「持っているもの」で瞬間の状況で勝負する
──格闘技の冬の時代も乗り越えてきたかと思います。今の格闘技人気をどう感じていますか。
「真夏でしょうね、僕らが本当に目指す場所が分からなかった人がたくさんいて、そのなかで止めた人がたくさんいて、RIZINや日本のMMAがたくさん陽の目を見て、たくさんMMAを始めてくれている人がいる。ジム(リバーサルジム立川ALPHA)をやっているから人の流れも分かりやすいです。そんななかで若い芽を刈っていかなきゃいけないのが、僕の作業かなと」
──いまが第二の全盛期でしょうか。
「落ちている部分は自分でも分かるし、それを補うもの、経験値や引き出しはたくさんあるはずだとも思っています。周りが『まだまだ強くなっている』と言ってくれている。忖度するような周りのメンバーじゃないからやれていますね」
──それはUFCの頃より?
「……まあどうなんでしょうね、分からないです。落ちているものは落ちていますよ。トータルで見るなら今が一番強い。それこそクレベル戦より今が強い。じゃなかったら、もうトレーニングやってないです。伸びているものがあるからこそ勇気づけれるものがある。そこは自分を信じています」
──いつもに比べてリラックスしているように見えます。コンディションづくりや作戦作りに手応えがあるからでしょうか。
「マッサージ行って、いつもより肌艶がいいと言われて。いいんじゃないかと。自分じゃあまり分からないですけど、まあ風邪引いてないんでいいと思います」
──鈴木選手は「15分のなかで5回はチャンスがあるだろう。5回あれば勝てる」と言っていました。金原選手は?
「僕は1回チャンスあれば極められると思います。1回テイクダウンして、そこに全てを賭けると思うし、凌がれてももう1回作り直せばいい。1回あれば仕留められる自信があります」
──鈴木選手は「打ち合ってくれる気がする」とも。
「状況によりますが、自分が“何かをしない”という選択肢はないです。テイクダウンするために撃ち合う必要があったらそうするし、向こうの距離が遠ければそれなりの選択肢になる。とにかく何かをしない選択肢はない。持ってるもので勝負していい瞬間・瞬間で勝負する。それは対鈴木だからではなく、クレベル戦もそうで、状況・状況で勝負したいです」