左リードハンドはボクシングの経験からきている。メニフィールドの左との違いは──
──そして、もうひとつのメニフィールドとの共通点は、オーソドックス構えからの左前手の名手であることです。あなたは、イーホル・ポティエリア戦でも左リードハンドを効かせていました。あれはキック時代からですか。
「自分の左前手は、ボクシングの経験からきていると思う。ボクシングをやっていた頃、ジャブをすごく使う選手だったんだ。それで相手を倒していたからね」
──ニコラエ・ネグメレアヌにも左ジャブから、相手の右の返しをスウェイバックして、今度は左前手フックでダウン奪っています。あのスウェイでかわして左フックはよほど身体の軸が強くないと効かせられないと感じました。
「あの時もそうだけど、だいたいが自分の本能的に備わっている技術なんだ。自分の前手は非常にドミナントで、その体幹の強さは、格闘技をやる前から備わっているものだと思うよ」
──対して、メニフィールドの左フックをどうとらえていますか。彼は左にステップしながら左フックをひっかけてダウンを奪うなど、独特の強さがあります。
「かなりパワフルだよね。強いと思うし、爆発力もある。そして彼はとても賢い。だから本当に気を付けないといけない。自分がきちんと戦略を持って、戦略を活かして戦う事が大事だ。あの左を打たれないようにしないとね」
──バックボーンや武器、メニフィールドと強味が似ているなかで、アルバーグ選手が上回っている点は?
「スピードだ。自分の一番の強味はスピードだと思う。彼はパワーがあって、自分ももちろんパワーがあるけど、彼より優れている点はスピードになる」
──セカンドロー(スクラム2列目)と俊足ウィングを両方こなしたアルバーグ選手ならではですね。今回の相手がライトヘビー級11位のランカーである事について、どう考えていますか。
「今回の試合の結果がどうなっても、絶対にもう一度戦う時が来ると思っている。彼はトップ15ランカーだし、自分が今回やつを倒しても、また彼がランキングを上げてくる過程で対面するだろう。互いにトップに立とうとしているから」
──かつてはオールブラックス入りを目指していたあなたが今、UFCで目指していることは?
「もちろんゴールはUFCのチャンピオンになる事。その為に必要な事をやり続けていく事。違った事はやらなくていい。ジムで過ごして、ハードにトレーニングをこなし、たくさん学ぶ事。そして常に人に驚きを与えられる選手でありたい。そして勝ち続ける事。勝つのが一番重要だ。この週末も。そして常に学び続ける事──そうだね。勝ちを得る事、常にジムで学ぶ事が大事だと思う」
──「UFCチャンピオンになるため以外のことはやらなくていい」と。明確です。今週の大一番はズバリ、どんな試合になりますか?
「そこは……実際のところ、どうなるかなんて、誰も分からないよね(笑)。メニフィールドはグラウンドでグラップリングをやりたがるかもしれない。いいグラップラーだからね。だけど自分もグラップリングの準備はしてきたんだ、長い時間をかけてね。スタンドに関しては自信があるから、スタンドでの戦いが中心になるだろうけど、グラウンドの展開になったとしても問題ない。『Fight of the Night』を獲る試合になるだろう。お互い戦いを求めているし、自分もトップ15に入りたいし、彼もトップ15に残りたいだろう」
──直前インタビュー、ありがとうございました。日本のファンへメッセージを。
「いつも愛と応援をありがとう。シティキックボクシングに日本からトレーニングしに来ている人達がいて、格闘技は日本の文化に長く根付いていると思う。プロ選手でもアマチュア選手でも、日本からニュージーランドに来て一緒にトレーニングできる人がいる事は素晴らしいよ。彼らが自分達から学びを得るように、僕らも彼らから得る事がある。みんな知っていると思うけど日本が大好きだ。早く日本を訪れたいと思っているよ。きっともうすぐだ。日本語で『Thank you』ってなんていうんだっけ? そうだアリガト!」