笑顔で質問に答える井上 撮影/布施鋼治
2024年5月6日(月・祝)東京ドームで開催された「PRIME VIDEO PRESENTS LIVE BOXING 8」にて、挑戦者・WBC同級1位ルイス・ネリ(メキシコ)を6R1分22秒、KOして防衛に成功した4団体統一世界スーパーバンタム級王者・井上尚弥(大橋ジム)が、試合後インタビューに答えた。
以下、記者との一問一答の全文。
「本日は自分の中でも激闘という試合ができたんじゃないかなと、思います。(苦笑いしながら)まあ、1R目にダウンを喫しましたが、最終的にはKOして勝つことができたので、これまた自分の中でいいキャリアを築けたのかなと思います」
――第1Rのサプライズ、ダメージはどうだったのか。そしてそこからその先どうしようと、何を考えて時間を過ごしたのか。
「ダメージはさほど別になかったんですね。パンチの軌道が読めなかったので、1R目ということもあって。ダウンはしましたけれども、全然引きずることはなく、2R目からポイントを計算していこうかなと。その時点で2ポイントリードされている。そこは冷静に戦うことが出来ました」
――あのダウンによって考えていたプランを変えた?
「ちょっと出だし気負っていた部分があったと思うので、ダウンしてから冷静に立て直すことが出来ましたね。逆にあのダウンがあったからこその戦い方が出来たのかなと思います」
――トリッキーな動きがいろいろあったけれど、あれはもう見切った中でああいう動きが出て来たってこと?
「見切りもそうですけれど、試合を通して主導権を握っていくという。気持ちの面で上回っていかないと行けないこともあるので。そこはやはり駆け引きという意味でやりました」
――勝利の手応えはどのダウンですか?
「また映像を見返してみないと。全て把握しているわけではないので(笑)。ゆっくり映像を見て明日の一夜明けで詳しくお話ししたいと思います」
――これだけのファンがたくさん来てプレッシャーをどんな風に感じていたか、実際にリングに上がった時の東京ドームというのはあなたにとってどういうことだったのかを聞かせてください。
「自分にとって、この東京ドームでやるということに関して、物凄いパワーを自分自身もらってはいましたけれども、それだけのプレッシャーも重圧もやっぱり、今振り返るとあったんだなと思う。入場してきた時にこの東京ドームの景色を見て自分自身、舞い上がってはいないんですけれども、ちょっと浮足(だった)というか、そういう感じだったのかなと。振り返ればそういうシーンはありましたね」
――初回にダウンを奪われて、その後にダウンの応酬になりました。2Rに左フックのカウンターで最初のダウンを取りました。あのダウンというのはその後の試合展開において井上選手の中ではどうだったのか。あと、花道を通って入場してくる時に何度もドーム全体を見渡して噛みしめるように入場しているのが印象に残りました。あの時の気持ちを教えてください。
「2R目のダウンを奪ったシーンはひとつチャラに出来たと言うか。1R目のダウンが。そこでとりあえず試合を通して同等に立てたという、気持ち的にはリセット出来ましたね。入場する時っていうのは、東京ドームを噛みしめながら、4万人のお客さんをしっかり見ながら入場することが出来ました」
【写真】前日会見で披露されたWBCのダイヤモンドベルト
――今後に向けては?
「今後に向けて、また9月。今日リング上にサム・グッドマンが上がってきましたが、グッドマンとの交渉を進めていきたいと思います。次戦は9月頃と聞いているので、またそこでしっかり調整を重ねて、またいい試合が出来るように戻ってきたいと思います。皆さん期待してください。それと今日、獲得したWBCのダイヤモンドベルトは大橋会長にプレゼントしたいと思いますので、この場を借りましてプレゼントしたいと思います」
大橋会長「35年前にタイソンと僕も一緒に東京ドームでやりたいと思ったんだけれど、ここで35年ぶりに東京ドームでやってくれて、リカルド・ロペスに雪辱した気持ちです。このベルトは。ありがとう」