並んで試合を振り返った五味(左)と鈴木
2024年6月23日(日)東京・国立代々木競技場第二体育館にて開催された『KNOCK OUT CARNIVAL 2024 SUPER BOUT“BLAZE”』のメインイベントで、五味隆典(東林間ラスカルジム)と引き分けた鈴木千裕(クロスポイント吉祥寺)が試合後インタビューに答えた。
鈴木は「倒したかったところですが、なかなか山を作れなくて課題が凄い残りました。凄い圧を感じました。前に出にくいというか。何が来るか予想がたつので入りにくかった。向き合わないと分からないものがいろいろあった。行けなかったのは自分の迷いなので課題です」と振り返ったところで、五味が姿を現わして鈴木の隣に座った。
「勉強になりました」と鈴木が言うと、五味は「(鈴木が)来なければ来ないでおしまいだから。あそこは来ないと。俺はノーガードでも倒れない自信あったよ」と言うと、「一発狙いばかりで。手数だよ」と鈴木は手数が少ないと指摘。さらに「お前、パッキャオ選手知ってるのか? 凄いぞ。手数も」とこのままでは勝てないぞと叱咤。
7月28日(日)さいたまスーパーアリーナで開催される『超RIZIN.3』でのマニー・パッキャオ(フィリピン)戦に不安を残したのではないか、と聞かれた鈴木は「だからいいのかなと思う」と、今回の失敗が次に生きるとの見解を示した。
「課題は分かった。手数が足りない。突進だけではダメ。同じミスは踏まない。パッキャオを倒すために必要なことを学んだので、ぞれを全力で突き詰める。この試合を見て誰も勝てないと思うだろうけれどそれでいい。だから練習して覚悟を決めて欠点を埋めて、勝負自体を変えるパワーをつけて来るので、一から作り直しです。自分のダメなところがよく分かったので。失敗を糧にして強くならないといけない。稲妻メンタルと言われているけれどまだまだ足りない。もっともっと練習して生まれ変わった鈴木千裕を来月見せるので期待してください」と、五味戦で分かった課題を克服してパッキャオ戦に臨むと語った。
さらに「パッキャオ戦は1対1じゃない。身体は僕だけど、五味さんに勉強させてもらったので身体に五味さんの魂を入れて戦おうと思います。だから1対2です」と、五味と共に戦うとする。
一方、その後にコメントした五味は「ボクシングはどうなんだろうね。増量もしているでしょうし、動きが重かった気もする。ボクシンググローブの方が苦手なんじゃないか。オープンフィンガーグローブの方が馴染んでいるんじゃないかな。手数が少なかったり、正直すぎる。工夫がない。思い切りの良さだけ。もっとボクシングは複雑だし、踏み込みやフェイントが必要。(パンチが)来るって分かってるからノーガードでも平気だと思った。分かり切ってる」と、鈴木のボクシングの欠点をあげた。
鈴木の「五味さんの魂も」との発言について聞かれると「パッキャオさんはそんなレベルじゃないから。どうにかなる次元じゃないから」とバッサリ。
「1Rは千裕は強いから、2Rは俺が出て、3Rはまた千裕が出て。タッチすればいい。危ないと思ったら。そういう次元だから。ボルトと100メートル走して1カ月後に勝つってことだと思うんですよ。だけど、格闘技はどうなるか分からないってことでいいパンチが当たればどうなるかって望むのもあるんでしょけれど。
パッキャオさんを怒らせない方がいいと思う。軽くでも折れちゃうから。今日のボクシングで行くと厳しいと思うよ。今日のは入門って感じだな。もっと工夫しないと。(鈴木は)イキがいいってことくらいかな。ボクシングだけだと迫力は感じなかった。もっと来て欲しかったな」と、パッキャオ戦はかなり厳しいものになると話した。