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【INVICTA FC】大島沙緒里が判定負け、東よう子が体重超過のガルダードに一本負け、バンタム級王者ベルナルドがルビンに一本勝ちで初防衛

2024/06/29 10:06
 2024年6月28日(日本時間29日)米国カンザスシティ・メモリアルホールにて『Invicta FC 55: Bernardo vs. Rubin』が開催されている。日本から大島沙緒里(AACC)と東よう子(リバーサルジム新宿 Me,We)が出場。  27日(同28日)の前日計量では、大島も東も計量をパスしたが、東の対戦相手のガルダードが1.4ポンド(0.63kg)体重超過。25%の罰金の上、試合は行われた。  同大会は、2024年のInvicta FCの開幕戦。2023年10月以来の大会開催となり、2022年5月以来のカンザスシティ復帰となる。米国ではCBS Sports Networkで米国東部時間午後9時からライブ放送が決定。またメインカード(日本時間29日朝10時予定)は、Invicta FCの公式YouTubeチャンネルのインターナショナルPPVで160円で視聴が可能。プレリミナリーカードの模様はInvicta FCの公式YouTubeチャンネルとFacebookページで日本時間29日朝8時からライブストリーミングされた。 ▼アトム級 5分3R〇アンドレッサ・ロメロ(ブラジル)7勝4敗1分 105.7lbs/47.94kg[判定3-0] ※29-28×2, 30-27 ×大島沙緒里(日本/AACC) 14勝5敗 104.6lbs/47.44kg  大島は、DEEP女子ミクロ級王者として、5月26日にDEEP JEWELS同級王者の村上彩と王座統一戦に臨み、村上を1R、首投げからのVクロス&パウンドでTKO。二冠王となっていた。  試合後に大島は、「今回勝ったら、ということでInvicta FCと契約しました。最初の頃は、小さな子供もいますし、海外のことは全く考えていなかったんです。米国へ行くということは何日間も日本にいないわけですし。でも周りの海外志向のなかで、自分自身も考えてDEEPに相談したところ、快く送り出していただけて、周囲のたくさんの支えもあって実現しました」と経緯を説明。 「過去にInvictaで戦っている選手は偉大な選手ばかりなのですが、自分のペースでひとつずつチャンピオンに近づけるといいなと思います」と、AACCの先輩・浜崎朱加が巻いたアトム級(105ポンド/47.6kg)でベルトを目指すとした。  DEEP JEWELSのケージのなかでは、「日本でやりたかった試合もあったのですが、かなわなかった」とマイクで語っていたが、大島は「以前、『伊澤(星花)選手の名前も出したのにInvictaに行くのか』とみんなに言われそうですけど、伊澤選手の名前を出す前に1年以上前に『目標があります』と言っていたので、それはInvictaで戦うことでした。  伊澤選手と戦って行きたかったというのもありますけど、Invictaのチャンピオンになれば、自然と叶うかもしれませんし、BLACKCOMBATのパク・シユン選手にもリベンジしたい(※DEEP JEWELSアトム級王座&&BLACK COMBAT同級W王座戦で判定負け)とは伝えていましたが、シユン選手が引退してしまったので、いまは自分が目指しているところがあるので、その先も楽しみに頑張ります」と、Invictaのベルトを獲得することで、RIZIN王者と戦う機会が来ることを「楽しみ」にしたいとした。  佐伯繁代表によれば、今回の大島の契約はInvicta FCとの専属契約ではなく、日本国内でも戦えるフレシキブルなものだという。 「1年以上前から話があって、大島選手の相手も1周していて、伊澤選手のRIZINでの対戦相手もあるので、大島選手にはInvictaを推薦していた状況でした。専属ではなく(日本でも)どちらでも戦える契約です」(佐伯代表)  その大島の初戦の相手、ブラジルのアンドレッサ・ロメロは、ストロー級で戦ってきたオーソドックス構えのファイター。修斗ブラジルで連勝するなどMMA6勝4敗1分。キーロックと腕十字の2つの一本勝ちをマークするなど、右オーバーハンドから、自ら組んでケージレスリングを仕掛けるグラップラーだ。  2023年6月のHexagone MMA 9では、柔道黒帯のエヴァ・ドゥーテの払い腰・小外がけに投げられるもすぐに立ち上がるなど、スクランブルも強いため、大島にとってはいかに寝技をセットアップできるか。  一本負けが無く、4つの判定勝ちを記録するロメロは、相手にケージを背にさせて力強く組んでトップから削るのが必勝パターン。大島はその際を譲らず、押さえ込まれずにサブミットしたいInvictaデビュー戦だ。  1R、ともにオーソドックス構え。ワンツー連打で詰める大島に体を入れ替えるロメロが右で差して金網に押し込み。左小手の大島のアゴ下に頭を置くと、大島はいったん頭を抱えてから左手でキムラ! 後方に回してセンタク挟みも狙うが、トップを取るロメロ。なおもキムクラッチの大島が後方に回してトップに。バックを奪い、腕十字! 上からヒザを顔に押し付けて腕を抜いたロメロが上に。  金網に詰まりながらなおも腕十字を狙う大島。ヒジは入っているがクラッチするロメロ。顔を刈られずにそのままゴング。  2R、右を振って前に出る大島。右を返すロメロに右左、右でロメロの鼻を赤くさせる大島。奥襟うぃ掴むが離れるロメロ。大島はダブルレッグもがぶって上はロメロ! 引き込む形になった大島はフルガード。大島の腕十字狙いに離れて立つ。  互いの右がヒット! 大島の右にロメロが後退も中央に。ダブルレッグから金網までドライブする大島だが組み手つくれず離れる。大島の右に、右を返すロメロ。押し戻しシングルレッグに入る大島だが、詰めるも切られ大島は下に。フルガードの大島。ゴングにロメロが大島の手を引き上げ立たせる。  3R、前に出るロメロに右に回りシングルレッグの大島だが、ここも切られた大島が下に。背中を着いた大島は首を抱えてスイープを狙うが、首を抜いたロメロは金網に運び、インサイドガードから大島の首を金網に詰まらせるが、大島は首を抱えて方向転換。ロメロが体を立てたところで立ち上がる。  ワンツーで前に出る大島。左回りのロメロを追ってシングルレッグで金網まで押し込み。ギロチンから離れるロメロは右。大島のローシングルを切って鉄槌! 大島は引き込みもロメロは付き合わず。  スタンド。追う大島に回りながらジャブのロメロ。残り30秒でシングルレッグの大島はトップを狙うが、ロメロは首を抱えてゴング。判定は3-0(29-28×2, 30-27)でロメロが勝利。初回はテイクダウンからサブミッションでニアフィニッシュの場面を作った大島だが、徐々にテイクダウンを切られ、トップから攻めたロメロが判定をモノにした。  [nextpage] 東よう子が体重超過のガルダードに初回一本負け ▼バンタム級 5分3R〇テイラー・ガルダード(米国)5勝2敗 137.4lbs/62.32kg ※体重超過[1R 1分23秒 リアネイキドチョーク]×東よう子(日本/Me,We)8勝5敗 135.5lbs/61.46kg※ガルダードは25%の罰金  大島同様に柔道ベースの東は、PANCRASEで5勝2敗後、2022年5月のDEEP JEWELSでのKINGレイナとの再戦で連勝。DEEP JEWELSフェザー級王者となった。2022年11月のDEEP JEWELSではバンタム級でダイヤモンドローズに3R TKO勝ちで4連勝をマーク。  2023年4月にPFLに「フェザー級」で参戦を決めると、2023年4月の初戦で、ロシアのマリナ・モクナトキナ(ロシア)に2R TKO負け。その後、アトランタのATTでの出稽古も経て、2戦目でオレーナ・コレスニク(ウクライナ)に接戦も判定負けで予選突破ならなかった。今回のInvicta参戦はバンタム級戦。ライト級でも戦っていた対戦相手のガルダードが体重を作れるか懸念されていたが、計量結果はガルダードが体重超過。25%の罰金も、東にとっては厳しい判断を迫られたことになる。  対戦相手のテイラー・ガルダード(米国)はMMA4勝2敗で東のちょうど半分のキャリアだが、過去にInvicta Phoenix Seriesバンタム級で1R制のワンデートーナメントを勝ち上がり、決勝でタネイシャ・テナントに判定負けで準優勝。  その後、PFLでは女子「ライト級」に出場。3戦をいずれも判定で勝利し、決勝でケイラ・ハリソンに右オーバーハンドをヒットさせるも、2Rに腕十字で敗れ、100万ドル獲得はならなかった。  しかし、初戦で後に東が敗れたコレスニクに判定勝ち。相手のがぶりにシングルレッグからトップを取り、2Rにはダブルレッグテイクダウン、さらに3Rにはかんぬきスープレックで投げて上を取っている。1発の重さと圧力のあるガルダードが、さらに体重超過で最後の厳しい減量をパスしなかったことで、東にとってはその重さがどう影響するか。  2023年7月の前戦『Tuff-N-Uff 132』ではジャッキー・カタリーネに3R TKO勝ち。それ以外はすべて判定勝ちという際で競り勝つガダードのバンタム級+600gでの参戦は、対海外での適正階級となる東にとって、難敵となるだろう。  1R、向き合うと明らかに大きな体重超過のガルダード。  ともにオーソドックス構え。低めのダブルレッグに入る東。スプロールするガルダードはバックに回り、両足を差し込むとバックマウントからパームトゥパームでリアネイキドチョークを極めた。 [nextpage] メインで元UFCベルナルドがバンタム級初防衛、元Bellatorルビンは一本負け  なお、同大会のメインイベントは、元UFCファイターのタリタ・ベルナルド(ブラジル)と、元Bellatorのオルガ・ルビン(イスラエル)のInvicta FCバンタム級選手権試合(5分5R)。  初防衛戦のタリタ・ベルナルドは2023年1月のInvicta FC 51でタネイシャ・テナントに判定勝ちし、タイトルを獲得した。ベルナルドはUFC1勝3敗でオクタゴンを離れ、OKTAGON 26での判定勝ちを経て、Invicta FC3連勝中。Invicta FC 53では同団体初のバギーチョークを極め、"サブミッション・オブ・ザ・イヤー "に輝いている。  また、2023年IMMAF女子バンタム級世界王者のジョシアニ・オリヴェイラ(ブラジル)がプロに転向。同じくプロデビュー戦となる米国のゾイ・ノウィキと対戦。ノウィキが判定3-0で勝利。アマチュアでも7戦無敗のノウィキがプロ初戦を白星で飾っている。
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