MMA
インタビュー

【RIZIN】金原正徳「自分が“何かをしない”という選択肢はない」「千裕の右に対して怖がらず前に行けるか」「1回あれば仕留めることができる」「生き残る」=4月29日・有明

2024/04/27 20:04
 2024年4月29日(月・祝)東京・有明アリーナ『RIZIN.46』に出場する全選手の個別インタビューが、27日(土)都内にて行われた。  第10試合のRIZINフェザー級(66.0kg)タイトルマッチ(5分3R)で、王者・鈴木千裕(クロスポイント吉祥寺)に挑戦する金原正徳(リバーサルジム立川ALPHA)は、小見川道大が仕立てた青のダブルのスーツでインタビューに応じ、試合のテーマを「“生き残ること”」と語った。一問一答の全文は以下の通り。 クレベル戦の気持ちを蘇らせることができた ──今日はダブルのスーツなのですね。 「僕、あんま変わらないんですけど、15年前に戦った小見川道大さんが『タイトルマッチに花を添えたい』と、ちゃんと採寸までしてくれてスーツを作ってくれたので、せっかくなのでこういう場に、絶対僕じゃチョイスしないようなド派手なスーツを着てきました。その気持ちが嬉しいですし、過去の戦友の思いも背負ってタイトルマッチに迫りたいと思います」 ──2023年9月のクレベル・コイケ戦から約8カ月ぶりの試合に向け、仕上がりはいかがでしょうか。 「前回、クレベル戦が終わったときに、このポテンシャル、この気持ちをもう一回作って継続的にできるか不安だったんですが、実際に試合が決まって、タイにファイトキャンプ(タイガームエタイ)に行って作り直すことができて、あのときの気持ちを蘇らせることができたから、大丈夫です」 ──あらためて対戦相手の鈴木千裕選手の印象を。 「みんなが思っているような印象と変わらず、公開練習でも思いましたけど、若くて勢いがある。みんなが思っているイメージと同じですね」 ──今回の試合のテーマは? 「“生き残ること”ですかね。もう、別に今に始まったことじゃないですけど、負けたらおしまいという気持ちでやっています。なんだかんだ、MMAすごい好きだし、嫌だけど試合は楽しいし、もう1回やってみたいという思いは出てくるかもしれないけど、そこで生き残りたい気持ちはあります」 ──どんな試合になるでしょうか。 「僕が倒されるか、僕が極めるか、そこは分かりやすい試合になると思います。判定はない、決着はつくと思う。それが早い段階なのか分からないけど、フィニッシュにはなると思う」 ──鈴木選手の試合動画も見て、自信はいかがでしょうか。 「もともと映像見るタイプじゃないので。確認作業のために見たというか、佐藤映像に見せさせられて(苦笑)、試合決まって初めて見たんですけど、そこでおおまかなやることが決まったという感じです。自信は、いつも無いっス。何にしても不安だし怖いし、それでも向かわなきゃいけない。リングに上がっちゃえば自分に任せて自分を信じて」 [nextpage] 「持っているもの」で瞬間の状況で勝負する ──格闘技の冬の時代も乗り越えてきたかと思います。今の格闘技人気をどう感じていますか。 「真夏でしょうね、僕らが本当に目指す場所が分からなかった人がたくさんいて、そのなかで止めた人がたくさんいて、RIZINや日本のMMAがたくさん陽の目を見て、たくさんMMAを始めてくれている人がいる。ジム(リバーサルジム立川ALPHA)をやっているから人の流れも分かりやすいです。そんななかで若い芽を刈っていかなきゃいけないのが、僕の作業かなと」 ──いまが第二の全盛期でしょうか。 「落ちている部分は自分でも分かるし、それを補うもの、経験値や引き出しはたくさんあるはずだとも思っています。周りが『まだまだ強くなっている』と言ってくれている。忖度するような周りのメンバーじゃないからやれていますね」 ──それはUFCの頃より? 「……まあどうなんでしょうね、分からないです。落ちているものは落ちていますよ。トータルで見るなら今が一番強い。それこそクレベル戦より今が強い。じゃなかったら、もうトレーニングやってないです。伸びているものがあるからこそ勇気づけれるものがある。そこは自分を信じています」 ──いつもに比べてリラックスしているように見えます。コンディションづくりや作戦作りに手応えがあるからでしょうか。 「マッサージ行って、いつもより肌艶がいいと言われて。いいんじゃないかと。自分じゃあまり分からないですけど、まあ風邪引いてないんでいいと思います」 ──鈴木選手は「15分のなかで5回はチャンスがあるだろう。5回あれば勝てる」と言っていました。金原選手は? 「僕は1回チャンスあれば極められると思います。1回テイクダウンして、そこに全てを賭けると思うし、凌がれてももう1回作り直せばいい。1回あれば仕留められる自信があります」 ──鈴木選手は「打ち合ってくれる気がする」とも。 「状況によりますが、自分が“何かをしない”という選択肢はないです。テイクダウンするために撃ち合う必要があったらそうするし、向こうの距離が遠ければそれなりの選択肢になる。とにかく何かをしない選択肢はない。持ってるもので勝負していい瞬間・瞬間で勝負する。それは対鈴木だからではなく、クレベル戦もそうで、状況・状況で勝負したいです」 [nextpage] 小見川の送り出し、所とのタイ合宿で置き引きが── ──2009年8月の『戦極 フェザー級GP決勝』を戦った小見川さんから「タイトルマッチ用に」と申し出を受けてどんなお気持ちでしたか。 「もちろんいろんなことを喋って、付き合いも長いし、戦極という冬の時代を迎えたところから小見川先輩も引退して、いろんな思いを託してくれて、熱い男だなとあらためて思いました。小見川さんとその話していて泣いちゃいましたからね。減量でメンタルいってるとかもあるけど、拳を交え、しかも壮絶な殴り合いをした2人で、応援しているという、口じゃなくて形で表してくれるのも嬉しいし、僕らにしか分からない絆があります。小見川さんは、僕がいなければベルトを持っていた、僕がいなければ──という存在がこういう形で送り出してくれるのはありがたいことです」 ──キャリアのなかでも大きなタイトルマッチだと思います。格闘技とは金原選手にとって何でしょうか? 「“格闘技は何か”と言われると、なかなか難しい。デビューしてから格闘技しかできないし、人生そのもの。今後キャリアを終えていくなかでも、終えても育成でもRIZINに関わって行きたいし、MMAには死ぬまで関わっていくんだろうなと思います」 ──鈴木選手とは年末に戦う流れもあったなかで相手の負傷もあり、今回の4月になりました。その期間で身体も作れる一方、削られることもあったと思います。タイ合宿も含め、この4カ月間は、どういう時間になりましたか。 「自分としては年末にやりたかったのが正直な気持ちですが、延びてくれて良かったと思うところもあるし、そればかりは僕が決められることじゃない。相手ありき・団体ありきの巡り合わせで、ここでと言われたらそこでやるしかない。タイへ行くのも、試合決まったから、じゃあ頑張ろうじゃなくて、行くことを決めていて、タイ合宿ができて良かったです」 ──タイガームエタイのコレスニック選手は、「個人的には金原選手に勝ってほしい」と。 「嬉しいですね。僕は勝ってもやらないですけど(笑)」 ──そのタイ合宿も経てロータスでも練習し、誰もが警戒しながらもらってしまう、鈴木選手の右の強打に対して立ちあう自信は出来ていますか。 「右に対して自分がどう怖がらず前に行けるか。ポイントはそこじゃないですかね、今回。そこだと思います」 ──タイには所英男選手と行かれたようですが、それも心強かったでしょうか。 「真面目な話でいいですか。僕より5個上なんですけど……マジで何の役にも立たなかった!(笑)。自分の息子と行っているような感じで、ずっとおどおどしていて、トラブルがいっぱいあったけど。ラントレしていたら置き引きにあって、バイクで逃げられてるのに走っても追いつかないのにハアハアって走って。バイクに乗ってる人に乗せてもらって犯人を追っかけて、そのあと走ってついてきて『ありがとう』って。役に立たないです(苦笑)。置き引き? 取り返しました。マジで全部入っていたので、あれが無かったら帰ってこれなかったです」 ──所選手との練習では? 「真面目な話、練習はありがたいです。この歳でキツいことやってると、サボりたい・休みたいこともある。あの人は試合も何も決まっていないのに、僕の練習にはついてくる。あの人が頑張っているから頑張れたというのはあります。二人三脚で慰め合って頑張ってきた」 ──では入場も共に? 「僕一人じゃ歩けないんで。僕らはいつも二人三脚で。肩借りれるなら借りたいくらい」 ──タイトルマッチに集中しているかと思いますが、7月28日には『超RIZIN.3』が決まっています。Dynamite! のときのようにもう一度大きな会場に出たいという思いもありますか。 「試合してたら、大森ゴールドジムでもさいたまスーパーアリーナでも変わらないです。目の前で一生懸命なので分からんス(笑)。周囲は暗いんで。声援の大きさとか違うけど、やってるときは分からない」 ──ちなみに、2009年のDynamite!! では、所英男選手、金原正徳選手、青木真也選手が出ていました。 「その試合は青木くんの名前出してはいけないでしょう。僕ら持ってかれたんだから(※廣田瑞人戦)。みんなそんな仲良いわけじゃないし、一致団結してあのリング目指して頑張ろうじゃない。またやるの? って感じになる。でも今成(正和)さんもそうだし、冬の時代に頑張った人を見ると元気になる。仲間意識じゃないけど、負けずに頑張ろうという気持ちにはなる」
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