RISE 1772024年4月21日(日)東京・後楽園ホール
▼メインイベント(第11試合)スーパーフェザー級(-60kg)漢気トーナメント決勝 3分3R延長2R×岩郷泰成(EX ARES/同級7位)KO 2R 2分05秒 ※右ハイキック〇パヌワット・TGT(タイ/TARGET/PPTV 60kg王者)
漢気トーナメントの決勝戦は、1回戦で勝次に判定勝ちした岩郷と高橋亮にKO勝ちしたパヌワットで争われることとなった。
1R、前へ出るのは岩郷。前蹴りの蹴り合いからパヌワットの右ローに右ストレートを合わせる。いきなり前に出るパヌワットは素早い動きで右ストレートを伸ばし、岩郷をコーナーへ詰めると右ストレート。ダウン気味に倒れた岩郷だがこれはスリップ判定。パヌワットは強い前蹴りを放ち、前へ飛び込んでの左フック&右ストレート。さらに右カーフ。飛び込みのスピードが速いパヌワットに岩郷は後退する。
2R、右ミドルを蹴るパヌワットに岩郷は左フック。左右フックを打つ岩郷にパヌワットは右ストレート、クリンチになると首相撲でコカす。岩郷が前へ出てワンツーの連打。パヌワットは早くも失速気味になるが、ヒザで岩郷のボディを攻める。パヌワットが右カーフ、右ローを蹴っておいて意表を突く右ハイキック! モロに喰らった岩郷は大の字になってマットに沈み、担架で運ばれた。
鮮やかなKO勝ちでトーナメントを制したパヌワットは大応援団の歓声に応える。パヌワットには優勝賞金100万円が贈られた。
パヌワットはマイクを持つと「応援してくださった皆さん、ありがとうございます。やりました、勝ちました! 家で待っている妻に勝ったよと伝えたいです。最後に僕が思っている事を伝えます。最強の人は負けない人ではなく、自分に勝ち続けて挑戦する人です」と語った。
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▼セミファイナル(第10試合)バンタム級(-55kg)3分3R延長1R×良星(KSR GYM/同級5位)判定0-3 ※28-29、29-30、28-30〇京谷祐希(TEAM TEPPEN/同級6位)
良星はスピードとスタミナを活かした常に動き回るアグレッシブなスタイルで“ノンストップ・ハイスピードバトル”を展開し、会場を常に沸かせるRISEの元気印。得意技はハイキック。2018年7月に鈴木真彦に敗れて以降は破竹の7連勝(3KO)を飾っていたが、2020年1月に鈴木とのタイトルマッチ再戦で敗れて王座奪取ならず。2022年4月、大森隆之介にKOで敗れて以来の復帰戦となる。第4代Bigbangスーパーバンタム級王者。戦績は23勝(4KO)8敗1分。
京谷は強打と当て感の良さで連戦連勝。2010年に『DEEP☆KICK』で皇治と対戦し、当時無敗だった皇治に初黒星を付けた。2012年6月には『Krush』で武尊と対戦し、当時5戦5勝の武尊からダウンを奪った末にドクターストップでTKO勝利。2016年10月には『HOOST CUP』にて玖村修平からも勝利を収めるなど実力者ぶりを発揮した“伝説の壊し屋”。その後、怪我のため試合から離れたが2019年9月のRISEで約3年ぶりに復帰。前戦は2023年7月、翔磨から判定勝ちして戦績を19勝(10KO)10敗2分とした。
大歓声に迎えられてリングインした良星は笑顔で観客席にアピール。
1R、サウスポーの京谷は良星の入り際に左ストレート、右フック。自分からはワンツーで入る。良星はスーパーマンパンチから着地と同時に右ハイを放ち、京谷をヒヤッとさせるが、京谷は左ストレート&右フックをしっかりと当てる。
2R、ジャブ、ワンツーの京谷に良星は右ハイを狙うが京谷はブロック。真っ直ぐパンチを突き、アッパーを突き上げる京谷。無駄打ちはしない印象だ。良星は飛び込む機会をうかがうが、そこへ京谷が左ミドル、ヒザ、左ストレート。ローを蹴る良星へ京谷は右を合わせる。
3R、前に出る良星がボディへのワンツー、ハイキックで攻勢に出るが、京谷もヒザと左インローで応戦。京谷は左ミドル、ワンツーからヒザ。前へ出る良星だがボディへ一発入れるだけで京谷に離されてしまう。
自分の距離を保ち、的確にパンチを当てていった京谷が判定勝ち。良星は笑顔で京谷の勝利を祝福した。「こんな試合じゃ上を目指せないし、僕の実力こんななので自信ないです。まだまだ強くなってから帰って来るのでよろしくお願いします。これでは消化不良になってしまうので、6月空いてます」と、6月のWORLD SERIES大阪大会への参戦をアピールした。
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▼第9試合 フェザー級(-57.5kg)3分3R延長1R〇宮崎就斗(TARGET/同級8位、第2代DEEP☆KICK -57.5kg王者)判定3-0 ※30-26×3×山元剣心(PHOENIX/同級12位)
宮崎は2011年11月デビューのベテランで、「第5代RISEバンタム級王座決定トーナメント」に出場するなど早くから活躍。鈴木真彦、内藤大樹、原口健飛らとも拳を交えた。前戦は2023年12月のDEEP☆KICKでKING龍蔵にTKOで敗れている。第2代DEEP☆KICK -57.5kg王者。戦績は26勝(9KO)21敗2分。
山元はヒジあり・ヒジなしの両方で試合をする二刀流。前戦は2023年10月、ベテランのSEIDOを延長戦の末に破った。戦績は8勝(4KO)6敗。
1R、山元はサウスポーの宮崎に右ミドル、宮崎は左ローを蹴っていく。奥足への左ローを狙っていく宮崎に山元は右ストレートを合わせにいく。真っ直ぐに入って来る山元にパンチを浴びせる宮崎だが、山元は笑顔で構わず前へ出て右ストレートを打つ。宮崎は左ローを蹴るがパンチを顔面に浴びる。
2Rも前に出てくる山元へ宮崎は左ミドル、左ロー。山元の右ストレートには左ストレートを合わせに行く。前に出る山元は宮崎の攻撃を一発受けてから右ストレートを返す。宮崎が左ヒザを突き刺して山元をロープ際まで追い詰めると、宮崎は左ストレート、右フック。山元は宮崎の攻撃を受けて止まる場面が増えるが、それでもパンチを出して前へ出る。そこへ宮崎が左ハイキックからの蹴り足を引きながらの左ストレート。
3R、山元は一気に距離を詰めての左右フック、宮崎はヒザで応戦。下がって距離をとろうとする宮崎に山元は前進してパンチを当てに行くが、宮崎の左ボディ、左フックをもらう。パンチに左ローを織り交ぜる宮崎。山元はガムシャラに左右フックを打っていく。宮崎は左ミドル、左ロー、ワンツー、右フック、左ハイと連続ヒット。
それでも前へ出て左右フックを振り回す山元。ロープを背負った山元が右ストレートをヒットさせた直後、宮崎が左ストレートを返してダウンを奪う。さらに左ハイからの右フックでダウンを追加する宮崎。立ち上がった山元へ左インロー、山元も左右フックを繰り出す。
最後まで前へ出て攻めの姿勢を見せた山元だったが、宮崎が大差判定勝ちを収めた。
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▼第8試合 ライト級(-63㎏)3分3R延長1R×田中陸登(拳狼会/ACCEL日本ライト級王者)判定0-3 ※28-30×2、27-30〇塩川琉斗(TOP STAR GYM/Stand Up King of Rookie 2022 -60kg優勝)
田中は今回が初参戦のACCEL日本ライト級王者で戦績は13勝(1KO)2敗3分。塩川は空手をバックボーンに持ち、足技を得意とする。現在5連勝中で前戦は2023年11月に格上の山畑雄摩に判定勝ちした。
1R、塩川は頻繁にスイッチして前蹴りを放ち、顔面にも前蹴りを叩き込む。田中の左フックをかわしての左フック、ジャブから左フック。前へ出る田中だが塩川はバックステップでパンチをかわしていく。フック系の田中に対し、長いリーチからのストレート系を当てていく塩川。田中のフックをかわすと右フックを思い切り振り抜く。
2R、サウスポーに構える塩川に田中は左回りも、フックをかわされてジャブをもらう。塩川はボディへの飛びヒザ蹴り、顔面横蹴り。頻繁にスイッチして距離を惑わし、横蹴り、前蹴りを顔面へ。前へ出てくる田中にジャブを合わせる塩川に田中は鼻血を出す。
3R、田中はガムシャラにパンチを出して前へ出るが、塩川の距離を潰せず空振りに。塩川はジャブ、左右のストレート。田中が入ってくるとクリンチで止めてしまう。ラスト10秒、塩川が左右フックでラッシュをかけ、田中も応じるがヒットは塩川が奪った。
判定は3-0で塩川の勝利となった。「今日も判定でつまらない試合をしてすいませんでした。この間、中村選手が負けたので挑戦者決定トーナメント開いてもらえれば僕も参加したいのでよろしくお願いします」とアピールした。
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▼第7試合 ライト級(-63kg)3分3R延長1R×岩城悠介(RIKIX/元WPMF世界スーパーフェザー級王者)判定0-3 ※29-30、28-30×2〇奥山雅仁(OISHI GYM/CKC2023 -63kgトーナメント優勝、S-BATTLEライト級王者)
奥山は名古屋の名門OISHI GYMのホープで、SB日本ウェルター級王者・奥山貴大の弟。プロデビューから5連勝を飾り、6戦目で初黒星を付けられたが、2023年5月にS-BATTLEライト級王座を奪取すると、6月に修斗で行われたCKC2023 -63kgトーナメントでは優勝。8月のRISEで陽勇に判定負けで連勝がストップ。12月にはホーストカップで宮本雅大に勝利。2024年2月『ONE Friday Fights 51』に初参戦もテミルラン・ベクムルザエフに判定で敗れた。戦績は10勝(4KO)4敗。柔道初段。
当初は北井智大との対戦が決まっていたが、北井が「右肘頭骨骨挫傷・右上腕三頭筋腱損傷」のためドクターストップ。代わって元WPMF世界スーパーフェザー級王者の岩城と対戦することとなった。戦績は23勝(12KO)15敗3分。
1R、奥山は右ローを狙い撃ち。岩城は右へ動きながらのワンツー、右ロー。奥山のワンツーに2度連続で右を合わせる岩城。奥山はジャブ、前蹴りで作り直し、飛びヒザ蹴りから着地すると右ストレートを打つ。
2R、右ローを蹴りワンツーで前に出ていく奥山に、岩城は右ローに右ストレートを合わせる。またも右のカウンターを奪う岩城。しかし、奥山の右カーフで岩城が大きく崩れる。すかさず右カーフで奥山が叩き込むと、岩城が大きくバランスを崩してダメージは明らか。それでも岩城は右ストレートで奥山を吹っ飛ばす。ワンツーで前へ出る奥山に押される岩城だが、右ではヒットを奪う。奥山は飛びヒザ蹴り、バックハンドブローも織り交ぜる。
3R、岩城が右クロスをヒットさせるが、奥山は右カーフを狙い撃ち。カーフを蹴られないように前へ出てパンチを打つ岩城を奥山は投げてしまい注意を受ける。奥山はワンツーから飛びヒザ蹴りで入ってパンチとトリッキーな動き。ボディを打って前に出る奥山。岩城は下がりながらも左フックをヒットさせるが、奥山は空振りしても前へ出続けた。
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▼第6試合 バンタム級(-55kg)3分3R延長1R〇彪司(TEAM TEPPEN/同級11位)KO 3R 2分56秒 ※右フック×夏目竜雅(TRY HARD GYM)
彪司は四冠王・高橋幸光の甥っ子で、King of Rookie 2021 -53kg級優勝、JAPAN CUP 2019 -55kg級優勝・大会MVPの実績を持つ。数島大陸と引き分け、松本天志には判定勝ちの戦績が光るが、2022年10月の有井渚海戦では敗れた。前戦は2023年10月に松下武蔵に判定で敗れている。戦績は6勝(1KO)3敗1分。
夏目は2021年9月にDEE浜松大会でプロデビュー。KROSS×OVERで2勝をあげ、2023年11月のFIGHT CLUBに参戦するとNovoにKO勝ちを収めた。戦績は4勝(1KO)無敗。
1R、彪司は左ボディから左フックのダブル、夏目が返してきた左右フックはバックステップでかわす。左手を下げたデトロイトスタイルからジャブを突く彪司。夏目の左右フックをブロックし、前へ出て右フックを打つ彪司。ヒザを突き刺し、右カーフを蹴る。回転の速いパンチコンビネーションを繰り出す夏目だが、彪司はかわしてしっかりと当てに行く。
2R、夏目のパンチに左ミドルを合わせる彪司。ワンツー、コンビネーションパンチを繰り出して前へ出る夏目に彪司は下がりながらジャブ、右ストレートをヒットさせる。ジャブで前へ出る彪司。
3R、右ヒザを突き刺す彪司に夏目は下がりながらも左右フックで応戦。彪司も右ストレート、左ボディを放つ。夏目はコンビネーションパンチを繰り出すが前に出る彪司のパンチの的確性が目立つ。ガードするところはしっかりガードし、相手の空いているところに打ち込む彪司。ヒザも突き刺す。
手は出す夏目だが有効打を奪えず、打ち合いに行くと応じた彪司が左ストレートからの右フックを打ち抜いてダウンを奪った。立ち上がろうとした夏目だがダメージは深刻。レフェリーが彪司のKO勝ちを宣した。
会心のKO勝ちとなった彪司は「納得のいかない内容だったんですけれど僕はこんなもんじゃないので。殴り合いたいので6月、WORLD SERIESに出たいんでよろしくお願いします。俺より上の上位ランカーたち、待っていてください」とマイクアピールした。
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▼第5試合 スーパーフェザー級(-60kg)漢気トーナメント準決勝 3分3R延長1R×髙橋 亮(日本/TRIANGLE/第8代NKBバンタム級王者、第16代NKBフェザー級王者)KO 1R 3分08秒 ※左フック〇パヌワット・TGT(タイ/TARGET/PPTV 60kg王者)※パヌワットが決勝へ進出。
髙橋は“髙橋三兄弟”の次男で、2019年6月にホームのNKBでバンタム級に続いてフェザー級のタイトルも奪い、2階級制覇に成功。10月には大ベテランの国崇にもTKO勝利。2020年は「ジャパンシフトランド杯59kgトーナメント」で決勝へ進出したが、村田裕俊に延長戦で敗れて優勝を逃した。7月にRISEフェザー級王者・工藤政英とは延長戦までもつれ込みドロー。2021年5月の「RIZIN KICKワンナイトトーナメント」では1回戦で白鳥大珠に敗れている。2022年3月には大雅とドロー。
対するパヌワットは11歳でムエタイの試合を始め、来日後はトレーナーと選手を兼任。TARGETとTEAM TEPPENで練習を積み、タイ人特有のミドルキックとテンカオを得意とする。今回は2019年の直樹戦以来約5年ぶりのRISE参戦となった。
1R、パヌワットの攻撃が当たるたびに大歓声が沸き起こる。サウスポーの高橋はじりじりと前へ出て左ミドル、パヌワットは蹴り足をキャッチするとすかさず左フック。パヌワットは左を空振りしての右ストレート、右を打つと見せかけての右ミドルとフェイントを多用。高橋は左ローを蹴り右ボディ、ヒザ蹴り。するとパヌワットが高橋の蹴り足をキャッチし、前へ出ると同時に左フック。下がる高橋へ右フック、そして左フックをヒットさせるとバランスを失っていた高橋は豪快にダウン。マットに後頭部を打ち付け、立ち上がろうするも足がいうことをきかずパヌワットのKO勝ちとなった。
満面の笑みを浮かべるパヌワットは「まだまだね。KO楽しみね。もう1回よろしくお願いします」と大応援団の歓声に応えた。
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▼第4試合 スーパーフェザー級(-60kg)漢気トーナメント準決勝 3分3R延長1R×勝次(TEAM TEPPEN/WKBA世界スーパーライト級王者、第7代新日本キックボクシング協会ライト級王者)判定0-3 ※28-29、29-30、28-30〇岩郷泰成(EX ARES/同級7位)※岩郷が決勝戦へ進出。
勝次は2003年にプロデビューし、2015年にキャリア12年目にして新日本キックボクシング協会の日本ライト級王座に就いた。2017年にKNOCK OUT初代ライト級トーナメントへ参戦すると、いずれも倒し倒されの大激闘を演じて一気に名を挙げ、決勝では森井洋介に敗れるも大きなインパクトを残した。2019年10月には悲願であったWKBA世界王座をTKO勝ちで獲得。2023年7月の『NO KICK NO LIFE』にて大月晴明に5RでKO勝ちして健在ぶりを示し、10月には新日本キックラストマッチで岩橋伸太郎に判定勝ち。RISE初参戦となった12月の常陸飛雄馬戦ではKO負けを喫している。戦績は47勝(20KO)20敗10分。
岩郷はタトゥー多き怖い風貌とは裏腹に洗練された実力を持ち、タイミングの良い蹴りと威力のあるパンチを武器にアグレッシブなファイトスタイルが魅力。『RISE 162』では小野幹晃と倒し倒されの激闘を繰り広げ延長Rにまで及んだが、偶然のローブローにより岩郷が試合続行不可能となり途中判定で引き分け。6月には藤井重綺に判定で敗れたが、12月の奥平将太戦では判定勝ち。戦績は10勝(3KO)7敗1分。
1R、岩郷が右ストレートからの左フックをヒットさせ、その後も右ストレートでヒットを奪う。右カーフも。勝次はパンチをもらう場面が多いが、右ローを蹴っていく。勝次はやや攻めあぐねている印象。
2R、強い右ローを蹴っていく勝次に岩郷はヒザ。ジャブに右のクロスを合わせ、左フックにつなぐ岩郷。ジャブも鋭く入り、左ボディも決める。勝次は最初のジャブに岩郷が合わせてくるため攻撃がつながらない。よく動き、ダッキングで勝次のパンチをかわす岩郷。ならばと右ローを蹴る勝次。岩郷の左フックをもらうと、勝次は負けじと左フックを打ち返す。
3R、ジャブを突き刺し、右アッパーから左ストレートにつなげる岩郷。勝次のワンツーはダッキングでかわす。相打ち覚悟の左フックをヒットさせる勝次だが岩郷はクリンチで逃れる。ラスト1分、パンチで勝負をかける勝次が右ストレート、左フックでヒットを奪う。岩郷も負けじと左フック。岩郷の右ストレートに勝次も右ストレート。最後は意地の張り合いのような打ち合いとなった。
岩郷が判定3-0で勝利。マイクを持った岩郷は「まだもう一個あるので次、楽しみにしてください。まだ堅かったですけど最後は打ち合い見せられたと思うので。決勝は最初から倒しに行きます」と宣言した。
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▼第3試合 ミニフライ級(-49kg)3分3R延長1R×宮﨑若菜(TRY HARD GYM/同級3位)判定0-3 ※29-30×2、28-30〇宮本芽依(KRAZY BEE)
宮﨑は空手をバックボーンに持ち、アマチュアキックでは2019年KAMINARIMON全日本女子トーナメント-52kg級優勝。RISE QUEENアトム級王者・宮崎小雪の姉。2019年10月にRISEでプロデビューし、2022年2月にはRISE QUEENミニフライ級王者erika(名前の後ろにハートマーク)を判定に降したが、4月は過去2敗しているAKARIとの3度目の対決に臨み判定で敗れた。11月は小林愛理奈に判定負けも、2023年11月にMelty輝から判定勝ち。戦績は7勝(1KO)4敗。
宮本は2019年全日本女子ボクシング選手権大会シニアの部バンタム級優勝の実績を持ち、今年1月のRISEアマチュア大会『RISE NOVA』Aクラスの試合で初回KO勝ち。5月にRISEで山本美憂をセコンドに就けてプロデビューを果たし、RINAから左フックでダウンを奪って勝利を飾った女子ホープ。2戦目も数島七海から判定勝ち。
1R、スピーディーな展開。宮本はコンパクトかつ回転力のあるパンチの連打を次々とヒットさせていく。サウスポーの宮﨑はこれをもらいながらも左ミドル、左ローを蹴っていき、一発の強い左ストレートを当てに行く。
2R、宮﨑は左ぼボディストレートで勝負を懸ける。左インローも蹴り、目が慣れてきたか宮本の連打をしっかりブロック。逆に宮本はミドルを当て始める。
3R、宮本はガードの上からでも軽くパンチを当てていき、ミドルを蹴る。宮﨑は再び出鼻を挫かれるようにパンチを浴び、打ち合いに行くも宮本のスピードのあるパンチが宮崎の顔面とボディを捉えた。
判定は3-0で宮本が勝利。3戦目にしてランカーの宮﨑を破る番狂わせを起こした。
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▼第2試合 アトム級(-46kg)3分3R〇辻井和花(BRING IT ONパラエストラAKK/KROSS×OVER GIRLS-KICK アトム級王者)判定3-0 ※29-28、30-29、30-27×坂田実優(FASCINATE FIGHT TEAM)
辻井は極真空手で20戦17勝、RISEのアマチュア大会RISE NOVAの全日本女子トーナメントで2021年に-47kg級優勝、KNOCK OUTアマチュア大会-47kg級優勝などの成績を収め、2022年10月の『RISE』にて16歳でプロデビューした。そのデビュー戦こそ小林穂夏に敗れたが、以後は『KROSS×OVER』で3連勝、2023年10月には松本徐倫を破り僅か4戦目にしてKROSS×OVER GIRLS-KICK アトム級王座に就いた。サウスポーで左ストレートが得意。姉の辻井和奏もプロキックボクサーで、妹も空手とキックボクシングを学んでいるという格闘三姉妹だ。Instagramのフォロワー数は12万人。
今回対戦する坂田は原口健飛率いるFASCINATE FIGHT TEAMの所属で、RISE QUEENミニフライ級王者・小林愛理奈の盟友。4勝6敗2分と黒星が先行しているが、小林のスパーリングパートナーとして実力を上げている。前回2023年8月には小林穂夏を相手にドローに持ち込んだ。
1Rから両者スピードのある攻防。サウスポーの辻井は右へ回り込みながら左ローを蹴り、ワンツーを放つ。坂田も右ミドルを蹴ってワンツー。
2R、辻井は前蹴りを挟み、右へ回り込みながらの左ストレートを何度もヒットさせる。坂田は飛び込んでの左フックを見せるが、辻井のヒットが目立った。
3R、グッと距離を詰めた坂田が打ち合いを仕掛けるが、辻井が右へ動きながら左を上手く当てる。前蹴りで突き放し、左を当て、組むとワンキャッチのヒザも先に出す辻井。坂田は打ち合いを仕掛けて左右フックを繰り出すが、辻井が打ち合いでも一歩も退かず左を当ててから前蹴りで突き放す。
判定は3-0で辻井の完勝。嬉しいRISE初勝利を飾った。
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▼第1試合 スーパーライト級(-65kg)3分3R〇将太(KSS健生館/2022年RISE Nova 全日本大会 -70kg級トーナメント優勝)KO 3R 0分17秒×HENMI 9(東北AVANTI/第40回K-1アマチュア K-1チャレンジ Aクラス -70㎏トーナメント優勝)
1R、サウスポーの将太は右へポジショニングしながら左ミドル、左ストレート。HENMI 9も右ミドルを蹴る。ラスト30秒、将太がまとめにかかり、パンチのラッシュを見せて印象よく終えた。
2R、前足を器用に使って蹴りを繰り出す将太は左ロー、左インロー、左ミドルを蹴っていき、左ストレートもヒットさせる。顔面前蹴りで吹っ飛ばすとパンチでラッシュをかけてダウンを奪う将太。ワンキャッチからのヒザも上手く使う。
3Rが始まってすぐに将太がダウンを奪い、レフェリーがここでストップ。将太の圧勝となった。