アキラ「ムサエフ選手ほどの圧力はヤン坊選手にはないのかもしれない」
──アキラ選手、その瞼はどうしたのですか(※インタビューは3月1日に行われた)。
「練習中にやらかしちゃいました。当日までにはコンディション万全に仕上げていきますので問題ないです」
──2023年は『PANCRASE 333』で第8代ライト級キング・オブ・パンクラシストの座に就いた3カ月後の7月『超RIZIN.2』にスクランブル参戦。RIZINライト級GP優勝者のトフィック・ムサエフ選手を相手に2R KO負けを喫しました。今回はその試合からの再起戦であり、PANCRASE正規王者として初の防衛戦となります。暫定王者として臨んだ王座統一戦からは丸1年近く経過していますが、今振り返っていかがですか。
「そうですね……、去年4月にタイトルを獲ってからムサエフ選手とのビッグ・チャンスがあったのですが、派手に散ってしまって。でも、それでいい休養期間になったと思います。あれだけ派手に倒れたので、脳を休められたと思うので」
──王座に就いたタイトルマッチでは、極めを持つ久米選手と5R戦い抜きました。まさに死闘を制した形で勝利を手にしたことは、自信になりましたか。
「久米さんは偉大なファイターですし、本当に強い人なので、久米さんと5Rしっかり戦い抜いて勝てたっていうのは、本当にスタミナの面でも自分の技術の面でも、自信になっています」
──ところであの試合、ラウンドの始めにオーソドックス構えから入っていたのは、久米選手に対しての何か飛び道具的な意味合いだったのでしょうか?
「あれは、久米さんとの試合が決まる前から結構取り組んできていることで、ちょうど久米戦の時に使ってみて、良かったと思っていますね、どちらの構えでもやられることもなくできていたので」
──試合後は「課題を感じた」ということでしたが、あれから全体的な意味でどのような取り組みをしてきたのですか?
「本当に細かい身体の使い方だったりで。それができてくると、より石渡(伸太郎)さんの指示通りに、石渡さんがやってほしいと思う動きをやれるようになる。そうするともっと戦術の幅も広がっていく、というところでしょうか。外から全体を見ている石渡さんからの指示は的確なので、その通りに動けば必ず勝てるので」
──細かい体の使い方というのは、たとえばご自身のクセのようなものを修正したり?
「それも、そうですね。身体の使い方が悪いと悪いクセが出るというのはあるので」
──その後『超RIZIN.2』で打撃に全振りしてくるムサエフ選手との試合を経験したことは、結果は敗北とはいえ今回の試合に向けてプラスになっている部分もありますか?
「なかなかあそこまでプレッシャーのある選手って、世界でもトップどころというか。そういう選手と試合でお互いを倒す気で打ち合えた経験をできたことは本当にデカいです。あそこで経験したことを踏まえてヤン坊選手と対峙した時のことを考えると、もちろん実際に対峙してみないと分からないですけど、ムサエフ選手ほどの圧力みたいなものは、ないのかもしれないですね」
──ムサエフ選手との試合を体験したら、大抵のものはもう怖くなさそうですよね(笑)。
「そうですね(笑)。フェイスオフの時とかめちゃめちゃ顔怖かったですよ(笑)。すっごい近かったんですよ(笑)。“そんなに近いか!”って思って、ちょっと冷静になってしまって」