パワーのあるヒョヌを迎え撃つRISE王者・田丸(C)RISE
2024年6月15日(土)エディオンアリーナ大阪第一競技場『RISE WORLD SERIES 2024 OSAKA』にて、SuperFight!のスーパーフライ級(-53kg)3分3R延長1Rで、ジョン・ヒョヌ(韓国/BAEKRYEONCHAI)と対戦する田丸辰(TRY HARD GYM)のインタビューが主催者を通じて届いた。
田丸はジュニアキックボクシング出身で、卓越したボクシング技術とディフェンス能力でプロデビュー後は10戦全勝(2KO)と無敗の快進撃で2018年11月に初代RISEスーパーフライ級王者となった。一時はスランプに陥ったが、2022年に階級を下げて臨んだ「初代RISEフライ級(-51.5kg)王座決定トーナメント」で優勝し、二階級制覇を達成。「RISE WORLD SERIES 2023 -54kg Tournament」では決勝でクマンドーイを破り優勝した。前戦は2024年3月に志朗が保持するRISE世界バンタム級王座に挑戦したが、偶発的なバッティングにより無効試合に。戦績は17勝(3KO)3敗2無効試合。
ヒョヌは12勝(8KO)2敗の戦績を持ち、KTK-53kg前王者。2023年10月、九州プロキックボクシング(KPKB)に来日し、KPKB初代INTERNATIONALバンタム級53kg王座決定戦で日畑達也を初回KO。12月の再来日でもKPKBでGang-Gを3RでKOしている。
年内には決着をつけて志朗選手の時代を終わらせたい
――公開練習では切れ味鋭いパンチを見せていましたが、コンディションは良好ですか?
「久々の-53kgで適正階級なので、切れ味もあって良い感じです」
――最近は54kgや55kgでの試合が多かったですが、減量は辛くないですか?
「いつもよりは節制していますが筋肉もしっかり残っているし、いつも絞りきれていなかった分、今回は楽しみです」
――パワーを残しつつ、53kgに落としてスピードも上がっているような感じですか?
「久々の53kgなので実際にやってみないと分からない部分はあるんですけど、キレやパワーは確実に昔と比べて上がっている実感があります」
――相当追い込んで練習をされていたと思いますが、追い込み期間はどんな練習内容を行っていますか?
「基本的には相手の対策だったり、ミットの練習が増えるのと、走り込みやスパーリングが増えるんですけど、集中しながらやらないと怪我もしてしまいますし、強度も高いので良い集中力でできていました」
――その追い込み期間で体だけじゃなくて、精神的な部分も研ぎ澄まされていくような感じがしますか?
「ご飯もなかなか食べられないところがあるので、ハングリー精神で『やってやるぞ』って気持ちにはなっています」
――今回のABEMAのキャッチコピーが『強者は西から生まれる』となっていますが、田丸選手は東京なので物申したい気持ちにはなりませんでしたか?
「物申したいとかではないけど、関西にいるチャンピオンがRISEには多いので、東にも強いやつはいるぞっていう事を大阪で見せたいです」
――「俺がいるだろ」という気持ちですね。
「東系男子なので(笑)」
――現状関西にいるチャンピオンの方が比率は多いですが、田丸選手から見て何が要因になっていると思いますか?
「関東の選手に比べて関西の方が合同練習などの交流が多いなっていう勝手なイメージがあります」
――自分のジムで練習をされている選手が多いですよね。
「環境が関東に比べて整っていないジムが多い中で、チャンピオンになる選手が多いっていうことは、ハングリー精神を持っている選手が関西には多いのかなと思います」
――そのハングリー精神の面では田丸選手も負けていないですよね。
「まだまだいけるぞって思いはあります。関東の選手って環境がすごく良いので、それで満足しちゃう選手が結構いると思うんですけど、それで満足しているわけではないので、今のTRY HARD GYMもそうですけど環境が良くても結果が出ないと意味がないので、そこは意識的にやっています」
――今回の対戦相手はジョン・ヒョヌ選手になりましたが、映像はご覧になられましたか?
「ちょいちょい見ています」
――どんな印象がありますか?
「体つきもゴツくてパワーがあって、1発があるなっていう感じですね」
――フィジカルの強いパワーファイターですが、どう攻略していくかイメージはできていますか?
「技術レベルやスピードは圧倒的な差があるのでそこを活かしつつ、53kgの中で誰がどう見てもパワーがある相手なので、そこでも勝負できるところを見せていきたいです」
――自分の得意分野プラス、相手の土俵にも乗って実力の差を見せつける試合展開ということですね。
「ここは絶対にKOで勝たなければいけないので、そこをモチベーションに頑張っています」
――試合内容を重視しているんですね。
「KO率も高い相手なんですけど、ちょっと苦戦しているようだと自分が目指している所には遠くなってしまうので、スターになるためにKOで勝ちたいです」
――「自分が目指しているところ」という風に仰いましたが、今後53kgでの目標はありますか?
「1選手として、ただ勝つだけでは人気者にはなれないので、勝ち方や選手としてかっこいい人になりたいです。あと先日野杁選手がONEで負けてしまったんですけど、日本のトップ選手が海外で負けていくのを見て、世界は広いなというか悔しい気持ちがあるので、海外のファンからも舐められないような日本人ファイターになりたいです」
――そういった意味では以前も名前を出していましたが、プラジャンチャイ選手などとも対戦したい気持ちはありますか?
「いきなりONEのチャンピオンとかは言わないですけど、海外の格闘技ファンが『こいつに勝ったら凄いよ』って認めるような選手と組んでもらってから、ONEのチャンピオンとかと試合ができたらいいですね」
――前回、志朗選手との試合が不完全燃焼に終わってしまいましたが、改めて志朗選手と白黒をつけたいという思いはありますか?
「誰も納得しない内容だったので、年内には決着をつけて志朗選手の時代を終わらせたいです」
――短い時間でしたが志朗選手と手を合わせた時の手応えはいかがでしたか?
「お互いに頭を使った1ラウンドだったのですが、自分自身この後の展開が楽しみだなと思いながら試合をしていたので、早く続きがしたいですね」
「楽しかったというよりは『お前どんな引き出し持ってんの?』みたいな感覚ですね。向こうもそうだと思いますし、何を見せてくれるのかっていうワクワクした感じでした」
――大阪大会でのメインは同じ53kgのタイトルマッチになりましたが、この試合自体はどういう勝敗予想をされますか?
「政所選手は勢いがすごいあるんですけど、5Rなのでそこの経験も含めて大﨑選手が有利だと自分は思っています。だけど僕的にはどっちでも良くて、両方に1勝1敗で終わっているので、勝った方といつかはやりたいです」
――どちらかというと政所選手と対戦したいという思いもあった?
「個人的には政所選手に勝ってもらって、お互い良い状態で対戦して盛り上がるカードになると思うのですが、勝つのは大﨑選手かなっていう予想です」
――ご自身の試合をスカッと終わらせて、ゆっくりメインの試合を見届けたいですね。
「僕も53kgの試合なので、比べられると思うし、変な試合はできないなと思っています。逆にメインを食うような試合内容で、KOで倒したいです」
――2024年も半分が終わりますが、今年もMVPを狙っていきたいですか?
「3月の試合でやっちゃった感があるので、あそこで勝って今回も勝ってという感じだったら、MVPを狙えたかなって思っているので、今のままだとちょっとやばいですね。なので6月は本当にいい内容の試合をしないとなって思っています」
――今回の試合をクリアして、インパクトを残してMVPを狙っていきたいですね。
「去年の波に続いているなっていう風に思わせるような試合をします」
――最後にファンの皆様に向けてメッセージをお願いします。
「いつも応援してくれる皆さんありがとうございます。今回大阪で韓国人の選手と戦うんですけど、必ずKOで勝ってインパクトのある試合で大阪を沸かせたいなと思っているので、楽しみにしていてください。応援お願いします」