MMA
インタビュー

【RIZIN】堀口恭司「本物の格闘技を自分が見せたい」=6月9日(日)セルジオ・ペティスと再戦

2024/05/24 11:05
  2024年6月9日(日)東京・代々木第一体育館にて開催される『Yogibo presents RIZIN.47』で、元Bellator世界バンタム級王者のセルジオ・ペティス(ルーファスポーツ)と対戦する堀口恭司(アメリカントップチーム)が23日夜、リモートにて囲み取材に応じた。  堀口とペティスは2年半ぶりの再戦。前回は2021年12月の『Bellator 272』で「Bellator世界バンタム級タイトルマッチ」として、元同級王者でRIZINバンタム級王者だった堀口恭司が、Bellator同級王者のペティスに挑戦。3Rまで堀口が打撃・組みともに優勢も、4Rにペティスの右ハイキックからの左のバックフィストに堀口がダウン。ペティスがBellator王座初防衛に成功している。  その後、RIZINフライ級王者になった堀口が、再びバンタム級に戻してまで実現させたセルジオ・ペティスとの再戦に向け、その意味を語った。 この機会を逃すと「やり返す」機会が無くなる ──いまはそちらの朝ですね。 「7時には勝手に起きて、9時くらいまでは携帯確認したり、試合動画を見たり、携帯ゲームをしたりしていますね」 ──カード発表にファンが沸きました。 「そんなに沸きましたか(笑)。やりたいなというのはあったんですけど、最初フライで出来ないかと交渉してもらったんですけど、もう相手が『出来ない』ということで、“しょうがない、俺がバンタムに上げるしかないな”ということで。  まあ、この機会を逃しちゃうとやり返す機会が無くなるんで、しょうがないなという感じですね。前回、負けてるんでブッ飛ばそう、というのはありますけど。基本的にはやられた選手には全員、やり返したいんで」 ──バンタム級に戻して戦うメリットも? 「勝てば『またバンタムで出来るんだな』という世界での見方が変わると思うんで。まあ(試合する)幅が広がるかなと思いますね」 ──いまのところはバンタム級はこの試合限定という感じでしょうか。 「そうですね、いまのところはそう考えていますね。(基本的にはフライ級で世界の頂点を目指す?)そうですね」 ──いまの通常体重は? 「いまは、64kgとか65kgとかですかね」 ──減量して階級を下げてうまくいく選手とそうでない選手がいます。最近ではATTでも練習した牛久絢太郎選手が太田忍選手に判定負けで「力が出なかった」と言っていました。堀口選手がフライとバンタムを行き来していて結果を残しているのは何が違うのでしょうか。 「うーん、どうなんですかね。まず減量の仕方を知らないんじゃないですかね。キツい減量をしちゃうと動けなくなる。常に食べながら減量しないと。多分、食べないときがあったりして、動けなくなっちゃっているのかなとは思いますけどね。自分は毎回、ちゃんと減量するのは5kg無いくらいですね」 ──前戦では階級が違ったことで、フィジカル差をそう考えますか。 「どうですかね。そこまでは無いんじゃないかと自分では思ってますけど、実際組んでみないと分からないですね。まあ(フィジカル差が)あっても対応できるようにしているんで、そこは問題ないかなと思いますね」 ──1回フライ級に戻して、またバンタム級にするのは大変かと思いますが、どういう身体作りをしていますか。 「まあ、『たくさん食べる』ですかね。それくらいじゃないですか。嫁がこっち来ているんで、疲れているときは液体系になっているのを食べやすいんで、スープとかカレーとか、そういうのを作ってもらっていますね。昔はほとんど外食だったんですけど、今は作ってもらっていますね」 ──コンディションもいいですか。 「そうですね。帰ってきて作ってもらった方が、時間短縮にもなるし、やっぱり栄養バランスもいいし、コンディション的にはすごくいいんじゃないですか」 ──奥様のカレーはどんなところがお気に入りでしょうか。 「いやいや、味しかないでしょう(笑)」 ──どんな味ですか。 「いや、普通にビーフカレー……なんか自分、味音痴なのか分からないですけど、ビーフシチューとカレーの違いが分からなくて、両方カレーだと思って食べてたら、『これビーフシチューだよ』って言われて(笑)」 ──あっ、じゃあビーフシチューもお好きなんですね。 「ビーフシチューも好き……だって同じじゃないですか、あれ」 ──もしかしてハヤシライスとカレーの違いは……。 「分からないです。言われないと分かんないじゃないですか。鈍感力? 鈍感力というか気にしない。見た目がカレーなんでカレーとして食べている!」 ──いずれにしても食事面も充実して幸せそうです。結婚して背負うものが増えたという人もいますが、堀口選手もそういったことは感じますか。 「背負うものっていうか、自分は守るものが増えたなっていう感じですかね」 [nextpage] ずっと引き出しを増やす練習をしてきた。寝技でも立ち技でも引き出しの数はこっちの方が多い ──さて、いよいよセルジオ・ペティス選手との再戦です。ATTでは仮想セルジオという形でのスパーリングパートナーもいたのでしょうか。 「そうですね。毎回(想定練習は)しますけど、ブラジルの方とか。キック出身の方とか、“ザ・キックボクシング”みたいなスタイルの方は多いですよ、こっちには」 ──金太郎選手が出稽古に来ていて、対戦した金太郎選手から見た堀口選手の癖だったりを、フィードバックすることもありますか。「うーん、金太郎君からのアドバイスはあまりないですね。こっちの方がしてますね(笑)」 ──前回はBellatorが舞台で、今回はRIIZNでの再戦です。心境の違いは? 「心境は毎試合……なんて言うんですかね。“新しいもの”だと思ってるんで、なんかそんなに“前回こうだったから勝てるよね”とかそういうのはないですね。もう本当に違うものとして受け取ってますね」 ──階級違いのほかにも、ケージとリングの違いがあると思うのですが、この点において有利・不利はいかがでしょうか。 「まあリングだとやりづらいですよ。やっぱり外に出るんで。その点でケージの方がやりやすいですけど……まあそんなことを言っててもしょうがないんで、やることは変わんないんで」 ──リマッチは全部勝っていますが、リマッチ特有のやりやすさ・難しさはありますか。 「うーん、自分はやりやすいですね。だって相手のことが分かるし、研究しやすい。俺にとってはやりやすいですね。だいたい相手の手の内はもう知ってるんで、そこに何をするかとか」 ──セルジオは前戦(2023年11月)でパッチー・ミックスに一本負けしましたが、パッチーのああいう戦い方も参考になりますか。 「そうですね。ああいう極め方もあるのか、とか、どうやって攻めているのかとか。自分の試合の組み立て方も出来ていますね」 ──前回戦ったときとセルジオはどう変わって来ると考えていますか。 「うーん、あまり変わらないと思いますね。やっぱりなかなか自分のスタイル、芯の部分はあんまり変えられないんで」 ──堀口選手の場合は? 「自分はずっと引き出しを増やす練習をしてきたので、寝技でも立ち技でも引き出しの数はこっちの方が多いんじゃないかなと思います」 ──「やり返したい」のは、KO負けしているから余計にそういう感情になった部分もありますか? 「うーん、まあ負けてるっていうことがあるんで。KO負けとかそういうんじゃなくて、負けは負けなんで、そこでですかね」 ──前戦で試合の直後は、一発もらってやられちゃったっていう感じだったのか、やっぱりちょっと悔いが残る感じだったとか、どんな心境でしたか。 「やっぱ負けた試合は全部悔しいんで。まあ“悔しいな”って感じですかね。いつかやり返そうと思ってこの話が来たんで、“やっと来たな”って感じですかね」 ──試合展開では、堀口選手がテイクダウンとグラウンドで試合を有利に進めました。「引き出しが増えてる」という部分では、仮に同じような展開になっても、前回よりも違う展開をできる手応えはありますか? 「そうですね。もう全体的に幅が広がってると思うので、同じ展開でも違う動きも出来たりしますね」 ──前回テイクダウンにブーイングがあってスタンドに戻しましたが、今回は勝ち方としてはとにかくもう漬けてもいいから勝つという思いも? 「うーん、そうですね。最初から漬けを狙っていかないんで、別に。しっかり勝つということを目標に。まあチャンスがあれば極めるし、KOを取るしっていうのを自分はいつも目指してやってますね」 ──ところで前回の試合時、ペティス選手のセコンドに当時ペティスのジムで練習していた平本蓮選手がついて、ペティス選手は今回もセコンド入りを希望しています。その辺のゲン担ぎは意識されたりしますか。 「いや、全く気にしないですよね。別にやるのは俺とペティスであって、周りは関係ないんで、なんか別に何もないかなって感じですね」 ──堀口選手が「本物の試合」を、今回のような大きな会場で、しかも日本のファンの前で見せるっていうことは、堀口選手が日本に参戦してきたことのひとつだと思いますが、そのことは改めてどう思いますか? 「そうですね。やっぱり本物の試合を見せて、何て言うんですかね、“うわ、こんなに強いやつ、人間でいるんだ”みたいな。そういうのを見せたいですよね。自分はそれが本当の格闘技だと思うんで。もちろん話題も大事ですけど、本物の格闘技を、PRIDEのときのように自分が見せたいなと思いますね」 [nextpage] 『超RIZIN.3』? どういう試合がラインナップされるのか── ──アーチュレッタ選手は「今回は日本の堀口選手が雪辱を果たすだろう」と。逆に堀口選手は、クレベルvs.アーチレッタ戦の展開をどう予想しますか。 「クレベル、今こっちで練習してるからなあ……言いづらいなぁ。まあ、でもすごいいい試合にはなるのかなとは思いますけどね。まあ、言いづらいっす(苦笑)。ただ、(“本物の試合”という意味では)クレベルもなんかどっかの団体(KSW)のチャンピオンになってたし、一回でRIZINも取ったじゃないですか。体重はアレでしたけど……あれ? アーチュレッタも体重オーバー同士じゃないですか。それで煽ればいいんじゃないですか?(笑)」 ──1カ月半後の『超RIZIN.3』への出場意欲はいかがですか。 「まずはしっかり次の試合勝たないと。そこから考えようかなって感じですよね。どうなんですかね。でも、どういうカードを揃えてるのかなっていう感じですよね。その次の7月の試合。どういう試合がラインナップされるかっていうところもちょっと気になって……。まあ、しっかり勝って、次に繋がれば出れるかもしれないですけど、まあ、榊原さん次第じゃないですか」 【写真】本誌『ゴング格闘技』(NO.332)の特集。(C)Bellator/PFL ──『超RIZIN.3』では堀口選手と対戦した2選手のフライ級の試合もあります。扇久保博正選手と神龍誠選手の試合をどう予想しますか。 「お互い似たようなタイプだと思うので、すごい激しい試合になると思いますね。でも、自分は、たぶん経験差で扇久保選手が勝つんじゃないかなとは思いますね」 ──神龍選手は「ここでしっかり勝って、堀口選手に1年以内にリベンジしたい」というようなことも言っていましたが……。 「フフフ、俺が受けねえだろって(笑)」 [nextpage] 次に向けてのいい手土産になればいい ──さきほど、「勝てば『またバンタムで出来るんだな』という世界での見方が変わる」という言葉もありました。やっぱりバンタムでできた方が、世界での自身の選択肢が広がるという考えもありますか。 「勝てばまたバンタムでもできるんだなというように世界での見え方も変わると思うので、幅が広がるのかなと。フライはあまり需要がないので、バンタムにしたほうが自分の道が広がりますよね」 ──年内の目標は、今の時点で考えもありますか? 「うーん、今はないですね。とりあえず、次の試合をしっかり勝つっていうことですね」 ──この試合位置づけは? 「どの試合も次に繋がる試合だと思うので、ここでしっかりリベンジして、次は大舞台に行くのか、どこに行くのかは分からないですが、そこに向けての“いい手土産になればいいな”とは思っていますね」 ──それはもしかするとUFCかもしれないと。 「かもしれないし、っていう感じですね」 ──UFCへの進捗状況を教えていただけますか。 「まあ多分、今あれですね。ATTのオーナーとかが話し合ってるところ。その向こうのマネージャーとか、担当者と話し合ってるとこだと思いますね」 ──鶴屋怜選手や中村倫也選手とか、若いUFCファイターが増えてきて、日本の団体であまり試合をせずに、UFCに向かう若い選手が増えてきたことについてどう感じていますか。 「いや、すごいいいことじゃないですかね。いいことだなぁとは思いますけど、やっぱり日本でもうちょっと(格闘技が)流行ってほしいですよね。やっぱりそこが一番重要だと思うんで」 ──先ほど「いい手土産になれば」という発言もありましたけど、今回がBellator/RIZINの一区切りの試合にもなるという感じなんでしょうか? 「まあ、そうですね。まあそういう感じになるのかなとは思いますね」 ──次へ向かう条件のためにも、この試合でいい結果を残したいと。 「まあ、そうですね。全試合そうですけどね」
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