僕は人生の中でもかなり早い時期から総合格闘家だったと言える
──タイソン・ペドロ選手、今回のペトリーノとの試合に向けて、どんなファイトキャンプを行ってきましたか。
「4週間、ニュージーランドのシティ・キックボクシングに行き、ファイトキャンプを終えた。4週といってもまあ、ここ6、7試合のキャンプは全部そこでトレーニングしていて、拠点なんだ。ヴォルカノフスキーは僕の故郷に近いオーストラリアのウーロンゴンで練習しているから、ホームタウンのシドニーにいるときはヴォルカノフスキーのところへ行って一緒に練習するし、ニュージーランドにいるときはいつもイスラエル(・アデサニヤ)と練習しているんだ」
──豪州とニュージーランドの両方に練習拠点があるのですね。ところでペドロ選手は、父ジョンさんの影響もあり、武術がバックボーンにあるのですか。
「自分は最初はブラジリアン柔術から始めて、それから拳法空手や柔術、そのあといったんボクシングへ行って、またブラジリアン柔術をやってからMMAに転向したんだ」
──古流柔術とブラジリアン柔術の両方の黒帯だと思いますが、その二つの違いとは?
「伝統的な柔術には武器の使用が前提として含まれていて、相手を傷つけ、殺すことを目的としているんだけれど、ブラジリアン柔術のほうは、より穏やかな武術、というべきかな、つまりセルフ・ディフェンスに重きが置かれている。小柄でも大柄な相手を倒せるような、そういうものだと感じている」
──なるほど。護身と殺傷で目的が異なると。
「そのおかげで、僕は人生の中でもかなり早い時期から総合格闘家だったといえるよ。立ち技と寝技とを取り入れていたからね」
タイソン・ペドロとミノル・タバレス・ツチダと父ジョン・ペドロ。(C)john pedro
──あなたがファイターになりたいと望んだときの父親のテストはハードでした。それでもなぜMMAを続けたいと思ったのでしょうか。
「いつも戦って育ってきたんだ、だから戦うことは、僕にとって日常会話をするよりもずっと“普通”のこと。一般的にノーマルなことほうが自分にとっては難しいんだよ。自分にとって、オクタゴンの中にいるときが、一番平穏な状態なんだ。そこに入ることで、外野の喧しい問題から解放され、ただただ自由を得られる」
──幼い頃から周りにもファイターがずっといる環境だった?
「そう。ずっと戦い漬けの人生だ。だいたい、格闘技を始めた4歳くらいから、ずっと。だから28年くらいの格闘技人生だ」
──そんなファイター人生で大きな怪我がありましたが、ヒザの故障を経て現在は万全でしょうか。
「完璧だよ。あの試合以来、テストしてきた。スパーリングでも最大限の力を発揮して、足への蹴りにも耐えられたし。だからもう大丈夫」