NO KICK NO LIFE 20242024年5月17日(金)東京・後楽園ホール※U-NEXTでLIVE配信
▼メインイベント(第6試合)56kg契約 3分3R ※ヒジ無し〇加藤有吾(RIKIXWMC日本スーパーバンタム級王者)KO 2R 1分52秒 ※左ボディ×ヌアシラー・ウォーウラチャー(タイ/元True 4uバンタム級8位)
3月のRISE興行では、True 4uの118ポンド王者ジャルンスックの上手さの前に持ち味を活かせず敗戦した加藤。今回の相手も、ジャルンスック同様タイのテレビマッチ『True 4u』を主戦場としていたが最近は『RWS』に参戦し、3戦2勝1敗の戦績を持つファイタータイプ。
1R、ステップを踏んでジャブを打っていく加藤は右ローも蹴る。ヌアシラーは右ロー。加藤がジャブから右カーフ、ヌアシラーは右フックから左ボディ。加藤のジャブに左ハイを返すヌアシラーだが、加藤は左へ回り込んでかわす。ガードの堅いヌアシラーに加藤は右ボディ、左ボディ。さらに右を打ち下ろす。左フックを返してきたヌアシラーのボディへヒザも突き刺した。離れると加藤は右カーフ。ヌアシラーの左右フックに加藤は右アッパーを突き上げる。
2R、加藤は右ローと右カーフを蹴り分け、ヌアシラーはワンツーで飛び込む。ガードの堅いヌアシラーに加藤は左ボディからの右ロー。加藤はコンビネーションでフックとアッパーを堅いガードの隙間にねじ込んでいく。加藤がワンツーからヒザ、左ボディから右カーフを蹴るとヌアシラーはボディを抑えて棒立ちとなってしまい、レフェリーがダウンを宣告。身体を丸めたままのヌアシラーは苦しそうな表情を浮かべ、レフェリーはここでストップした。
師匠でセコンドに就いた石井宏樹は「ボディが弱いと思っていたので作戦通りです。でも、あのタイ人ももう少し頑張って欲しかったですね。心が折れてしまったので」と語った。
加藤は「ずっとボディは狙っていたので、その練習をしていたので出てよかったです。けっこう入ったので。1Rは行き過ぎないで様子を見てここから上げていくという感じで、腹が効いたらガンガン行こうと思ったんですが腹で倒れたので。10年前、石井さんが引退したタイミングでRIKIXに入って育ててもらったので、会長と石井さん、ありがとうございました。そんな感じで強くなって、まだ途中なんですけれど。RISEって日本のトップが集まっているので、このままではダメなのでまた強くなっていくので見てて欲しいですね」と勝利者インタビューに答えた。
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▼セミファイナル(第5試合)杉本卓也引退試合 63.5kg契約 3分3R△杉本卓也(WSRフェアテックス/元J-NETWORKスーパーライト級王者)ドロー 判定0-1 ※28-29、28-28×2△髙橋聖人(TRIANGLE/元NKBフェザー級王者)
杉本は打ち合い上等のスタイルで特に右ストレートは必殺の威力を持ち、KNOCK OUTやJ-NETWORKなど様々な団体で活躍。2018年3月に初回KO勝ちで第10代J-NETWORKスーパーライト級王座に就いた。現在は東京・青山にキックボクシング&フィットネスジム『Stage』の代表を務めている。これが引退試合。
高橋は“高橋三兄弟”の三男。アマチュアで40勝5敗5分という成績を残してプロに転向、NKBフェザー級王座を獲得した。2021年6月にはRIZINにも出場し、山畑雄摩と引き分けている。2023年は2勝2敗1分で、11月には韓国遠征試合も行った。
1R、前に出る杉本が得意の右ストレートを打ち、ロープに詰めた高橋に右アッパーを突き上げる。高橋は右カーフ。杉本の前進に下がる高橋だが、右カーフをしっかりと当てていく。杉本はワンツー、右ストレート、残り15秒で右フックからラッシュをかける杉本へ高橋は左フックから右カーフで杉本を転倒させる。
2R、杉本は4連打で前へ出るが、高橋の右カーフで足が流れて転倒。徹底して右カーフを蹴る高橋に杉本はパンチで前へ出て行き、右ストレートで高橋に尻餅をつかせるがこれはスリップ判定。どんどん前へ出る杉本のパンチに高橋はヒザで応戦する。杉本の右ストレートがヒット、さらに連打で左をヒットさせ、右ストレートで高橋を下がらせる。それでも高橋は右カーフを蹴る。右カーフでバランスを崩しながらも前へ出て左右のストレートを放っていく杉本。高橋は左ボディを打ち、左ミドルの追い打ち。
3R、ハグして試合開始。杉本は4連打から右ロー、高橋は右カーフ。前へ出る杉本だが右カーフで倒れ、これがダウンとなる。立ち上がると前へ出て右ストレートから左右の連打を叩きつける杉本に高橋も足を止めて打ち合う。右カーフも混ぜる高橋。前へ出て左右の連打を出し続ける杉本へ高橋はヒザ、右カーフ。杉本はサウスポーになってさらに前進。ワンツーで前へ出て右フックを浴びせる杉本。打ち続ける杉本に高橋もフラフラになりながらも打ち合い、高橋の右カーフや右ハイにも怯まず杉本はパンチを出し続け、最後まで前へ出た。
判定はドロー。杉本が気迫の猛攻でドローに持ち込んだ。全力を使い果たしたか、杉本はリングに座り込んだ。 全試合終了後、引退セレモニーとなった高橋は「対戦相手の高橋君に、本当にありがとうございました。引退試合する選手となんて試合をしたくないと思うので、俺だったら絶対にしたくないので。その中でまだ若いのに受けてくれた高橋選手に感謝したいです。一番近くで支えてくれたウー先生に皆さん拍手をしてください。この試合をサポートしてくれた皆さん、応援団の皆さんにも感謝しています。ドローなので大息こと言えないので、この辺で終わります。ありがとうございました」と感謝の気持ちを伝え、10カウントゴングを聞いて現役生活に別れを告げた。
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▼第4試合 57.5kg契約 3分3R×馬渡亮太(治政館/WMOインターナショナルスーパーバンタム級王者)判定 ※28-30、28-29×2〇オート・ノーナクシン(タイ/元ラジャダムナンスタジアム認定バンタム級6位)
馬渡はジャパンキックボクシング協会のエースで長身から繰り出すしなやかなミドルキック、切るだけでなく倒すヒジ、首相撲からのヒザと、ジャパンキック屈指のテクニックを有する。2020年8月4日の旗揚げ戦でジャパンキックバンタム級初代王座に就く。2021年1月大会ではWMOインターナショナル・スーパーバンタム級王座決定戦で勝利。2023年4月の「ROAD TO ONE ムエタイ フェザー級トーナメント」では決勝へ進出するも士門・PKセンチャイに惜敗。6月にはタイ・ランシットスタジアムのメインイベントに出場し、判定勝ちで再起を飾ったが、10月のビン戦でTKO負け、2024年2月のRWSでカムバックに判定負けと連敗。戦績を28勝(14KO)10敗2分とした。
オートは過去にスックワンキントーン王者の森岡悠樹を撃破。2023年6月にはシュートボクシングで山田彪太朗にKO負けを喫しているが、それ以外は日本人キックボクサーたちに負け無し。
1R、馬渡が右ローで快音を響かせれば、オートも負けじと右ロー&右ミドル。長い脚で蹴りを当てていく馬渡だが、オートも負けじと右ミドルを蹴り返す。馬渡は下がると見せかけて右ストレートを伸ばしてヒットを奪う。前に出たのはオートだが、馬渡が長い距離で蹴りを当てていった印象。
2R、右ローを蹴る馬渡にオートは右ローを返す。馬渡は前蹴りで顔面、ボディを狙い、長い距離での右ストレート。さらに組むと首相撲でコカす。馬渡は右フックからの連打をヒットさせて左ボディ、右ヒジも繰り出す。オートは右ミドル、馬渡のパンチには右前蹴りで対抗。オートは右ミドルと右ストレートで馬渡を崩し、オートがジャブを直撃させると馬渡がガクッと腰を落とす。
3R、オートは右ローと右ミドルを蹴りながら前へ出ようとし、馬渡は前蹴りと右ストレートでそれをさせない。右ミドルをアグレッシブに蹴っていくオートに馬渡は前蹴り、バックハンドブロー。馬渡はオートを首相撲でコカす。馬渡は右カーフを蹴り、オートが前へ出てパンチを打って来るところへヒジ、バックハンドブローを合わせようとする。組みつくとヒザを蹴るのはオート。ジャブから右ロー、前蹴りのオート。馬渡は蹴りにカウンターのパンチを狙っていき、オートは右ミドルを蹴る。
前に出るアグレッシブな戦いを見せたオートが判定勝ちした。
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▼第3試合 54kg契約 3分3R〇HIROYUKI(RIKIX/元新日本キックボクシング協会フライ&バンタム級王者)判定3-0 ※30-29、29-28×2×山田航暉(キング・ムエ/元WMC日本スーパーフライ級王者)
HIROYUKIは目の良さと身体能力の高さを活かし、打たせずに打つ試合が持ち味。時折、派手な蹴り技も見せる。新日本キックボクシング協会の第6代日本フライ級王者&第12代日本バンタム級王者。RIKIX移籍後は様々な団体に参戦して活躍している。2023年は「NO KICK NO LIFE バンタム級賞金トーナメント」に出場し、決勝へ進出するも花岡竜に敗れて準優勝。2023年11月にはRISE NEW WARRIORS スーパーフライ級トーナメント」の1回戦で長谷川海翔にまさかのKO負けを喫した。戦績は34勝(15KO)13敗4分。
山田は日本ムエタイ界の名門キング・ムエで幼少期から活躍し、20歳で引退するも24歳で復帰。2023年「NO KICK NO LIFE バンタム級賞金トーナメント」に出場し、1回戦で勝利するも5月の準決勝で花岡竜に敗れている。
1R、ガードの高い構えから右ミドルと右ロー、左ミドルと左ローを蹴る山田。HIROYUKIは左フックから右ミドル、ジャブを突いていく。右カーフを蹴り合い、山田がヒジを出そうとするとHIROYUKIは離れる。HIROYUKIはワンツーをヒットさせると一気にワンツーの連打。ジャブを突きまくるHIROYUKI。左ボディを打つHIROYUKIに山田hは左ミドルを返す。HIROYUKIが左ミドルを蹴ると山田も左ミドルを返し、さらに右ミドルを返すHIROYUKI。
2R、右ハイの蹴り合い、右ローの蹴り合いから山田が前へ出て左ロー、左ミドルを蹴っていく。HIROYUKIは山田の高いガードを下げさせたいか、ボディへの前蹴りやジャブ、右ボディストレートを打つ。山田が右ミドルを蹴るとHIROYUKIは右フックを合わせに行く。山田の右ミドルに左三日月で対抗するHIROYUKI。山田のワンツーからの左右ロー、HIROYUKIも負けじと右ストレートからコンビネーションを回転させる。
3R、左右のローとミドルを蹴る山田にパンチを合わせに行くHIROYUKI。ジャブを打って前蹴りを相手の前足へ打つHIROYUKI。ヒジ、ヒザも繰り出すHIROYUKIが右ストレートをヒットさせるとさらにストレートを重ねていき、ヒジとヒザも打ってまとめる。前へ出る山田にHIROYUKIは左右の連打とヒジ、左ボディ。山田も左ミドルで応戦する。
判定は要所要所で攻撃をまとめる山場を作ったHIROYUKIが3-0で勝利。「11月にRISEで人生賭けて戦ってKO負けしてやめようと思って落ちこぼれた生活をしていました。でも周りの応援してくださった方のお陰でまたリングに立つことが出来ました。あとはKO勝ちで10万円欲しかったんですが、それはまた今度ってことで」と話した。
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▼第2試合 63.5kg契約 3分3R〇健太(E.S.G/元WBCムエタイウェルター級王者)判定2-0 ※30-29×2、29-29×KJヒロシ(Y'ZD GYM/RKAスーパーライト級王者)
健太は2005年プロデビューの大ベテラン。2008年5月にNJKFウェルター級王座を獲得。その後、NJKFスーパーウェルター級王座、初代Krush -70kg王座、WBCムエタイ日本ウェルター級王座も獲得し、NJKFを代表する選手として『ONE Championship』など世界を舞台に戦ってきた。2021年9月にホームリングNJKFでの試合で100戦目に到達、その試合を勝利で飾っている。2024年2月には『KNOCK OUT』に参戦し、初代KNOCK OUT-BLACKウェルター級王者・良太郎に判定3-0で完封勝利し、ベテラン健在ぶりを示した。戦績は66勝(21KO)43敗7分。
1月に中国、2月にKNOCK OUT、3月14日にカンボジア、4月14日には『スックワンキントーンadvance』でスーパーライト級王座決定戦をポッシブルK(K'GROWTH)と行うことも決まっており、5カ月連続での試合となる。
ヒロシは沖縄県豊見城市にあるY'ZD豊見城ジムの所属選手で“オキナワの暴れん坊”の異名を持ち、2020年11月の『戦場』でDBS&RKAスーパーライト級ダブルタイトルマッチでTKO勝ちして二冠王に。戦績は14勝(12KO)15敗1分と負けも多いが勝利のほとんどがKOだ。近年は『BOM』を主戦場としている。
1R、ヒロシが右カーフを蹴ると健太も同じ技を返す。前に出る健太が踏み込んでのジャブから右ストレート。健太が左ハイを見せておいての右フックを打つ。ヒロシは右カーフをしつこく蹴り、健太はジャブを突きながら前へ出る。互いに相手のミドルをキャッチしての崩しを混ぜる。ヒロシの飛び込んでの右フックがヒットしたところでラウンド終了。
2R、健太はジャブを突きながらの右ロー。ヒロシの右カーフは足を引いてかわしていく。左フックから右ストレートのカウンターを狙う健太。パンチを見せての右ローを蹴っていく健太だが、ヒロシの右カーフをもらって足が流れ始める。健太のジャブに前へ出て左フックを当てに行くヒロシ。クリンチから離れると健太は右ストレートで前へ出て行く。
3Rもジャブを打って前へ行く健太にヒロシは右カーフ。ジャブで健太が接近するとヒロシは左右ボディを打って健太を下がらせる。しかし、健太はすぐに前へ出てジャブ、右ストレート。ヒロシは下がりながらも左三日月、右カーフを蹴る。健太が左フックからの右ハイを浅くヒットさせるが、ヒロシも右ハイを蹴り返す。互いにヒジを打ち、健太が右ストレートをヒット。ヒロシは思い切り右フックを振る。ジャブを突いて前に出た健太。
健太を追い込む場面もあったヒロシだが、判定2-0で健太が勝利を収めた。
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▼第1試合 62kg契約 3分3R×鈴木宙樹(フリー/第2代REBELS-BLACK 60kg級王者)KO 2R 0分28秒〇クォン・ヒョヌ(韓国/江南 FUN GYM/大韓ムエタイ協会60kg級王者)
鈴木は右ストレートに必殺の威力を秘めたホープとして、2019年6月に11戦無敗のままREBELS-BLACK 60kg級王座に就いた。弟の鈴木千裕と共に“倒し屋兄弟”として注目を集めるも、13勝(8KO)無敗の戦績を残してボクシングに転向。2021年12月にプロデビュー戦で初回KO勝ちを収めたが、10月にKNOCK OUTでキックボクシングに復帰。西岡蓮太に判定で敗れ、プロ初黒星を喫した。12月にモンダムにKO勝ちで再起を飾ると、2023年2月に『ONE FRIDAY FIGHTS 4』に出場。ファリヤ・アミプールに判定2-1の接戦で惜敗した。4月にはREITO BRAVELYに判定勝ち。6月にはRIZINで梅野源治を飛びヒザ蹴りでKOする番狂わせを起こした。戦績は16勝(10KO)2敗。
鈴木もクォンも右ストレートを得意とする選手だけに、打ち合いが予想される。鈴木は『RIZIN』で梅野源治から衝撃失神KOを奪った試合から約1年ぶりの復帰戦となる。
1R、開始から前へ出てパンチ&ローで攻めていくヒョヌ。鈴木は右ローを蹴りつつ、ヒョヌが入ってくるところに右を合わせていく。サウスポーになってのワンツーを繰り出し、鈴木が下がったところに左ハイを放つヒョヌ。鈴木が右ストレートを打つとムキになったように前へ出てくる。そこへ鈴木は右ヒザをグサリ。さらに左三日月、左ボディでボディを重点的に攻める鈴木。
2R、鈴木は右ローから左三日月。鈴木が右ミドルを蹴るとヒョヌが右スネでブロック。パキッと骨が折れるような音が場内に響き渡り、鈴木は足を気にして下がる。そこへヒョヌが飛びヒザ蹴り。鈴木が倒れ込み、ダウン。右足首を抑える鈴木は立ち上がることが出来ず、ヒョヌのKO勝ちとなった。鈴木は歩くことが出来ず、担架で運ばれた。
▼オープニングファイト第2試合 バンタム級 3分3R○安河内秀哉(RIKIX)判定3-0 ※30-29、30-28、30-28×兵庫志門(テツジム関西)▼オープニングファイト第1試合 ライト級 3分3R×伊世虎雅(モリタキックボクシングジム)TKO 2R37秒 ※レフェリーストップ○大河内佑飛(RIKIX)