若き二冠王・久井がクンクメールとの対抗戦に出陣。過去、クンクメールとは1勝1敗
2024年8月4日(日)東京・後楽園ホール「MAROOMS presents『KNOCK OUT 2024 vol.3』の対戦カード発表記者会見が、6月3日(月)都内にて行われた。
今大会ではカンボジアのムエタイことクンクメールとKNOCK OUTの3vs.3対抗戦が行われることが決定。
山口元気KNOCK OUT代表は「クンクメールはここ最近非常に選手派遣に積極的で勢いが増している。今回はカンボジアで国営放送されている現地のナンバーワンプロモーションの選手を連れてきてくれることになりました。クンクメールの選手はハートも強いし諦めないし、すぐ寝るような選手はいない。気迫で日本人が負けるような、ムエタイとは違う新しい風になるんじゃないか」と、ムエタイとはまた違う魅力があると説明。
その第一弾として、スーパーファイトのKNOCK OUT-REDスーパーフェザー級3分3R延長1RでKNOCK OUT-BLACKライト級王者・久井大夢(TEAM TAIMU) vs.チョット・サレイヴァントン(カンボジア) 、KNOCK OUT-REDスーパーライト級3分3R延長1Rでデンサヤーム・ウィラサクレック(ウィラサクレック・フェアテックスジム) vs.エイ・マムリン・プートング(カンボジア) の2試合が決定。
久井はKNOCK OUTアマチュアで3階級制覇を達成後、2022年4月大会でプロデビューしてKO勝ち。12月の王座決定戦に大抜擢されると新田宗一朗に2RでKO勝ちし、わずか3戦目でKNOCK OUT-REDスーパーフェザー級王座に就いた。2023年7月にはK-1に乗り込んでBigbangフェザー級王者・龍斗から勝利を収め、9月には大谷翔司に判定勝ちでKNOCK OUT-BLACKライト級王座に就いて17歳にして2階級制覇を達成。12月にはトンミーチャイに判定勝ちするも、2024年2月のチュームーシーフー戦で敗れ2度目の黒星。6月にはNJKFにてテーパブットに延長戦で勝利し、プロ戦績を9勝(3KO)2敗とした。
初来日のチョットは24歳で身長170cm、戦績は84勝(33KO)13敗3分とちょうど100戦。
山口代表は「カンボジアの選手は侮れない。ハートが強くて体力があってヒジの技術は高いもの持っている。ちょっと前のカンボジアの選手とはかなり違う状況。久井選手はクンクメールと1勝1敗。今回初めて日本で迎えることになりました。久井君が負けた相手が今大会に出るので目には見えない争いになる」と説明。
会見に出席した久井は「最近はっきり勝つ試合が出来てないので、そこを見せていきたいですね」と圧勝したいと意気込んだ。
対戦するチョットの印象は「クンクメールの選手なので強いと思います。映像も見て、思い切りのあるいい選手やと思いました。ただ僕が見ているのは4月に負けたピッチ・サムバスなので、しっかり勝ってカンボジアに行ってリベンジしたい」とする。
タイ人よりも「カンボジアの方がガンガン来る印象があります」と言い、「しっかり倒したい。見ている人が分かりやすく、自分が強いと思われないとあかんと思います」とKOで決着をつけたいとした。
練習については「対戦相手の対策もあるが、自分の仕上げ方は変わらない」といつも通りで行くという。
久井が4月のカンボジア遠征で敗れたピッチ・サムバスも今回の参戦予定に入っており、なぜリベンジマッチを組まなかったのかと聞かれた山口代表は「60kgで面白いパズルを見せられればと思って。4月に久井選手とやった相手は12月に優翔選手にも勝っていて、その時は4人トーナメントで(ロシア、中国、日本、カンボジアの選手が出場)全試合KOして優勝している。久井選手との試合の時もガンガン行くスタイルで、日本受けするようなスタイル。日本に初めて来るので、別の選手とやってもらってその勝ち負けで再戦になるのかを決めたい」と答えた。
久井自身はカンボジアでの再戦を希望しており、「カンボジアに行って負けているので、リベンジさせえもらえるとしたら日本でやるのはアレなので、向こうに行ってしっかり倒したいと思います」とカンボジアでの借りはカンボジアで返したいとした。
「いろいろな面で全てで上回って、しっかり倒して勝ちたい」とし、クンクメールが国内の各団体に選手を派遣している状況について「甘くないぞってところを見せたい」と迎撃に自信を見せた。
また、今回の対抗戦は「カンボジア全土に生中継が入る予定で調整中。選手も意気込みが違うと思う。4月にクンクメールの選手が試合をした時は、違法動画で生中継されていて20万人の視聴者がいたようです」(山口代表)とのことでカンボジアでも高い注目を集めそうだ。
「まだ決まってはいませんが、10月か11月にアンコールワットで大規模な興行があるので対抗戦をやらないか、との話も来ています。久井選手が出た時も野外の興行で1万人が集まったそうですし、次はアンコールワットの前でやろうと言われている。対抗戦はどんどんやっていくことになるかなと。ヒジありに関しては日本人に受けるスタイルなので」と、今後もクンクメールとの対抗戦が激化していく予定だと話した。
デンサヤームの対戦相手エイはカンボジアで健太にヒジ打ちで勝利した182cmの長身選手で、48勝(22KO)5敗2分の戦績を持つ。
「タイとカンボジアはライバルで、争いが激化している。カンボジアで開催されたアジア大会で、ムエタイをクンクメールの名称でやったところタイ側がボイコットした。デンサヤームも本家だから負けられないと燃えているそうです」と、タイvs.カンボジアの戦いも熱くなりそうだ。