福田(左)の対戦相手はベテランの強豪ヨードクンスック(C)ムエタイスーパーファイト
2024年6月30日(日)愛知・名古屋国際会議場イベントホール『Suk Wanchai MuayThai Super Fight』に出場が発表されていた、カイト・ウォーワンチャイこと福田海斗(キング・ムエ)の対戦相手が発表された。
『ONE』や『RWS』などの新興イベントではなく、5R制のいわゆる“トラディショナルムエタイ”においては福田海斗の右に出る者はいないであろう。戦績は既に90戦に届き、そのほとんどがタイでの試合という、まさにタイのギャンブラーに認められたナック・ムエである。
2022年の同大会ではクマンドーイ・ペッティンディーアカデミーからダウンを奪っての判定勝ち、昨年大会はペッティンディーアカデミー所属のガイパー・ポーヴィセットジムとIMSA(国際ムエタイスポーツ協会)フェザー級(126ポンド)王座を争ったが判定負け。しかし今年は1月25日(木)のラジャダムナンスタジアム『スックペッティンディー』メインイベントで過去惜敗している強豪センソン・エラワンを下しリベンジ成功。強豪ひしめくタイのトップ戦線で長く活躍を続けている。
その福田の対戦相手は、元ラジャダムナンスタジアム認定122ポンド(スーパーバンタム級)王者ヨードクンスック・ムーバーンチョンブーン(タイ)に決定した。
ヨードクンスックはタイ東北部スリン県出身の29歳、2016年にオムノーイスタジアム認定スーパーバンタム級王座を獲得、その後2017年のラジャダムナンスタジアム創立記念年興行でメーティー・ソージョートイペッドリュウを3RKOで下してラジャダムナンスタジアム認定スーパーバンタム級王座も獲得した。長くスーパーバンタム級のトップ選手として活躍し、サミンダムやゴントラニー、ラムナムムーンレックといったトップ選手達と鎬を削ってきている。
パンチよし、蹴りよし、ヒジ・ヒザにも隙が無い、超一流のテクニックを持つコンプリートファイター。ベテラン選手とはいえ、2021年にはオートーコースタジアム認定フェザー級のタイトルも奪取、また今年1月には『THAI FIGHT』にも出場しブラジル人選手に完勝しており、業界では“過去の選手”といった認識ではなく、いまだトップの実力を持つヨード・ムエ(超一流選手)。
ヨードクンスックvs.福田海斗戦の話を聞いた業界関係者は、「タイではなく、いくらホームタウンの日本で試合するといっても、カイトにとってヨードクンスックは危険だ。倒されてしまうかもしれないし、完全にコントロールされてしまうかもしれない。なんでもっとイージーな相手を選ばないんだ?」と危機感をあらわにする。
福田は1月の試合後、第一子の誕生を見届け、いよいよ戦線への復帰戦として5月28日(火)のランシットスタジアムのメインイベントに出場することが決まっている。
5月&6月と連戦で強豪を迎えることとなったが、特に6月は相性の良い地元名古屋での試合だけに、福田への期待も大きい。“トラディショナルムエタイ“の神髄をこの試合で見ることができるであろう。