キックボクシング
インタビュー

【NJKF】クンクメールを迎え撃つ大田拓真「どの攻撃でも倒せるように練習しているので最後はしっかり倒したい」

2024/05/27 17:05
 タイ・バンコクのルンピニースタジアムで行われたONE Championship『ONE Friday Fights 59』(4月19日)において、NJKFフェザー級王者・大田拓真はコプター・ソーソンマイ(タイ)に2R KO勝ち。右ヒジを決めての激勝で35万バーツ(約150万円)のボーナスも獲得した。 6月2日『NJKF CHALLEGER 2024 3rd』(東京・後楽園ホール)ではカンボジア・クンクメールとの対抗戦に臨み、東南アジア競技会=SEA Games(SEAG)ボクシングで金メダルも獲得しているオウ・テリットを迎え撃つ。ヒジと強打を武器に荒々しいスタイルを見せるテリットだが、大田は連続でのKOに燃える。 2戦目も勝てて嬉しいより、この先の“ヤバい”っていう怖さがあって ――ONE Championshipでの試合から1ヵ月となりますが、KOで勝利しボーナスも獲得しておめでとうございます。「ありがとうございます。やっぱりタイ人はガチだなって思いました(苦笑)」 ――決着は2Rでしたが、初回から激しい展開となりました。 「首相撲の選手だと聞いて最初はあまり来ないだろうと予想していたので、序盤はどんどん蹴ってパンチも散らして削って、最後に何でもいいから倒せればと思っていたんですけど、1Rからガツガツ来て。思ったより来るので、自分が思っていた展開とはいきませんでした」 ――相手がアグレッシブに来たのは、それはやはりONEという舞台がそうさせたのでしょうか」 「それもあると思います。タイでONEはすごく有名で、勝ち上がっていけばお金もすごくなるし、タイ人はお金の面でムエタイをやっているので、本気度が違うなっていうのを感じました」 ――それだけタイ人を強い意気込みで臨ませる舞台なのですね。 「他の場所では“コイツぶっ倒して勝ってやる”っていうのはあまり見られないんですけど、ONEに出ているタイ人は“コイツを倒して成り上がってやる”みたいな気持ちを感じます」 ――それをして最初の「ガチだな」という言葉に繋がるのですね。「気迫を感じました。ONEに出ているタイ人は全体的にそう見えます。タイでもデカい、誰もが見ている大会なので、友達だったりジムの人たち、周りの応援も多いと思うんです。それもあって、いろいろ背負ってるものがある感じがしました」 ――ONEのムエタイはオープンフィンガーグローブでの戦いになります。この違いはいかがですか? 「戦い方が変わるっていうか、全然感覚が違います」 ――いつもだとブロックしたり防げているものが、漏れて入ってきたりする? 「そうですね、ちょっと見えづらい感じがします。距離が近いっていうのもあるんですけど、グローブが小っちゃくてパンチが速いので、ガードの反応が間に合わなくてもらっちゃうことがたまにあります。逆に自分が当てやすいのもあります」 ――当たった時の感じはどうですか? 「もらったら少し痛いです。なんか硬いもので殴られた感じがして、ジャブでも全然痛い感じです。今回は比較的もらわなかったので顔は腫れなかったですけど、前回は腫れました。やっぱり痛さはデカくて、なんか意識がそっちに行っちゃいそうです」 ――ONEでの2試合はともに激闘でしたが、これは自身で意識しているところがあるのですか? 「前は上手さを見せたい感じで“いなす”っていうのを重視だったんですけど、やっぱり盛り上げるには“倒す”っていうのも大事だなと思って、どんどんスタイルを変えていきました。最初はちょっと上手くいかなくて悩んだんですけど、最近はテクニックを使いつつ激しさも入れて、それがマッチして上手く戦えてるのかなっていうのはあります」 ――いつぐらいからそういった意識の変化があったのですか? 「キックに出てからです。コロナの時にあまり大会がなくてKrushとかBigbangに出させてもらって違う競技を見て、こういう戦い方もあるっていうのを知ってからだと思います ――ONEでの激戦に対応できているのは、異なるスタイルのキックに対応してきた経験があったからでしょうか。 「最初は対応できなかったんですけど、そういう戦い方を知って練習でもどっちもできるように取り入れるようになりました。自分が苦手な近い距離だったり詰めていく攻撃をすごく練習して、キックの時はそっちばっかり練習して少しおかしくなっていたんですけど、今はどっちもマッチさせて、上手くハマっている感じがします」 ――今は近距離と離れた距離での攻防をどちらもバランスよく練習している? 「そうですね、今はバランスよくどっちも練習しています。遠くから速く入って打つ元からの自分のやり方に、近いところでパンチ・ヒジ・ヒザとコンビネーションを混ぜた練習をしています。とにかくパンチが苦手だったのでキックの時にすごく練習して、少し教えてもらったりはあったんですけど、基本的にはボクシングの動画を見たりして“こんな感じかな”って自分で考えながらやりました。それが今も使えてる感じがします。ただ練習だともっとしっかり打ててるんですけど、試合になるとまだ変になっちゃいます」 ――フェザー級はもう体に合ってきていますか? 「前は無理やりフェザーに上げたので力不足があったんですけど、今はいい感じです。以前は重いのを持ったりもしていたんですけどちょっと違うなと思って、今は懸垂とか腕立てとかの自重系ばっかりです。今は打ち方とかでパワーをつけた方がいいっていう考え方になってます」 ――大田選手は以前より戦いに迫力や攻撃力が増して感じられ、肉体的な充実を感じます。 「ONEに出てくる外国人選手は同じ階級なのにすごく体を強く感じて。日本の選手とは質が違うっていうか、ONEでやった2人は首相撲でもすごく強く感じたんです。体の強さ、力の強さというか、それはすごく感て、そんなに太くは見えなのに、グッと力を入れた時のパワーがすごくある印象でした」 ――やはりそれだけ入念にフィジカルトレーニングも積んできているのでしょうか。 「そこはもう骨格な感じがします(苦笑)。ONEに出ている日本人の選手が今いっぱいいますけど、負けちゃってる選手はそこでビックリしているのかなっていう感じがします。相手がいつもだったら倒せているのに倒れない、いつもはないのに圧で押されちゃうっていうのは自分も最初に出て感じたところで、“やっぱり体強いんだな”っていう感じがしました」 ――そこはONEのような国際戦の舞台で強く感じるところなのですね。 「最初の時はもう反省と発見ばっかりでした。だから2戦目はそこら辺を気をつけて、そういう人たちと戦う時はパワーで行くっていうよりスピードだったりテクニックで行こうと。パワーでも負けないように練習はしてますけど、パワーではあまり戦わないようにしました。ONEでの初戦は自分的には反省点だらけで、いっぱい発見もあったんですけど、勝って反省できてよかったです。2戦目も勝てて嬉しいより、この先の“ヤバい”っていう怖さがあって(苦笑)。でも、その怖さがあるので、今もしっかり練習しています」 ――そういった中で、今回クンクメールのオウ・テリットを迎えます。 「結構ガツガツ来る選手だなって。映像を見たらパンチと首相撲、ヒジを狙ってる感じでした。クンクメールの選手はハイライトを見たら全体的に前に出て、ヒジと首相撲が多い印象があります。荒っぽい感じというか。でも首相撲では負けないようにしたいし、どんな展開でもしっかり対応していきたいと思ってます」 ――オウ・テリットも映像を見ると荒々しく攻めてくる感じがあります。 「だから前回のONEと同じ感じになるかしれません(苦笑)。パワーが強いと思っているので、スタミナとかそっち面は落ちないようにしたいし、パワーに圧倒されないよう、テクニックだったりそっちでしっかり対処できればと思ってます」 ――今回はONEでいい勝ち方をして注目される中での試合になりますが、最後に意気込みやメッセージをお願いします。 「今回は注目してもらっているので、やっぱりKOで勝ちたいです。どの攻撃でも倒せるように練習しているので、“これでKO”っていうのは決めていないんですけど、最後はしっかり倒したいと思っています」
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