打撃もしたかったから、2R目から切り替えた
――伊澤星花選手、DEEP JEWELSのベルトを日本に取り戻す一本勝ち、おめでとうございます。
「ありがとうございます。やっぱり3本目のベルトということも嬉しかったですけど、何よりも、打撃で効かせられたことがすごく嬉しいです」
――今回は今言ったように打撃で攻めるプランだったのでしょうか。
「そうですね。最後は一本になっちゃったんですけど、その前にしっかりと打撃で効かせてパウンドを打って決められたので、MMA全体がしっかり強くなっているところを見せられたのかなと」
――今回はDEEP JEWELSアトム級タイトルマッチとして、王者のパク・シユン選手と戦いました。
「パク選手、気持ちが強くて、すごく賭けてきているなというのが伝わってきて、特に寝技のディフェンスがすごい上手でした」
――1R目、がぶりからダースチョークや三角絞めを仕掛けましたが、無理にサブミッションを決めにいかないようにも見えました。少し力を温存していたのでしょうか。
「そうですね。1R目はパク・シユン選手の気持ちを感じ、対策してきたのも見えたので“しっかりやってきているな”と、ちょっとナーバスになりかけたんです。やっぱり1R目、極めがちょっと浅かったので、あそこで無理に力で極めにいって疲れるよりも、全然流れの中で極められるタイミングを待とうと思っていました」
――では、次の2R目の展開に持ち込もうという気持ちもあったんですね。
「そうですね。やっぱり打撃もしたかったので。2R目から切り替えて、しっかり打撃で練習でやってきたことをやろうという風に切り替えることができて、フィニュシュ出来たので、最終的には良かったかなと思います」
――打撃を試合で試したかったと……。右ローを当てて、ジャブ、下を向いたフェイントからの右ストレートでダメージを与えました。これは練習通りでしたか?
「そうですね。やっぱり対策されていることもあって、タックルの対処がすごい上手だったので、そこで蹴りとタックルと決まっていたところでストレートがしっかり入ったので、練習通りになっていたかなと思います」
――いまJAPAN TOP TEAMでの打撃のコーチは、誰がついているのでしょうか。
「小倉(將裕)さんと、あとエリーコーチに見てもらっています」
――選手毎に変える小倉コーチのミットに加え、エリー・ケーリッシュ コーチも伊澤選手のミットを持つのですね。
「はい。とても力になっています。今回も狙ってたのが右ストレート、あと蹴りだったので、最初蹴りで散らしてタックルを見せて、最終的に右ストレートに入ったので、練習でやったことが全部出せたので、大満足です」
――たしかに、前蹴りを当てて、相手の右に対してのカウンターの右でした。あれはJTTでの練習でやってきたコンビネーションなんでしょか。
「そうですね。やっぱり最近、距離感と、自分の頭を動かすということをすごくやっていたので。あと角度がしっかりと合っていました。相手にカウンターを合わせるというより、自分がストレートでを行くときに頭をズラすというのが、ちょうどカウンターの形になったかなと」
――もう相手が効いているのは分かっていたのでしょか。
「そうですね。その前の段階でけっこう鼻血とかも出てたりして、打撃を嫌がってるのは分かったので、そこで最後、右ストレートでカクンと落ちたのが分かったので、そこで本当はパウンドでTKOしようかなと思ったんですけど、組んじゃいましたね(笑)」