2024年3月9日(日本時間10日朝8時)、米国フロリダ州マイアミのカセヤ・センターにて『UFC 299: O'Malley vs. Vera 2』(U-NEXT配信)が開催されている。
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メインカードのウェルター級戦では、Bellator JAPANでも活躍した“MVP”ことマイケル・“ヴェノム”・ペイジ(英国)がUFCデビュー。ケビン・ホランド(米国)と対戦する。
本誌では、MVPにインタビュー。Bellatorからのオクタゴン参戦、ベアナックルファイトでの経験、そしてケビン・ホランド戦について聞いた。
ベアナックルファイトで気づきがあった
──UFCデビュー戦でケビン・ホランドと対戦するMVP・ペイジ選手です。今回の練習環境はいかがでしたか。
「レーニングはロンドンで行い、ケビン・ホランドと戦うから、チームメイトでもあるBellatorで6連勝中のノルベルト・ノヴェニーJrがメインのスパーリング相手だったよ」
──MMA7勝無敗のロンドンシュートファイターズの24歳の新星ですね。ホランドは身長はあなたと同じ191cm、リーチは5cm長い206cmありますからね。
「そう、だからスパーリングパートナー達は黒人の背の高い選手達でレンジのある選手達を用意したんだ」
──フランスから同じ『UFC299』に参戦するブノワ・サン・デニも、一時期ロンドンシュートファイターズで練習したようですが、彼と交流もあったのでしょうか。
「いや、ブノワとは時期が重なっていなくて。ただMMAはすごく小さなコミュニティだから、いずれ道が重なる時はあると思うよ」
──Belllatorファイターは常に対UFCで試されてきました。今回、UFCに参戦するにあたって自分の実力を証明する、いい機会だと思っていますか。
「自分にとっては素晴らしい事だと思っている。キャリアアップとして前進していると感じられるだけでなく、自分の実力をより多くの観客の前で示せるし、観客のために試合をするのが好きなんだ。UFCとパートナーになるというのはどんどん大きくなるということだろう? だからケージに入ることにとてもワクワクしている」
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──2023年3月の前戦ゴイチ・ヤマウチ戦は、26秒KO勝ちでしたが、あなたの右インローはゴイチのヒザから少し下に当たったようでした。硬いヒザ付近に当たることは想定していましたか。
「あれは奇妙な出来事だったようだが、実はあれはゲームプランの一部だった。彼の試合映像を見てプレッシャーをかけると彼はサークルするからキックを入れられるタイミングがあると分かっていた。その攻撃が試合の最後の方に効いてくると思っていて、でもフィニッシュになるとは思っていなかった。彼が攻撃を出しづらくする、テイクダウンを狙って来づらくする為に足を狙い続けていくつもりだったんだ。それがちょうど完璧な場所に入った結果、彼は残念ながらケガを負ってしまったが……トレーニングを再開しているのを見ているし、彼が戻ってくるのを楽しみにしている」
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──なるほど。ゴイチ戦前のマイク・ペリーとのベアナックルファイトについても少し聞かせてください。あの試合は、間合いを大事に戦うあなたにとって異質な試合だったと思います。ベアナックルファイトを経験したことは、あなたのMMAにどんな影響がありましたか。
「いつものMMAとは大きく違った。観客から見てもベアナックルファイトの厳しさは明らかだったと思う。だけど自分にとって一番重要なことは、戦う場所を学ぶことだ。コーチからは言われていたけれども、実際に自分がリングに入るまでは外から見ているのと実際に入るまで、まるで違う事に気付けなかった。実際にロープがすごく内側にあるように感じる事でリングがとても狭く感じたんだ。試合当日にその事に気付くよりも、もっと前に分かっていたら良かったのになとは思うが、確実に学びとなったし、とてもいい経験になった。自分は格闘技が好きだし、挑戦することも好きだ。それがなんであれ。こんなことをいうのは変かもしれないけど、とても楽しかった」
──当然、キックや組みが許されず、オープンフィンガーグローブもありません。どんな気づきがあったのでしょうか。
「気付きというか、分かっていた事ではあったけれど、いずれにしても実際にプレーしてみると全く異なる感覚だった。とてもタフだったね。かなり早い段階でとらえられたから、かなり踏ん張って、そんな中でいいパフォーマンスができたと思う。最終的には多くの人々がそれを見てくれたと思うし、自分のタフさにリスペクトをしてもらえた、タフさだけでなく“頑張り抜いた”という事を。自分はMMAではあまり殴られないから、結構どれだけ自分が打たれ強いのか? タフなのか? と疑問に思っている人もいたと思うが、それを十分に証明する戦いだったと思う」
──なるほど。たしかに普段顔にパンチをもらうことが少ないMVPが打ち合わざるを得ない状況を経験したことで、想像以上のタフさも感じました。さて、今回の対戦相手のケビン・ホランドは、長身で半身気味のサイドキックやスイッチスタンスなど、あなたと似ている部分もあると感じます。では異なる点は?
「彼は僕のことが予測不能だと思う。僕は彼が自分と似ているとは思わないんだ。彼は右でも左でもどんな姿勢でも攻撃できるが、自分のようなダイナミックさがない。自分は今回の試合はケージに入った時と同じ姿でそのままケージを出られるといいと思っている。だが、彼もタフだ。彼の最大の特徴は、顔面への攻撃を狙って来てゲームをすることだ。相手がクリーンヒットしてもめげずに何度も前にて出てきたら精神的にちょっとくるだろう。
でも、俺はそういう選手とも戦った事はあるし。自分のチームメイトのダレン・スチュワートは彼と戦った事があって接戦だった。どちらもとてもタフで前に出るファイターだった。ベアナックルファイトも含め、俺も間違いなくそういった戦い方は経験しているから、自分らしく打撃を飽きずに打ち続ける必要があると思う。飽きず、ストレスをためず、打ち続けていればおのずと倒す事ができるだろう」
──あなたにとって、誰もが狙うのは組み技です。ダレンはグラップラーのマイケル・キエーザからダースチョークで1R一本勝ちしています。グラップリングやテイクダウンディフェンスの強化は?
「ケビン・ホランドはダースチョークがめちゃくちゃ強いからね。腕も長いし、完璧とも言える。常に相手の強さを理解していなければいけないから、絶対に自分の首を差し出さないようにしないと。相手がそういった得意技がある場合は、そこから逃れる事より、そうならないように防ぐことが大事だ。
だからそのポジションにならないように自分のテイクダウンディフェンスはかなり強化されている。グラップリングもポジショニングも、テイクダウンされても背中を譲らずすぐに立ち上がる事、そして戦える状況に戻る事、しっかりと強化できているからあまり心配していないんだ」
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──Bellatorではポケモンのモンスターボール、日本でもNARUTOの姿を披露しましたが、今回も少し楽しみです(笑)。
「ハハハ。自分はアニメの大ファンだから。日本を訪れたときはこれまでで最高の時間を過ごしたよ。実際、楽しみすぎて試合する事を忘れそうになったんだ。日本中を歩き回って色々なことを経験して忙しい時間を過ごした。俺はいつもアイデアを持っていて頭の中は常にクリエイティブだ。ケージの中で魅せる事だけでなく、入る前もショーにしたいんだ。今回もアイディアはあるけど、何が起こるかは本番を楽しみにしていてほしい!」
──もしUFCの日本大会があったら、出場を希望しますか。
「本当にものすごく日本にまた行きたいよ! UFCで日本に行けるとしたら、俺は他の試合が決まっていても変えてもらうね。それで日本のカードに入れてもらう。100パーセント! 何がなんでも行けるようにするよ」
──ではそんな日本のファンへメッセージを。
「日本では信じられないような素晴らしい経験をした。日本の皆が真の格闘技ファンだったからね。また日本に戻って皆に会えることを楽しみにしているよ。ぜひ、そっちでは日曜日の僕の試合もU-NEXTで楽しんでほしい!」