RISE 1762024年2月23日(金)東京・後楽園ホール※ABEMAでLIVE配信
▼メインイベント(第13試合)Super Fight! -52kg契約 3分3R延長1R○数島大陸(及川道場/第2代RISEフライ級王者)延長R 判定3-0 ※10-8×3×クンスック・ペッティンディーアカデミー(ペッティンディーアカデミー/True 4u 115P 3位)※本戦の判定は30-29、29-29、30-30。
数島は2020年9月にプロデビューすると軽量級でも倒す選手として注目され、2021年7月大会にはラジャダムナン王者の竜哉・エイワスポーツジムと対戦しドローとなったもののダウンを奪い一躍名を挙げた。2022年4月から開幕したフライ級王座決定トーナメントでは準決勝で当時無敗の塚本望夢とダウンの応酬の末の判定勝ちで決勝進出を決めたが、10月の決勝戦で初代スーパーフライ級王者の田丸辰に敗れて王座戴冠を逃した。2023年10月に第2代王座決定戦を松本天志と争い、判定勝ちで王座に。戦績は11勝(6KO)2敗2分。
クンスックは昨年12月大会でRISEと対抗戦を行った(RISEの3戦全勝)タイの最大手プロモーションであるペッティンディーが送り込む新たなる刺客。数島と同じサウスポーで、戦績は60勝27敗2分。タイの人気テレビマッチ『True 4u』の115P級で3位にランキングされている。
1R、サウスポーの数島は左インロー、クンスックは右ローを蹴って来る。数島はジャブを見せておいての左ボディストレート。右ミドルを蹴ろうとするクンスックだが、数島は素早く入り込んでボディを打つ。数島はクンスックの蹴りを受けるとすぐに左右ボディを叩いていく。数島が蹴ると左ミドルを返していくクンスック。
2R、数島は左ミドルからの左ストレート、クンスックは右ミドル。クンスックの右ローには数島がすぐに右ローを返す。ロープ伝いに動きつつ、右ミドルを蹴るクンスックに数島は左右ボディ、左ローと返していく。クンスックは数島が接近するとヒザ。数島はクンスックの右ローに右フックを返す。
3R、数島はクンスックの右ローに左を合わせに行く。数島のワンツーにはクンスックがヒザ。数島がワンツーから右ロー、クンスックも右ローとヒザを返す。お互いにヒットを奪っても後が続かない展開。ワンツーの連打で前に出ようとする数島が左をヒットさせるが、クンスックはホールディング。これに警告が与えられる。数島は最後も前へ出て行ったが、有効打を奪うことは出来なかった。
判定はジャッジ1名が数島を支持するもドロー。延長戦になるとクンスックが組み付いてのヒザを多用、数島の左ストレートには右ミドルを合わせる。さらに右ローで数島のバランスを崩す。クンスックにロープを背負わせて連打を見舞う数島、クンスックはまたもホールディングでイエローカード(減点1)。その後もワンツーの連打で前へ出る数島だが、ホールディングされてしまう。最後は数島が左フックを2発叩き込んで終了。
数島が延長戦でクンスックを振り切り、判定勝ちをものにした。数島はマイクを持つと「全然ダメでしたけれど、RISE王者として強いところを見せたかったけれど、まだまだだと思うので、一からやり直します。僕はRISE王者としてもっと強くなって強さだけで上に行きます」と話し、「キックボクサーは泣かないぜ」の決めセリフで大会を締めた。 試合後、数島は「攻防がクリンチで切られてしまう。そこは対策をしてきたんですが、そこは上手さを感じました。練習と実戦の違いを感じましたね。延長はポイントを取ることを意識してやりました。でも全然ダメなので一から出直してきます」と試合を振り返り、塚本の挑戦宣言には「試合は見てなくて。ランカーの選手は誰が王者でもおかしくないので、組まれたらいつでもやります。日本人で最強も目指していますし、どっちが強いんだろうって相手がいればやります」と、いつでも挑戦を受けると語った。
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▼セミファイナル(第12試合)フェザー級(-57.5kg)3分3R延長1R×梅井泰成(Mouton/同級2位)判定0-2 ※29-30、29-29、28-30○安本晴翔(橋本道場/同級4位、WBCムエタイ日本統一フェザー級王者)
梅井は4歳の頃より始めた空手、中学一年から始めた柔道、そして高校ではレスリングと、様々な格闘技経験を持つ。柔道では全国中学柔道大会に出場し、レスリングでは近畿大会で3位入賞。19歳でキックボクサーを志し、2019年10月にはRIZINで植山征紀と対戦(判定負け)。その後、TEPPENに移籍して4連勝を飾ると、2022年3月に平野凌我との王座決定戦を制して第4代王座に就いた。しかし、8月の初防衛戦で門口佳佑に敗れて王座を失い、2023年2月には魁斗に判定負けと連敗。10月の再起戦は1Rが始まってすぐにローブローで試合続行不可能となり、無効試合となった。戦績は13勝(3KO)8敗1無効試合。
安本は少年時代からアマチュアで150戦以上を経験し、24冠王に輝くなど活躍。2016年6月に16歳でプロデビューを果たすと、6戦目でREBELS-MUAYTHAIスーパーフライ級王座、2018年12月にはINNOVATIONスーパーバンタム級王座、2019年2月にシュートボクシングのリングで迎えた14戦目で初黒星を喫したが、6月にKNOCK OUT-REDフェザー級王座、2021年9月にWBCムエタイ日本統一フェザー級王座も獲得。2022年7月からはRISEに参戦し、12月にSBとの対抗戦で川上叶に敗れるも2023年3月のK-1との対抗戦では斗麗に勝利。8月にSBの魁斗に敗れ、11月の再起戦では澤谷大樹を判定で破った。戦績は29勝(15KO)3敗2分1無効試合。
1R、サウスポーの梅井が放つ左の蹴りをかわし、右ローを蹴る安本。接近して左を打つ梅井に安本は右を返す。ローの蹴り合いで安本の右インローがローブローとなって一時中断。梅井はパンチを見せながら右カーフと左ローを蹴っていき、安本は三日月蹴り。梅井がパンチで打ち合いに来ると左フック、右ストレートで応戦する。
2R、踏み込んでの右ストレート、梅井のパンチをかわしての左フックを当てる安本。しかし、またも安本のローがローブローに。再開後、梅井はダブルレッグからのテイクダウンを見せるがこれはもちろん反則。立ち上がると安本が右ミドル、左フック、右ストレートでヒットを奪う。攻めの姿勢を貫く梅井だが、安本の一撃が強い。
3R、ワンツーの打ち合いの中、梅井が前へ出てくると左フックを合わせる安本。梅井はガムシャラに打ち合いを挑んでくる。梅井の左フックを被弾するもすかさずヒザを突き刺す。離れると右ミドル。そして前へ来るところへ左フック、ヒザ。梅井は果敢に打ち合いに行き左ミドルも蹴る。ガムシャラな打ち合いも挑むが安本は口を大きく開けて笑みを浮かべ、ワンツーで打ち合う。
判定は2-0で安本が勝利。マイクを持つと「梅井選手めちゃめちゃ強かったです。もうタイトルマッチやりたいので、門口選手とやらせてください」と、いつも通り口数の少ないアピールで締めくくった。
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▼第11試合 スーパーフライ級(-53kg)3分3R延長1R○長谷川海翔(誠剛館/同級3位、第4代DEEP☆KICK-53kg王者)KO 3R 2分31秒×サンチャイ・TEPPENGYM(TEAM TEPPEN/元ラジャダムナンスタジアムミニマム級王者)
長谷川は2021年4月にDEEP☆KICKでプロデビューを果たすと破竹の勢いでKO勝利を連発。2022年3月より行われたDEEP☆KICK-53kg王座決定トーナメントを制して王者となった。6月にはKO勝ちで初防衛に成功すると、2022年10月からRISEに参戦。2023年7月のRISEでは翼を初回KOに破り、11月の「RISE NEW WARRIORS スーパーフライ級トーナメント」でHIROYUKIを飛びヒザ蹴りでKOする番狂わせ。決勝では政所仁にプロ初黒星を喫するもインパクトを残した。戦績は11勝(10KO)1敗1無効試合。
サンチャイは元ラジャダムナンスタジアム認定ミニフライ級王者。TEPPEN GYMでトレーナーを務めつつ、大﨑一貴、大崎孔稀、石井一成、白幡裕星ら日本の軽量級トップ選手と対戦してきた。2023年11月、KNOCK OUTでKNOCK OUT-REDバンタム級王者・乙津陸とオープンフィンガーグローブマッチで対戦し、判定3-0で勝利している。戦績は222勝(89KO)68敗3分。
1R、サウスポーの長谷川はジャブ、左ストレート、左ミドル。サンチャイは1Rは見ていくか、右のカウンター待ち。長谷川のパンチをかわしての右ストレートも打つ。長谷川は左ハイを空振りするとそのまま回転してのバックハンドブロー。一気にラッシュをかける長谷川。サンチャイはホールディングで時間を稼ぐ。サンチャイは右ミドルを蹴り、返しの長谷川のパンチを左へ動いてかわそうとするが、それを呼んでいる長谷川は右ヒザを突き上げる。
2R、長谷川は左ボディストレート、右ジャブでボディを攻める。右フック、左フックと打ち込む長谷川にサンチャイは左ハイ。右ストレートで前へ突っ込んでくるサンチャイには左フックを合わせる。コーナーを背にしたサンチャイに攻め込む長谷川だが、サンチャイは前蹴りを多用して入らせない。長谷川が左ハイをヒットさせると、サンチャイは疲労の色を見せてディフェンス一辺倒に。
3R、サンチャイの右ローに左ストレートを伸ばしてヒットを奪うと、左カーフを蹴り、さらにヒザと攻め込む長谷川だが、サンチャイのホールディングに捕まる。ここでサンチャイに警告。長谷川のジャブに思い切り右ストレートを連発してくるサンチャイ。左ストレート2連発でサンチャイを仰け反らせる長谷川。サンチャイの右ローに左ストレートを命中させてダウンを奪うと、左ローからの左ストレート、右ヒザ、そして連打でサンチャイを仕留めた。
長谷川はマイクを持つと「僕の前に望夢がアツい試合をしてつなげてくれたので絶対に盛り上げないといかんと思ったんですけれど、KOしたけれど内容がダメになっちゃって。これでは(政所)仁くんにリベンジ出来ないのでもっと頑張ります。RISEの大きな大会にまだ出たことないので、大阪で花田選手と池田選手の勝者とやらせていただけると嬉しいです」とアピールした。
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▼第10試合 フライ級(-51.5kg)3分3R延長1R○塚本望夢(team Bonds/同級1位、初代DEEP☆KICK-51kg王者)判定3-0 ※29-28、30-28、30-27×JIN(楠誠会館/MA日本バンタム級王者、ジャパンカップバンタム級(53kg)王者)
塚本はジュニアキック出身で、2020年12月には那須川天心の弟・龍心と対戦して勝利を収めている。2021年7月のDEEP☆KICKでプロデビューし、11月から行われたDEEP☆KICK -51kg初代王座決定トーナメントで初代王座に就いた。2022年4月の「RISE初代フライ級王座決定トーナメント」では1回戦で数島大陸とダウンの奪い合いの末に判定負けで初黒星。2023年2月の「RISE NEW WARRIORSフライ級トーナメント」では決勝へ進出するも松本天志にTKO負け。7月の大阪大会では山川敏弘を右バックブローでリングに沈め再起を果たした。10月には酒井柚樹に判定勝ち。戦績は10勝(3KO)3敗。
JINは元ICOライト級王者の元氣が代表を務める楠誠会館所属の17歳で、DEEP☆KICKなど関西を中心に活躍中。昨年11月にジャパンカップバンタム級王座、今年7月23日にはMA日本バンタム級王座を獲得した二冠王。2023年8月にRISE初参戦を果たしたが那須川龍心に判定3-0で敗れた。
両者リング中央で額を押し付け合ってバチバチのフェイスオフ。1R、塚本は右カーフを狙い撃ち、JINがローを蹴り返してくると塚本はすかさず右ストレートを合わせに行く。左ボディから右ハイの塚本、すぐに右カーフも蹴る。左フックから右ハイ、左ボディから右ハイとつなげる塚本。サウスポーにスイッチすると左ミドルを連発し、左ボディからの左フック。
JINも右ストレートを当てるが、塚本の左ボディからの右フック、左フックからの右フックを連続被弾してダウン。立ち上がると打ち合いに行くJINに塚本が左ボディからの右フック、JINも強気に右ストレートを返すと、塚本は後ろ廻し蹴りを見せた。
2R、塚本は右カーフ、左ボディ、バックハンドブロー、後ろ蹴りと繰り出し、足を止めての打ち合いもする。JINも右ストレートを当てに行き、塚本のパンチをもらうと“効いてないよ”との素振りを見せる。ワンツー、左ボディからの右フックを繰り出した塚本のハイキックをかわしたJINは手を上げてアピール。これに塚本も対抗してノーガードでステップを踏み、リングを回り込む。
両者とも観客を煽って3Rがスタート。JINが右カーフ。塚本はロープを背にして足踏みする謎の動き。JINが打ち合いに行き、右ストレート、左フックをヒットさせると塚本はステップを使って回り込む。JINのパンチをブロックして左右フックを打ち返す塚本。ジャブとステップで完全に流しにかかった塚本だが、最後は足を止めてJINと打ち合って場内を沸かせた。
判定は3-0でダウンを奪った塚本の勝利となった。 塚本はマイクを持つと「ちょっと倒そうとしすぎて気持ち入っちゃって倒せなかったんですけれど、フライ級の試合で全く盛り上がってないので次、大阪でタイトルマッチお願いします。メインの数島選手、アンサーを期待しています」とタイトル挑戦をアピールした。
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▼第9試合 フライ級(-51.5kg)3分3R延長1R○末國龍汰(フリー/同級3位)延長R 判定3-0 ※10-9×3×麗也(team AKATSUKI/元ISKAインターコンチネンタルフライ級王者、第7代新日本キックボクシング協会フライ級王者)※本戦の判定は30-29、29-29×2。
1R、麗也はヒザ蹴り、サウスポーの末國は左ローと右フック。両者探り合いのような展開が続き、手数は少な目。
2R、ワンツーの麗也に左ロー、左ミドルを蹴って前へ出る末國。1Rとは打って変わって両者手数を出す。前へ出るのは末國だが、距離が詰まるとパンチを回転させるのは麗也だ。末國は左フックからの右ストレート、麗也は左右ボディを打つ。両者ともきびきびと動いて手数も出るが、有効打は少ない。
3R、左へ回り込もうとする麗也だが、サウスポーの末國はそうはさせない。右ローを蹴る麗也に末國は左ミドル、左ロー。前へ出てのワンツー・左フックで末國が攻勢に出るが、麗也の右ローを奥足にもらう。麗也はその奥足に狙いを絞ったか、末國が攻めて来るところを右ローで迎え撃つ。その右ローに足を上げる末國。それでも前へ出て細かくパンチを打ち、左ミドルを蹴る。
ジャッジ1名が前へ出た末國を指示したが2名はドロー、延長戦へ。ここでも前へ出るのは末國でギアをさらに上げたかのようにパンチの連打と蹴りのコンビネーション。麗也はブロックを固めて右ローを蹴る。麗也がノーガードでカモンゼスチャーすると、そこで末國のワンツーがクリーンヒット。前へ出て右ローを蹴る麗也だが、末國が右へ回り込みながらパンチをまとめる。終盤は麗也の右をかわして、左ストレートをリターンしてヒットを奪う末國。同じパターンが何度も見られ、末國が判定3-0で勝利した。
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▼第8試合 ライト級(-63kg)3分3R延長1R○伊藤澄哉(戦ジム/同級2位)KO 2R 2分39秒 ※右ストレート×足利也真登(Fight Club Rush./第5代DEEP☆KICK63kg級王者、初代S-1ミドル級王者)
1R、伊藤は右ストレートで前へ出ていき、右カーフを蹴る。足利はそれを左右ストレートで迎え撃つが伊藤はブロックを固めて前へ。ブロックを固めてしっかりガードしてから右ストレート、右ローを蹴る伊藤。足利の右もヒットするが、左ミドルに伊藤が強烈な右ストレートを合わせて足利は大きくグラつき、伊藤の追撃でスタンディングダウンに。
2Rもブロックを固めて前へ出る伊藤が狙いすました右ストレートをヒットさせていき、右ローも蹴る。足利は左右ストレートを連打するが、打ち終わりに伊東が右ストレート。ロープを背負った足利を右ストレートで仰け反らせ、さらに右を当てていく伊藤。右ストレートでロープまで吹っ飛んだ足利にもう一度右ストレートを打ち込んでダウンを奪う。
立ち上がった足利に、すぐに詰めた伊藤が狙いすました右ストレート。足利がバッタリと倒れ、伊藤の鮮やかなKO勝ちとなった。
伊藤はマイクを持つと「中村寛選手にここでやられてから格闘技辞めようかと考えた時期があって、いま思うと辞めないで真面目に頑張って結果出せてよかったと心から思っています。大阪、無傷なのでOFGで誰かと組んでくれないですか。検討お願いします。決まったら応援してください」と、大阪大会への参戦をアピールした。
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▼第7試合 スーパーライト級(-65kg)3分3R延長1R○麻火佑太郎(PHOENIX/同級3位)判定3-0 ※30-28、30-27×2×野村太一(K’Bスポーツジム)
麻火は元TENKAICHI Gライト級王者。K-1甲子園-60kgベスト4、KAMINARIMON×新空手最強決定戦-63kg優勝、全日本格斗打撃選手権大会優勝などの実績を持つ。KNOCK OUTとREBELSでキャリアを積み、2022年2月のRISEではチャッピー吉沼から勝利。5月には木村“ケルベロス”颯太に判定で敗れたが、12月に北井智大から殊勲の勝利を収めた。2023年5月、KNOCK OUTなど他団体で活躍してきたマサ佐藤をヒザ蹴りで初回KOに破ると、8月にはKENTAにも判定勝ちで3連勝を絶好調。戦績は13勝(2KO)8敗。
野村はRISE初参戦。2020年11月のプロデビュー戦から5連勝をマークしていたが、6戦目で山際和希にプロ初敗北。11月には再び山際と対戦するも惜しくも敗戦。しかしここで善戦したことが評価され、2023年4月にBigbangウェルター級王座決定戦に抜擢をされるも1Rにダウンを奪われ判定負け。その後は2連勝を飾っており、いきなりランキング3位の麻火に挑む。
1R、サウスポーの麻火は左ミドル、左ロー、そして前蹴りで前へ出ていく。どんどん蹴る麻火に野村は右インローを返すがこれはローブローに。再開後、麻火は左ストレートからワンキャッチのヒザ蹴り。野村の右フックは頭を左へスライドさせてかわす。さらに前足へ左右カーフも。麻火が蹴りで攻めまくってラウンドを終えた。
2Rも蹴りまくり、野村のパンチを左へスライドしてかわす麻火。野村の攻撃が空を切る場面が目立つ。左ミドルで主導権を握る麻火が前へ出て野村の攻撃はしっかりかわす。しかし、麻火もそれほど攻撃が出ていない。
3R、ジャブを当て、横蹴りで距離をとる麻火。野村が近寄るとワンキャッチからのヒザ蹴り。野村のパンチをウィービングでかわし、自分の攻撃を当てる麻火。左ストレート、ジャブ、野村のパンチをかわしてのヒザ。
相手の攻撃をほとんどもらわず、自分の攻撃を当てる目の良さを発揮した麻火の完封勝利となった。
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▼第6試合 アトム級(-46kg)3分3R延長1R×百花(魁塾/同級3位)判定0-3 ※27-30×2、26-30○小林穂夏(NEXT LEVEL渋谷/JAPAN CUP 2022 女子-50kgトーナメント準優勝)
百花は40戦を超えるキャリアを持つベテランで、現在もアトム級のトップ戦線に君臨。2021年9月と11月にはRIZINに出場し、ぱんちゃん璃奈には判定負けも未來に判定勝ち。2022年は2月に宮﨑小雪、6月は平岡琴に敗れて終えたが、2023年2月に初代KROSS×OVER KICK女子-45kg王者・松本徐倫、8月に小川紗南を破ってベテラン健在ぶりを示した。戦績は23勝(1KO)20敗3分。
期待のホープである小林は、幼い頃から空手とキックボクシングを学び、高校・大学時代はボクシング部に所属。高校生の時には「第17回全日本女子ボクシング選手権ジュニア(高校生)の部ピン級」(2018年)で準優勝、全日本女子ジュニアランキングでも1位にランキングされていたアマチュアボクシングの強豪選手。グローブ空手のJAPAN CUP 2022 女子-50kgトーナメントでも準優勝している。
2022年10月の『RISE 162』でプロデビュー戦を行い、3戦目では同じく女子ホープとして期待されている西原朱花との無敗対決に挑み、判定勝ちでライバルよりも一歩先へ。2023年8月の4戦目ではキャリアのある坂田実優と初の引き分け。11月のFIGHT CLUBで初のOFGマッチに挑むも平岡琴に判定負けで初黒星を付けられた。
1R、小林は左インローから右フック、百花はワンツーを見せる。サウスポーの小林は右回り、百花も右回りだが小林よりも速く動くようにしているようだ。百花は右インロー、小林は右フックを打つ。
2R、右フックを攻撃の起点とする小林は左ミドル、顔面前蹴り。百花はジャブを突く小林に右ストレート。小林は横蹴り、右フックをヒットさせるが互いに空振りが目立つ。百花は左フックを振ってこのラウンドを終える。
3R、百花が勝負をかけてワンツー、右ミドルで前へ出ていく。左ロー、左前蹴りの小林に百花が右ストレートを当てに行く。小林はバックハンドブローで反撃。勢いで前に出る百花に前蹴りと右フックを見舞う小林。右ストレートからの左フックがヒットし、それでも前へ出ようとして左フックを振りかぶった百花へカウンターの左ストレートが直撃。小林がダウンを奪う。ダウンを取り戻そうと打ち合いに行く百花だが、小林もしっかり打ち返して試合終了。
声を上げ、ジャンプして大喜びする小林。アトム級上位の一角を崩した。
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▼第5試合 バンタム級(-55kg)3分3R延長1R○伊東龍也(HAYATO GYM/同級13位、Stand up King of Rookie 2022 -55kg級優勝)TKO 3R 1分22秒 ※ドクターストップ×松永 隆(新宿レフティージム)
1R、両者サウスポー。伊東はワンツーでグラつかせると松永をロープに詰め、一度下がるとボディへヒザを突き刺す。
2R、左右連打をまとめてヒザを突き上げる伊東。松永は前へ出て右ローや右ミドルを蹴るが、伊東が手数は少ないながらも強く打ってインパクトを残す。伊東の右フックが頭部をかすめると松永が腰を落としかける。左目上から激しく流血もする松永に伊東がラッシュを仕掛けて追い込む。松永にドクターチェック。
3R、右で蹴っていく松永に伊東は余裕を感じさせる試合運びで、打ち合いになると左ストレートをヒットさせる。松永に2度目のドクターチェック。ここでストップがかかり、伊東のTKO勝ちとなった。
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▼第4試合 フェザー級(-57.5kg)3分3R×翔磨(TEAM-ANOTHER/第6代DEEP☆KICK-55kg王者、HOOST CUP日本バンタム級王者)判定0-2 ※29-29、28-29、29-30○竹内賢一(Ten Clover Gym/第4代Bigbangフェザー級王者)
翔磨は9勝(2KO)4敗1分、竹内は29勝13敗2分のベテラン。
1R、サウスポーの翔磨に竹内は右ミドル、翔磨は左ミドルを蹴る。左ハイも時折狙う竹内は、翔磨のパンチをかわしての右ストレート。
2R、右の蹴りからワンツーを繰り出す竹内に、翔磨はロープを背にしながらも左インロー。翔磨に左ミドルで右腕を蹴られた竹内は右腕を振る。竹内は右ミドルを蹴っていくが、左スネが割れて出血が見られるためドクターチェック。再開後、パンチを打ちに行く翔磨だが竹内はよく見てかわす。
3Rになると翔磨はその左スネを狙うように蹴っていく。翔磨の左三日月のダブルには竹内が右ストレート。翔磨が左ミドルを当てる場面が目立ち、竹内はヒザで対抗。最後は両者打ち合いに行くが共に決定打はなく、互いに当て合って試合を終えた。
判定は2-0で竹内の勝利となった。
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▼第3試合 ウェルター級(-67.5kg)3分3R延長1R○野口紘志(橋本プレボ/同級7位、Stand Up King of Rookie 2023 -67.5kg級優勝)TKO 3R 0分40秒 ※レフェリーストップ×中村 龍(フリー)
中村は2023年8月にデビューして1勝(1KO)、野口は5勝(4KO)3敗。
1R、開始から左右フックを当てようと前に出るサウスポーの中村は圧をかけていく。野口はよく見て右フック、離れると右ミドルを蹴る。中村は何度もハイキックを繰り出すがこれは空振り。
2Rも前に出る中村だが、野口の左フックがヒット。すかさず左右フックでラッシュをかけ、左ミドルから左ボディを叩く。中村は左のパンチがよく見えないか、左をもらう場面が多くそこから野口がパンチをまとめてスタンディングダウンを奪う。続けて右アッパーからの連打で中村をロープへ釘付けにする野口はヒザを顔面に叩き込み2度目のスタンディングダウン。野口がとどめを刺しに行くと中村はロープを背にしながらもフックを思い切り振り回して抵抗した。
3R、右ボディを当てて左右フックでラッシュをかける野口に中村は防戦一方。野口の左フックで中村がグラついたところでレフェリーがストップ。キャリアの差を見せつける形で野口のTKO勝ちとなった。
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▼第2試合 フライ級(-51.5kg)3分3R×ブラックシーサー颯太朗(TEAM TEPPEN/同級6位)判定0-3 ※29-30×2、28-29○弾丸風太(TEAM KAZE)
1R、颯太朗は序盤から左右ボディを打っていき、ハイキックも狙う。弾丸は右ローを蹴っていき、颯太朗はボディを意識させておいて右フック、右インロー。弾丸は細かくパンチを繰り出して受けには回らず、接近すると右フック&右アッパーを繰り出す。前に出て手数を出す弾丸が押し気味のペース。
2R、弾丸は左ミドルと左インローを蹴りながらパンチを繰り出して前へ出る。圧倒的な手数が出る弾丸に颯太朗はボディで対抗するが、弾丸の手数に動きが止まってしまう場面が目立つ。コンビネーションで攻撃を散らす弾丸。颯太朗も右フックを強打するが手数で押される。
3Rもしっかりパンチから蹴りにつなげる弾丸。颯太朗は右フックの大振りを狙ったが、入り込みすぎてバッティングに。再開後もパンチから蹴り、ヒザとコンビネーションで攻め込む弾丸に颯太朗は右フックと左ボディを狙い続ける。弾丸の手数の多さに受けに回る颯太朗。最後に足を止めての打ち合いを見せたが、ヒットを奪って前へ出たのは弾丸の方だった。
判定3-0で弾丸が勝利を飾った。
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▼第1試合 フェザー級(-57.5kg)3分3R○指田 烈(TEAM TEPPEN)判定3-0 ※30-29×2、30-28×野村勇人(GONG-GYM坂戸)
1R、指田がサウスポーの野村に右ボディストレートを打つと、野村はすかさずテンカオを突き刺す。伸びのある左ストレートを繰り出す野村に、指田は右ストレートからの左フックを強打。基本、待ちの姿勢で下がる野村はカウンター狙いでジャブや左ストレートを合わせ、指田のパンチはサイドに頭をずらしてかわす。
2R、カウンターの横前蹴りで指田を転倒させ、カウンターのテンカオを突き刺す野村。待ちの姿勢の野村だが、自分からは左ストレートを打つ。指田が自分の距離に入っても、野村にボディロックされ攻撃が出せない。野村は待ちの姿勢でカウンターを狙い、下がる。
3R、左ミドルと左ストレートで自分の距離を保つ野村に、指田は前へ出て右ボディストレート。左ミドルを蹴り、左ストレートを打つ野村へ指田は右を返そうとするが野村はすぐにクリンチ。前に出て打ちに行く指田だが野村はノーガードでディフェンスに集中し、試合を終えた。
3Rに前に出て攻撃を繰り出していった指田が判定3-0で勝利を収めた。