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2024年3月23日(土)兵庫・神戸ワールド記念ホールで開催された『RIZIN LANDMARK 9』の第10試合・RIZINバンタム級級(61.0kg)5分3Rで、井上直樹(キルクリフFC)と佐藤将光(坂口道場一族/FightBase都立大)が対戦。
試合は、1Rからスピーディーな出入りで井上が圧力をかけていく展開。佐藤はそれに角度をつけていなしていく。2Rには佐藤が詰め返して、組んで両差しからバッククリンチで左足をかけるも、たすきではなくネルソンの形で脇を潜っていた井上は一気に正対して浴びせ倒して上に。ともに立ち上がるとスタンドで一進一退に。
最終回に圧力を強めた佐藤に、井上はその前進に合わせてダブルレッグテイクダウン。二重がらみも狙うハーフの佐藤を枕で寝かせてコントロール。判定3-0で井上が勝利し、「判定という結果ではありますが、チャンピオンシップいいんじゃないですか、榊原社長?」と、RIZINバンタム級王者・朝倉海とのタイトルマッチを呼び掛けていた。
試合後の会見で井上は難敵・佐藤との試合を「ちょっとずつ左のパンチが当たるようになってきていて、自分もそこで当てられていたので、普段の動きから調整していかないといけない」としつつも、勝負を決めた打撃のなかでのテイクダウン、さらに絶妙な押さえ込みについて、「2R途中でテイクダウンに行こうかなとは考えていた」と明かした。
また、敗れた佐藤も「1Rまでは出入りで追っかけてももうそこにいないから、行くと僕が食らう、という展開を作られていたけど、(2R以降は)僕がプレッシャーかけたのと、パンチが少し見切れてきたので詰められた」と、打撃の展開を振り返りながらも、最終回の井上のテイクダウンで「僕はハーフから自信あったけど、彼の押さえ方が上手く、あそこで動けなくなった」と敗因を語った。
「バンタム級王座次期挑戦者決定戦」ともいえるこのカードで、勝利した井上について、大会後の榊原CEOは、「実力者同士、かなりレベルの高い選手同士の戦いでしたが、“一足飛び”に『朝倉海とのタイトルマッチを見たい』というような感じにはならなかった」と、王座挑戦には留保をつけている。
また、UFC参戦を希望する朝倉海についても、「朝倉選手がこの先、どういう方向性に行くのか。海と去就をしっかり話し合いながら、いろんな媒体で本人は『UFC、UFC』と言っていますので、そのラブコールを送っているUFCの反応というか、UFCとの向き合いも含めて、海が今後どうしていくのか」と確認していくとした。
「その中で、タイトルマッチをRIZINですることになったときに、彼が適任か、井上選手で行くのか、その熱がどこまで今日作れたかというと、そこはちょっとクエスチョンで、(挑戦者)候補の一人であることは変わらないと思うんですが、タイトルマッチを組むということになった際にも、井上選手以外の選手も候補に入れた中で、戦うべき相手を選考したいなと思ってます」と、バンタム級コンテンダー選考に入ると語っている。
バンタム級次期挑戦者は一体誰になるのか。ハイレベルな攻防を繰り広げた井上直樹と佐藤将光のコメントとともに紹介したい。