実は、MMAは今年5月に初めての試合をする予定でした
――そもそも、あなたが格闘技を始めたきっかけは?
「18歳の時に『SENAI』というデザイン専門学校を卒業しました。だからといって就職があるわけでもなく、『何をしようかな?』とぶらぶらしてたら、ちょうどムエタイのジムがあったので、2011年にとりあえずそこに入ったことが最初です」
――ブラジルは、サッカーが盛んだと思いますが経験は?
「サッカーはやっていました。サンパウロのクラブチームでユース代表になったこともあります。2年くらいチームで練習していましたが、あまりうまくいかなったので辞めました。身長が190cmあるから、バスケットやバレーボールをやった方がいいといろんな人に言われたけど興味がなかったです」
――キックとMMAの2つをなぜやっているのでしょうか?
「実は、MMAは今年5月に初めての試合をする予定でしたが、K-1との契約もあるので、K-1を先にしてからあとでMMAをやりたいと思っています。ただオープンフィンガーグローブのキックボクシングの試合はしています」
――憧れのブラジル人の格闘技選手はいますか?
「元々、遅めに格闘技を始めたので18歳の時にはアンデウソン・シウバ、ヴァンダレイ・シウバとかいましたけど、すでに弱くなってきていたところだったので、どちらかと言うとムエタイのジムに入っていたので、むしろタイのブアカーオの方がよく見ていましたね。格闘技に入ってから、昔のブラジル人選手を見るようになりました」
――前回の試合が終わった後に、マンガ『ドラゴンボール』のかめはめ波のポーズをしていましたね。
「『ドラゴンボール』は昔からGT・Z・超(スーパー)全てを何回も観るくらい大好きです。最後の『ドラゴンボール超』に関しても、良かった。『ドラゴンボール超』をみて、改めて『ドラゴンボール』って良いなと思いました」
――なぜK-1に参戦しようと決めたのでしょうか。
「ムエタイのジムに入った時、ブアカーオの試合を見ているうちに、2004年のK-1MAXで魔裟斗との決勝がすごく印象的でした。そこから、『K-1ってすごいところなんだな』『トップの大会なんだな』と実感してK-1の試合を色々と見るようになりました。アーネスト・ホーストがいることを知って、トップ中のトップのK-1の舞台に立てて、優勝できることこそが、世界一のチャンピオンになるという事だろうなってことを思い描いていたんです。
きっと、自分が強くなれば参戦できると思っていたので、それが来るまでずっと練習をして、実力をつけてきて、そこから12年後ようやく機会を得ることができて本当に良かったです」
――デング選手は、パンチよりキックの方が自信あるのでしょうか?
「ムエタイを始めた時はキックとヒザ蹴りが一番得意だったけど、キックボクシングをし始めたらパンチ力などの技術を身につけることができました。次の決勝トーナメントでも優勝を狙うには両方できることを見せつつ、パンチの方も重要だと思っています」
――無敗が続いていますが、今後どういうキャリアを歩んでいきたいですか。
「今までの人生は、サッカーにしろ、デザインの専門学校にしろすべて中途半端な人生でした。でも格闘技に入ることで、格闘技が今、プロとしてもずっと続けられています。格闘技を辞めることは今は考えられないし、K-1でももちろん優勝を考えています。優勝ができなくてもどんどん戦い続けて強くなりたいと思っています」
――日本のファンにメッセージをお願いします。
「K-1に出て以来、インスタで日本人ファンの方からの応援メッセージが寄せられるようになりました。温かいメッセージがものすごく心に沁みています。日本人が外国人選手に優しくしてくれるとは思いもしなかったので、応援っていうのは選手にとってとても大事なことだなと実感しています。自分のデビュー戦はブラジル国内でしか放映されなかったので、あまり知られていなかったのですが、今は全世界で見られるようになりました。
私はブラジルを愛していますが、ブラジル人は日本に憧れます。ブラジルを代表してK-1に参戦する、国を背負って日本で戦うことに、すごく誇りを持っています。7月7日は、世界一になり、ブラジルカラーの黄色いTシャツを掲げたいです」