2024年7月7日(日)東京・国立代々木競技場第二体育館『K-1 WORLD MAX』の記者会見が、5月29日(水)都内にて行われた。
今大会で行われる『K-1 WORLD MAX 2024 -55kg世界最強決定トーナメント』開幕戦に出場する外国人4選手、および1回戦の対戦カードが発表された。
1回戦第1試合は、K-1 WORLD GPスーパー・バンタム級(-55kg)王者の金子晃大(K-1ジム自由ヶ丘/FROG GYM)がIPCCクンクメール世界-54kg王者カン・メンホン(カンボジア/International Fight Gym)と対戦。
金子は2006年9月にKrushでプロデビュー。無敗のまま6戦目で軍司泰斗を破りKrushバンタム級王座を奪取、第3代王座に就いた。卓越したテクニックと攻撃力で9連勝を飾っていたが、2020年3月に玖村将史に判定で敗れ初黒星。2021年3月に1年ぶりの復帰を果たすと連続KO勝利を収め、2022年2月の「K-1 WORLD GP第3代スーパー・バンタム級王座決定トーナメント」で優勝してK-1王座に就いた。6月の『THE MATCH 2022』ではRISE王者・鈴木真彦に判定負けを喫したが、その後は2連続KOで再起。2023年3月にコンペットを破り初防衛に成功するとさらに連勝を重ね、9月に玖村将史との再戦を制して2度目の防衛に成功。12月にラン・シャンテンに勝利し、2024年3月に鈴木真彦にリベンジを果たした。戦績は21勝(11KO)2敗。
メンホンは21歳(試合時は22歳)と若くして111戦のキャリアを持ち、戦績は82勝(30KO)17敗12分。カンボジアのムエタイと言われるクンクメールのIPCC世界-54kg王者。金子の相手にはタイのムエタイ選手も候補に上がっていたが、クンクメールの代表が「最強の選手を送り込む」としたため、今回はクンクメールの選手にしたとカルロス菊田K-1プロデューサー。
宮田充Krushプロデューサーは「正規ルートで最強のファイターということで決めました。別の面構えがいいこの選手がいいんじゃないかと聞いたら、トップはこの選手だからK-1王者とやれるならトップがいいだろうと推してきた選手です」と、クンクメール側から猛プッシュがあって送り込まれた選手だという。
1回戦第2試合では、Krushスーパー・バンタム級王者・璃明武(=りあむ/K-1ジム総本部チームペガサス)が、ルカ・チェケッティ(イタリア/Kick and Punch Milano)と対戦。
璃明武は空手のバックボーンを持ち、2018年4月にプロデビュー。2021年8月から開幕した「第7代Krushスーパー・バンタム級王座決定トーナメント」で優勝して王座に就いた。2022年2月の「K-1 WORLD GP第3代スーパー・バンタム級王座決定トーナメント」では準決勝へ進出するも金子晃大に敗れ、6月の『THE MATCH 2022』では江幡睦にも敗れて連敗を喫したが、7月の初防衛戦で永坂吏羅に判定勝ち。2024年3月の2度目の防衛戦では倉田永輝を初回KOに仕留めた。戦績は13勝(5KO)3敗。
チェケッティはWAKO(世界キックボクシング団体協会)の世界バンタム級&フェザー級の2階級を制覇した44勝(10KO)6敗のベテラン選手。“スナイパー”のニックネームを持ち、2023年9月には『ONE Friday Fights 31』で中国のフオ・シャオロンから判定勝利している。サウスポーからの左ストレートは脅威だが、右のパンチも威力が十分で、さらに左ミドルキック、左ヒザ蹴りと多彩な攻撃を持つ。イタリアの有力プロモーターからの推薦により2024年3月のK-1に初参戦し、玖村将史に判定2-0で敗れたが善戦している。
1回戦第3試合は、玖村将史(K-1ジム五反田チームキングス)がアントニオ・オルデン(スペイン/El Origen Thaimartin/Orden Team)と対戦。
玖村は2018年1月にKrushデビューを飾り、同年に行われた「第6代Krushスーパー・バンタム級王座トーナメント」で優勝して王座に就いた。2019年6月には「K-1スーパー・バンタム級世界最強決定トーナメント」に参戦するも決勝で武居由樹に敗れる。2022年2月の「K-1 WORLD GP第3代スーパー・バンタム級王座決定トーナメント」では決勝で金子に敗れて王座戴冠ならず。6月の『THE MATCH 2022』ではRISEの志朗に勝利。2023年3月にはRISEの鈴木真彦にも勝利し、9月に金子晃大との1勝1敗の決着戦に臨んだが延長戦の末に敗れた。2024年3月、チェケッティに判定勝ちで再起を果たした。戦績は23勝(11KO)6敗。
オルデンはWBCムエタイ世界フェザー級王座、WBCムエタイ・インターコンチネンタル同級王座、ISKAインターコンチネンタル同級王座、WKA欧州同級王座、WKAスペイン同級王座、HMFスペイン同級王座、IPCCインターコンチネンタル同級王座と7本ものベルトを持つ。2017年4月のK-1に初来日し、「K-1 WORLD GP第2代スーパー・バンタム級王座決定トーナメント」に出場したが、1回戦で武居由樹に3R2分31秒、KOで敗れた。しかし、その後は勝ち続けて戦績は43勝(7KO)4敗1分。約7年の時を経てK-1に再び参戦するサウスポー。
そして1回戦第4試合は、大久保琉唯(K-1ジム・ウルフ TEAM ASTER)vs.ジャオ・ジェンドン(中国/深セン盛力人和ファイトアカデミー/CFP)となった。
大久保はK-1アマチュアで経験を積み、2022年2月のK-1でプロデビュー。6月の『THE MATCH 2022』ではオープニングファイトに抜擢され、那須川龍心に判定勝ちしている。2022年9月の「初代Krushフライ級王座決定トーナメント」で優勝し、初代王座に就いて次期K-1エース候補と期待されたが、バンタム級に階級を上げての第一戦で齊藤龍之介に延長判定で敗れ初黒星。2023年10月に黒川瑛斗に勝利して再起を飾ると、2024年3月のK-1で壬生狼一輝からも勝利。今回はさらに階級を上げての参戦となる。戦績は6勝1敗。
ジェンドンは大久保と同じ19歳で、身長も大久保とほぼ同じの175cm(大久保は176cm)。25勝(3KO)1敗の戦績を持つ。2022年貴州台江全国キックボクシング招聘試合-52kg級16人トーナメント優勝、2023年壮瑶勇士南部地区32人トーナメント-55kg級準優勝の実績。
宮田Pは「h大久保選手の相手にはワン・ジュングァンも候補に挙がっていたが、中国とやり取りしている中で若い選手が面白いんじゃないかと。中国の選手はお互い頑張るのかKOが少ないんですが、とてもいい選手です」と紹介した。
1回戦を勝ち上がった4選手が、9月29日のK-1で準決勝・決勝戦を争うことになる。
会見に出席した大久保は「同い年で身長も同じくらいの選手で。初めてこういう選手と戦うんですけれど、試合映像を見てもパンチャーで強い印象で、難しい戦いになるとは思いますが必ず勝って次につなげます」と対戦相手を強敵と見なしながらも必ず勝つとした。
ジェンドンからは「対戦相手の大久保選手はとても強い選手ですが、私も中国では高い実力を有した選手です。リング上ではキックのみならず全ての攻撃を使い、前に出て試合をコントロールするスタイルです。中国代表として必ず1回戦を勝利し、-55kg級優勝のベルトも手に入れます」とのメッセージが寄せられた。
璃明武は「対戦相手は前回のK-1も参戦していて海外でも活躍している強豪選手なので楽しみです。分かりやすい内容でいい勝ち方をしたいと思います」と意気込む。
チェケッティからは「世界で最も権威ある大会で世界中から強豪が集まる世界トーナメントに出場できることをとても嬉しく思います。次の試合へ向けた準備はしっかり出来ていますし、早くリングに上がりたいと思っています。対戦相手の試合はいくつか見ました。とてもクリーンで直線的な攻撃を仕掛けてくる印象でした。身長もあるので懐に入るのは難しいですが、勝つためにしっかりと作戦を立てていきたいと思います。見応えのある試合になることは間違いありません」とのメッセージ。
玖村は「正直、このトーナメントの外国人4選手と日本人2人には興味なくて、僕が決勝で金子晃大にリベンジして優勝するためのトーナメントだと思っているので絶対に優勝します」と優勝宣言。
オルデンからは「参加できることを誇りに思います。対戦相手はかなり強い選手で、このトーナメントで彼と対戦できるのは大きなチャレンジだと思っています。日本のファンの皆さん、この大会にふさわしい戦いをお届けするので、私の名前を覚えて帰ってください」とのメッセージが寄せられた。
そして金子は「ひと言で言うなら感謝です。感謝ですね」とコメントした。
▼K-1 WORLD MAX 2024 -55kg世界最強決定トーナメント1回戦(1) 3分3R延長1R金子晃大(K-1ジム三軒茶屋シルバーウルフ/K-1 WORLD GPスーパー・バンタム級王者)カン・メンホン(カンボジア/International Fight Gym/IPCCクンクメール世界-54kg王者)
▼K-1 WORLD MAX 2024 -55kg世界最強決定トーナメント1回戦(2) 3分3R延長1R璃明武(K-1ジム総本部チームペガサス/王者)ルカ・チェケッティ(イタリア/WAKO世界バンタム&フェザー級王者)
▼K-1 WORLD MAX 2024 -55kg世界最強決定トーナメント1回戦(3) 3分3R延長1R玖村将史(K-1ジム五反田チームキングス)アントニオ・オルデン(スペイン/El Origen Thaimartin/Orden Team/はWBCムエタイ世界フェザー級王者)
▼K-1 WORLD MAX 2024 -55kg世界最強決定トーナメント1回戦(4) 3分3R延長1R大久保琉唯(K-1ジム・ウルフ TEAM ASTER)ジャオ・ジェンドン(中国/深セン盛力人和ファイトアカデミー/CFP/2022年貴州台江全国キックボクシング招聘試合-52kg級16人トーナメント優勝)