自らタイトルを懸けてのダイレクトリマッチを希望した海人
2024年4月13日(土)東京・後楽園ホール『SHOOT BOXING 2024 ACT.2』の対戦カード発表記者会見が、3月7日(木)都内にて行われた。
シュートボクシング世界スーパーウェルター級タイトルマッチ3分5R無制限延長Rで、王者・海人(TEAM F.O.D)vs.挑戦者ペットモラコット・ペッティンディーアカデミー(タイ)の再戦が決定。
SBの絶対的エースの海人は2014年2月にデビュー。2017年11月にSB日本スーパーライト級王座を獲得し、2018年11月にはS-cup2018 -65kg世界トーナメント優勝。その活躍はSB内だけに留まらず、2016年以降はRISE、RIZIN、KNOCK OUTで全勝。2022年6月の『THE MATCH 2022』では野杁正明をも破った。12月にはGLORY世界ライト級1位ストーヤン・コプリヴレンスキーに判定2-1で勝利。
2023年3月にはイ・ソンヒョンに判定勝ちでRISEミドル級王座を奪取し、6月にサモ・ペティとの再戦を制してSB世界スーパーウェルター級王座を獲得と驚異の18連勝をマークしたが、8月のGLORYで世界王者ティジャニ・ベスタティに敗れ王座奪取ならず。11月の再起戦ではマサロ・グランダーを、12月にはRISEでジェームズ・コンデも初回KOに仕留めた。戦績は54勝(24KO)7敗1無効試合。
ペットモラコットはタイのビッグマッチ常連の超一流選手として活躍し、ルンピニースタジアムではミニフライ級王座とスーパーフェザー級王座に就いた。2015年4月には初来日し、梅野源治の挑戦を退けている。2020年2月、初代ONEフェザー級ムエタイ世界王座を獲得。同王座は3度の防衛に成功した。その後はONEを離れ、『ラジャダムナン・ワールド・シリーズ』に参戦。イラン、モロッコ、トルコなどの選手と対戦して5連勝を飾ったが、2023年9月のタナンチャイ・シッソンピーノン戦ではスプリット判定で惜敗している。
両者は2月に対戦し、ペットモラコットが延長R判定2-0で勝利を収めている。今回は海人が保持するタイトルを懸けてのダイレクトリマッチとなった。
緒形健一SB協会代表は「当初、海人の相手は別のタイ人強豪を用意していましたが、海人サイドから世界タイトルを懸けて再戦したいとの意向があり、今回の試合が決まりました。前回の試合では本戦・延長と判定に対していろいろな意見があったと思いますが、今回はタイトルを懸けて3分5R無制限延長Rで行うことで完全決着になると思います。SB側としても背水の陣で臨みたいと思っています」と、再戦に至る経緯を説明。
シーザー武志SB協会会長は「僕的にはどちらが勝ってもいいという試合でした。海人が本戦で負けていたんじゃないかとかいろいろな見方があって、僕は本戦ドローで延長戦になって海人の方が勝っていたと思いましたが、海人が負けになった。ハッキリしないので次の大会でハッキリさせればいいのかなと。海人もそれで納得しています。誰が見ても分かるような試合をやって欲しいと思います」と、同じく完全決着を臨む。
ペットモラコットからは「私はルンピニースタジアムでもONE Championshipでも王者になりましたが、2月に海人に勝ったことでどんなルールでも強いことを証明したと思います。海人が今回私へのリベンジを希望しベルトを懸けるとのことなので、今度はシュートボクシングの王者になって私がエースとして世界の強い選手と戦っていきたいと思います。私がルンピニー、ONE、そしてシュートボクシングの3団体を制した史上初の選手になります」とのメッセージが読み上げられた。
海人自身は「2月に負けて4月に再戦させてもらえることに感謝しています。前回負けて、僕自身本当に落ち込んでどうしたらいいか分からなくなりました。なかなか再戦を組んでもらえることはないし、リベンジ出来ることもないので、自分が成しえるのはただひとつ。負けて次こそは…と二度と言わないように今回は絶対に勝ちます。それを成しえたいし、また海人を信じて良かったと言ってもらえる試合を必ずします」とリベンジを誓う。
なぜベルトを懸けてのダイレクトリマッチを臨んだのか。海人は「前回、本気と覚悟を僕に背負わせてくれてその結果負けたので、自分がもっと覚悟と本気を出さないといけないと思いました。僕の持ってるベルトは日本の70kgで一番価値があるベルトだと思っているので、そのベルトを懸けて本気と覚悟を戦いで見せてこのベルトが戻って来るようにしたい。王者は僕ですがチャレンジャーだと思っているので、しっかりチャレンジして僕の本気と覚悟が合わさったところを見せたいと思います」と、本気と覚悟の表れだという。
海人はRISEとKNOCK OUTでも70kgのタイトルを持っており、「現時点で国内70kgで一番強いのは自分やと思っているので、このベルトが一番70kgで価値あるベルトだと思っています。今後、このベルトを世界で一番強いヤツが持つベルトにしたいので、今はそうなる途中だと思っています」と、70kg世界最強の男が持つベルトにしたいと意気込む。
ペットモラコットと戦っての印象を聞かれると「世界で活躍している選手なので、見せ方が上手い。そこの差で負けたと思いました。そこは世界と戦ってきた選手にしか出来ないものだと思うので、自分も世界最強になろうと思っているので見せ方も含めて全部自分が上回ってやろうと思います」とする。
3分5R+無制限延長Rなら海人選手が有利なのでは、と聞かれると「向こうもムエタイで5Rには慣れていると思うので、今回5Rだから有利になったとは全く思っていません。有利か有利じゃないとかは無しにして、何が何でも勝つと思っているのでそういうところを見せたいと思います」との見解。
リベンジ出来る手応えは感じたのかとの問いには「前回の試合でヒット数は自分の方が上回っていたと思います。パンチもヒジも入っていたので、逆にしっかりもらった攻撃はひとつもなかったのでそこは自分が上回っていたと思います」とした。
ペットモラコットのミドルキックの対処については「前回の試合で印象付けられたのはミドルキックではないと思っているので、ミドルキックが痛かったかと言ったらそうでもないし、そこは対応できているのかなと思っているので。次は対応ではなくて圧倒するところを見せたい」とミドルキックは問題ではないとする。
圧倒するとはどのような形なのか、海人は「ペットモラコットがやりたいことに対して真正面から付き合って、そこで優って勝とうと思います。倒すのも判定で勝つのもあると思いますが、相手の土俵で相手がやりたいことに付き合って勝とうと思います」と、ペットモラコットの戦い方に合わせてそこで勝つと言ってのける。
前回苦しめられた首相撲を始めとする組みの展開については「自分が首相撲が出来ないと思われたと思いますが、出来ないわけではなくそこを避けて違う面で上回りたいと思ってやり通した結果がああなっただけ。自分は出来るので、今だと口だけになってしまいますが、そこも出来ることを見せたいと思います」と、今回は首相撲や組みの展開になってもそこで戦うとした。
組みの展開の中で投げを狙うような動きがあったのはなぜかと聞かれると「あれはペットモラコット選手が背中をとってヒザを蹴ろうとしていたからです。背中を見せたのは投げでもなく、ペットモラコット選手が背中の方に来て僕がコケそうになって投げるような形になっただけなので投げようと思っていないし、投げで勝とうとも思っていないので、今回はしっかり対応して首相撲でも組みでも打撃でも勝ちます」と説明。
最後に、シーザー武志会長は「海人は前回の反省をしていると思います。彼は1回負けると必ずそのマイナスだったところを次は直してくるんです。彼のそういうところを信じて全てを背負って行ってもらって戦って欲しいと思います。仮にペットモラコットが勝ってもまたタイの選手が上がって来るのはブアカーオ以来ですからSBとしては面白いと思っていますが、一番は海人に勝ってもらって世界を目指して欲しいと思っております」と、海人のリベンジに期待をかけていた。
なお、今大会はU-NEXTにてLIVE配信される。