新日本キックボクシング協会「MAGNUM 59」2024年3月3日(日)東京・後楽園ホール
▼第12試合 新日本キック×NJKF交流戦 59kg契約 3分3R○瀬戸口勝也(横須賀大賀ジム/日本フェザー級王者)判定3-0 ※30-24、30-25×2×山浦俊一(新興ムエタイジム/元NJKFスーパーフェザー級王者)
鹿児島出身の瀬戸口は長らく新日本キックのフェザー級トップ戦線で活躍し、2020年2月、5度目の挑戦となった日本フェザー級タイトルマッチで平塚一郎に3R TKO勝ちし悲願のベルトを巻いた。2022年10月にはTKO勝ちで初防衛に成功している。2023年7月に同じくNJKFの大田拓真と新日本キックで対戦も判定で敗れたが、10月にはNJKFフェザー級王者・前田浩喜に右フックで初回TKO勝ちを収めた。パンチでガンガンと前に出るスタイル。
山浦は15歳でプロデビューするも16歳から21歳まで現役を離れ、22歳で復帰。2019年9月にNJKFスーパーフェザー級王座を奪取している。2020年12月にWBCムエタイ日本スーパーフェザー級王座も奪取。2021年2月にはNKBで高橋亮と対戦したがハイキックでTKO負け、4月の新日本キックで高橋亨汰にも判定負けと連敗を喫するも、11月の初防衛戦で久井淳平に判定勝ちした。2023年は2月にTAKUYAに勝利、5月にはペッチ・パランチャイにTKO負けを喫している。
前日計量で山浦は900グラムオーバーのため減点2、瀬戸口は6オンス、山浦は8オンスのグローブハンデとなった。
1R、瀬戸口はじりじりと前へ出て圧力をかけていき、左ボディがヒットすると一気にパンチをまとめる。山浦は右カーフを狙い撃ちにするが、そのカーフに瀬戸口がパンチを合わせてくると切り替えて左右フック。瀬戸口が組み付くと投げを見舞う。入って来る瀬戸口には縦ヒジを合わせる。;
2Rも前に出るのは瀬戸口。山浦はそのカウンターを狙っていく。瀬戸口の左右連打のリズムをつかんだか、山浦のパンチが当たり始めるが、瀬戸口は前へ出続けて左ボディを打ち、意表を突く縦ヒジで山浦の額をカットする。
3Rは瀬戸口が勝負に出る。序盤からラッシュをかけて左右フックでダウンを奪い、さらに左右フックの連打でダウンを追加。山浦も投げと蹴りで粘り、倒しにかかる瀬戸口だが徐々に手数が減る。最後は打ち合いとなって場内を沸かせた。
減点もあって大差の判定で瀬戸口が新日本キックの牙城を守り切った。
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▼第11試合 日本スーパーフェザー級王座決定戦 3分5R延長1R×木下竜輔(伊原道場本部/同級2位)判定0-3 48-50×2、49-50○ジョニー・オリベイラ(ブラジル/トーエルジム/同級4位)※オリベイラが新王座に就く。
木下は右ストレートを武器に打ち合いも辞さないタイプ。2023年4月の新日本キックでメインカード消滅に伴って繰り上がりながらメインを務め、地奏人に判定で敗れるも好試合を展開。プロ10戦目となった10月の試合ではNJKFの坂本直樹に判定で敗れた。
オリベイラはブラジル出身で、長く新日本キックのリングに上がる“新日本キックの鉄人”。2016年12月には日本ライト級王座に挑戦、2019年8月には現K-1ライト級王者の与座優貴とも対戦している。
1R、序盤はジャブとワンツーで前へ出るアグレッシブさを見せていたオリベイラだが、木下が右ローを蹴り始めると前進がストップ。慎重になり、そこへ木下が右ストレートを打ち込んでいく。
2R、オリベイラは右でボディを叩き、木下のミドルをキャッチして転倒させる。木下は右を狙って前へ出て行くが手数が少ない。
3R、両者とも手数が少ない中、木下は右カーフを蹴っていく。オリベイラは右でボディを狙い撃ち。さらに意表を突いた左ハイをかすめた。
4Rも右カーフを蹴っていく木下にオリベイラが嫌がる素振りを見せる。オリベイラは胴に組み付くとバックを奪うような動きを多用し、レフェリーから注意を受ける。
5R、右ミドルからワンツーで前へ出るオリベイラだが、胴に組み付いてバックを奪う動きが多い。木下は右を思い切り放つが空振り。レフェリーから「タイトルマッチだぞ?」と奮起を促される両者だが、手数が少ないのは変わらない。その中でも前に出て攻撃していくのはオリベイラ。
判定3-0で46歳のオリベイラが執念の初王座獲得。マイクを持つと「凄い強かったです。チャンスと思って毎日練習頑張りました。凄い嬉しいです。頑張ります」と流暢な日本語で挨拶した。
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▼第10試合 69kg契約 3分3R△佐藤界聖(PCK連闘会/聖域統一ウェルター級王者)ドロー 判定0-1 ※28-28×2、29-28△大谷真弘(BRAVE FIGHT CLUB)※佐藤は1.3kgオーバーで減点2&グローブハンディ。
1R、佐藤は大谷の前足にカーフキックを狙い撃ち。早くもサウスポーにスイッチする大谷はその佐藤のロー&カーフキックに右の強打を狙い撃ち。左右の連打をまとめる場面もあった大谷だが、佐藤のカーフで転倒する場面も。
2R、右ロー&カーフを蹴らせて左右フックを狙う大谷だが、脚のダメージが気になるか佐藤の右ストレートももらってしまう。上下に攻撃を散らす佐藤に大谷は左右フックで前へ出るが佐藤は下がってパンチを交わす。
3R、佐藤は右カーフを蹴り続け、左ミドル連打と右フックもヒットさせる。動き続け、蹴り続ける佐藤に大谷はなかなかパンチをヒットさせることが出来ず、時折左右フックを繰り出すも有効打にはならず、佐藤の左ミドルや右カーフを蹴られる。
試合内容では圧倒した佐藤だが、減点が響きドローとなった。
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▼第9試合 78kg契約 3分3R○マルコ(伊原道場本部)判定3-0 ※30-25×3×雄也(新興ムエタイジム)
1R、マルコのジャブからの強い右ローで足が流れる雄也。インローで対抗する雄也だが身長で優るマルコに後退していく。
2Rは雄也が右ストレートで前へ出て行ったが、すぐにマルコの圧に下がるように。マルコは右ローを蹴りつつ、声を上げながら左右の連打を叩き込む。ロープ際まで追い込まれる雄也はこの左右連打を浴びてしまう。
3Rが始まると同時にラッシュをかけたマルコが左右の連打でダウンを奪う。立ち上がった雄也はワンツーとヒザで猛反撃に出るが、コーナーで連打からのヒザを頭部にもらって2度目のダウン。その後は倒そうと右ストレートを放って前へ出るマルコに雄也も右で反撃。雄也が粘って試合終了となり、マルコの勝利となった。
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▼第8試合 ミネルヴァ公式戦 女子48.5kg契約 2分3R○Nao(AXGYM/ミネルヴァ アトム級王者)判定2-0 ※30-29×2、29-29×RUI JANJIRA(ジャンジラムジム)
1R、右ローの蹴り合いからスタート。Naoは距離が詰まるとパンチのコンビネーションを繰り出すも距離が合わないか空振り。Naoが前へ出てくるところへジャブを合わせるRUI。
2R、Naoはジャブとフェイントだけでなく、右ストレートもけん制で使う。組むと得意のヒザ蹴りを次々と突き刺す。RUIはNaoの右ストレートに右フックを返すが、手数が少ない。
3R、頭を振りながら右ストレートを放つNaoだが、RUIの右フックを連続して被弾する。ミドルキック、ヒザ蹴りと豊富な運動量で攻め込むNaoに右フックで対抗するRUI。最後は焦りからか雑な動きとなったNaoだが、判定2-0で無敗記録を更新した。
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▼第7試合 51.8kg契約 3分2R×渡邊匠成(伊原道場本部)判定0-3 ※19-20×2、18-20○大久保貴広(京都野口ジム/NJKF)
1R、サウスポーから蹴りを繰り出す大久保に渡邊が右を当てていったが、終盤になると大久保が左ミドルと左ストレートで逆襲に転じる。
2R、パンチで前へ出ようとする渡邊だが、大久保の徹底した組みヒザに削られていく。パンチを出すとすぐに組まれてヒザを蹴られる。大久保もブレイクされないようにヒザを蹴り続け、判定3-0で大久保が勝利した。
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▼第6試合 ウェルター級 3分2R×宇野澤京佑(伊原道場本部)TKO 2R 2分35秒 ※ヒザからの右ミドル○崚登(新興ムエタイジム)
1R、ワンツーで前に出る宇野澤に崚登は徹底した首相撲からのヒザ蹴り。そして左ミドルとボディ攻めで優勢。右フックでダウンを奪う。宇野澤は左右フックで必死の抵抗を見せるも、ボディのダメージは隠せない。
2R、ヒザ蹴りと左右ミドルだけでなく、右ストレートも浴びせる崚登。宇野澤は下がりながら必死にワンツー、左ミドルを出すが崚登の勢いは止まらず。ボディへヒザを突き刺し、宇野澤が腹を抑えたところで右ミドルを蹴って2度目のダウンを奪い、カウントが数えられたがレフェリーが試合をストップした。
[nextpage]▼第5試合 アマチュア 女子37kg契約 2分2R ※首相撲あり、顔面ヒザ蹴りなし、ヒジなし○西田永愛(伊原道場越谷)判定2-0 ※20-19×2、19-19×渡邊梨央(MtF MUGEN GYM)
1R、西田は組みになるとサバ折りの形で渡邊を何度も倒す。渡邊は首相撲で回そうとするが西田は崩れない。渡邊のハイキックをしゃがんで見事にかわす西田。
2R、ワンツーから組み付く西田だが、後ろ蹴りも繰り出す。渡邊は出会い頭の蹴りを出すが、そこへ西田が右フックを放ち、判定2-0で西田が勝利を収めた。
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▼第4試合 ミネルヴァ公式戦 女子49kg契約 2分3R○佐藤“魔王”応紀(PCK連闘会/ミネルヴァ ライトフライ級2位)TKO 2R 1分14秒 ※3ノックダウン×紗耶香(BLOOM/ミネルヴァ ライトフライ級3位)
1R、佐藤は紗耶香のテーピングしている右足へ左右ロー。紗耶香はその右足を上げながら入ろうとするが、そこを右フックで迎え撃たれダウンを喫する。その後は佐藤の首相撲に転倒させられまくる紗耶香。
2Rも容赦なく紗耶香が右足を蹴っていく佐藤。右ローからの→ストレートでダウンを奪うと、首相撲で転がし、最後は右ローで紗耶香がダウン。もう試合続行不可能と見たレフェリーがストップした。
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▼第3試合 ミネルヴァ公式戦 女子49kg契約 2分3R△ナディア・ブロン・バビルス(アルゼンチン/伊原道場アルゼンチン支部/アルゼンチン極真空手王者)ドロー 判定1-1 ※30-29、29-30、29-29△Yuka★(SHINE沖縄/ミネルヴァ ライトフライ級王者)
1R、Yuka★はジャブをしっかり突いてワンツーにつなげる。バビルスはパンチを出しながら前に出ていくがそこをYuka★がジャブで迎え撃つ。Yuka★の強い右もヒットする。
2R、バビルスの前進をジャブで迎え撃つYuka★だが、バビルスは構わず前進。その突進をジャブで止められないYuka★は前蹴りを使う。ジャブで前に出るバビルスのパンチが当たり始め、Yuka★は後退。
3R、互いにワンツーで前へ出るため組みの展開が多い。組み合いでヒザを蹴る両者だがもつれてブレイク。両者とも決定打を与えることが出来ず試合終了。三者三様の引き分けとなった。
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▼第2試合 アマチュア 45kg契約 2分2R ※首相撲あり、顔面ヒザ蹴りなし、ヒジなし×西田蓮斗(伊原道場越谷)判定0-2 ※19-20×2、19-19○龍翔(TRASH)
出会い頭に右ストレート、右ミドルを蹴る西田に龍翔は徹底した組み。組んでのヒザに持ち込む龍翔が判定2-0で勝利した。
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▼第1試合 アマチュア 31kg契約 2分2R ※首相撲あり、顔面ヒザ蹴りなし、ヒジなし○武田竜之介(伊原道場越谷)判定3-0 20-19×2、20-18×米田賢吾(VALLELY)
出会い頭に綺麗な右ストレートを当て、首相撲にも長けていた武田が判定勝ち。