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インタビュー

【PANCRASE】ライカに完勝した杉山しずか「3人といいチームワークで積み重ねることができた」──パンクラス初陣を語る

2024/04/02 15:04
【PANCRASE】ライカに完勝した杉山しずか「3人といいチームワークで積み重ねることができた」──パンクラス初陣を語る

左から村田夏南子、魅津希、杉山しずか、東よう子(C)ゴング格闘技

 2024年3月31日(日)東京・立川ステージガーデンにて、30周年記念大会・vol.3『PANCRASE 341』(U-NEXT配信)が開催された。

 第7試合の女子フライ級では、MMA21勝7敗1分の強豪・杉山しずかがPANCRASE初参戦。ボクシング元世界王座三階級制覇王者で、MMA13勝10敗1分のライカと対戦。杉山が左ストレートをヒットさせてグラウンドでコントロールするなど3Rにわたりライカを圧倒。判定3-0でPANCRASE初陣を飾っている。

▼第7試合 女子フライ級 5分3R
〇杉山しずか (リバーサルジム新宿Me,We) 56.85kg
[判定3-0] ※30-27×3
×ライカ(RIGHT THING ACADEMY)2位 56.9kg

 2014年大晦日のDEEP DREAM IMPACT以来の再戦で、当時は杉山が腕十字で1R 一本勝ちを収めているマッチアップ。

 そこからMMAの経験を積んだライカは、2023年は、3月に渡邉史佳にスプリット判定勝ち後、ナギを1R TKOで連勝。しかし、2023年11月の前戦で超新星・重田ホノカに判定負けを喫した。9年4カ月ぶりの杉山との再戦でリベンジを目指す。

 対する杉山は、2018年大晦日に現PFLの渡辺華奈にTKO負けも、以降5連勝。2022年5月の前戦ではDEEP JEWELSで中井りんに一本負けしているため、新天地で再起を期す。1週間前の『RIZIN LANDMARK 9』では夫の中村K太郎がメインイベントを務め、ホベルト・サトシ・ソウザに初回TKO負け。K太郎に続く復帰戦で勝利を掴めるか。

 試合前のインタビューでは、「目標はベルトです。PANCRASEのベルトを持っている藤野(恵実)さんを見ていて、いつもかっこいいなと思っていました。PANCRASEという歴史あるイベントに来ることが出来て、とても光栄に思っています」と目標をベルトと語っていた。

 試合は、サウスポーに構える杉山がテイクダウンプレッシャーを見せるなか、右ジャブ・左ストレート、左ミドル、右ハイキックと多彩な打撃で攻勢に。ライカがパンチで前に出てきたところにテイクダウンを合わせてバックコントロール。スタンド・グラウンドともにライカを圧倒。判定3-0のフルマークで勝利し、PANCRASE女子フライ級タイトル戦線に名乗りを挙げた。

 試合後、本誌の取材に杉山は、ボクシング勝負のライカを相手に、MMAの攻防のなかで左ストレートを効かせたことについて、「良かったですよね」と笑顔も、「狙っていたものは出せましたけど、倒すまではやっぱりいかないんだなと」と、ダウンを奪えなかったことで満足せず。

 さらに、打撃と組みを融合させてのテイクダウンからのドミネートについても、「久しぶりの試合で楽しくはあったんですけど、思ったよりヒジ先が疲れてしまって、それが抜けるまでちょっと時間がかかっちゃって。ライカ選手の守りにも上手くやられて、一本取れなかったです」と、極め切れなかったことを課題とした。

 自身の試合の前週には、夫・K太郎がサトシの右ハイにダウン。パウンドに立ち上がるも、金網を背に連打を浴び、レフェリーに試合を止められた。その試合を、神戸まで駆けつけケージサイドで親子で見守った杉山は、敗戦に泣きじゃくる息子の手を握り「最後まで立ち上がったんだよ」と、諭した。

 それから8日後のPANCRASEでの初戦。ともに試合に向けて作っていくなかで、精神のアップダウンがあったのでは? と杉山に問うと「まったくなかったです」ときっぱりと言う。

「彼は彼で頑張ったし、意外とそのことについては考えないものだなと思いました。ちゃんと自分の試合に集中していました」

 杉山がコメントする、その周囲には今回、リバーサルジム新宿Me,We等でともにトレーニングを積んできた頼もしい戦友の姿があった。

 現UFCストロー級で活躍中の魅津希、UFCから新たな海外での戦いを模索中の村田夏南子、PANCRSEからDEEP JEWELS王者となり、『PFL 2: 2023 Regular Season』女子フェザー級で戦った東よう子の3人だ。

「よくあの3人が練習に集まってくれて、積み重ねてくれて、車で送り迎えまでしてくれて……いいチームワークで出来たので。3人ともいつもは日本にいるわけじゃないので、けっこうラッキーだったなという感じです」と、1年10カ月ぶりのケージ復帰も、猛者ぞろいの練習環境のなかで不安も無く、高いパフォーマンスを発揮できたとした。

 参戦会見では、PANCRASEフライ級での目標は「ベルト」と語っていた。試合直後のインタビューのあとには、コメインで、その王者の試合が控えていた。

「完全決着というか、フィニッシュできなかったので、10年前の試合では端(貴代・第2代王者)さんとはずいぶん差があって、今回、端さんと重田(ホノカ)さんの試合を見て、どうなるか。どれくらい端さんと自分と差が縮まっているか、追い越せているか、そうじゃないのかを見て、また山崎(剛・Me,We代表)さんらと、相談したいと思ってます。今回勝ったことでいろいろチャンスは周りにもあると思うので」と、無冠の強豪は語っている。

 この日、端は重田に敗れ、王座は移動した。悲願のベルトを目指す杉山はどんな戦いを選択するか。

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