2024年7月7日(日)東京・国立代々木競技場第二体育館『K-1 WORLD MAX 2024』の対戦カード発表記者会見が、5月22日(水)都内にて行われた。
スーパーファイトの-63.5kg契約3分3R延長1Rで、K-1 WORLD GPライト級王者・与座優貴(team VASILEUS)とゴンナパー・ウィラサクレック(タイ/ウィラサクレック・フェアテックスジム)の対戦が決定。
与座は2017年極真会館第6回全世界ウェイト制空手道選手権大会で軽量級優勝の実績を持つ空手家で、2019年3月にキックボクシングに転向。7戦全勝(3KO)の快進撃を続けていたが、2020年2月の鈴木千裕戦で初黒星。2021年12月にKrush初参戦を果たし、蓮實光を左ハイキックで豪快KO。2022年2月のK-1でいきなり当時のライト級王者・朝久泰央と対戦すると、延長戦で勝利する番狂わせを起こした。2023年3月の朝久との再戦でも勝利し、第6代K-1 WORLD GPライト級王座を奪取。2024年3月にはRISEのリングでRISEライト級王者・中村寛と対戦し、KO勝利となったが試合後の協議の結果、負傷判定での勝利に変更となった。戦績は17勝(7KO)2敗。
ゴンナパーはタイで100戦以上のキャリアを積み、2010年から日本を主戦場に。日本人キラーとして名を馳せ、2016年9月からK-1 JAPAN GROUPに参戦。2018年4月に佐々木大蔵を下して第5代Krushライト級王座に就き、3度の防衛に成功した。2020年12月のK-1で林健太を破り、第4代K-1 WORLD GPライト級王座に君臨したが、2021年7月の初防衛戦で朝久泰央に判定2-1で敗れ王座を失った。2022年6月の『THE MATCH 2022』では白鳥大珠を1R2分42秒、右フックでマットに沈めた。2024年4月、1年8カ月ぶりにKrushで復帰戦を行い塚本拓真に判定勝ち。戦績は115勝(25KO)30敗3分。
塚本戦はスーパー・ライト級で行ったゴンナパーだが、所属ジムより「65kgは重い。本来のライト級に絞るから考えたい」との話があり、与座も「試合が出来るなら1kg譲ってもいい」と了承したため63.5kgの契約体重で実現することに。宮田充Krushプロデューサーは「与座選手は中村寛選手に勝って国内トップを証明した中で、今年毎月試合をしたいとの希望があるので、さすがに毎月は厳しいですが意欲的に試合を組んでいきたいと思っています。ゴンナパーを降したら強豪選手を招いたり、海外に殴り込んでいく、K-1トップとして外国の戦いがメインになっていくのかなと思います」と、これが与座のvs.世界への第一歩だとした。
ゴンナパーからは「7月に試合することが決定しました。皆さん応援してください」との短いコメントが読み上げられ、与座は「ゴンナパーとの試合はファンの皆さんも自分が王者になった時から望まれていたカードだと思うので、やり残したこと…この試合をしっかりクリアーして真の世界一に向けるための位置づけだと思っているので、いい形でしっかりKOして勝ちたいと思っています」と実現が期待されたカードでKO勝ちしたいと話す。
対戦相手としていつ頃から意識していたかと聞かれると「K-1で代打で秀さん(山崎秀晃=2016年9月)とやった試合を見ていて、その頃はただのファンでしたが強い選手だと思いました。今はK-1王者になって自分のベルトを奪いに来る敵の一人だと思っているので、自分の中ではいつもと同じ勝って当たり前の試合だと思っています」と答える。
塚本との試合を見て、「あの出来で7月来たら相手にならんと思いましたし、自分も3月の出来だとダメだと思うので、お互い万全に仕上げてお互いピークで戦えるようにしたい」と、互いに万全で戦いたいとした。
SNSでタイの国旗を付けて「やろうぜ」とアピールしていたのは「あと一歩、交渉が進まなかったので煽ってやろうと思ったからです(笑)。自分は戦いたかったので」と強い対戦希望があったからだという。
「正直、最初にオファーが来た時は今さら…というのもあって。自分は元々戦いたかったんですが向こうがタイに帰っていなくなっちゃったし、戻って来て1回勝ったから自分と、というのはどうなのかなと思ったんですけれど、実力は誰もが認める強さで、尊敬している部分もある。世間から見てもゴンナパーにしっかり勝てば自分の評価も上がると思うし、知らない外国人とやるよりは自分の強さをより分かりやすい形で示せるのかなと思います」 武尊率いるteam VASILEUSに移籍したことには「所属している先輩たちに自分は格闘技としての夢を与えてもらったと思っているので、その先輩たちと同じチーム所属になって、これからは自分が夢を与える立場になっているし、こからもっとなっていくと思っているので、その中で求められるのは勝ち方。そこが3月は上手くいかなかった部分があって、そこは自分が一番分かっているのでいい形で倒したいと思います」と、見ている人に夢を与えるような選手になっていきたいとした。
移籍の理由は「(武尊たちと)一緒に練習させてもらうようになって、その中でKRESTとの契約期間が満了になってフリーでやっていたんですが、タイミングと言うか、縁と言うか」とちょうどKRESTとの契約が切れたことがきっかけとのこと。
「今は(渡辺)雅和さんとマンツーマンの練習が増えたので、より自分のコンビネーションとかそれを磨く時間、“精神と時の部屋”というイメージでやれています。でも、相変わらずスパーリング相手が不足しているので募集しています」と“精神と時の部屋”で腕を磨いていると笑った。
試合前にはタイ合宿を行う予定で「6月の頭くらいに初めてタイに行こうかなと思っていて。ムエタイ選手と対戦する機会がそんなに多くないので、リズムを知るためにタイへ行こうと思っています。だから今までと違う準備になると思っています。自分の階級の選手が多いところ、ONEの選手が多いジムには行ってみたいと考えています。1~2週間を予定しています」と、ONEの選手とも手合わせしてみたいとする。
タイ合宿を行う意図は「ムエタイにムエタイで行ったら勝てないと思うので、ムエタイに付き合わないためにムエタイのリズムを知りたい。そのためにタイへ行きます。今後勝って行けば、より強いムエタイ王者もいると思うので、格闘技人生の経験としてタイへ行きたいと思っています」と、今後も見据えてムエタイのリズムをつかむためと説明。
ちょうど同じ時期に、同門の野杁正明がタイで試合をするため「試合は見たいと思っていて、先に(タイへ)入って練習しつつ応援に行きたいと思っています。セコンドに就く? そんなおこがましい(笑)」と応援へ行くつもりだ。
最後に与座は「提案なんですが、KOボーナスが欲しいと思っていて」と、この試合にKOボーナスを賭けて欲しいと提案。宮田Pは「そういうカードですよね。KOで決まるのであればモチベーションになるし、ファンもそれが見れたら素晴らしいことです」とし、カルロスPは「KOボーナスは僕も好きなんですよ。当然ながらビジネスなので、KOボーナスを出した時にどんな効果があるのか、ないのかを考えながら検討したいです」と回答。
【写真】なんと現GLORY世界ウェルター級王者チコ・クワジがサプライズ登場、日本へ観光で訪れていたとのこと 与座は「決定でお願いします(笑)。K-1に出るのがちょうど1年ぶりなので、K-1ファンの皆さんには待たせてしまったと思っているので、その分最高の試合をして最高のKOで勝つので期待してください」とメッセージを送った。 会見終了後には、与座がオランダ・マイクスジムで海外修行を行った際に仲良くなったという現GLORY世界ウェルター級王者チコ・クワジがサプライズ登場。日本へ観光で訪れ、与座に会いに来たという。与座のチャンピオンベルトを持って「アイ・アム・K-1チャンピオン」とおどけて見せたが、K-1に参戦する可能性もあるのだろうか。
<追加決定カード>
▼スーパーファイト -63.5kg契約 3分3R延長1R与座優貴(team VASILEUS/K-1 WORLD GPライト級王者)ゴンナパー・ウィラサクレック(タイ/ウィラサクレック・フェアテックスジム/第4代K-1 WORLD GPライト級王者)
▼K-1フェザー級 3分3R延長1R兼田将暉(RKS顕修塾/K-1甲子園2017 -60kg王者)寺田 匠(team VASILEUS/ISKA世界スーパー・フェザー級王者)
▼K-1女子アトム級 3分3R延長1R松谷 綺(ALONZA ABLAZE/Krush女子アトム級王者)チョン・ユジュン(韓国/BAEBANG KANGSUNG GYM)
▼K-1スーパー・フェザー級 3分3R延長1R山本直樹(K-1ジム五反田チームキングス)松山勇汰(ALONZA ABLAZE/K-1甲子園2020 -60kg王者)
▼プレリミナリーファイト K-1ライト級 3分3R河北“KONG”光生(K-1ジム蒲田チームアスラ)上野空大(Kickboxing gym SEINYUUKI+)
▼プレリミナリーファイト K-1スーパー・フェザー級 3分3R上垣内一成(月心会ラスカルジム)上野泰貴(Kickboxing gym SEINYUUKI+)
▼プレリミナリーファイト K-1スーパー・バンタム級 3分3R内田竜斗(チーム・タイガーホーク/K-1カレッジ2021 -55kg王者)遥心(K-1ジム総本部チームペガサス/K-1カレッジ2023 -60kg王者)
<出場決定選手>松倉信太郎(team VASILEUS/K-1 WORLD GPミドル級王者)横山朋哉(リーブルロア/Krushスーパー・フェザー級王者)