルと堅いガードで前に出続けるアグレッシブなファイトスタイルだが、スイッチしてから上下に打ち分ける蹴り技やカウンターで合わせるテンカオなどテクニカルな面も併せ持つという。ISKAアルゼンチン・フェザー級王者。  1R、マンゾが左右に構えを変えながらワンツー・左フック&右ロー、序盤は相手の動きを見ていた志朗だが、パンチが当たると見たか至近距離で右ローを蹴っての右ストレート、左ボディ。パンチで打ち合う場面もありつつ、右ローを蹴っていく。  2R、二段蹴りを放つマンゾに志朗は右ボディストレート。右ストレートの相打ちがあり、志朗は右ストレートでボディも狙っていく。マンゾは前へ出て右ストレート、左ボディを打つが、志朗は左ボディを的確に決めてマンゾのパンチはパーリングで外していく。右ローを蹴り、マンゾと右ストレートを打ち合い、左ボディまで返す志朗。徐々に手数でもヒット数でも上回る。左フックからの右ロー、さらなる右ローにはマンゾが左ボディを返す。  3R、左ボディと右ローを出すマンゾの左ストレートの引き際に右ハイを合わせる志朗。右ローを落とし、右ストレートにつなげる志朗。相手のフックをブロックしての右ハイも。右ボディストレート、右ストレート、ワンツーとヒットさせる志朗だが、マンゾはタフに前へ出る。志朗の右ストレートでマンゾは鼻血を出し、左目は大きく腫れあがった。  予告していたKOはならなかったものの、相手にダメージを負わせての完勝。志朗は「応援ありがとうございました。20時間かけてきただけあって凄い頑丈でした。本当は田丸君みたいにKOして言いたかったんですが、9月の横浜で田丸君と再戦したいです」と田丸との決着戦を9月の横浜大会でやりたいとアピール。  田丸もリングに上がり、「世界王者らしい圧勝で強いと思いました。僕も3月の続きをしたいので、志朗選手を必ずぶっ倒すので9月会場に来てください」と望むところだと答えた。 [nextpage] ▼第10試合 スーパーフライ級(?53kg)3分3R延長1R×長谷川海翔(誠剛館/同級3位)判定0-3 ※28-29、28-30〇花岡 竜(橋本道場/同級5位)  長谷川は2021年のプロデビュー以降、破竹の勢いでKO勝利を連発し2022年よりRISEに参戦。昨年11月に開催された「RISE NEW WARRIORSスーパーフライ級トーナメント」に出場し、準決勝のHIROYUKI戦にて飛びヒザ蹴りでKO勝利する番狂わせを起こした。続く決勝戦では政所仁にダウンを奪われプロ初黒星を喫したが、2024年2月の『RISE 176』では国内トップ選手から勝利しているサンチャイ・TEPPENGYMを相手にKO勝利を収め、リング上で花岡vs.池田の勝者との対戦を熱望していた。12勝(11KO)1敗1無効試合。  花岡は“平成最後の怪物”と称され2022年からRISEに参戦し滉大、政所仁を相手に勝利。2024年3月の『RISE ELDORADO』ではRISE×K-1対抗戦に抜擢され、Krush王者の池田幸司と対戦し、池田をスピードとテクニックで翻弄し3Rにダウンを奪い完勝している。戦績は22勝(8KO)3敗1分。  1R、サウスポーの長谷川が圧をかけていき、強いパンチを繰り出していく。右手を伸ばして花岡にロープを背負わせ、左ストレートを叩き込む。花岡は左ロー、つかむとヒザ、左ボディ。長谷川の前足にローを集中させていった。  2R、花岡は長谷川のハンドスピードに慣れてきたか、長谷川のパンチをもぐってかわして右フックからの左ストレートをヒットさせる。ここから花岡の攻撃が当たりだし、左ローからの右フック、長谷川の一発目を外しての左フック。長谷川のフックを被弾する場面もあるが、ものともせず前へ出て左ローを蹴っていく花岡。ノーガードになって長谷川のパンチをスウェーでかわす余裕を見せる花岡。  3R、打ち合いと見せて花岡は飛びヒザ蹴り、右ハイキックを兄テイク。長谷川も強いフックを打つが、花岡がかわしていく。左ストレートから右ボディで前へ出る花岡。左ロー、右インローも決まって長谷川の足は真っ赤だ。左ストレートを当てに行く長谷川だが、花岡はかわして逆に右を当てる。さらに左ロー。長谷川は鼻血を出す。余裕が出てきた花岡はジャンピングキック、バックスピンキックを放ち、最後まで蹴りまくって終了。  試合終了のゴングが鳴ると、長谷川は“やられた”という表情で腰を手に当て、花岡はコーナーに飛び乗って勝利をアピール。判定は3-0で花岡の勝利となった。  笑顔でマイクを持った花岡は「判定マニアの花岡竜です。判定だけど面白かった人? もちろんこれで大﨑選手に勝てるとは思ってないですが、タイトルを獲るためにRISEに来ているので、今年中にベルトを獲りたいと思います」と、判定勝ちを自分でいじりながらも今年中にタイトル挑戦を実現させると宣言した。 [nextpage] ▼第9試合 フェザー級(-57.5kg) 3分3R延長1R〇梅井泰成(Mouton/同級3位)判定3-0 ※30-27×3×翔(REVOLT/同級5位)  梅井は、柔道とレスリングをバックボーンに持ちTEAM TEPPENに移籍してからは4連勝を飾り、2022年3月に平野凌我との王座決定戦を制して第4代フェザー級王座に就いた。同年8月の防衛戦で現王者・門口佳佑に敗れて以降は、ノーコンテストを挟み現在まで3連敗中と約2年勝利から遠ざかっている。ここは元王者の意地を見せたいところ。  翔はRISE WESTを主戦場に17戦12勝4敗1分。2023年にはランカーの山元剣心、都筑海杜、2024年には山川賢誠をKOと成長著しく、いま最も勢いに乗るフェザー級ファイター。元王者の梅井を相手にアップセットを起こし一気にランキングを駆け上がりたいところだ。  1R、サウスポーの梅井が左ボディストレート、梅井はこれを狙っていくが翔は右フックを合わせてくる。梅井は左ストレートを顔面とボディに打ち分け、左ローを蹴る。翔の前進をかわした梅井は左フック、続けてワンキャッチからのヒザ。直線的な翔に対し、回り込みも使って自分の攻撃を当てていく。強烈な奥足への左ローも。梅井の攻撃がヒットするたびに、超満員の観客席から大歓声が沸き起こる。  2R、梅井は左ミドルハイ、翔が前へ出てくるとサッとサイドへ動いて外す。さらに組みの展開になると相手を回しながら離れる。梅井が左ミドルハイから左ボディストレート、打ったらすぐにサイドへ回り込む。梅井の左ローに右ストレートを合わせrう翔だが、梅井の左ローをもらって身体が傾く。前に出ると梅井が先に踏み込んでの左ストレートをヒットさせる。さらにジャブで突き放す梅井。完全に梅井がコントロールしたラウンドに。  3R、梅井が左ストレート&左ロー、翔は何としても強打を当てようと前へ出るが梅井に先手を取られる。梅井の右フックを浴びてガードを固める翔。ジャブ、左ストレート、左ローとボディプッシュを混ぜて攻撃する梅井。試合終了のゴングが鳴ると梅井はニッコリと笑いかけるが、翔はその場に突っ伏した。  判定はその通り、ジャッジ三者とも30-27で梅井の完勝。梅井はリング上で涙をこらえる。「皆さん、お久しぶりです。自分は約2年間勝てなくてほんまに苦しい期間やったんですけれど、そんな時に応援してくれる方々は寄り添ってくれて、その人たちのおかげで乗り越えることが出来ました。ありがとうございます。ほんまに長くて大好きな格闘技やのに格闘技が嫌になってしまったりしたけれど、それでももう1回RISEのベルトを巻きたかったので今日はその新しい一歩を踏み出せたと思います。僕はフェザー級の門口チャンピオンに挑戦できる位置に行きます」と、マイクで語った。 [nextpage] ▼第8試合 フライ級 (-51.5kg) 3分3R延長1R〇松本天志(TARGET SHIBUYA/同級2位、RISE NEW WARRIORS フライ級トーナメント優勝)KO 1R 1分04秒 ※左フック×寛人(GREED GYM)  松本はJAPAN CUP2021 -55kg準優勝で、2021年8月にRISEでプロデビュー。3戦目で初黒星を喫するが、2023年2月に行われた「RISE NEW WARRIORS フライ級(-51.5kg)トーナメント」で大方の予想を覆し、空龍と塚本望夢の優勝候補2人を下し下剋上を果たして優勝。7月には弾丸風太も初回KOに沈め、6連勝と勢いに乗っていたが10月の第2代RISEフライ級王座決定戦で数島大陸に敗れて連勝がストップ。拠点を東京に移して臨んだ2024年3月の那須川龍心戦で判定負けし、現在連敗中。8勝(4KO)3敗の戦績。  寛人は福岡を拠点とする新鋭選手で戦績は3勝(1KO)4敗。  1R、松本はかなり力のこもった左右のフックを叩きつけていく。一度下がってコンビネーションブローを繰り出すと、左ボディ、右ボディ、さらに左ボディを打ってからの左フックで寛人は吹っ飛ぶようにダウン。松本の鮮やかなKO勝ちとなった。  笑顔の松本は「めちゃくちゃ嬉しいですね。久しぶりのKOでしかも超満員の後楽園で試合ができて幸せです。1RでKOして怪我もないので、9月のワールドシリーズで強い外国人を用意してほしいです」とアピールした。 [nextpage] ▼第7試合 スーパーフェザー級(-60kg)3分3R延長1R〇小野幹晃(IGGY HANDS GYM)判定3-0 ※30-29、29-28×2×藤井重綺(Team +1)  小野は2021年6月の庄司啓馬戦から2022年4月のSEIDO戦まで4連勝を飾ったが、10月の岩郷泰成との再戦で負傷判定による引き分け。2023年4月は澤谷大樹に延長Rで敗れて連勝がストップ。今回はそれ以来のRISE参戦となる。戦績は7勝(3KO)6敗1分。  対する藤井はボクシングインターハイ出場経験を持ち、得意のパンチを武器にKing of Rookie 2021 -60kg級トーナメント優勝。3連勝と波に乗っていたが2022年7月の『RISE 160』で奥平将太とのイケメン対決で延長ラウンドに及ぶ激闘の末に判定負けを喫し連勝がストップ。2023年1月にはベテラン選手のSEIDOから2Rにダウンを奪い判定勝利で再起を飾り、6月には岩郷泰成から判定勝ち。藤井もそれ以来のRISE参戦となる。戦績は7勝(1KO)2敗。  1R、右ローの蹴り合いからサウスポーの小野は左ミドル、しかしこの左ミドルがローブローとなって試合は中断。再開後、藤井は右カーフと右インロー、左ボディ。小野はヒザで対抗したがまたもローブローに。再開後、小野の左ミドルに左ボディを返す藤井。  2R、強い左ミドルを蹴る小野が藤井のジャブでコーナーへ詰められる。小野の左ストレートをかわしての右ストレート。小野が左ミドルで快音を響かせれば、すぐに藤井も右ミドルと右インロー。  3R、小野は左フック、左ストレート、奥平はジャブとワンツー。このラウンドは手数が減った奥平に小野も蹴りだけでなくパンチを打って行く。  判定は3-0で小野の勝利となった。 [nextpage] ▼第6試合 スーパーフェザー級(-60kg)3分3R延長1R〇奥平将太(KSR GYM/同級11位)延長R 判定3-0 ※10-8×3×原口アンドレイ(TEAM TEPPEN/第9回 Stand upアマチュアAクラストーナメント一般部-65㎏優勝)※本戦の判定は29-28、29-29×2。  奥平はBigbangアマチュア6階級制覇、元NJKF EXPLOSION-50kg級王者とアマチュアで活躍後にプロ転向。3連勝を飾ったが、以後は苦戦が続いている。2022年10月には大雅と対戦するチャンスを得て、判定で敗れるも延長戦までもつれ込んだ。前戦は2023年12月に岩郷泰成に判定負け。  原口は2022年11月にプロデビュー。2024年3月のK-1vsRISE対抗戦に抜擢されたが、松山勇汰に判定負け。戦績を3勝3敗としている。  1R、右ローを蹴り合う中、奥平がワンツー、原口もすぐにワンツーを返す。原口の右ストレートがヒットすると、原口はジャブ、右ストレートを続けて当てていく。奥平も右ストレートを打ち返す。  2R、互いにジャブと右を当て合う。原口は左ミドルを2発蹴って変化をつける。奥平は組んでのヒザ、飛びヒザ。奥平がワンツーからヒザ。均衡状態が続く。  3R、原口が右ストレートからの右ロングフックを当てるが、奥平も左右のショートフックをヒットさせる。右ストレートからの左フックで切り込む奥平。ダッキングからの左フックで奥平がヒットを奪い、ジャブからワンツー、右フックと攻勢を仕掛けていく。原口の右に右を合わせ、左フック、右ストレートにつなぐ奥平。  判定はジャッジ1名が奥平を支持したがドロー。延長戦へ突入する。奥平はジャブを突き、右フック、左フックを当てに行く。ダッキングを織り交ぜて自分のパンチを上手く当てるのは奥平。原口は頬を切って流血。原口も右を放つが、返しのパンチを確実に当て、さらに左右の回転も速いのは奥平だ。そして、コーナーで奥平が右フックを放ってダウンを奪う。原口が立ち上がったところで試合終了。  判定3-0で奥平が延長戦を制した。 [nextpage] ▼第5試合 ウェルター級(-67.5kg) 3分3R〇安彦考真(Y.S.C.C.キックボクシングチーム)KO 2R 0分28秒×西田 祥(TARGET SHIBUYA)  1R、安彦が右フックからヒザ蹴り、西田も強気にパンチを打って前へ出ていく。出入りを繰り返す安彦に左フックを合わせに行く西田。前蹴り、ヒザ蹴りを織り交ぜ、動き回る安彦。  2R、突進した安彦はボディへヒザを突き刺し、左ミドルを蹴って右フックを振り抜く。これが見事に決まり、西田は豪快にダウン。安彦の鮮やかなKO勝ちとなった。  安彦は「素晴らしい相手をありがとうございました。でも、もう一個上に行きましょう。相手、グンと上げていただいて次回はOFGでお願いします。グローブが邪魔でしょうがないんです」と、次はOFGマッチで強敵を用意してほしいとアピール。さらに「おっさん2人が殴り合った。KOですよ。みんなにも出来るはずだ!」とメッセージを送った。 [nextpage] ▼第4試合 ミドル級(‐70kg)3分3R延長1R〇宮城寛克(日本/赤雲會/同級9位)KO 3R 1分20秒 ※右フック×ペドロ・ゴメス(ブラジル/Santa Fe BRA THAI Team /Fight Dragon -70kg Champion)  宮城は琉球空手をバックボーンに持ち、TENMAICHIの元ウェルター&ミドル級王者。“ブラックパンサー”ベイノア、緑川創には敗れたが吉野友規、蛇鬼将矢から勝利を収めている。現在2連続KO勝ち中。戦績は13勝(6KO)10敗2分。  ゴメスはブラジルのクリチバ出身で、戦績は16勝(8KO)4敗。  1R、強烈な左右フック、ワンツーからの右ローを蹴るゴメス。宮城のガードの上からでも右フックを叩きつける。ゴメスのパワフルさが目立つが、宮城はガードを固めて前に出て右のクロスを狙う。  2R、ゴメスは前へ出てくる宮城に左フックからの左アッパー。宮城は前へ出ての右ストレート。宮城の右ローで尻もちをつくゴメス。ここから宮城はゴメスの左足を右ローで狙い撃ち。左右フックと左右アッパーを連打するゴメスだが、この粗い攻撃に宮城が右ストレートを合わせてダウンを奪う。思わずガッツポーズの宮城。  3R、ゴメスのワンツーに右を合わせていく宮城。ゴメスはホールディングが多くイエローカード(減点1)。宮城の右ローにワンツーを打ち、左右フックで畳みかけるゴメスだが、宮城はしっかりブロック、右フックを振りぬくとゴメスが豪快にダウン。宮城の鮮やかなKO勝ちとなった。  宮城は「僕はいつも沖縄から来ています。RISEが大好きです。もっともっと盛り上げます」とマイクアピールした。 [nextpage] ▼第3試合 バンタム級(-55kg)3分3R延長1R〇松下武蔵(GOD SIDE GYM)KO 2R 2分20秒 ※3ノックダウン×若原 聖 (TEAM TEPPEN)  松下はKNOCK OUTのリングで王者・古木誠也をKOするなど活躍し、RISEのリングへ。2023年12月にはKrush王者・池田幸司と接戦の末、判定負けを喫した。再起戦では伊東龍也に延長戦の末に辛勝した。戦績は9勝(3KO)2敗1分。  若原は2023年1月からRISEに参戦すると、竹内龍馬に判定勝ち。2戦目は松永隆に判定負けしたが、2024年1月の前戦では松山和弘に判定勝ち。戦績は5勝4敗1分。  1R、松下はフェイントを多用し、ワンツー、左右フックを軽快にヒットさせていく。若原の返しのパンチはスウェーでかわす。  2R、左フックをかわしての右フックでダウンを奪った松下がバックハンドブロー。右カーフを蹴ると左から右のフックで2度目のダウンを奪う。松下は左フックから銅廻し回転蹴り、若原は反撃しようとするが右フックで3度目のダウン。松下が圧巻のKO勝ちを収めた。  マイクを持った松下は「久しぶりのホールで満員の中でやるのが楽しみでした。9月に地元横浜でワールドシリーズがあるので、上のランカー誰でもいいので僕とやりましょうよ」とアピールした。 [nextpage] ▼第2試合 ミニフライ級(-49kg) 3分3R×Melty輝 (team AKATSUKI)判定0-3 ※28-29、28-30、27-30〇ワン・チンロン(TKBA/PUNCHUP)  Meltyは『ザ・ノンフィクション』や『月曜から夜更かし』に出演、フェフ姉さんと2度対戦して2度とも勝利した“最強キャバ嬢”として話題となった選手。現在はキャバ嬢を引退し、プロキックボクサーに。2023年3月にDBSフライ級王座に就くと5月にRISE初参戦。当時フライ級4位のYAYAウィラサクレックに勝利し、8月に小林愛三の対戦相手に抜擢されたが判定負け。11月も宮﨑若菜に敗れ連敗中。戦績は4勝7敗2分。  対するチンロンは167cmの長身。2018年10月にKrushに初来日(当時の名称はワン・ジンロン)し、壽美に判定負け。2019年にはONE Championshipにも参戦している。2022年11月にプロボクシングの試合をして勝利を収め、2023年4月にKNOCK OUTでぱんちゃん璃奈と対戦。判定2-0で敗れるも前へ出続けるガッツファイトと右ストレート&前蹴りでぱんちゃんを苦しめた。2024年1月のRISE初参戦では小林愛理奈にKO負けを喫している。戦績は13勝(1KO)8敗。  1R、左右ストレートの連打で突進を繰り返すMeltyに、チンロンは左右の前蹴りとヒザで迎え撃つ。チンロンは狙いすました右ストレートも。しかし終盤、Meltyの右ストレートがチンロンを捉え、ロープ際に追い詰めてのラッシュ。チンロンは狙いすました右ストレートを打つも、Meltyのパワーに押された印象。  2Rも左右ストレートを打って前へ出るMelty。チンロンは前蹴りと右ストレートを伸ばし、突進してきたMeltyに右ストレートと左右フック。これでMeltyの左目が腫れる。チンロンはMeltyの動きに慣れてきたか、Meltyのストレートをかわして右ストレートを当てていく。互いに右ストレートを当て合う展開が続く。  3R、Meltyはさらにワンツーの連打で突進を強める。右ストレートを打ち抜くチンロン。右のカウンターもヒットさせ、Meltyは鼻血を出す。次第にチンロンの右ストレート、左フックが目立ち、チンロンは右ストレートを当てると続いてスーパーマンパンチも放つ。ガムシャラに攻めるMeltyに、チンロンはカウンターを決めて技で勝負。それでもパワーで前へ出てチンロンをロープ際へ追い込むMelty。最後は打ち合いとなった。  判定は3-0でテクニックを見せたチンロンが嬉しいRISE初勝利をあげ、声援に笑顔で手を振り「ありがとうございました」と日本語で観客席へ向かってお礼を言った。 [nextpage] ▼第1試合 ライト級(-63kg)3分3R新井雄大(TARGET)判定0-3 ※29-30×2、28-30鳰 翼(KSR GYM)  1R、サウスポーの鳰はジャブを就き、右ストレートと左ローを強く打つ。新井は至近距離で左右フックからの左ボディ。両者笑顔を浮かべながらの戦い。鳰は終盤、2回転蹴りを放つ。  2R、新井はノーガードでワンツーを顔面にもらうと笑顔を浮かべて声を上げて挑発。鳰は左ハイ、飛びヒザを放つ。鳰の左ローには新井が左フック。2人とも顔面ガードをガッチリと固めて被弾しないように意識しているのが分かる。  3R、ローを蹴り合う両者。鳰はジャブを突いてからの強打につなぎ、新井はガードの上から押して左フック、蹴りにつなぐ。新井が顔面への前蹴り。押して蹴る、押して殴る新井の右ローが強烈に決まった。新井は左ストレートをヒットさせ、ヒザにつなぐ。  判定は3-0で鳰が接戦を制した。
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